そおれ!アバダケダブラ!   作:味噌カツ伝説

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闇の帝王も頑張ってます。
強火のアンチとスパイに苦労はしてますが。


死の秘宝Part1
45:始動


暗い、暗い屋敷の中。

ようやく呪いが完治したヴォルデモートは、今までの鬱憤を晴らすかのように精力的に活動していた。

仲間を増やし、マグル生まれを襲い、自らの名を口にした者を殺していく。

世間はヴォルデモートという男の恐ろしさを再認識したことだろう。

 

無論、ここまでに失ったものも大きい。

首から上に呪いが到達する前に呪いは解けたものの、既に身体の殆どがメタリックになった。

そしてなにより、エリエザー・フィグによる度重なる襲撃である。

ダンブルドアの死後から計五回の襲撃を受けている。

その度に何人もの下僕が死に、屋敷は木っ端微塵になり、新たな拠点探しに奮闘することを強いられた。

 

しかし、今までは掛けられていた呪いの重さが故に防戦一方でこそあったが、呪いは既に完治した。

これからは闇の帝王の時代が来るのだ。

現に今拠点としているこの屋敷には、未だに襲撃には来ていない。

それはひとえに自らが施した隠匿の呪文が強力であることに違いはない。

 

─奴はこの俺様を見つけられないのだ!

 

手始めに、まずは不愉快なマグル学の教師を殺す。

ホグワーツの人間を手に掛けることで宣言するのだ。

俺様の時代が来たということを。

 

 

「その上、このバーベッジ先生はこうおっしゃったのだ。我々と、マグルは変わらない、同じ人間だとな。」

 

あまりの馬鹿馬鹿しい理論に、死喰い人たちから嘲笑が上がる。

 

「あ、あぁ……」

 

幹部の集う机の上に吊るされた女は、これから自分が殺されるであろうことを察してか、涙を浮かべ、恐怖していた。

死の間際になってようやく犯した罪の重さを実感するとは、なんと愚かな女だろうか。

 

「ふん……どうだ、セブルス?お前はどう思う?」

 

「……全くもって、馬鹿げておりますな。」

 

「そうだろう!」

 

クツクツと、底から笑いが込み上げてくる。

この女はどんな気分だろうか。

ずっと味方だと思っていた男が、まさか我々の仲間だったと知って。

次期校長とも言われている男が、アルバス・ダンブルドアを殺した張本人であるとも知らずに。

 

「セ、セブルス、助けて─!」

 

「アバダ─」

 

その時。

目の端に、何かが横切る。

 

「どうされましたか、我が君?」

 

何だ、この感覚は。

余りに、不愉快だ。

嫌な予感がしてたまらない。

思わず椅子を蹴飛ばす勢いで立ち上がる。

アレを放置してはならないと俺様の勘が言っている。

どこだ、どこにいるのだ。

 

そして、それは直ぐに見つかった。

丁度頭上にある、ホコリを被ったシャンデリアの端に。

 

 

─尾の長い鳥が。

 

 

 

 

「目を、離したな!」

 

真正面でアホ面を晒して上を見ている奴の心臓に、ナイフを突き刺す。

いくら自分が死なないとは言え、ナイフで刺されて冷静でいられる奴はいない。

 

その上、カシラがいきなりわけのわからん事をしていたお陰で、皆揃って上を見ているじゃあないか。

なんて運が良いんでしょう。

こんなに上手く嵌まるなんて!

 

「なに─!」

 

まあ、今回の目的は破壊じゃないのでさっさと退散させてもらおう。

 

「先生!」

 

「アバダケダ─」

 

直ぐ様バーベッジ先生を片手で触り、もう片方の手は真上に向ける。

詠唱している暇はない。

爆破呪文を放つ!

 

/

 

さて、これであの屋敷ももう使えなくなっただろう。

可哀想に。

 

……本当はニワトコの杖も使いたくて仕方がないが、奴へのお披露目にはちと早い。

ちゃんと驚いてくれるだろうか。

しかし、まあ目下の問題は片付いたな。

 

「フ、フィグ、フィグ先生〜!わ"た"し、ホン"トに殺"され"る"かと思"って─!」

 

「あーはいはい、大変でしたね、先生。」

 

「セブルスは助"けてくれ"な"いし!」

 

「そりゃあスネイプ先生は校長とスパイの両立で大変なんですから助けられませんよ。」

 

「でもぉ!でもぉ!」

 

「これからは迂闊な発言は─」

 

 

 

さて。

 

突然のことではあるが、近々、人間爆弾作戦を決行するつもりだ。

とは言っても、字面ほど外道な作戦にするつもりはない。

まずはオレが一人で敵を殲滅する。

次に敢えて残しておいたやつにちょいと『お願い』をして、そのまま敵の本拠地へ向かってもらう。

たったそれだけの作戦。

 

蛆虫のように湧いてくる死喰い人を一気に殲滅し、士気をガクンと下げる、まさに一石二鳥の作戦だ。

だいたいどうやるかは決まっているし、仕組みも単純なので後は実行するだけなんだが。

一番の問題は、味方にバレたらヤバいのと、敵にバレたらヤバいことくらいだろう。

 

スネイプ校長におかれましては、死喰い人としても、騎士団としても対応に追われるであろうことは明白なのでちょっと申し訳ないのだが。

正直言って、予想以上に敵の勧誘が上手くいっている。

魔法省が元より敵を作りまくってきたせいとも言う。

敵の戦力を減らす手は打てるだけ打ったほうが良い。

 

この作戦が上手く行けば、敵に大打撃。

失敗しても、指名手配犯の犯行なのでセーフだろう。

 

 

まあ十中八九、上手くいくだろうな。




人間爆弾作戦……闇の帝王が根城にしている屋敷を毎度特定して襲うのは面倒なので、敵を爆弾にして送り込んだ方が楽なのでは?という発想から生まれた。
襲わせている間も自分はそこらの死喰い人を襲えるので効率が良い。
どうせ種はホイホイ作れるのでその死喰い人が本拠地を知らなくても問題ない。
本拠地を知らなかった個体はそのへんの草原とかで爆発四散する。

かつて友人が愛したホグワーツに手を出そうとした者への報いである。


なお、本拠地を知らなかったとある個体は、『お願い』した後も本人の意思が働いて家に帰宅。
それにより娘のスリザリン生が帰省直後に目の前で父親が爆散する事案が発生。
一家は焼死し、野次馬に来ていた民間人数名を巻き込んだことから、この一件以来本作戦は使われなくなった。
約半年に渡って使われた作戦であった。

結果として、後の時代では『悪魔の所業』として教科書に載ったとか。
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