深雪に真夜から連絡があった。
「叔母様、お兄様のことですか?」
『ええ、達也さんの画像が流出して大炎上していますね』
「え……、まさかあの時の一般人の観客が……?」
『心当たりがあるのですね?』
「はい……、お兄様がバトルボードで光井ほのかさんにフラッシュを使わせたところ、失明したり視力低下したりしたらどう責任を取ってくれるのかと……」
事情説明された真夜は納得した。
『全面的にその観客達が正しいですね』
「はい……、叔母様、流出したお兄様の画像を削除できませんか?」
『無理ですね。3月の横浜ベイヒルズタワーの件は初動が早かったため処理できましたが、既に拡散しています。その観客の言う通り一般人を甘く見た結果、達也さんの自業自得です』
深雪は否定できなかった。
司波達也の画像で『EDは病気だ』、『包茎は病気だ。ちんちんの皮剥け!』とバズっている(笑)
『達也さんは世の中を甘く見過ぎです。一般人でもこのように合法的に社会的に達也さんを抹殺できるのですもの』
「はい……」
『
「はい? 叔母様、それは……?」
『天海ルシル様のお言葉です。魔法など必要ない、現代魔法師は勘違いが過ぎるともおっしゃられていますね』
真夜からルシルのことを説明された深雪はある決断をした。
8/8新人戦ピラーズ終了後……
「飽きた。摩周湖で避暑しよう。本州のムシムシジメジメした夏には辟易する」
「賛成ね」
「ルシル様、どこになさいますか?」
「悩みどころだね。湖畔の宿で美酒美食と露天風呂は最低限で」
リーナとミア、アリサ達と混浴したい。
「ルシル様、摩周湖の宿は見つかりません。お隣の屈斜路湖ならルシル様向きがあります」
こじんまりとした隠れ家的な宿を見つけてそこに予約してもらった。
「一室大人二人で三十万ですが、三泊三人一室百万でいいそうです」
「クオリティ落ちなければいいんだけどね」
「そこ大事よね」
三人どころか、ガールフレンドを何人も連れ込むのだから格安だ。流石に気の毒だから後始末のヴァッシェンはするよ?
8/11本戦ミラージのために戻った。
その間に鑑別所にて千葉寿和が司波達也を尋問していた。
「司波達也、何故あのようなテロ行為をした?」
「俺はテロの準備などしていません」
「フラッシュをインストールしたCADを用意した時点で準備になる」
「…………」
「フラッシュを考えインストールした、テロの主犯はお前だ。つまり無自覚にテロ行為をしたことになる」
ここでキチガイ・サイコパスはテロ等準備罪について疑問を浮かべた。
「そのおめでたいお頭に教えてやるよ。テロ等準備罪では準備した時点で犯罪、実行したら問答無用でテロリストなんだよ。お前には殺人未遂罪と往来妨害罪も加わるな」
テロ等準備罪は下記三つの厳格な要件が定められているため、一般人が対象になることはないが、光井ほのかを利用することにより組織的犯罪集団の要件を満たし、計画し、準備している。
「組織的犯罪集団」の関与
重大な犯罪の「計画」
計画した犯罪の「実行準備行為」(犯罪を実行するための資金の準備等)
「ーーーーッ俺は人を殺そうとしてません」
「あれの放送が原因の交通事故が現時点で19件確認されている」
「!?」
運転中にTV見るなという話だが、無自覚テロ行為がなければ発生しなかった交通事故だ。
「幸い死者は出てないが、玉突き事故にまでなってる。お前は立派なテロリストだ」
光のエレメンツのフラッシュはそれだけの威力がある。運転に集中していたとしても逃れられないだろう。
ご愁傷さま。テロは自動車保険補償対象外だから、キチガイ・サイコパスの父親から示談金や慰謝料など払わせる。
「…………」
「無自覚に殺そうとしたな」
「…………往来妨害罪というのはなんですか?」
「公共交通機関に対するテロ行為だ。あの放送で何人大怪我したと思ってるんだ?」
「…………」
「被害者にはキャビネットに乗ってた妊婦までいたんだよ。あれが原因で流産したそうだ」
「!?」
「水子にして、被害者とその家族達を悲しませてることを自覚もしてないな? まだ生まれてない赤子は人とみなされないため刑事責任は問えないが、個人的には殺人罪も加えてやりたいくらいだ」
「…………」
寿和は響子と交際しており、現在響子は妊娠しているため、内心今回の妊婦と水子に同情しており、目の前のキチガイ・サイコパスを嫌悪している。これを知らされたエリカも司波達也が一生檻の中か、死刑になればいいのにと思っている。
「能動空中機雷のインデックスへの開発者の登録を北山雫嬢に偽り申請したのは何故だ? 自分が満足に使えないからっていうくだらない言い訳は通用しないぞ?」
「…………」
「公文書偽造罪も加わるな」
「!?」
魔法大学は国立であるため、魔法大全インデックスは公文書に該当する。無自覚に違法行為をする非常に性質が悪い本当に迂闊なバカだ。
原作では一条将輝への戦略級魔法『海爆』の提供で開発者は司波達也だと発表されたことに自分達の手柄にしておけばいいものをと舌打ちしていたが、戦略級魔法など国に登録されるため、偽ったらそれも公文書偽造罪にあたると思うのだけどね? 本当に考え足らずのバカだ。
法律を舐めるな。
「何故偽り申請した?」
「…………」
「はあ、だんまり決め込むか。余程調べられたくないことがあるみたいだな。調べられたくないならキチガイ魔法と兵器を開発するな。迂闊過ぎる考えなしのバカが」
「ーーーーッ」
銃刀法違反なども加わり、聴取終了。
「…………いつ釈放されるんですか?」
「お前警察舐めてんだろ。お前みたいな頭が可笑しい重犯罪者を娑婆に放流するとでも思ってんのか? 頭の中お花畑だな」
「ーーーーッ」
「豚箱の中でキリキリ反省しろ。流産した妊婦と水子、家族達に対して詫びろ」
再び檻の中になった司波達也。
独房に戻った司波達也はようやく自分が非常にマズいことになっていることに気が付いた。
脱獄を一瞬考えたが、そのようなことをしようものなら、自分の居場所が日本になくなると即座に却下した。それに深雪に迷惑をかける訳にはいかない。
やはりバカだ。もう居場所はない。
寿和から事情聴取の件を報告されたルシル君はそれよりもと……
「響子さん妊娠しているよね?」
「は、はい……」
「お腹が目立たない内に籍を入れなさい。時計塔はテレワークも認めているから」
産休育休も認めているから、3年は休んでいいよ。時計塔海外リゾートで育休できるから。
「ありがとうございます」
「千葉寿和君、当然孫娘を娶ってくれるね?」
「は、はい、当然です!」
ルシル君と烈爺の圧力には逆らえない。といっても寿和は響子に首ったけだから心配はしていないが。
「じゃあこれからデートで婚約指輪買ってきなさい」と言って時計塔ショッピングモールに送り出した。
「これで響子さんは勝ち組だね」
「本当にありがとう、ルシル君」
「響子さんには魔法大学時代にお世話になったから幸せになってもらいたいというのもある」
「ああ、確か響子がルシル君に付き添っていたのだったね」
「大学生って忙しいからね。その中で態々面倒見てくれたから」
恩返しだね。
「ハハハ、ルシル君はどの試験も瞬殺していくから、響子は目を白黒させていたようだね」
「正直簡単過ぎてつまらなかった」
烈爺から苦笑が返ってきた。
「ミラージでもド変態観客を乱入させるか」
「ちょっと待って、ルシル君!?」
「フェアリー・ダンスが穢されるじゃない!?」
「洒落にならねーよ!?」
「お祭りはお笑いだーーーっ!!!」
『頼むから止めて!!!』
ちっ、穢してやる気満々だったのに……
本戦女子ミラージ・バットはリーナが空中歩行で無双した。
※空中歩行 空中に障壁魔法で足場を作る
「あれは……、まさか飛行魔法……!?」
「時計塔のDr. クレープ・シュゼットが発明した……?」
「いや、違和感ないか……?」
ミラージは軽体操の発展形、魔法版であるのに飛行魔法を使用するなどしない。競技の意義をぶち壊しているし、完全に反則だろう。私は予め烈爺に確認している。
「倉橋さんって安倍晴明の末裔の天海家の分家なんでしょ……?」
「くそっ、九高の独壇場じゃないか……!?」
他の選手など歯牙にもかけない。大会運営委員から術式を提供するよう言われたが、「CADなど使っていない。古式を舐めるな」とルシルが告げて愕然とする連中の顔が愉快だった。
「…………しかし選手は必ずCADを提出して検査を、」
「ダミーだwww」
「…………他校から九高だけ卑怯だと、」
「知るか。CADに頼り切りの現代魔法師が、だったら貴様等もCADを使うな。それにあの魔法は時計塔が既に特許登録済だ。提供するということは術式を漏洩しろという売国行為で訴える」
そこに烈爺が現れた。
「天海ルシル君の言う通りだ。大会運営委員は目に余るね」
「か、閣下……」
「大会運営委員は工作員にも気付かず度し難い。お話しが必要なようだ」
青褪めた大会運営委員はルシル君に親指を下にされて烈爺にドナドナされていった(笑)
ルシルはリーナをミラージ・バットに出場させて身体のラインが浮き出る衣装をさせる気はなかったのだが、リーナがその後で愛でてと止まらなかった。そういうシチュエーションにも興奮するようだ。
リーナが本戦ミラージ・バットで優勝した。
ミラージ終了後、一高から真由美と克人、鈴音が、三高から将輝と吉祥寺、愛梨が九高テントを訪ねてきた。
「ルシル君、リーナさんの使っていた魔法は一体どういう魔法なのかしら? 飛行魔法というよりも、空中に立っていたように見えたのだけど……」
あの障壁魔法はリーナの足の裏に発動して隠蔽しているから気付かないだろう。
「マナー違反」
「またCADを使っていなかったようにしか見えなかったのは、」
「天海式で鍛えるとあのようなことも可能」
「本当にCADを使っていないのか……」
「CADなんか必要ない。害悪だろ」
「言い切った……」
「あ、そうだ。将輝、ちょっと来て」
「あ、ああ」
認識阻害を使ってから、将輝にデータを渡した。
「ルシルこれは?」
「戦略級魔法『海爆オーシャン・ブラスト』」
「!?」
「海上の広範囲に隠蔽した魔法式を展開し、海水を一気に気化させて大規模な水蒸気爆発を引き起こす。新ソ連が攻めてきたら使うといい」
「マジかよ…………まさかDrの発明か?」
「そういうこと。爆裂の戦略級魔法版だ。殲滅してやれ」
「ああ、感謝する。ルシル、金沢に夏休み来ないか? 妹達に指弾を習得させたいんだ」
「教師がいなかったら難しいよね。『海爆』の検証も兼ねて半分旅行気分だな」
「ああ、一条に泊まっていってくれ」
「そういえば将輝ってオートバイ乗ってる?」
「ああ」
「将輝ED……インポになりたいのかな?」
「ちょっと待て!? どうしてそうなる!?」
「ド変態仮面ライダースーツも合わせてオートバイによる長時間の股間圧迫によるEDは医学的に証明されている」
「マジか……」
「スーツや私服でハーレーやヴェスパとかにした方がいいよ。時計塔がハーレーやヴェスパ買収して燃費改善したし、水素動力やサイオン動力版もあるから。変えないと将輝のことをED志願者として宣伝するwww」
「どんな宣伝だよ!? 俺を社会的に殺す気か!? 買い替えるから止めてくれ!?」
「それからちんちんの皮剥けてる?」
「…………なんでそんな話になるんだ?」
「ちんちんの皮剥けないのは包茎っていう病気。不衛生だし変な病気になることもあるのかな?」
「マジか…………そんなこと保健体育で教わったことないぞ……」
「先生が教えたとして、『先生は包茎ですか?』って生徒に質問されたら? デリケートな問題だから教えてないんじゃない?」
「なるほど……、剥いてくる」
将輝も浴室に駆け込んだ。現代魔法師相当包茎多そうだな(笑)三矢と七草、十文字には既に指摘してある。幸い仮性包茎だった。真性包茎は流石に無理だ。包茎手術してこいと。
その後リーナとミア、アリサ達とフィジーに転移した。九校戦の結果? 興味ないよ。
興味も関心もないが、九校戦は九高が優勝したそうだ。生徒会長から連絡があった。
ふ〜ん、そうなんだ。
って感じ?
後夜祭で司波深雪が何故か私を探していたそうだ。
ということで九校戦は終了
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