そおれ!アバダケダブラ!   作:味噌カツ伝説

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ニワトコの杖の行方を知っているのはレガ主くんともう一人だけです。


46:空の闘い

「ポッターは全員護衛役と二人一組で行動してもらう。いいか、この作戦で誰かは死ぬかも知れんが、何としても本物には辿り着いて貰わねばならん。」

 

「……」

 

「念の為、単独で行動する護衛役も用意した。」

 

「ここにいるのが全員じゃないんですか?」

 

「ああ。全員が無事に生き残る為には奴の協力が不可欠だ。出てこい。」

 

「っまさか─」

 

ポッターの家でもあるダーズリー家。

その家主を闇の帝王の魔の手から避難させるとともに、ポッターを隠れ穴に移送するための作戦が立てられていた。

 

作戦は単純。

ポリジュース薬でポッターを増やして本物を分からなくさせるのだ。

だが、念には念を入れておくべきだろう。

あと人間爆弾作戦の始動用のコマが欲しい。

 

「今回はオレも護衛役に加わろう。かく乱と陽動、ついでに撃墜は任せろ。」

 

「フィグ先生!」

 

「やれるのか?」

 

「やらなきゃこの……どれだ?まあ、その辺のポッターが死ぬからな。」

 

「……」

 

「一人で全員分をやるんですか?」

 

「多対一は得意分野でね。」

 

せっかくなので見せてやろう。

オレの十八番を。

 

まずは両手を脱力させ、袖から杖を落とす。

二本、四本、六本。

そのままジャラジャラと杖を落としていく。

 

「えっ……」

 

まだまだ止まらない。

三十本、三十二本、三十四本。

 

「は、なんです、これ?」

 

もうそろそろいいか。

杖が重なり過ぎてちょっとした山になってしまった。

調子に乗って出し過ぎたか。

 

「コレクションが趣味なんだ。でも使わないのはもったいないからね。」

 

「でも杖だけあったってしょうがないんじゃないですか?」

 

「─後ろを見てみろ。」

 

「!」

 

本物かどうか知らんが、やけに饒舌なポッターの頭に数本の杖が突き立てられる。

だが本来あるべき杖を握る人間はそこにはおらず、それは杖が自律行動をしていることを証明していた。

 

「ッこれは!」

 

なんて新鮮な反応か。

 

「杖を自律飛行させている。なんなら呪文も放てるぞ。同時に撃てるのは一種類だが。」

 

なんて少々得意げに話していると、今まで不機嫌そうな顔でぶすっとしたまま沈黙を保っていた唯一のポッターが口を開く。

 

 

「……そうやってダンブルドア先生のことも殺したんですか。」

 

今ここでそれを聞くのか。

 

「ちょっ、おいそれは!」

 

「いや、いい。続けてみろ、本物のポッター。」

 

「僕はあの日見た!貴方が先生を殺すところを!」

 

「だったらなんだ、報復でオレを殺すのか?今もこうして友人たちを危険に晒して、守られることしか出来ないお前が。」

 

「っこの!」

 

「おいやめろって!」

 

「先生は信じてた!あの日だってフィグ先生に任せれば良いってダンブルドアは信じてた!」

 

「お前はアルバスの事を知らなすぎる、ポッター。お前が思っているほど、オレの友人は聖人君子じゃない。」

 

「友人ですって?友人だって言うなら何故殺したんです!何故助けなかったんですか!」

 

「『約束』してたからな。いずれはオレがアルバスを殺す、そういう契約だったのさ。」

 

「約束なら、友達でも殺すんですか!?」

 

「?……だからそうして見せただろう。」

 

「なっ……!」

 

「納得してもらえたかな?」

 

「……」

 

もう言いたいこともなさそうだ。

ムーディもさっきからソワソワしている。

 

「……話はまとまったようだな。時間が惜しい、出発するぞ。」

 

 

 

 

「ハグリッド、僕……」

 

「ハリー、俺も皆もダンブルドアのことについちゃ納得しちゃあいねえ。でもな、今は飲み込めハリー。生き残らなきゃダンブルドアの死が無駄になっちまう。そら、乗れ。」

 

「……そうだね。」

 

 

 

 

ポッター達が各々で飛び立っていくのを見ながら、こちらはこちらで準備を進めていた。

 

「護衛は任せるぞ。」

 

「こちらも準備が終わり次第直ぐに追いつく。」

 

自律飛行させた杖、『操り杖』の三分の一ほどに変身術をかけていく。

変身先は、ナイフだ。

理由は単純明快、普通人間は闇夜の中を超高速で飛んでくるナイフを対処できない。

 

準備は、もうすぐ終わる。

 

 

 

 

「マズイ!死喰い人が来たぞ!」

 

その一言で、場にいる全員に緊張が走る。

 

「くっ!レダクト!」

 

「はっ!当たるかよォ!」

 

闇夜をかける黒い影達は、弄ぶようにして攻撃を加えていく。

なんせ彼らにはいくらでも時間はあるのだから、余裕だって生まれるだろう。

ハリー・ポッターが複数いるなら、全員殺せばいいのだ。

なによりこちらには、闇の帝王がいる。

 

その一方で騎士団は兎に角逃げに徹し、無事にハリーを送り届ける必要がある。

両者には明確に精神的有利差が存在したのだ。

 

「ええい!マンダンガスめ!」

 

仲間であったマンダンガスが敵前逃亡を計ったことはムーディにとってプレッシャーとなっていた。

ハリーに変身したマンダンガスと行動をともにしていたムーディだったが、飛び立って直ぐに襲撃を受け、その後に現れたヴォルデモートを見てマンダンガスが逃げだすのは想定外だった。

 

幸い、敵の何人か─どれもがムーディに対して恨みを持っている─が突然制御を失い落下していったがために助かったが、それでも既に大怪我を負っている。

今までの仕事の範疇であれば戦闘からさっさと離脱して体勢を整えたい所ではあるが、今回はそうも行かない。

義眼は何処かへ落下してしまったが、とにかく自分がやれることをやるしかなかった。

 

「チッ─!」

 

そんな覚悟を決めた時、ヴォルデモートがこちらを見つけ、目が合った。

 

「アバダケダブラ!」

 

 

 

 

「見つけたぞ!ヴォルデモート!!」

 

背後、というか上からヴォルデモートの背中に組み付く。

杖先から出た緑の閃光は、大地へと引き寄せられていった。

 

「ええい、貴様ァ!」

 

「やらせるかよ!来い、杖たち!」

 

錐揉み回転をしながら空中でもみくちゃになっているところへ、五、六本のナイフが一直線に飛んでくる。

 

「なっぐあああ!!」

 

「まだ終わらんぞ!」

 

全てのナイフの変身を解く。

そう、ここにあるナイフが全てではないのだ。

 

先行させていたものもさっさと死体から離脱させ、新たな目標の背中を目指して飛ばしていた。

そうして今、条件が整った。

 

 

全てのナイフが、敵の体内にある。

そうしてそれは、杖に戻った。

 

「ボンバーダ・マキシマ!」

 

 

人間爆弾作戦の第一陣の開始だ。




またヴォルデモートがレガ主くんのせいで重傷負っちゃいました。

質問:このケア(物理的&精神的)は誰がするんですか?
回答:もちろんスネイプ校長です。
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