そおれ!アバダケダブラ!   作:味噌カツ伝説

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レガ主くんはブラックについて一般人程度の知識しかありません。
ポッター家周りのゴタゴタには全然関与してないので。


21:アズカバンの囚人

春が来た。

 

平和だ。

余りに平和すぎる。

 

ハグリッドの魔法動物飼育学は、そもそも魔法動物を好まない生徒も多いという前提の中では比較的良く、バックビークも元気に過ごしている。

 

また、ルーピン先生の闇の魔術に対する防衛術は面白いと評判で、──時折体調を崩してスネイプ先生に交代することは除いて──人気があった。

 

反対に、トレローニー先生の占い学は普通に評判が悪い。

この前の授業でもグレンジャーを怒らせたというウワサが流れてきた。

あの優等生を怒らせるって、一体何したんだろう。

 

ちなみにそれより圧倒的に評判が悪いのがスネイプ先生の授業。

今年は一年通して本当に機嫌が悪い。

なんならスリザリン生でも怖がるくらいには悪い。

スネイプ先生についての相談は既に20件を越えている。

これは去年の約2倍だ。

宿題が多すぎる、授業が難しすぎる、単純に先生が怖すぎる、などなど内容は多岐に渡るが、一貫して言えるのは明らかに去年よりも機嫌が悪いということだ。

 

 

しかし、そんな平和の中でもブラックが未だどこかに潜んでいるという事実は変わらない。

 

もちろん城外の暴れ柳の地下通路の先にあった館も調査したが、ブラックは見つからなかった。

しかし、あの館は長期間の潜伏にピッタリすぎる。

再調査の必要があるだろう。

 

本当は何か罠でも仕掛けてきたかったが、残念ながら生徒が来ようと思えば来れる場所にあるために断念した。

肝試しにきたら館が爆発して木っ端微塵とか嫌だろうし。

 

 

 

というわけで今日は満月の日。

再調査に行くことにした。

 

──のだが、既に暴れ柳の根元で何かあったようだ。

人数は五人か。

成人男性二人に対して固まっているのが三人。

あれ、また一人暴れ柳の穴から出てきた。

三人を守るようにして前に立った。

 

ということは六人、あっでもよく見たら一人は狼人間か。

その狼人間の近くにいる男はブラックだな。

 

……いや狼人間とシリウス・ブラックじゃん。

どうやら再調査の必要はもうなさそうだ。

 

というか狼人間と睨み合いをしている四人の先頭にいるのスネイプ先生じゃない?

しかも後ろにいるのはポッターっぽい。

あの人がこういうトラブルの渦中にいるの珍しいね。

取り敢えずあの狼人間を何とかして話を聞きたいな。

 

「インカーセラス……あぁ。」

 

ひとまず狼人間を無力化。

──しようと思ったらタイミング悪くどこかから聞こえてきた遠吠えに釣られてそちらに行ってしまった。

 

ちょっと距離がありすぎたな。

狙いは完璧だったのに。

 

と、突如飛来した縄に驚いてか皆がコチラを見る。

 

「フィグ先生!今の!ルーピン先生なんです!」

 

グレンジャーが声を張り上げる。

さっさと近づいてあげないとグレンジャーの喉が張り裂けそうだ。

 

というか今ルーピン先生って言ったか?

なら尚更捕縛しないとヤバいじゃないか。

あの人森の方行っちゃったよ。

 

あっポッターが抜け出して走ってった。

ブラックが吹っ飛んでいった方向だろうか。

 

 

 

話を大まかに聞いた後、スネイプ先生にグレンジャーとウィーズリーを任せ。

オレはルーピン先生の保護とブラックの捕縛のために森へと来ていた。

 

本当はルーピン先生を先に何とかしたかったのだが、さっきから上空で吸魂鬼が同じ方向に向かいまくっているのが気になる。

 

万が一ポッターが巻き込まれたらマズイ。

ルーピン先生にはもう少し森林浴でリフレッシュしていてもらおう。

 

 

 

吸魂鬼が向かっていたのは湖だった。

ポッターが倒れているブラックを守るようにして守護霊の呪文で吸魂鬼を追い払っていた。

が、あまりにも吸魂鬼の数が多すぎる。

 

 

……オレこの呪文苦手なんだけどなぁ。

 

 

「エクスペクトパトローナム!」

 

両手から同時に呪文を放つ。

青い二重の衝撃波の膜が吸魂鬼を追い払っていく。

 

「ポッター、無事か?」

 

「!」

 

「ブラックは冤罪だったという話だけ聞いた。今は取り敢えずここを切り抜けるぞ!」

 

「……」

 

「……あれっ?」

 

返事がないなと思ってたらポッターが気絶してしまった。

既に限界だったんだろう。

 

 

まあいいか。

だいたいは追い払えたし。

……せっかくだし実験できてなかった魔法試してみようかな。

その名も『吸魂鬼消滅呪文』。

たぶん仕組みが複雑すぎて誰も使えないけど、あって損は──

 

なんて思っていたら湖の対岸から親切な牡鹿が現れて吸魂鬼を追い払ってくれた。

 

……実験しときたかったな。

 

 

 

 

「なんであの時先生は呪文をやめたのかしら?」

 

「分からない。咄嗟に呪文を使ったけど……僕と目があった気がするよ。」

 

「じゃあ貴方が来るのが分かってたってこと?」

 

「そうかもしれない。」

 

「それにしては何だか、こう、落ち込んでたように見えたわ。」

 

 

 

 

一時はホグワーツで勾留されていたブラックだったが、どうやらポッター達の手引きで脱出したらしい。

 

ブラックが冤罪であることを証明する道もアルバスに話したが、冤罪でアズカバンに十年近く入れていたことを魔法省は認めたがらないだろうという見解だった──

 

──のでウチのペットのヒッポグリフを貸してやった。

ちなみにバックビークという選択はナシ。

授業の教材になってもらうので。

 

 

 

夏になり、ルーピン先生は辞職した。

まあ狼人間の特性には先生という職業は向いていないし、仕方がないだろう。

実際にはもっと差別的な理由が含まれていそうではあるが。

 

 

吸魂鬼、余計なことしかしなかったな……




レガ主くんは吸魂鬼との実戦は殆どしたことがないので、実験出来ていない吸魂鬼向け魔法が結構あります。
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