第三の課題。
が、始まる少し前。
「アロホモラ。」
大きな箱の鍵を開ける。
すると中身は入れ子構造になっており、箱が順に開いていく。
そうして全ての箱が開いたとき。
「やはりあなただったか、ムーディ。」
底にいたアラスター・ムーディは眩しそうに目を細め、コチラを見上げていた。
「とりあえず、細工を終えたらここを出るぞ。間に合わせの杖だがどうだ?」
「無いよりよほどマシだ、礼を言う。」
「……よし、出来た。それじゃあオレの部屋に向かうぞ。第三の課題が終わるまではそこで過ごしてくれ。」
「クラウチ・ジュニアはどうする?」
「泳がせるさ。箱は偽装したし、嫌がらせも仕込んだ。後はアイツが成りすましてまで何をしようとしているのか知るだけだ。」
「ポッターが危険な目に遭うかもしれんぞ。」
「ヴォルデモート関連ならまだ今後も何かあるだろう。それを防ぐためにも必要なことだ。」
そうして迎えた、第三の課題。
選手たちが準備をしている間、隣に座るスネイプ先生と話していた。
「ところでスネイプ先生、ムーディ先生を見ましたか?」
「おおかたポッターにまた余計な入れ知恵をしているかと。」
「それとも、腹でも下しているか。」
「……何か、知っているような口ぶりですな。」
「さあ?」
オレはあの日、ムーディ先生の部屋にある細工をした。
一つは、空っぽになった箱の偽装。
たまに揺れ、くぐもった声が聞こえるようにしておいた。
そしてもう一つは、大量のポリジュース薬の味変。
全てのポリジュース薬に以前開発した『腐れ卵呪文』をかけておいた。
これ自体は『主婦にオススメ!子育てに使える魔法100選part1』にも載せた魔法で、物体にかけるとまるで酷く腐っているように感じさせる魔法だ。
本来の用途は本にもある通り子育て用で、子供の誤飲を防ぐ目的で作った。
だから実際に腐らせる魔法ではなく、感じるだけの魔法だ。
──まあ今回は使う時にわざと失敗したから本当に全部腐っているんだけどね。
でもあの人は飲むしかないから飲んだんだろう。
可哀想に。
第三の課題が始まった。
四人の選手は皆ホグワーツの近くに設けられた巨大迷路へと入っていった。
優勝杯を取るだけだが、これだけ大きな迷路だと精神的に圧迫感があってキツイだろう。
少しして、遠くの方で花火が上がる。
誰かがリタイアした証拠だ。
なかなか終わらない。
……なあやっぱり暇じゃないかこれ──
「!!ッアルバス!『座標』が飛んだ!」
アルバスが驚いてコチラを振り向くが、話している暇はない。
返事を待たずに姿くらましする。
/
──ズレた!距離が遠すぎたか。
それともポッターに持たせた御守りの出来が悪かったか。
ポッターは、『座標』はどこだ?
あそこか、もう一回。
/
「──ダケダブラ!」
マジかよッ!
この背中は誰だ、いや誰でもいい!
「アクシオ!」
突っ立っていたディゴリーを引き寄せ、みたび姿くらまし。
/
「──ッ!間に合っ──ッッ!」
ディゴリーと一緒に誰かの手足が転がっていく。
アレはオレのだ。
あまりの痛みに意識も遠のく。
焦りすぎたのか、体が
というわけで御守りには姿くらまし用のマーキング魔法が仕込んでありました。
試験的に使っただけなので精度は微妙でしたが。