そおれ!アバダケダブラ!   作:味噌カツ伝説

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みんなの現在地について

レガ主くん……魔法省
主人公三人組……魔法省脱出→見知らぬ森へ
ブラック……行方知れずのグリフィンドールの剣を捜索中

スネイプ……ホグワーツにて死喰い人側として待機
教師陣……ホグワーツにて校長に従う(生徒が実質的人質のため)
ハグリッド……ホグワーツの小屋でこっそり連絡役として活動
生徒……ホグワーツにて日常を過ごす

騎士団……バラバラとなったため、各地の隠れ家にて一時待機、魔法省の出方を伺う

死喰い人……人探し、仲間集め、モノ探しなど
ヴォルデモート……死喰い人の屋敷を転々と移動(定期的に爆撃されるため)


52:革命

「た、確かにさっき、アンブリッジがハグリッドを頼れって言ったよね?」

 

「はぁ、はぁ、私もそう聞こえたわ、でも……」

 

そう話しながら、ハーマイオニーはロケットを首にかける。

 

「どうせまたフィグ先生の仕業なんだろ?さっきだって面白半分に殺されかけたんだ!」

 

「……そうね、でもどうするの?シリウスとも合流しなくちゃいけないわ。」

 

「それに、今の僕たちがホグワーツに戻っても大丈夫なのか?みんなが危険に晒されるんじゃ僕たちだけでやってる意味がない。」

 

「……シリウスと落ち合う日を変更しよう。三日後だ。その間にハグリッドに会うんだ。」

 

「先にシリウスと合流すべきじゃないかしら?私たちだけで行動するのは危険よ。」

 

「わざわざフィグ先生があんな仕込みまでして僕たちに伝えた情報だ。たぶん、何よりも優先すべきなんだと思う、ただの、直感だけど。」

 

 

 

 

「た、助けてくれえ!俺はただ上からの命令に従っただけで─」

 

「ペトリフィカストタルス。腕に闇の印入れといてそれはないだろう。」

 

石像は不自然な形で作られたため、そのままバランスを崩してこちらへと倒れ、そのまま粉々に砕け散る。

 

「それみろ。」

 

やっぱり後ろでこっそり杖を握っていたじゃないか。

 

それにしても、非常に面倒くさい。

どれが死喰い人でどれが一般人かぱっと見分けがつかない。

 

もちろん、魔法省の地下で幽閉、もとい投獄されていたマグル生まれがそうでないのは真っ先に確認できたのだが、半純血と純血については数が多い。

それに、根本的な思想まではどうしようもないしな。

死喰い人にちょっと賛同しているくらいの輩なんかは殺してられない。

 

そもそも『穢れた血』なんて全然気にしてない純血だっているし、主義者が故に酷く気にしている半純血だっている。

或いは主義者でも今回の投獄騒動で考えが変わった奴もいるだろう。

それはマグル生まれにも言えることではあるが。

 

とにかく、今のところは禁じられた呪文を仕掛けてくるやつと、死喰い人だと確定しているやつを殺すしかない。

賛同者とか、そういう半死喰い人みたいなのはもう内々でなんとかしてもらうしかないだろう。

 

「開けてくださ〜い。」

 

コンコンと扉を叩く。

 

中からは物音一つ聞こえない。

いや、中に山程人がいるのは確認済なんだが。

 

「魔法省を汚す死喰い人に、共に正義の鉄槌を下しましょう!」

 

「……」

 

く、これでもないか。

これで七部屋目なんだが。

 

どこもかしこも籠城を決め込んでいるせいで、死喰い人を引き摺り出すのに時間がかかって仕方ない。

これを指示しているのも死喰い人なんだろうが。

 

色々アプローチを試しているんだが、さっきから誰も扉を開けてくれない。

 

「あの、貴方方からも何か言ってくれませんか。」

 

「……こ、この人は大丈夫だ!俺たちを殺したりしない!扉を開けてくれ!い、一緒に行こう!」

 

「……」

 

駄目か。

解放したマグル生まれの同僚から言わせてもダメなら、もう何を言っても無駄だろう。

 

でも、死喰い人が隠れてないかだけは確認しないといけないんだよなあ。

 

「アロホモーラ。開けますね。」

 

「アバ─」

 

「そこ。」

 

男は部屋の奥へと吹っ飛んでいき、銅像のオブジェに頭から突っ込んでいく。

扉の真ん前で一人待ってたらバレるに決まってるだろうが。

 

「もう、皆さんそこの人たちと待ってて下さい。どうせ誰も扉開けてくれませんし。オレ一人で─」

 

そう言って部屋を出ようとすると、部屋のまさに中央にいた男が声を上げた。

 

「まっ待てエリエザー・フィグ!」

 

「……なんでしょう?」

 

「わ、私はこの部署の責任者だ。お、お前は何故、私たちを助けた……?」

 

「……古い友人との約束でね。ホグワーツに害を成す人間は殺さなくてはならない。闇の帝王や死喰い人はまさにそうでしょう?」

 

「ホグワーツに?」

 

「はい、で、貴方方はどうするんです?目先の手柄か、或いは革命か。」

 

「……」

 

そう問いかけると、責任者を名乗る男は黙り込む。

しかし、すぐに何か決心したような顔つきで、後ろに控えていた者たちに語り始めた。

 

「……みんな、聞いてくれ。我々はこれより、凶悪犯エリエザーを確保する!」

 

「……」

 

「ただし!凶悪犯エリエザーは生半可な攻撃では捕まえられないだろう!マニュアルの通りだ。よって、その過程で不幸な事故が発生し、誰かが死ぬこともあるだろう!」

 

場は静まりかえり、ただ男の声だけが響く。

 

「たとえ、それが新たに上司となった人間であってもだ!だがそれを悔やんではならない!私たちには養うべき家族と、帰るべき家がある!だからこそ、全力をもって確保にあたらなければならない!いいか!」

 

あくまで魔法省のいち職員としてってね。

責任者になれるだけはあるか。

 

 

そうして、魔法省の職員たちによる革命が始まった。

 

 

 

 

『悪夢、再来!』

『亡霊エリエザー、再び!』

『地獄の魔法省、混沌を極める!』

 

「どれもフィグ先生のひでえ記事ばっかりだ。昨日まではお前さんらの話と死喰い人の賛美だけで日刊予言者新聞は儲けてたってのに。」

 

ソファに座る大男、ハグリッドは新聞を広げて悪態をつく。

 

「みたいだね。」

 

「ああ、ホントにここ最近はデタラメばっかり言っちょる。それで、こんな時に一体何だって俺んとこ来たんだ?いや、お前さんらが無事なのは嬉しいんだがな。悪いがヴォルデ、闇の帝王やら分霊箱についちゃフィグ先生の方がよっぽど詳しい─」

 

「ハグリッド、私たち、そのフィグ先生に言われてここに来たの。」

 

「フィグ先生が?」

 

「そうなんだ、だからきっとフィグ先生から何か言われたり、何か貰ったりしてない?」

 

「……個人的に色々物は贈りあっちょるが、そんな大層なもんはねぇ筈なんだがな。」

 

「たとえば、どんなの?」

 

「あぁ、と、こっちの引き出しに、ああこれだ。魔法動物用の香水に、ファングのおもちゃに特製おやつ、あとぬいぐるみに─」

 

何となく埒があかないことを察した三人は、ハグリッドの横から一緒に引き出しの中を覗く。

一見乱雑に入れてあるようにも見えるが、ハグリッドにしては綺麗に整理されていると三人は思った。

 

「これは?」

 

「そいつぁこの辺の森の地図だな。今どの動物が何処に居るのか分かるようになっちょる。脱走用だな。」

 

「こっちは?」

 

「バックビークの羽根で作った羽根ペンだな。あんまりにも良い出来なもんで、まだ使えちょらん。」

 

「……あれは?」

 

「アラゴグのミニフィギュアだな。ダンブルドアにも見せたら驚いとった。」

 

「じゃあこれは?」

 

「バジリスクの鱗だな。お前さんが倒した奴からとったらしい。」

 

「バジリスクの?」

 

「おお、確か牙も一緒に貰ったんだ。危ないんで布にくるんであるが─」

 

 

「それよ!バジリスクの牙よ!ハリーはトム・リドルの日記をバジリスクの牙で破壊したじゃない!」

 

「確かにそうだ!じゃあフィグ先生はこれのことを?」

 

「そうかも知れない。ハグリッド、ちょっとそれ借りていい?」

 

「おお良いとも。分かっちょると思うが毒には気ぃ付けろ。まだ生きとるからな。」

 

 

 

 

「ふぅ〜……」

 

「ふん、もう音を上げたか、スネイプ?」

 

しまった、死喰い人が側にいるのに思わず溜め息をついてしまった。

何なんだこの記事は。

白い吸魂鬼ってなんだ。

なぜもう魔法省で戦闘が行われているんだ。

 

「読めば、分かるかと。」

 

「……魔法省だと?ふん、無駄な足掻きを。」

 

「あまりの馬鹿馬鹿しさに、笑いが止まりませんな。」

 

「ハッ、お前と意見が合うとは思わなかったな。」

 

コイツらは事を楽観視しすぎだ。

既に我々が手を回している筈の新聞が、こんな記事を出しているようでは世間の目はポッターに向かない。

 

もしこのまま魔法省が離反すれば、闇の帝王はさぞご立腹になることだろう。

ようやくホグワーツが手中に収まったというのに、また機嫌を損ねることになるではないか。

大人しく一時的な支配を受け入れてくれれば、こちらとしても余計なアクションを起こさなくてすむというのに。

 

ほんの数年、いや数ヶ月かもしれない。

それさえ耐えれば、後は生き残った男の子が希望を見せてくれる筈だったのに。

しかし、それは酷な話だったのだろう。

特にマグル生まれの人々にとっては。

 

 

全くもって気が滅入る。

いち早く、例の『サロウ家に伝わる秘宝』とやらが手に入ればいいのだが。




魔法省で皆が籠城していたのは、凶悪犯襲撃時の対応マニュアルに記載されていたためです。
通常、危険人物だろうが何だろうが闇祓いの優秀な人間による数の暴力であっという間に鎮圧されるので、マニュアルの内容が活かされることは基本的にありませんでした。
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