本好きの念能力者 @ 魔法科高校   作:avagnale

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入学式には桜の木の下が定番


IF ルシル君一高入学(雫ほのかとは中学校からの付き合い、深雪とは高校で初対面の場合)編

 放課後、下校時、1Aモブ達が深雪と一緒に帰ろうと校門前を塞いで争っている。

 

「またか」

 

「まただね」

 

「本当、呆れるわね……」

 

 口論の最中、モブが突然特化型CADを突き付けたところ、赤毛美少女が警棒型CADで弾いた。そして激昂する1Aモブ達……

 

「いい加減にしろ」

 

 ヴァッシェンをモブ達に放った。ヴァッシェンが終わるとモブ達はゲホゲホと咽ている。

 

「口周りの汚れが酷いね」

 

 ルシルが言霊を放った。

 

『動くな』

 

 問題の一科生達を対象にして、『道を空けろ』で一斉にザザーーーッと道が開いた。そして『跪け』と放ったところ、全員跪いた。

 

「1Aの馬鹿共がすまなかったね」

 

「い、いや、気にしないでくれ」

 

「そ、そうそう、あなたが悪い訳じゃないんだし」

 

 ルシルは片眉を上げ、エリカを見た。

 

「君、千葉のご令嬢かな?」

 

「えっ、あたしのこと知ってるの?」

 

「あの動き、正に千葉を彷彿としていたから。で、どうなの?」

 

「うっ、うん……、千葉エリカ……、エリカでいいわ、よろしく……」

 

「天海ルシルです。よろしくね。はぁ……、本当にこの馬鹿共は身の程知らずだな……。千葉のご令嬢……千葉の麒麟児……数代前の部活連会頭の妹さんに何をしているのだか……。「剣の魔法師」の家名を名乗ることを許された者に貴様等如きが敵う訳がない」

 

 1Aの馬鹿共だけでなく、エリカも含めて全員目を瞠った。

 

「百家本流の名門を甘く見るなよ? あの動き、国防軍の特殊部隊でも通用するだろう」

 

 ふんっ、その程度のことを察せないとはねぇ

 

「どうせ二科に入ったのは、二科から下剋上とか面白そうね、とか?」

 

「ちょっと!? 人聞き悪いこと言わないで!?」

 

 しかし周囲はうわぁ……と(笑)

 

「だって君、明らかに愉快犯の人相しているじゃない」

 

「どんな人相よ!?」

 

「エリカという名前からも明らかだよね」

 

「どういう名前よ!?」

 

「名前はともかく否定できねえだろ……」

 

「ちょっと!?」

 

「千葉家へ土下座行脚させる? 百家名門への無礼だけど?」

 

「え、えぇ……、そ、それは遠慮するわ……」

 

「そう? 残念だね。本来は当主からの抗議文レベルの無礼だけどなぁ」

 

「家に来られても迷惑だしっ!?」

 

「? ……君、最近千葉の名乗りを許された?」

 

「え……」

 

「お父上やお兄様達から怒られない? 千葉家の面子問題もあるのだから」

 

「……どうすれば面子を保てるのかしら?」

 

「この犯罪者共に罰として3日間校庭で毎日木刀素振り一万回させるとか? 君の舎弟……親衛隊に監視させてね?」

 

「なんで知ってるのよ!?」

 

「千葉宗家に相応しい腕前に、可愛いから、いてもおかしくないだろうなと」

 

「えっ……」

 

「容姿が整っているということは優れた魔法師の条件の一つでもある。このような美少女が二科生? 何かあるのは明らかだろう。劣っているのは跪いている貴様等の方だと何故理解できない?」

 

 モブ達の愕然とした顔が愉快極まりない。

 

「それから深雪の兄の司波君かな?」

 

「は、はい……」

 

「司波君は入試筆記圧倒的一位、貴様等が二科生は劣等生だと侮っているのに頭脳では二科生に劣る劣等生だという自覚もないとは(笑)」

 

 あ、吹き出す音があちらこちらから

 

「頭脳で劣る低脳のお猿さん? 滑稽なものだねぇ?」

 

 くくくっ、愉快極まりないな。

 

「生徒会長、風紀委員長、覗き見とは趣味が悪いねぇ?」

 

 真由美と摩利が出てきた。ルシルは深雪と達也、エリカ達をキラッキラ笑顔で黙らせ、交渉した。

 

「真由美さん、我々にはこの馬鹿共を犯罪者として警察に通報する義務がある」

 

「えっ!? ちょ、ちょっと待って、ルシル君!?」

 

「身の程知らずが百家本流の名門千葉を侮辱し、特化型CADで攻撃しようとした。秩序を乱すことは許されない」

 

「……ルシル君の要求は?」

 

「千葉家その他諸々への無礼なので、千葉家監視の下、明日から3日間、校庭で毎日木刀素振り一万回。朝から下校時間まで、終わるまで逃がさない。終わらなかったら翌日リセットされる(笑)」

 

 真由美は溜息を吐き、エリカに確認した。

 

「千葉さん、監視の人員を派遣できるのかしら?」

 

「は、はい……、説明すれば嬉々として来てくれると思います……」

 

「だろうな……」

 

 摩利が遠い目をして深々と溜息を溢した。

 

「徹底的に罰しないから、このようなあふぉ共が量産されるのだ。校長には「貴様の失態で翌朝の一面を飾るぞ?」とでも言っておいて」

 

「うわぁ……、分かりました……」

 

 ルシルのどS振りに全員どん引きしている。

 

「では毎日監視よろしく。エリカの舎弟もとい、親衛隊長マリリン」

 

「誰がエリカの舎弟、親衛隊長だ!?」

 

「これは失敬。千葉エリカ教信者マリリン」

 

「何よその宗教!?」

 

「あたしは信者じゃない!」

 

「えぇ、まさか狂信者だったの? これは大変失礼を」

 

「悪化した!?」「違う!!」

 

「千葉エリカ教祖の狂信者じゃなかったの? どちらが間違いなのか……?」

 

「変な宗教でっちあげないでよ!? 教祖って止めて!!!」

 

「え、それだけ可愛いのに?」

 

 赤面するエリカも可愛い。

 

「ふむ、麒麟ちゃん愛しのマリリンの方が好み?」

 

「っていうか、マリリンも止めろ!?」

 

「前半は否定しないんだ」

 

 風紀委員長の顔は真っ赤になり、羞恥に悶えている。真由美は腹が痛そうだ(笑)

 

「モンローなら良いの?」

 

 ほとんどが吹き出した。20世紀の女優かと……

 

「舞台でスカートを押さえている姿がお似合いだと思う」

 

「あたしにそのような趣味はない!!」

 

「そう? 残念だなぁ」

 

 エリカが親衛隊を手配しているところで、ストップをかけた。

 

「バリカンとカミソリ持ってこさせて」

 

「え、……バ、バリカンとカミソリ? な、なんで?」

 

「反省は形からだよね。男はハゲかザビエルにする」

 

 全員吹き出した。モブ達は絶望している。

 

「な、なんでザビエルなの……?」

 

「あの頭で悔い改めよと説いているじゃない。どちらか選ばせてやろうかなと」

 

 エリカはお腹を押さえながらバリカンとカミソリを持参するよう指示した。

 

「女子は可哀想だから断髪式は免除しよう。グダグダ言うようであれば、アフロにするぞ?」

 

 ルシルは1Aの馬鹿共に、シュネーアストの氷雪の微笑みを向けた。

 

「アフロって……」

 

「モヒカンやリーゼント、パンチパーマでもいいけどね」

 

 女子も((((;゚Д゚))))ガクガクブルブルしている(笑)

 

「貴様等幼稚園児にも劣るな? まるでストーカー?」

 

 あ、多数吹き出した(笑)

 

「人間性と道徳、倫理を学んでから人生そのものをやり直せ。ごみくず共、貴様等と同じ空間にいることも堪え難い」

 

 精神的にフルボッコにしてから、満足したところで帰ることにした。

 

「深雪、エリカ、司波君、またね」

 

「は、はい、ありがとうございました……」

 

「あ、ありがとう……」

 

「ありがとうございます、助かりました……」

 

「気にしないで。女の子を助けるのは男の役得だから」

 

 深雪とエリカはルシルの爽やかな笑顔にズッキューーーン!?した(笑)

 

「リーナ、雫、ほのか、帰ろう」

 

「ええ、帰りましょう」

 

 ルシルが具現化したスカイボードにリーナ達も乗り、帰っていった。

 

 

 

 そして達也達も帰路に着いたが、その帰り道で……

 

「凄いのがいたものね……」

 

「ああ、あのような魔法は初めてだ……。深雪、彼はクラスメイトなのか?」

 

「はい、魔法科高校史上初の推薦入学者の天海ルシルさんです」

 

「へ? それほんと?」

 

「生徒会長によると魔法適性検査で前代未聞の数値だったらしいわ」

 

「それで推薦入学か……」

 

「ルシルさんはお仕事が忙しいために、総代を辞退して入学式を欠席したそうです」

 

 深雪からルシルの事情を説明されると一同納得した。

 

 

 

 …………しかしそれは表向きの話で、ルシルは推薦入学したのだが、面倒くさいので、入学式の答辞は辞退し、入学式は欠席した。

 

 ……入学式では制服姿が新鮮なリーナと雫に欲情したルシルは桜が満開な一高裏山(演習林?)でハッスルしてしまった。ほのかは顔が真っ赤になり、入学式へと……

 入学式後、ほのかが裏山に来たのだが、リーナは腰を振り、雫はルシルの顔の上に跨り喘いでいた(笑)

 

「……………………い、いつまでやってるの!?!?!?!?」

 

 次の瞬間、ルシルとリーナ、雫は絶頂に達し果てた。

 

「…………リーナ、雫」

 

 リーナと雫がルシルのエーヴィリーべの剣を舌で綺麗にしているところで、ルシルはほのかに尋ねる。

 

「ほのか、入学式終わった?」

 

「う、うん……、IDカード受け取ってきた……」

 

「ほのかは真面目だねぇ」

 

「ルシル君が欲望に忠実すぎるんだよ……。そ、それから、早くそれ、しまってよ!?」

 

 ほのかは両手で顔を覆い隠しながら絶叫したが、指の隙間からチラチラと見ていることは隠し切れていない。

 

「リーナと雫が可愛いからまだまだ鎮まらない。入学式をサボタージュして桜の木の下でというシチュエーションもまた拍車をかけている」

 

「んっ、……確かにこれは忘れられない思い出になるわ……」

 

「んちゅっ、……またルシル君元気になった……」

 

「そういうことで、後一時間は待って。周囲に光学迷彩張っておいてね」

 

「ルシル君のドS!?!?」

 

 文句を言いつつも光学迷彩を張るほのかはドM健在だ(笑)ルシルとほのかの間に性的関係はない。ほのかは何故か度々ルシルの閨現場を目撃するのだ。大浴場やプールなどでリーナや雫だけでなく、夕歌達がご奉仕している姿やアヘ顔しているところも……

 ほのかに喘ぎ声を聞かれていると思うと興奮する。またハッスルしてしまい、衣服を整えてから、IDカードを受け取り帰宅した。

 

 …………IDカードを受け取る時に、入学式の時にルシルはリーナと雫とヤッていたでしょうと真由美にジト目で見られた(笑)マルチスコープで覗き見されているのは気付いていたよ。だからこそ興奮したとお礼を述べたところ、顔が真っ赤になった真由美が何やらもじもじしていたため、認識阻害を使い、桜の木の下へエスコートしてヤッてしまった(笑)新入生を歓迎するのは生徒会長の役割だよねと(笑)またほのかからドSと褒められた(笑)

 

 

 

 ということで、完全に騙されている深雪達(笑)

 

「そうだったんだ……。……十師族越えてない? 圧倒的で、完全に呑まれたわ……」

 

『確かに……』

 

「深雪以上に整った容姿も初めてだ……」

 

「天海って相当な名家なのでしょうか? 生徒会長の様子からして不自然だと思いました……」

 

「あの立ち居振る舞い、存在感、非常に整った容姿、見るからに高級品のスーツとコート、腕時計、アクセサリー……、名家なのは間違いないだろうね」

 

「天海、か……。確か古式の相当古い名家だった気がする……」

 

「きょ、教祖……、お前、崇め奉る存在だったんだな(笑)」

 

「うっさいわね! レオ教作ってやるわよ!?」

 

「うっ、そ、それは悪かった……」

 

「ルシルさん達は常識人ですね。お昼にお兄様達が席を立ってから、自分達の席にお誘いくださいました。ルシルさんの認識阻害の魔法であの後は煩わされることなく食事が摂れました」

 

「認識阻害…………古式の名家というのも頷ける。良かったな」

 

 ルシルが食事後トレーを五人分返却口に指を鳴らして浮遊させて返した一幕を説明したところ、誰もそのような真似はできないと頷き合った。

 

「「魔法はあくまでも生活を豊かにするための手段に過ぎない」だそうです」

 

「それは……、憧れるな……」

 

 魔法師の兵器からの脱却を目標にしている達也がルシルに憧れるキッカケになった。

 深雪としても兄のことを認めてくれたこともポイントが高い。兄に劣る劣等生だという自覚もないお猿さん扱いには正直吹き出してしまった。

 

「超絶美少年で常識人かぁ。その上推薦入学の主席、ユーモア抜群で紳士。完璧超人じゃない」

 

 エリカ的には渡辺摩利をからかって翻弄していたこともポイントが高い。

 

「あぁ、正直憧れるぜ。あいつ差別意識なんてなかったぞ?」

 

「カッコ良かったですよね……」

 

「あいつの徹底的な制裁には正直すっとしたぜ」

 

「そうそう、いや〜〜、痺れたわ〜〜〜 必殺、仕置人って感じ?」

 

「ふふっ、そうね。あれくらい頼りになる殿方が好ましいわ」

 

「あっ、やっぱり深雪もそう思う?」

 

「ええ、優しいだけの男は駄目ね。あれくらいに毅然と対処してくださる殿方でなくては」

 

 女子の意見も男子の意見も一致した。

 

「エリカ、確かに千葉家の面子問題があるわ。これで丸く収まって、制裁できるのだから、ルシルさんに感謝しないと」

 

「そうよね……」

 

「あれは千葉家からの制裁に相応しいと思う。確かに千葉の名乗りを許された子女が格下から侮辱されたんだ。これが知られれば千葉家の面子問題になるというのも否定できない」

 

「はぁ……、今更だけど、千葉の名の重みを実感したわ……」

 

 深雪が口元を押さえてクスクスと小さく笑った。

 

「ふふっ、ルシルさんに感謝しないとね? 百家の在り方を教えてくださったのだもの」

 

「……深雪の言う通りなんだけど、ルシル君には感謝しても、……あの父親には感謝したくないわ……」

 

「家庭事情はそれぞれだし、悪い扱いはされないでしょう」

 

「そうなんだけど……、あたし、感じ悪くなかった?」

 

「今更かよ!?」

 

「うっさい!」

 

「ふふっ、明日改めてお礼をしましょう?」

 

「うっ、うん……」

 

 そして深雪の友人になった面子……倉橋理奈、北山雫、光井ほのか……

 

「リーナは、倉橋家は天海家の分家のようですね」

 

「それに北山のご令嬢に光井……」

 

「北山と光井って有名なのか?」

 

「天海倉橋と一緒の時点で北山さんは大富豪、光井さんは恐らくエレメンツでしょうね」

 

「マジか……」

 

「凄い豪華な顔触れね」

 

 古式の名家と富豪、エレメンツの集まりなのだ。それに誰よりも良識と一般常識を備えている。

 

「……あの突然の水と動けなくなった魔法、ボードは一体何だ? サイオンを使用している様子もなかった。…………まさか時計塔ザ・ルシフェリアの実現した飛行魔法のエアカーの新型か? 名前の語呂から、天海君は時計塔関係者だったりするのか? それで仕事が忙しい?」

 

「( ゚д゚)ハッ! た、確かに……、明日ルシルさんに確認してみます」

 

 

 

 

 

 翌朝登校時、ルシル達は深雪達と出会った。

 

「おはようございます、ルシルさん、リーナ、雫、ほのか」

 

 挨拶後、深雪に達也、レオ、美月を紹介された。お互い自己紹介が終わると、後ろから「ルシルく〜〜〜ん、達也く〜〜〜ん!」と声が聞こえてきた。

 

「幻聴だな。リーナ、雫、ほのか、スカイボードに乗って」

 

 苦笑した三人がスカイボードに乗ったところで風のように消えたルシル達。

 

「ぷっ、早速断髪式(笑)男はハゲで(笑)ザビエルを選択する猛者はいなかったか」

 

「エリカの親衛隊が怖いね……、ぷぷっ……」

 

「し、雫、笑っちゃ失礼っ……」

 

「リーナも笑いを堪えてっ……」

 

「エリカ親衛隊の皆様、天海ルシルです」

 

 エリカお嬢さんから話は伺っていますと、礼を述べられた。

 そこで終わらないルシル君が取り出したのは黒マジックだ。

 不可解そうな周囲と内心怯えているハゲ共……

 

 黒マジックでハゲ共をパンダにしていった(笑)

 

 登校してきた生徒達が一斉に吹き出した。

 

「ルシル君、お腹痛い……」

 

「チェンさんの完成だ(笑)こいつらは以降チェンさんね」

 

 後から登校してきた真由美と深雪達まで吹き出したそうだ。

 

 これが日常風景になるのかと思うと、非常に愉快だ。

 

 

 

 1A教室に深雪が入ってきた。

 

「ルシルさん、会長からお昼を一緒にしましょうとお誘いを受けたのですが」

 

「災難だね」

 

「いえ、ルシルさんもお誘いするようにと……」

 

「あれ、絶対に腹黒狸でしょ。厄介事の香りしかしないから、お断りする」

 

 深雪は苦笑するしかない。

 

「深雪が可愛いから、客寄せシュミルとして利用しようとしているだけでしょう?」

 

「か、可愛い……」

 

 深雪は真っ赤になり狼狽えている。……この程度のことで……

 

「気を付けて、男は狼、会長は腹黒狸、私はシュミル」

 

「シュミル、ですか?」

 

「ルシル君の幼少期が超絶可愛いのは同意する」

 

「シュミルっていうのも否定できない」

 

「あ、あの……、シュミルって……?」

 

「ルシル君のペットのありえないうさぎさん。深雪はあれを体験するといい」

 

「そうだね、深雪はシュミルを体験するといいよ。シュミルが至高だから!」

 

「はい?」

 

「ペットの話よ。ルシルの妹達もシュミル命だから」

 

「え……、ルシルさんには妹さんがいらっしゃるのですか?」

 

「あぁ、小学6年生のアリサと三歳のアンナ」

 

「アリサちゃんとアンナちゃんも超絶可愛いよ」

 

「天海の遺伝子は超絶美形しかいない」

 

「それから、パンダについてもお話し合いしたいと……」

 

「あぁ、チェンさんのこと?」

 

「は、はい……、何故あの姿なのかと……」

 

「お笑いのため」

 

 吹き出す音が続出した。

 

「天海の側仕えにもチェンさんいるからね」

 

「え……、あの姿で側仕えをしているのですか!?」

 

 深雪が驚愕する様子にリーナ達もわかるわかると頷きながらも訂正した。

 

「天海家には側仕えをしている本物のパンダがいるのよ」

 

「…………はい?」

 

「深雪の反応も当然」

 

「あれを見ると誰もが目を疑うよね」

 

「その名も「チェン」さんだから」

 

「…………パンダが側仕え、ですか?」

 

 グリードアイランドの景品「メイドパンダ」ですね。

 

「一度お兄さんと一緒に天海家に遊びに行ってみるといいわ」

 

「子守り上手でお花とか得意」

 

「…………ルシルさん、一度ご訪問してもよろしいですか? 非常に気になります」

 

「お気軽にどうぞ」

 

 

 

 生徒会室から昼食後戻ってきた深雪が非常に申し訳なさそうに……

 

「ルシルさん、会長から放課後生徒会室に来てほしいと……」

 

「厄介事、以下同文」

 

 深雪は苦笑……

 

「それにしてもお昼にお寿司、ですか? 美味しそうですね」

 

「生徒会室でお昼食べてきたんだよね? まだ食べられる?」

 

 ルシルが深雪に自分の寿司皿を差し出した。

 

「よろしいのですか? お昼はダイニングサーバーの精進料理でしたから、余裕があります」

 

「生徒会室にダイニングサーバーって……」

 

 生徒会にはブラック臭しかしない件について

 

「確かに精進料理ならお寿司3貫くらい余裕でいける」

 

「……では赤身の漬けを、…………美味しい……こんなにとろける美味しい漬けは初めてです」

 

「赤身は天端っていう希少部位だよ。200kgのマグロで5kgしかない部位。それを工夫してみた」

 

「美味しい訳ですね……」

 

 続けて中トロと大トロの炙りを味わった深雪は感動している。

 

「これ、握ったのルシル君なのよ?」

 

「え……」

 

「ルシル君の趣味。料理の腕前なんて三ツ星を超える」

 

「それは凄いですね……」

 

「アリサちゃんが羨ましいわ。こんなに美味しいお寿司ランチを食べられるんだもの」

 

「アリサちゃんは小学生ですよね? お昼お弁当持参なのですか?」

 

「あの学園の学食美味しくないんだって。一流店に出店させれば良いのにねぇ?」

 

 誰もが知る名門校である。

 

「えぇと……、それは、非常に難しい、困難なのではないかと……」

 

「アリサちゃん舌肥えてるもの」

 

「仕方ない」

 

「たまには庶民の味も悪くないですね、だってさ」

 

「ルシル君、あそこ、超絶お嬢様が通う名門校だよね……」

 

「天海はレベルが違うのよ」

 

「そう、わたしもそれで鍛えられた」

 

「ルシル君に責任取ってもらう」

 

「お手柔らかにね」

 

 責任とは重い言葉もあったものだ。

 

「アリサのお弁当は私か専属のどちらかだね。時間に余裕があったら私が作っている」

 

「アリサちゃん愛されていますね……」

 

「でもアリサちゃん嫉妬されない? 一人だけこんな豪華なランチ毎日食べてるんでしょ?」

 

「大丈夫。十神から友人兼護衛として付けているから」

 

「あぁ、それなら安心だね」

 

「十神が護衛ですか……。確かにそれなら安心ですね……」

 

「まあ、アリサの御学友にやんごとなきお姫様がいるから、手を出そうものなら、社会的に抹殺されるよ」

 

『え……』

 

「宮内庁が黙っていない」

 

「そ、それはまさか……」

 

 ルシルは悪戯っぽく微笑んだ。

 

 下校時、校庭で素振りをしているチェンさん達を横目で見やる。

 

「初日一万回達成できるかな?」

 

「無理だろう。疲労困憊で翌日は筋肉痛かつ手は血豆だらけ。1月で達成できれば早い方じゃない?」

 

「まあそうよね」

 

「下手をすれば勉強の遅れから夏休み潰れるね」

 

『うわぁ……』

 

「今日1Aがらんとしていて相当居心地の良い環境だったよね?」

 

「えぇ。最高の環境だったわ」

 

 

 

 

 

 

 




ドSとドMあるある
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