本好きの念能力者 @ 魔法科高校   作:avagnale

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九校戦終了


司波達也の末路

 新人戦女子バトルボード終了後、一高首脳陣と達也達は九島烈に呼び出された。一高はホスト席に座るルシルに驚愕した。十文字克人は目を瞠っている。

 

「「「「「「「「天海君(ルシル様、ルシルさん、ルシル君)!?」」」」」」」」

 

「御前様だよ。態度と言動には気を付け給え」

 

 ツェントの圧を纏うルシルの脇に控えて座っている九島烈からの警告に全員従った。

 

「問題しかない」

 

 ルシルの盛大な溜息と発言に、真由美、克人、他関係者達、そして司波兄妹はその評価に啞然としている者達が多いが……

 

「最初にスピードシューティングの能動空中機雷アクティブ・エアー・マイン。範囲射撃と範囲爆撃、あれは競技の意義をぶち壊している。戦場と勘違いしていないか? あの魔法は汎用的に過ぎる。インデックスに登録されて戦場で使用されようものなら、死者が量産されて開発者に非難殺到するだろう。しかも本戦では汎用型CADに特化型照準補助システムを合体させた兵器を投入しようとしていたそうだな?」

 

 達也はビクッとした。

 

「スピードシューティングはクレー射撃の魔法版で、クレー射撃の起源は狩猟訓練にある。あの魔法で獲物はどうなる? 獲物が爆散して、狩猟成果がなくなる。狩猟成果は美味しく食べるのが礼儀であり供養だ。あれは生命を馬鹿にしている。マナー・モラル、そして法律にも違反している」

 

 その法律……鳥獣保護管理法にある罠猟での爆弾禁止……かつて100年以上前にあった熊に対する爆弾罠猟に該当すると説明したところ、全員青褪めている。

 

「Drは懇親会で「諸君にはこのお祭りで、競技の意義やマナーモラル、そして法律を遵守することを求める」と発言されていたね?」

 

 あれは警告、釘刺しでもあったのだ。それを深く考えることもなく、新魔法や兵器を平然と……

 

「お祭りを戦場扱いするキチガイか。……ふざけるなよ?」

 

 ルシルの怒りに、一高からは謝罪の言葉が続いたが……

 

「狩猟大会の場に戦車やパトリオットミサイルなどを持ってくるよりも酷いキチガイ行為だろうが」

 

 この表現は的確で想像しやすかったようで流石の司波達也も言葉に詰まっている。

 

「過去論文コンペで一高では生徒会長を勤めた者が、多量破壊兵器に代換する魔法の開発をテーマとするも、公序良俗に反する内容として事前審査ではねられたことがあった。あれも何故事前に、はねなかった? その類だろうが」

 

「「もっ、申し訳ございません……」」

 

 生徒会長の真由美と作戦スタッフの市原鈴音が深々と謝罪してきたが……、そもそも教師は……あぁ、機能してないよね……

 

「しかもインデックス登録を、開発者を雫にするように勧める、汚名を押し付けるとはどのような了見だ? ああ?」

 

 ルシルのピンポイント魔力威圧に達也は吐血して跪いた。ゲフゲフゴフゴフと……

 

「……………………も、申し訳、……ご、ございませんでした……」

 

 ユルゲンシュミット貴族特有の魔力威圧は瞳が虹色に染まる……ルシルは八色に染まっていることに、誰もが畏怖を抱いた。

 

 達也はルシルに恐怖した。自分にこのような感情があったとは……それ程の威圧ということだ。……これでも軽〜〜い威圧で相当手加減しているのだけどね?

 

「バトルボードのフラッシュ……水面への干渉は選手観客、視聴者にも失明や視力低下の危険性がある。完全に傷害罪になる。あれも戦場と勘違いしていないか? テロ行為でもある。非魔法師の観客視聴者は魔法医療の対象外だ。失明したら、視力低下したらどのように責任を取る? クローン技術で眼球を作り出すことも可能? 視力低下も今の医療技術で治療可能だが、それでも傷害罪に変わりない。被害者とそのご家族に対しても申し訳ないと思わないのか?」

 

 ポケモン放送事故……1997年に『ポケットモンスター』の放送中に起きた「ポケモンショック(またはポリゴンショック)」と呼ばれる事件を説明したところ、鉄面皮の達也もショックを隠し切れていない。

 

「最悪集団訴訟沙汰になるぞ?」

 

 ポケモンは大人気であったためか、訴訟沙汰にはならなかったが、一歩間違えると、完全にあれは集団訴訟沙汰になる。

 

 …………っていうか、深雪に情がなければ、ルシル君がマスゴミを煽って集団訴訟沙汰にする。

 

「……もっ、申し訳ございませんでした……」

 

「しかも観客席で自分達だけサングラスをしていたな? テロリストそのものではないか。疑似キャストジャミングの件から何も学んでいない、反省もしていないのだと結論付けた」

 

「…………」

 

 ほのかから、サングラスで対策された後の作戦を聴き取った。

 

「サングラスで対策された後の、光の明暗によるコース妨害にしても下手をすれば怪我人が出ることが予想できる程に悪質過ぎる。「ルールに載っていないからといってやっていいとはならない」と私は忠告しておいたのだが?」

 

 ほのかが愕然とした顔になった。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 九校戦前にルシル君は深雪と達也から、深雪にも術式を提供してもらえないかという話になったのだが……

 

「リーナは天海分家倉橋であり、深雪は四葉だから無理」

 

「そんな……、リーナばかり……」

 

 リーナの実力から、新人戦出場はもったいないと、深雪と被るからと判断されてリーナは本戦出場が決定したのだ。本戦はポイントが高いのも判断材料だ。

 古式の、陰陽師の大家、天海分家倉橋のパフォーマンスでもある。真由美から、あれは絶対に実力を隠していると判断された結果でもある。

 

「深雪……、こればかりは他家の問題だと指摘されてしまえば仕方ないことだろう」

 

「司波君なら深雪に合った魔法をプログラミングできるだろう。ねえ、シルバー?」

 

「は、はい……」

 

「でしたら飛行魔法の術式を提供していただけませんか?」

 

「ミラージバットで使用したら反則だろう。ルールに載っていないからといってやっていいとはならない。それに大会運営委員から絶対に術式を提供しろと要求されて煩いことになる。あれは絶対に外部に公開できない。他国に漏洩する危険性も犯せない」

 

「申し訳ございません……」

 

「深雪なら新人戦で優勝できるよ。シルバーもついているのだから」

 

「そ、そうですね……、兄さんに調整はお願いします!」

 

「あ、あぁ……」

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 と予め忠告しておいたのにも拘らず、この始末だ。

 

「あれを、その作戦を実行するとは、エレメンツの依存因子を利用しているな?」

 

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

「人倫にもとる最低な輩だ」

 

「最低」

 

 雫は達也を睨みつけて侮蔑の視線を向けた。

 

「明らかにやり過ぎですね……」

 

「競技で使っていい魔法や作戦ではありませんね……」

 

 真由美と克人もルシルに賛同した。

 

「雫とほのかはSSボード・バイアスロン部だったかな?」

 

「「はい……」」

 

「SSボード・バイアスロンもその本質はクレー射撃と同じで「標的を、獲物を撃ち抜く」というものだ。SSボード・バイアスロン部部長五十嵐亜美さんから、雫とほのかへの勧誘の時にそのように説明されただろう?」

 

 魔法科高校の優等生でも、グリードアイランドの景品「人生図鑑」でも確認済みだ。

 雫とほのかを拉致った輩共は完全に犯罪の類だが、一高のジャージで登校してきたら普通に気付かれないし、あくまでも本人達の意思で入部したため、問題視はしていなかった。そのようなことに一々対応できるか。OBOGは後輩を、可愛がることはあるあるなので、母校愛校精神旺盛、大変結構。

 

「「は、はい!!」」

 

「狩猟は古来から、貴族の嗜みであった。獲物は一撃で苦しませずに仕留めるのが作法だ。狩猟参加者や獲物を悪戯に失明させて苦しめるなど言語道断、倫理にもマナー・モラル、法律にも反する、生命の尊厳も貶める唾棄すべき最低の行為だ。あのような真似をしてみろ。貴様等、人として扱われなくなるぞ? やはり現代魔法師とは人もどきミュータントだとな? 非魔法師達だけでなく、魔法師達からも徹底的に糾弾されるだろう」

 

 全員青褪めを通り越して白い顔になっているが……

 

「君達がしたことは自分達の所属している部活も馬鹿にしている侮辱行為だと反省しなさい」

 

「「申し訳ございませんでした……」」

 

「ほのかも雫同様に謝罪と反省のために、女子ミラージバット出場は辞退しなさい」

 

「はい、辞退します……」

 

「彼女達だけではない。一高は生徒会や部活連などもその魔法、作戦はその競技の本質に、マナー・モラル、法律に違反していないかという審査が全く足りていない」

 

 …………正直このようなキチガイ・サイコパスがいるとは、新魔法や兵器を開発投入してくるとは、誰も思わないだろう。イレギュラーとはよく言ったものだ。真由美や克人達は完全にとばっちりだね。そこには同情するよ。

 

「「「申し訳ございませんでした……」」」

 

「Dr. クレープ・シュゼットは懇親会でImajinを演奏されていたね。君達には想像力も足りていない。平和を願う想いが穢された気分だろう」

 

「ふざけるのも大概にしろ」

 

 烈とルシルの怒りに一高は誰もが青褪め、謝罪することになった。

 

「司波達也のエンジニアとしての腕前は素晴らしいと認めよう。が、くれぐれも気を付けるように」

 

「「「「「申し訳ございませんでした……」」」」」

 

 

 

 ルシルと烈は深雪と達也以外は退室させた後で、四葉真夜との映像通信を映した。真夜には予めこの様子を視聴してもらっていたのだ。

 

「「叔母様(上)!?」」

 

「真夜さん、司波達也は軽挙妄動が過ぎるねぇ?」

 

「はい、申し訳ございません……」

 

「妹への「のぞき」性犯罪ストーカー行為から始まり、沖縄での少年兵への志願、一高入学後の疑似キャストジャミングによる無自覚テロ行為、今回のやらかしの連続、…………司波達也は魔法師の兵器からの脱却を目指しているそうだが、少年兵という違法行為に、ジュネーブ条約違反未遂、戦略級魔法の使用未遂、兵器開発を始めとして、お祭りを、競技を、戦場扱いしておいて、どの口が言う?」

 

「「…………」」

 

 少年兵は違法、投降兵の殺人はジュネーブ条約違反だと司波達也に突き付けたところ、本人は愕然としている。

 

「七草真由美さんの本戦スピードシューティングの観戦では、「異能マルチスコープと魔弾の射手、あれが戦場で使われた場合どうなるか」と口にしていたとか?」

 

「「!?」」

 

「キチガイが、ふざけるな」

 

 ルシルは司波達也の心臓を抜き取った。

 

「…………は? …………ゴフッ!??!?!?」

 

 ゾルディック暗殺術

 

「「「!??!!?!」」」

 

 これには烈と真夜ですら驚愕に目を見開いた。

 

「天海を甘く見るな」

 

 ルシルは司波達也の心臓に魔力を流して瞬時に魔石化してインベントリに収納し、倒れた達也はそこで自動再成するが……

 

〈レビコーバス〉

 

 司波達也を空中逆さ吊りにしてやった。

 

 これにもルシル以外は全員目を瞠っている。

 

 そもそもルシルは念能力の【発】神の意志シュタープとユルゲンシュミット貴族院で採取した神の意志と融合した結果、無言杖無しは仕様であり、グリモワールもあるため、指を鳴らすのは、ただのポーズ、ホグワーツ時代の癖でしかない。

 

「再成持ちなど人体実験に重宝するねぇ。脳を抜き取っても再成するのかな? ソーサリー・ブースター作り放題になるな。全身を消滅させても再成するのかな? 非常に興味深い実験体だなぁ? 古から不死や再成持ちへの対処などパターンは決まっている」

 

 実験体か人体プラント扱いか、殺し続けるか、封印するか、消滅させるか。

 ルシルの氷雪の神シュネーアストの微笑みとツェントの圧に誰もが屈した。

 

「もっ、申し訳ございませんでした!!」

 

「御前様、申し訳ございませんでした……」

 

 この圧で、為政者とは、上位者という者はどういう者のなのかと、身の程を弁えさせる。

 

「司波達也は人格が破綻しているサイコパスそのものだ」

 

「「はい……」」

 

 真夜と深雪も認めた。

 

 …………前世で国境門から「八男ってそれはないでしょう」の世界を体験したことがあったが、あそこに出てきた地雷臭イシュルバーグ伯爵は自身の頭が逝っちゃってる自覚はあった。古代魔法文明崩壊はあの伯爵の実験の結果だが、予め本人はその危険性を王国に警告していた。

 司波達也は自覚がないという時点であの伯爵よりも性質が悪い。

 

「四葉だと隠すつもりが本当にあるのか? 目立ちたがりのただの馬鹿ではないか」

 

「「「…………」」」

 

「大亜の人間の意思を剥奪した兵器ジェネレーターと、同じく大亜の魔法力増幅装置、正体は人間の脳のソーサリー・ブースター、目の封印、新宿二丁目、カマバッカの楽園贈り、どれがいい?」

 

 カマバッカ王国への泉を具現化してポイ捨てするのも一興だ。その場合は、新宿二丁目贈りも当然目の封印をするが。

 ニューカマー拳法は相当強いからね。司波達也程度相手にもならないレベルだ。

 

「「「それは……!?」」」

 

「真夜、私でも庇い立てはできないよ」

 

「先生……」

 

 四葉真夜は九島烈のかつての教え子であっても、やらかしが過ぎる司波達也への制裁は必須だから。

 

「御前様、目の封印でお願いいたします」

 

「深雪……!?」

 

「そうですね、深雪さん。御前様、目の封印でお願いいたします」

 

 ルシルは指を鳴らして達也の精霊の目を封印した。これで達也は分解と再成も使用できなくなった。達也は愕然としている。

 

「誓約主も私に書き換えておいた。戦略級魔法の使用許可は神祇省の頭である天海が、私が出す」

 

「神祇省、ですか?」

 

「御前様が起ち上げた天皇陛下直属の省ですよ、深雪さん」

 

「十師族及び師補十八家は解体されて神祇省傘下になることは決定しているのだよ」

 

「戦略級魔法師は全員私直属だ。家の存続は認めるが、戦略級魔法の使用許可は、国防軍ではなく、あくまでも私が出すものだと心得よ」

 

「「「かしこまりました」」」

 

「達也さん、返事はどうしたのかしら?」

 

〈インペリオ〉

 

 司波達也を服従呪文で私に服従させた。

 

「か、かしこまりました……」

 

 以降司波達也は私に絶対服従だ。許されざる呪文? キチガイ・サイコパスにはこれがお似合いだ。

 

「司波達也、二学期開始まで自宅謹慎を命ずる。貴様の九校戦はこれで終了だ。以降九校戦には関わるな」

 

「かしこまりました……」

 

 真夜と深雪はこれを当然の処分として、諦めの表情で受け入れた。

 

 

 

 ルシルと九島烈はお茶を飲みながら雑談していた。

 

「これ、百年くらい前のギャグ漫画だけど」

 

 ルシルはインベントリから、こち亀90巻を出して「爽やかサバイバル!?の巻」を、烈に読んでもらった。

 

「…………これは面白いギャグ漫画ですな。……なるほど、サバイバルゲームを爽やかに見せるために各種スポーツ選手の格好をする、と…………彼はこのキャラがいたら……」

 

 爽やかにゲームをするために変装しているのに、バットや竹刀型エアガンなどを改造してマシンガンやバズーカにしたりして、両さんにどつかれているからね。司波達也、アタマおか、Cーーー

 

「「てめえら、主旨がわかってねえのか! 爽やかにゲームをやるためにこの格好してるんだぞ!」とね? 両さんがいたら、司波達也は徹底的に鉄拳制裁されていたね」

 

「ふむ、彼はその点も教育が足りていませんな」

 

 烈がふと端末からこち亀を検索して、……その長い作品名から音声検索したのだが、ヒットはゼロ……

 

「…………御前様、このような作品や出版社など存在していないのですが……?」

 

「天海家にもしもこのような世界があったら?という図書館がある」

 

「それは……」

 

「「こち亀」はその中でも私のお気に入りだね」

 

「気になります。一巻から読ませてくださいませんか」

 

 はい、これね、と全巻渡した。

 

「…………200巻超えとは…………しかも昭和〜平成末期までの作品なのに新品同様で…………凄まじい図書館ですな……」

 

 永久状態保存の魔法を使っているからね。

 

 …………その夜以降、烈の吹き出す、爆笑する音が止まらなかったそうだ(笑)リーナと光宣もこち亀の愛読者になった。…………ルシル君のガールフレンドは全員こち亀に嵌った。

 

 

 

「御前様は魔法師のこれからの在り方をどうお考えになりますか?」

 

「まずは九校戦だけど、文化祭……フェスティバル要素も採り入れてみないかなと。演劇や出し物、料理、土木業への魔法利用のパフォーマンスも面白いと思う。魔法の平和利用をアピールするならそこからではないかな。俳優や女優に魔法師がなるのも有りだろう。優れた魔法師は容姿が整っているし」

 

 九島烈は一瞬虚を突かれた顔になり、次にはそれは面白いと呟いた。

 

 土木業では例えばと、鉄塊やジオポリマーの原料をインベントリから出して、ミニチュアの箱庭で鉄骨鉄筋にしてからジオポリマーでビルを創ってみせた。

 

「なんとも見事なものですな……」

 

「これをアピールして、モノリスコードの市街地ステージで利用すれば一石二鳥だ」

 

「それは確かに」

 

 他にもこのようにと、ミニチュア庭園を創ったり、宮殿を創ったりとしていったところ、感心された。

 

「九校戦だけど、通称を九校祭に変更しようか?」

 

「む、今回のような戦場と勘違いした若者達への対策ですか……」

 

「私は九校戦はお祭りだという認識なのだけどね。あの魔法や作戦に疑問を抱かないところに、頭の中を疑った」

 

「私でも御前様から指摘されて、初めて気付きましたからな……」

 

 今回の北山への警告とほのかの失格はルシルの判断によるものだ。予め警告しておいたのにやらかすとは、呆れたものだ。

 

 九校祭に通称が変更されることになった。

 

「魔法犯罪ドラマ、魔法探偵ドラマ、魔法推理小説などなど、どれも流行ると思う。それが日本の魔法の機密に抵触していないか、審査検閲は必要だろうけど」

 

「それも確かに」

 

「文化クラブなどは魔法を使用していない現状を目の当たりにして気付いたことだけどね。それくらい柔軟に取り入れようとは思わなかったのかと嘆いた」

 

「目から鱗、ですな」

 

 お祭り騒ぎは十高の連中も好きなので、フェスティバルなら参加するだろう。

 

 

 

 

 

 

雫とほのかと

 

 ルシルはホテルのロイヤルスイートに雫とほのかを呼び出した。ルシルの両脇には深雪とリーナが座っている。まずは深雪から雫とほのかに達也の所業について謝罪された。

 

「それで、ほのかはまだ司波達也のことが好きなのかな?」

 

「…………は、はい……」

 

 エレメンツの依存因子は厄介極まりないな。メンタルアウトやブック・オブ・ジ・エンドで書き換えてもいいけど、あくまでも個人の恋愛感情にまで干渉するのもどうかと思うからねぇ。

 

 ルシルからほのかに依存因子の解消を提案しても断られたため、ルシルは諦めた。

 

「司波達也に責任を取らせる。ほのかと婚約してもらう」

 

「え……、いいの? ほのか、エレメンツの依存因子を利用されたのよ?」

 

「ほのか、それで本当にいいの?」

 

 リーナと雫も本気でほのかを心配している。

 

「う、うん……、それでもわたしは達也さんのことが好きだから……」

 

「「「ほのか……」」」

 

「個人の意志を尊重する。恋愛は自由だ」

 

「ルシルさん、それでもほのかを、エレメンツの依存因子を利用したことは許せないよ」

 

「許す必要はない。一途に愛してくれる女性から学べることもあるだろう。ほのかなら、あれのEDも治せるかもしれないね?」

 

「「「はい!?」」」

 

「司波達也は魔法事故により、恋愛感情が理解できないらしい。バイアグラをあげるから、それでヤッてしまえ」

 

 精霊の目を封印したことにより、再成できないからね。

 

「「ルシル様(さん)!?」」

 

「わ、わかりました! きっ、既成事実を作ります!!」

 

「「ほのか!?」」

 

「ヤッてしまいなさい、ほのか。それならあれも断れないわ」

 

 リーナ、前向きだよね。

 

「…………司波は四葉だと知ってもかしら?」

 

「「!?」」

 

 雫とほのかは深雪の暴露に驚愕したが、雫は直ぐに納得した。

 

「九島直系の、リーナとほぼ互角の深雪の実力なら納得だね。わたしは深雪は十師族直系だと思っていたから」

 

 …………実はリーナは天海式で鍛えられているため、実力を隠しているのだが……、誓約を解除した深雪にも劣らないレベルだよ?

 

「ほのか、四葉は禁忌ということを理解しても、それでも兄さんと縁付くことを希望するのかしら?」

 

「う、うん……、光のエレメンツだからなのかな…………入試の時の実技……あの無駄のない洗練された光景に魅せられたのもあるけど……、九校戦の練習でも紳士に対応してくれたから……」

 

「…………ほのかがそれで幸せになれるのなら、いい……。でも、ほのかが不幸なことになるようであれば、」

 

「私が、徹底的に制裁する」

 

「ルシルさん……、抱いてください」

 

「ちょっ、雫!?」

 

 ルシルは喜んでと閨に雫をエスコートしていった。

 

「あ〜〜、はいはい、ほのかはこっちでお話ししましょう」

 

「雫の親友なら、雫の幸せも大歓迎するわよね?」

 

「う、うん……」

 

 

 

 閨では雫が本当にいいのと……

 

「ルシルさん、わたし、深雪やリーナみたいにスタイル良くないけど、……いいの?」

 

「十人十色でしょう。流石につるぺたぺったんこまったいら、ホルスタインは無理だけど」

 

 ルシルの戯ける姿に雫は小さく吹き出した。

 

 美肌温泉に入ってもらい、シャワーを浴びながら、そして閨でもご馳走様でした。雫、非常に美味しかったです。

 

 

 

 本戦女子ミラージバットでは疑似瞬間移動のダウングレード版をリーナ使ったリーナは無双して、優勝した。渡辺摩利とのワンツー・フィニッシュだ。

 

 

 

 …………九校戦の結果? 興味ないです(笑)お祭りに順位とか必要なの? 表彰状〜〜〜というくらいどうでもいいレベル(笑)

 九校戦では一高の威信がかかっているって、何そのふわっとしたどうでもいいものは? 興味ないよね。

 

 後夜祭では将輝が深雪をダンスのパートナーに誘っていたが、一目惚れしていたようだが、既にルシル君に喰われてますよ? これを暴露したらどのような反応をしてくれるだろうか(笑)

 深雪とリーナによるお胸様の共演など至福のご馳走だと告げてくれようか、保健室で白濁塗れになることも趣味とか、現実を突き付けてやったら、発狂するだろうか(笑)

 




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