そのおかげで彼に開けられない扉はありません。
「ロングボトム、君はどうやらこのあたりが苦手──」
「そうだね、こういうときは素直に謝って君の気持ちを──」
「うんうん、この辺の話はよく理解できているみたいだね、ロングボトム──」
「想いを伝えるなら先ずは相手のことをよく調べて──」
「良いぞネビル!完璧じゃないか!」
『カウンセラー』としての仕事は順調だった。
……ちょっとネビルの割合が多めだが。
最近はポッターが罰則で禁じられた森に連れてかれてたくらいで、特にこれといったことは起こっていない。
いや、一応同行しようかと思って申し出たのだが、どうやら前回のハグリッドとの熱き闘いのせいで『一緒にすると良くない化学反応が起こる』と言われて留守番になったのだ。
ドラゴンの卵のこと、もっと聞きたかったのにな……
ドラゴンが生まれる瞬間なんか是非見てみたかった。
なんなら譲って欲しかった……
今日はフラッフィーに会う日だ。
夜になって生徒もいないので堂々と会いにいける。
そうだ、魔法動物向けの魔法を開発するのもいいかもしれない。
そしたらもっと──
──鍵が、空いている。
誰かが、いる。
袖から素早く杖を抜く。
扉を開けると、そこにはフラッフィーと、開けっ放しのハッチがあった。
「大丈夫か、フラッフィー?」
どうやら怪我はしていなさそうだ。
ハープの事を知る者の犯行だな。
アルバスは今呼び出されてホグワーツにはいないはずだ。
ハグリッドとはさっき会った。
しかし、特に今日誰かが来ると言う話は聞いていない。
ならば『仕事』とやらの妨害をする敵と見なしていいだろう。
きっと良くないことが起こっている。
犯人が生徒でも、それ以外でも。
フラッフィーの顔を見て、それからハッチの中に飛び込んだ。
着地──
気持ち悪!
床の踏み心地が悪すぎる。
なるほど、『悪魔の罠』ね。
どうりで床のクセに足に纏わりつくわけだ。
「ルーモス。うおっ!」
『悪魔の罠』が引いて本来の地面に叩きつけられた。
普通コイツらは壁や床を這うものだろうに!
敵の撃退用ではなく、まさかただのクッション用だとは思わなかった。
先に進むと、縦に広い空間に出た。
すぐに次の扉があるが、何かが大量に刺さっている。
近づいて確認しようと──
それより先に扉が開けられた。
「!!フィグ先生!」
「ッ、グレンジャーか。何故ここにいる?」
取り敢えず杖は下ろす。
警戒は解かない。
「スネイプがこの先にある賢者の石を狙ってるんです!校長が居ないうちに!」
「確かにいま校長は居ないが……スネイプ先生が?」
「ロンが怪我をして、私は助けを呼びに来たんです!それで今ハリーが1人で奥に──」
「やはりそうなるのか!ポッターの所に向かうから、君は他の先生を呼んでくるんだ。」
やっぱり騒動の中心はポッターじゃないか!
それにしてもスネイプ先生が犯人?
……ただの早とちりだと願いたいが。
グレンジャーと別れ、奥に進むと巨大なチェスの部屋に出た。
倒れているウィーズリーもいる。
スマンウィーズリー、今はこれで我慢してくれ。
懐からウィゲンウェルド薬を取り出し、ウィーズリーに飲ませる。
今日は豆板醤味だが、気を確かに持てよ!
更に奥に進むと、どんどん道が狭くなってきた。
道の最奥と思わしき所で火が燃えている。
たぶん、あの先に『敵』とポッターがいる。
火を魔法で払い除けた先には──
階段の途中で対峙するポッターと悶絶するクィレル先生がいた。
??どういう状況だ?
クィレル先生のターバンが外れて後頭部に誰かの顔がくっついてるのが見えるが、何より本人が物理的にボロボロだ。
驚いた顔でこっちを見ている。
そしてその隙を突いたポッターがクィレル先生に近づいて顔を触りにいった。
は?
なんかクィレル先生も苦しんでるし。
これ、なに?
どちらを、どう助ければ良い?
ああ、困惑しているうちにクィレル先生が灰になってしまった。
それはなんて魔法なの?
古代魔術より訳わからんぞ。
クィレル先生の灰から謎の白い煙が出てきた。
白い煙はポッターの体を通り、一瞬コチラを避けるように迂回して逃げていった。
もしかして逃さないほうがよかったか?
でもあれどうやって捕まえるんだ?
遂にはポッターまで気を失ってしまった。
……これ助けに来た先生方になんて説明すればいいの?
愛の魔法がどうとかの話を知ってるダンブルドアがおかしいんです。レガ主くんに非はあんまり無い。