そおれ!アバダケダブラ!   作:味噌カツ伝説

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レガ主くんがみぞの鏡を覗くと、何も無い空間にランロクの首だけが映ります。


39:囚われの身

ウィーズリーが色々あって毒入り蜂蜜酒を飲んで倒れたらしい。

今はその蜂蜜酒の所持者であったスラグホーン先生含め教師数名で見舞いに来ていた。

 

「この蜂蜜酒が、本当はアルバスへの贈り物だったと?」

 

「えぇ、本来はそのつもりで。」

 

前のネックレス事件と同じだろうか。

だとすれば犯人はマルフォイだが。

ヴォルデモートのことだし、暗殺が失敗したと知れたら殺されるだろうからな。

何重に策を講じたくもなるだろう。

 

問題は犯人が違った場合だな。

途端に話がややこしくなる。

取り敢えずスネイプ先生に目配せしといたので、後は何とかしてくれるでしょう。

 

 

 

次の日。

今日はポッターから、ある教科書についての相談を受けていた。

 

「『半純血のプリンス』?あーっと、個性的な、ペンネームだな。で、その本がそうなのか?」

 

「はい。この教科書の持ち主の名前なんです。聞いたことありませんか?」

 

「んー……悪いが聞いたことがないな。だが、中身を見ると全くの無名とも思えない。」

 

お世辞にも良好な保存状態とは言えないそれをめくる。

まさに天才的な魔法薬学のセンスだ。

自らの試行錯誤のみで教科書をも越えた魔法薬を作っているのが見て取れる。

加えてオリジナルの呪文さえ開発しているではないか。

 

「ん?この筆跡……」

 

「何かわかりましたか?」

 

「ちょいと心当たりがあるな。それも今ホグワーツにいる人に。」

 

「ホントですか!」

 

「ああ、預かっても?ちょっと調べてみよう。」

 

まさかあの人がこんな名前を使っていたとも思えないが。

 

 

 

更に次の日。

今日は校長室、ではなく与えられたホグワーツの自室でアルバスと話していた。

 

「珍しいな、オレの部屋に来るなんて。初めてじゃないか?」

 

「少し話したいことがあっての。」

 

大量に甘いお菓子が入った器の乗った机を挟み、お互いに向かい合うようにして備え付けの椅子──魔改造したためほぼソファー──に座る。

 

「飲み物は?」

 

「いつものを。」

 

「知らんわ。紅茶でいいか?」

 

「砂糖を──」

 

「そっちに転がってる大袋に入ってるぞ。」

 

「ワシはもう腰が痛くての。」

 

「オレの方が年配者だぞ。自分で取ってこい。」

 

「むぅ……老体には応えるの。」

 

「魔法使ってんだから関係ないだろ。あ、片方の袋は砂糖じゃなくて毒薬だからな。気を付けろよ。」

 

「!?」

 

「ちなみに今お前がカップに入れようとしてるのが毒の方な。」

 

「!?!?」

 

 

「で、話したいことって?」

 

「……エリエザー、お主は何故魂を裂いたのじゃ。」

 

「なんだそんなことか。」

 

「分霊箱を作ることのデメリットもよく分かっているはずじゃ。お主がわざわざ生に拘る質にも思えぬ。」

 

「簡単なことさ。ランロクを殺すためだ。」

 

「何?」

 

「5年生の時、ホグワーツの地下でランロクを先生と共に打ち破ったわけだが。」

 

「──まだそ奴が生きておると?」

 

「まあ聞けよ。オレはあの日、ホグワーツの地下に眠る古代魔術の力を手にしたランロクをこの手で葬った。だがそれと同時に、かつて蓄積、封印された古代魔術の多大な力の芳流を浴びた。」

 

「……」

 

「気付いたのは卒業してからだった。魔法省に就職してからも残党狩りは続けていたが、いつしか自分の身体が異常であることに気付いたんだ。」

 

「老いか。」

 

「そうだ。あの日からオレの身体は著しく体の成長が遅くなった。周りの友人たちが老い、前線を退く中でもオレだけは未だ若々しい身体を保ったままだった。だが決して老いない訳では無いから、恐らく寿命がやたら延びたんだろうと考えている。」

 

「それが『若さの秘訣』。」

 

「そこで思ったんだ。力の余波を浴びた人間が理を僅かに外れるなら、それを手にした奴はどうなるのか、と。」

 

「!」

 

「オレは今でも、ランロクはどこかで生きていると思ってる。ヴォルデモートのように魂だけになって彷徨っているという可能性もある。誰も肉体を蘇生出来ていないだけでな。」

 

「確証があるのか?」

 

「そんなものはないさ。けどな、もしアイツがまた表舞台に舞い戻って来たら今度は誰が止めるんだ?ただでさえ最近は魔法省のレベルが落ちてるなんて話もあるんだ。その時が来たらランロクは遂に無敵になるぞ。」

 

「じゃがそれはあまりに低い可能性じゃ。妄想と言っても良いほどに。」

 

「分かってるさ……それでもオレはランロクを殺さなくちゃいけないんだ。アイツが悪事を働く前に殺せるように。オレを見て絶望するように。泣き喚いて命乞いをするように。オレが生きている間だけはアイツが何もできないように。強くあらなければならないんだ。」

 

「……」

 

「別にオレは生に執着なんかしてない。むしろどうでもいいとさえ考えている。とにかくランロクを殺すこと、ただそれだけがオレの原動力なのさ。」

 

「ではお主が魂を裂いたのも、あの『約束』も、全てはそのための手段に過ぎないと?」

 

「その通りだ。」

 

「それは孤独な戦いじゃぞ。」

 

「いつも通りじゃないか。ランロクの手下との戦いも、残党狩りも、魔法省を追われた時だってそうだった。何もかも変わらないよ。」

 

「……お主は過去に囚われておる。」

 

 

「──そんなの、お互い様じゃないか。」




レガ主くんが分霊箱を作ったのも、魔法をひたすら開発するのも全てはランロクを殺すためであり、密猟者や闇の魔法使いを殺すのはランロクの手先になると戦力増強に繋がるためです。
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