ポッターに一瞬心移りしかけた瞬間もありましたが。
「待て。それに触るな。」
ある雪の降る日、ホグズミードに向かう途中の道。
まばらに生徒たちが通行するその道で、ある女生徒が布に包まれた何かを落とした。
女生徒はもちろんそれを拾おうとするが、その際落とした包みの中にあった何かから猛烈な呪いの
「!?」
女生徒は驚いたのか直ぐに手を引っ込めたが、急に声を掛けられたことに動揺している様子だった。
「あ~っと、そこの、ディゴリーとチャンか。二人でここの道を通らないように他の生徒に言ってくれ。で、そこの、ポッターか。お前たちはその辺にいるハグリッドを呼んできてくれ。」
「え、あの……」
「君が今拾おうとしたものには呪いがかけられてる。絶対に触らないように。」
ずかずかと近づいて包みごとそれを回収する。
「いや、あの、これは校長先生への届け物で──」
「じゃあ尚更だな。というかこのネックレスいつ使うんだよ。相手ジジイだぞ。」
〜
新学期が始まる少し前。
自然光が微かに入ってくる、薄暗い館にて。
「ゴホッゴホッ……」
咳の衝撃に耐えられず、右手首が腐り落ちる。
「我が君……」
「セブルス、俺様の呪いはまだ解けんのか。」
「もう暫くお待ち頂ければ必ずや。」
「だがホグワーツが始まれば……ゴホッお前も行くだろう。」
「その時までには、必ず。」
ヴォルデモートは呪いに大きく身体を蝕まれ、肉体を損傷していた。
無論、損傷する度に新たに金属の部位を生やすが、体は限界を迎えようとしていた。
斬り落とされた左腕、先ほど腐り落ちた右手首、内臓の一部、両足首は既に彼の元の肉体ではない。
ヴォルデモートはセブルスに解呪を急がせると共に、ドラコの監視を命じるのだった。
〜
あのネックレスを送り付けようとしたのが誰かは判明した。
犯人はドラコ・マルフォイ。
本人、ではなくスネイプ先生にそのことを話したらとぼけていたが、多分、というか間違いなくヴォルデモートの指図だろう。
スネイプ先生は監視役も兼ねていると見た。
大変ですね先生。
クリスマス休暇。
騎士団の隠れ蓑であった家が死喰い人に襲われたが、誰もオレがかけた『プロテゴ・マキシマ』が破れなかったため普通に撃退出来た。
だが、当初は呪文が破られたタイミングで攻勢に出ようと考えていたため、最終的に何人か逃げられてしまった。
また新しい隠れ蓑を探さなければいけないな。
休暇が終わり、校長室。
「なあ、やっぱりこれ分霊箱のことなんじゃないのか?」
「じゃが違えばどうするのじゃ?ワシらの知らぬ術やも知れぬ。」
「でもさ、ホグワーツの図書館レベルだぞ?禁書とは言え、一番ヤバいのは間違いなく分霊箱だろう?」
かつて、まだヴォルデモートがトム・リドルという学生だった頃。
スラグホーン先生は彼に何らかの魔法について教えたという事実があった。
しかし記憶は先生の手によって改竄され、その魔法が何かまでは分からなかった。
アルバスはポッターにそれを探らせようとしているのだが、正直分霊箱以上の話が出てくるとは思えないのだ。
「仮に分霊箱だったとしても、もしかすればその数についても聞いているやも知れぬ。」
「……真実薬使っちゃだめか?」
「ワシの友人においそれと真実薬を使わないで頂きたいものですの。」
「だめか……あっそうだ、コレ渡そうと思ってたんだ。」
「これが?」
「そう、お前のとこに来るはずだったネックレスな。もう解呪してあるから好きに使えよ。」
「……」
「いやだから分かってるって。もう真実薬は使わないって。そこはポッターに任せるよ。別にコレはご機嫌取りで渡したわけじゃないぞ。」
「……」
……あれ、もしかしてあんまり信用されてないのか?
確かにこっそり使う気だったけどさ。
レガ主くん(真実薬ダメなら服従の呪文で何とかするか……)
アルバス(コイツ服従の呪文使う気なんだろうな……)