そおれ!アバダケダブラ!   作:味噌カツ伝説

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ランロクの残党狩りを終えて久しいので、ここ20年くらいのレガ主くんはちょっと平和ボケしてます。


35:神秘部

結局、アンブリッジ先生は地下牢に閉じ込めておくということで和解した。

こんなのを校長として認められないという点で意見が一致したためである。

 

地下牢に入れられてから目を覚ましたあの人はずっと何かを叫んでいたが、そこから離れればそれも次第に聞こえなくなった。

 

アルバスは今ごろ何をしているのだろうか。

流石にバカンスを楽しんでいる訳ではないだろうし、きっと分霊箱探しでもしているか。

 

 

と、気付けばポッターの『座標』も随分と遠くまで行ったものだ。

アンブリッジ先生の処遇云々で放置していたが、あの辺は多分魔法省だろう。

煙突飛行ネットワーク経由か。

まあそれが一番早いだろうが、騎士団への相談も無しに飛んだのを考えると─

 

─緊急事態……か?

もしかして遊んでる場合じゃなかった?

 

 

 

 

一方そのころ。

魔法省にある神秘部では、ハリー・ポッターの予言が入った水晶玉を巡って熾烈な争いが発生していた。

一方はルシウス・マルフォイを筆頭とした死喰い人の集団であり、もう一方はポッター率いるダンブルドア軍団の主要メンバーである。

 

遥か上に存在する天井に届きそうなほどの巨大な棚には水晶玉が数え切れないほどに収蔵されており、それらの棚が碁盤のように規則正しく並べられたこの空間では、視認性の悪さからお互いに連携も取りづらく、いつどこから敵が現れるのか分かったものではなかった。

 

そのような圧迫感のある空間での争いの最中、ある少年の放った呪文が死喰い人の頭蓋を砕き、そのまま複数人を巻き込んで丸ごと通路の先まで吹き飛ばす。

 

しかし、その少年が放った呪文はあまりにも強力であった。

衝撃によって周囲の棚はドミノ倒しのように崩れ始め、両者を巻き込んで崩壊し始める。

 

 

 

危機を逃れるために両者はその空間を脱出し、また新たなフィールドでの戦闘が始まった。

 

そこは先ほどよりも随分と狭い、中央には特徴的な石のアーチのある筒状の部屋であった。

地面は岩で覆われ、点在する岩場は身を隠すのに丁度いい大きさである。

しかし、そのような実戦に近い場所では戦闘慣れした死喰い人に利があった。

 

死喰い人は数人の犠牲を出しつつも、ハリーの仲間を人質にすることで水晶玉を手に入れる。

 

だがそこに、騎士団の大人達が助太刀に現れたのだった。

 

/

 

ポッターの『座標』に飛んできたら凄いことになっていた。

死喰い人と不死鳥の騎士団が戦っているとは。

やっぱりもっと早く来るべきだったかも。

 

取り敢えず近くのやつの首を刎ねて排除しつつ、生徒たちが致命的な怪我をしていないか見て回る。

これほどの乱戦だと死の呪いも撃てないので、目の前にいる奴から狙っていくしかない。

 

だが正直、これだけ人数に差があったら負けようがないな。

なんて、こういう油断から簡単に人は死ぬわけだが。

 

「エリエザーか!貴様今まで何をしていた!」

 

「こっちも忙しいのっと!」

 

さあさっさと燃えカスになってくれ。

まだまだ敵の増援もあるからな。

 

「ネビル、やるじゃないか!その調子だ。」

 

「先生!」

 

「だが油断は禁物だな?」

 

すぐ近くの岩場に隠れていた死喰い人を岩場ごと破砕する。

たぶん死んだはずだ。

念の為死体はバラバラにするが。

 

 

さて、これで殆どは殺したはずだ。

あとは中央でポッターとブラックのコンビが戦っている奴だけだと思うのだが、まだレストレンジの姿をオレは見ていない。

始めからこの空間に居ない可能性もあるが、敵の増援があったことも考えると居る可能性の方が高いだろう。

 

何だか嫌な感じがする。

 

「良いぞ、ジェームズ!」

 

ポッターの方は上手いこと追い詰めているみたいだな。

このまま行けば─

 

その時、オレが居る位置から対角線上、つまりは部屋の反対側の岩場からレストレンジが突如として姿を現す。

 

「アバダケダブラ!」

 

─間に合わない!

 

 

 

 

ルシウス・マルフォイを見事な連携で打ち破ったハリー・ポッターとシリウス・ブラックは、敵を倒したことで家族としての絆を感じていた─つまりは完全に油断していた。

もっと言えば、この場にいる誰もが油断をしていた。

 

「アバダケダブラ!」

 

そこに現れた、ベラトリックス・レストレンジ。

彼女の放った死の呪いは、誰にも止められなかった。

例の男の子に当たっても、一族の恥さらしに当たっても良い。

乱戦で全力の潜伏を行った上での、完璧な位置取りからの不意打ち。

まさに死への執念が成せる技だった。

 

死を伴う緑の閃光は、ブラックの胸に吸い込まれ─

 

 

─る前に、それを庇おうと出てきたエリエザー・フィグに当たる。

 

この場において、彼だけは油断をしていなかった。

だからこそ、庇うという選択をとらざるを得なかった。

 

呪いに包まれ、力無くその場に倒れる彼を皆見ていることしか出来ない。

 

 

それから少し経ってようやく彼が二人を庇って命を落としたことを認識した騎士団たち。

ある者は慟哭し、ある者は怒り、ある者は目を伏せ、ある者は周囲に止められながらも犯人を追いかけようとした。

 

皆、彼の死を悼み、悲しんでいた。

一度死ねば、どんな人間もそこで終わりだ。




ネビルはこの戦いで5人殺してます。
子供組の平均は0〜2人くらいですね。
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