ハロウィンの夜。
生徒も教師陣もその色とりどりの料理を楽しんでいた。
この肉旨いな。何の肉だろ。全然わか……もしかして蛙肉だったりする?
凄いバクバク食べてたけどよく見たらシルエットがなんか……
見なかったことにしようかないやでも味が良──
「トロールが!地下室に!入り込みました!お知らせしま──」
急に大広間に入ってきて最悪の報告だけしてクィレル先生が気絶してしまった。
そりゃ生徒もパニックになるだろうて。
そんな生徒たちをアルバスが一喝し、場を沈める。
そして冷静に指示を出していき、生徒を避難させ始めた。
「フィグ先生は──」
「分かってます。レベリオ。」
地下室付近という情報があれば多少は見つけやすく─
「…………!!見つけました。確かに地下室にいますね。」
「では足止めをしてくだされ。決して殺さぬように。」
「難しいことをおっしゃる!が、やるだけやりましょう。」
「お願いします。では我々も生徒の安全確保を確認次第─」
ポイントに向かいつつ、考える。
場所さえ分かってたら見つけるのは簡単だ。
問題はどうやって足止めするかだが。
恐らく『ステューピファイ』で気絶させるのが一番早い。
ただ出力の調整が難しい。
普通の、人に使うような出力ではトロールを気絶させられない。
しかし強くしすぎれば一生目覚めない可能性──一生目覚めない気絶はもはや死と同義──がある。
そもそも人に使うときも一瞬調整に手間取るのにトロール相手なんか考えたくも無い。
……なんでトロール相手にどう手加減するか悩まねばならんのか。
走っているうちに地響きが大きくなってきた。
もうトロールが近くにいることの証左だ。
しかし歩いているにしては音も振動も大きすぎ──
──なぜポッターとウィーズリーがトロールに木の破片を投げているんだ!?
トロールは意に介さず暴れているが、そのたびに個室の中から甲高い悲鳴が聞こえてくる。
となればとにかくコイツをここから引き剥がす!
木の破片を使えば!
「デパルソ!」
『デパルソ』の衝撃で砕けた破片、のいっとう鋭いものがトロールの右耳を穿つ。
やばい。
「2人とも中へ!」
取り敢えず生徒達をトイレの中に避難させ、自分はトロールと共に外に出る。
本当はちょっと強めに破片がポコっと当たる程度の筈だったのだが、まさか耳に入るとは思ってなかった。
今も怒り狂うトロールの耳の穴から大量の血が流れて続けている。
マズイ。
いや、動き自体は単調かつ緩慢で見切りやすいのだが、とにかく攻撃の頻度が多すぎる。
とにかく避け続けてチャンスを掴むしかないだろう。
突進でもしてきてくれたら壁にぶつかって大きな隙ができると思うのだが。
棍棒の横薙ぎ、ステップして避ける。
切り返しての横薙ぎ、ローリングで避ける。
上からの振り下ろし、ここで『プロテゴ』、一瞬よろける。
やれるとしたらこの一瞬だろう。
だが、手加減をミスったらトロールが死ぬ。
かといってこのまま逃げ続けると避難中の生徒の列と鉢合わせかねない。
やるしかないか。
次で仕掛ける!
いきなりきた、振り下ろし!
「ウィンガーディアム・レビオーサ!」
トロールの後ろで赤毛の少年が呪文を唱えた。
振り下ろされる筈だった棍棒はトロールの手をスッポ抜けて宙に浮く。
あまりに大きな隙だった。
「よくやった!ウィーズリー!」
集中。
「ステューピファイ!」
──かくしてこのトロール足止め作戦は成功した。
生徒たちにも大きな怪我はなく、トロールも殺さずに気絶させることができた。
トロール討伐に挑むという危険なことを冒した1年生たちは無事であったこと、足止めの支援をしたことから見逃され、あまつさえその幸運のために得点を獲得するという結果となった。
ちなみにトロールの中身は普通にグチャグチャになっていたので翌日には衰弱して死んだ。
スネイプ先生に凄い嫌味を言われまくった。
何も言い返せなかった。
レガ主くんはちゃんとフィールドガイドを一年間で集めきったのでレベリオの習熟度がとんでもないことになってます。杖を使うと場所によってはホグワーツ全体が探知範囲に入っちゃいます。