『カウンセラー』としての仕事内容は至極簡単。
ふくろう便やらなんやらで面会する時間、場所を決めて、相談を聞く。
友人関係の悩みや勉強及び実技での悩みが多いが、時折『イタズラグッズ』の相談であったり、話し相手になってほしいなんてのも来る。
で、それらの話にアドバイスしたり、勉強関連なら実際に手本を見せたりする。
しかし、相手次第のスケジュールになるので、特に始めの頃は本当に暇だった。
学期始まりからどうしようもなく困っててわざわざ相談に来るようなやつはほとんどいないのだ。
仕方がないので学校を周りながら時折勝手に授業を受けたり探検したりしてとにかく学校中を周る。
これは単なる暇つぶしではなく、生徒に顔を憶えてもらったり、相談しやすい空気をだすためだったりする。
ちょっとしたきっかけから縁というのはできるものだ。
ネビル・ロングボトムなんかはこの方法でウチの常連になった一人である。
それはよく晴れた日、グリフィンドールとスリザリン合同の箒の授業の時だった。
たまたま近くを通っただけだったが、1年生─というかポッター─が目に入り、気になったのでちょいと様子を見ようとしたのだが─
明らかに一人だけ様子のおかしい生徒がいた。
どこからどうみたって箒が暴走している。
しかも本人もパニック状態でどんどん明後日の方向に飛んでいく。
と、思ったら戻ってきたが─
これは流石にまずいな……!
「アレストモメンタム!」
危なかった。
危うく像に生徒が突っ込んで串刺しになる所だった。
箒はそのままの勢いで飛んでいき、空中にはゆっくりとその場で浮く生徒だけが残った。
「大丈夫かい?」
近付いて落ちてきた生徒を真下で受け止める。
全くもって運のない子だ。
その生徒をフーチ先生が医務室へ連れて行くのを途中まで見届けたところでふと思う。
しまった、1年生を放置してきてしまった。
流石に監督役がいないのはよろしくないだろう。
しかもまだ1年生だ。
どんな問題を起こしても不思議では─
─何故あの事故を目にして二人も勝手に空をとんでいるんだ!?
勝手に空を飛んだら退学だという脅しを聞いてなかったのか?
冗談じゃ─
─片方ポッターじゃねえか!
問題を起こすのが早すぎる!
頭を抱えている間にポッターが降りてきた。
なんか皆喜んでる。
一体何が起こってるんだ?
と、そんな光景をみて、ふと─
自分にとって初めての箒の授業、彼と一緒に箒で城の周りを飛んだときの懐かしい記憶が─
「ハリー・ポッター!来なさい。」
どこか興奮した様子のマクゴナガル先生が突如として現れ、あっという間にポッターを連れて行ってしまった。
それから少ししてフーチ先生も戻ってきた。
マクゴナガル先生がポッターを借りていったことだけ伝え、自分も件の生徒の様子を見に行くことにした。
例の彼の名はネビル・ロングボトムと言うらしい。
話してみるとオドオドした感じだが、どこか芯のある子だと感じる。
「本当に、ありがとうございました、フィグ先生。先生がいなかったら僕、今ごろ……」
「気にしないで。また何か相談があったらふくろう便をくれ。『カウンセラー』としての仕事も果たさなければね。」
そうして彼は実際にふくろう便を送り、定期的に面談をするようになっていった。
授業で詰まったところを解決する、いわば勉強会のようなものが中心であったが、ちょっとした愚痴─主にグリフィンドール生の無茶苦茶話かスリザリンの嫌がらせ話─を聞いてやったり、スネイプ先生がいかに怖いかの力説を聞いたりもしていた。
なお、ネビル・ロングボトムが卒業するまでの間、ほぼ週一ペースで面談を行うことになる。
教師陣として何かあったときに動けないとマズイので、レガ主くんは内心結構必死にマッピングしてます。