始業式と十三束鋼の相談事
始業式で一高は校長教頭がシュミルになったと発表された(笑)シュミルが校長教頭になってはいけないという法はない。女性スカートスーツ姿の校長の人格はローゼマイン、男性スーツ姿の教頭の人格はフェルディナンドのコピーだ。時計塔ザ・ルシフェリア最新型アンドロイドだ。
※ シュミル
ユルゲンシュミット各地に生息する、見た目はうさぎの魔獣。愛玩魔獣ペットとして貴族に人気。貴族院図書館にはシュバルツとヴァイスという二足歩行シュミル型魔術具がいる。女子学生に大人気。マッドな先生達からはシュミルの魔術具を解剖して研究してみたいと大人気。
シュミルの登場にどよめきが起きたが……
「ぷひっ。一高校長に就任した「校長」です。わたくしのことは「校長先生」と呼びなさい」
「ぷひっ。一高教頭に就任した「教頭」だ。私のことは「教頭先生」と呼びなさい」
((((((((それが名前なの!?))))))))
一高はルシル以外誰もが啞然としていた。今後校長が裁判長、教頭が検察を兼任する。
新たな教職員も就任して、生徒会から本来は教職員がするべき仕事は移譲した。
実技は速度計測など無駄なものは徹底的に廃止した。
来年度から週休二日制にして、一科二科制度も廃止して、学年末の期末試験での成績で新年度クラス替えする仕様に変更した。原作通りの一月毎にテストでクラス替えでは忙し過ぎる。生徒だけでなく教職員にも負担大、馬鹿じゃないの。団塊老害乙
それから、優秀者の魔法大学エスカレーター進学と防衛大推薦入学枠が発表されると大好評だった。
始業式後、ルシル君とガールフレンド達で今回の人事や発表諸々の話題になった。
「ルシル様、校長先生と教頭先生はどのようなお人柄?なのですか?」
「ふたり共に人格者。既存のAIの遥か先をいく、完全に人レベル」
「それは、凄いですね……」
「エスカレーター進学できるというのも嬉しいわね」
「十高は魔法大学付属になった時点でエスカレーター方式になったからね。付属のエスカレーター方式は一般常識だ。それを魔法大学学長に指摘した結果」
できないところもあるだろうが、それで通した。ただでさえ詰め込み教育で忙しいのだから、過度な受験競争は避けるべきだ。
「相変わらず凄い権力ですね……」
「全く、これまでどれだけの優秀者を取り零してきたのか。学力が優れているのであれば研究所や会社でも重宝されるのに、馬鹿極まりない」
「全くです」
「そういえば前校長と教頭は百家初の数字剥奪で話題になっているわね?」
数字落ちという言葉は非難される風潮だからこのような表現になる。
「あの老害達にはそれだけの罪がある」
「クラス替えの基準はどうなるの?」
「来年度から魔法工学科を新設予定だから理論優秀者や希望者はそちらに、他は筆記実技全て評価対象」
「それなら本当の実力主義になるわね」
1Bの十三束鋼がルシル君を訪ねて図書館にきた。相談があると。個人的なことで、昼休みだから、外食にすることにした。
「今日は外食にしよう」
「え?」
「さっさと行くよ、十三束?」
「う、うん……」
ルシル君はリーナに十三束が個人的な相談事があるみたいなので外食してくると連絡した。
ルシル君に付いてくる鋼は戸惑いながら質問してきた。
「学食じゃないの?」
「極めて普通という感想しかないからね」
「えぇ……、学食ってそういうものじゃないの?」
「美味い店を開拓したくなるよね」
「……それって社会人の楽しみじゃないの?」
「私は社会人だよ?」
「わ、分かったよ……」
「十三束の相談だから、君の奢りだね」
「ハハハ……、お手柔らかにね」
お、フレンチのランチが30,000円、10,000円、3,000円コースの店があった。
「よし、ここにしよう」
鋼はキョドキョドしながらルシルに続いた。着席するとルシルは30,000円コースを注文し、鋼は内心涙目で3,000円コースを注文した。ルシルは食前酒にスパークリングを、以降も白ワイン、赤ワイン、デザートワインと続いた。鋼は水である。
「十三束の相談って体質のこと?」
レンジ・ゼロの異名は有名だ。鋼が自嘲めいた笑みを浮かべ頷いた。
「うん、僕からサイオンが引っ付いて離れない体質をどうにかできないかなって…………1Eの千葉さん達の魔法発動速度が急激に速くなったの天海君のお陰って、吉田君がスランプ解消したのも天海君に助言してもらったって噂になってるから…………それに九校戦で千葉さんはクラウドボールで優勝したし、吉田君や西城君達もモノリスで大活躍してたよね…………千葉さんは一条君を倒したし……」
ああ、そんなこともあったねぇ。正直ルシル君本体はキチガイ・サイコパスの件でブチ切れていたため、九校戦自体どうでもよくなっていたのだ。
◇◇◇
ルシルは真由美達から新人戦に出場する選手について意見を求められた。
「この連中は論外」
「え、何故かしら?」
「入学初日一科生至上主義で犯罪行為に及ぼうとしたから。相応しくない」
何かしらやらかしたら責任を取ることができるとでも?
「それを言われると……」
「では天海君なら誰がいいと思うのですか?」
「モノリス・コードなら1Aになった吉田幹比古、1Eの千葉エリカ、西城レオンハルト」
「ええ!? 千葉さんは女の子よ!?」
「今回のモノリス・コードのルール変更について確認しなさい。女子も参加できるようになった。加えて物理でも、刀も刃引きしてあれば可能と通達あったよね。エリカの刻印式警棒型CADもルールの範囲内だ」
ルール変更については天海の鶴の一声だ。実際魔法攻撃が認められているのに、純粋な物理攻撃が違反とか意味不明だからね。エリカの警棒、CADですよ?
「なるほど……、エリカについては納得しました」
「他の二人については?」
「吉田幹比古は古式では吉田の神童と称される程。スランプ解消した結果上位5位以内になった。千葉と古式の名門吉田のチームワークは抜群だ。西城レオンハルトの硬化魔法はモノリス向き」
「……千葉と吉田は納得したが、十三束では駄目なのか? 今回のルール変更であればあいつも活躍できると思うのだが……」
レンジ・ゼロですね。
「二科生の下剋上。十三束鋼はモノリスの練習相手と何かあった時のための候補でいいだろう。それに十三束は近接戦専門で、エリカと被る。移動速度ではエリカに劣る。移動速度ではエリカは一高だけでなく、魔法師でも圧倒的だ。チームとしてバランスが悪い。それにレンジ・ゼロは有名だ。カーディナル……吉祥寺真紅郎に直ぐに対策される。遠距離主体の一条と近接戦主体の十三束は相性最悪だ。西城レオンハルトの硬化魔法は遠距離攻撃も可能な丁度いいCADがある。エリカなら一色愛梨とクラウドボールでもいい勝負ができるだろう」
「そういえば三高に一色愛梨さん……エクレールが入学していたわね」
「わかった。それでいこう」
本人達はこの要請に驚いていたが、エリカは面白いわねと快諾し、他の二人も、十三束も頷いた。
司波達也のエンジニア担当については口出ししない。やらかすかどうか見極める。九校戦選手選定会議では達也の腕前を見る実験体としてはんぞー君が立候補して、結果、はんぞー君は達也の腕前を認めて自分のエンジニアも担当してほしいと頭を下げたそうだ。一度認めるとそのようなことができるはんぞー君は成長したと思う。
そのような経緯もあり、先の新人戦モノリス・コードは高速移動するエリカに将輝の魔法は当たらず、エリカの警棒の一撃で将輝は沈められ、一高が優勝した。
「吉田幹比古君の幻術、西城レオンハルト君の硬化魔法の使い方、そして、千葉エリカ君の剣術でのチームワークによる勝利だ。私は九校戦懇親会で「使い方を誤った大魔法は使い方を工夫した小魔法に劣る」と発言した。十師族は、一条は、工夫に、チームワークにより敗れた」
「全ては夢幻の如くなり。祇園精舎の鐘の声、盛者必衰の、とあるだろう? 平家はどうなった? 千葉と吉田にはそれだけの歴史がある。一高に盛大な称賛を贈ろう」
九島烈とDr. クレープ・シュゼットの放送により、盛大な拍手が贈られた。
エリカは「千葉の幻剣姫」と称えられるようになった。
…………本人はどうでもいいようだが……
◇◇◇
鋼達はモノリスの練習で毎回エリカにボコボコにされたり、ミキヒコの精霊魔法や土遁陥穽で嵌められたり、レオの小通連(ルシル君の趣味)での奇襲でやられたりと散々な目に遭っていた。
相性最悪だね。
この練習を見学していた摩利は遠い目をして、真由美と克人はこの人選に納得していた。
見学していた者達からは二科生詐欺……と囁かれることになるという……
「…………僕の接触型術式解体、千葉さん達には全く通用しなかったのも正直落ち込んだんだよね……」
南無三。接触型術式解体は純粋な物理攻撃や隠形や奇襲に優れている古式とは相性最悪だ。
「十三束はサイオン・コントロールできる?」
「サイオン・コントロール? 何それ?」
鋼はキョトンとしている。ルシルは左手でワイングラスを持ち、シャンパンを楽しみながら、右手の人差し指の上にサイオンで数字やアルファベット、ひらがな・カタカナを形作っていった。すると、鋼は目をひん剥いている。
オーラによる念文字会話の応用だ。
「慣れてくるとサイオン文字で会話できる。妹達ともお遊び感覚でしているし」
「天海君の家凄いね……」
〈十三束鋼はマザコンです〉
「ちょっと!?」
ルシルのサイオン文字会話に鋼は絶叫した(笑)予め遮音結界を張ってあるため、店の迷惑にはならない。
〈十三束翡翠さんは日本魔法協会会長に就任したらストレスで胃潰瘍になって倒れて入院するでしょう〉
「洒落にならないんだけど!?」
〈やはりマザコンか〉
「違うよ!?」
〈事実を認めろ〉
「そんな事実ないからね!?」
〈明らかにマザコン人相ではないか〉
「どんな人相!?」
事実を事実だとは認められないなど、十三束鋼はなんて非常識なのでしょうか……
…………原作のディオーネー計画への参加要請とか、「ふ〜〜ん、そうなんだ。日本魔法協会に関係ありませんね。個人に頼んでください」と断ればいいのにね?
弱腰政府外務省など盲腸売国奴だろう。「ふ〜ん、四葉、マテリアル・バースト」ボソッと呟けばいいのに。最強の矛があるなら、何故それを外交で使わないのか意味不明。その点でもシビリアンコントロールという言葉を知らないのではなかろうか。
「母さん、たった一年の役職なんだから断ればいいじゃない」と華麗にスルーするのはルシル君だけなのだろうか?
5/12 ディオーネー計画発表
5/27 レイモンド・クラークというお花畑によるトーラス・シルバーの正体暴露
6月に十三束翡翠が倒れる。
6/5 十三束鋼、司波達也にディオーネー計画に参加してほしいと、桜井水波に敗北
これってトーラス・シルバーの正体暴露で日本政府外務省による圧力〜母親ストレスフルによる胃潰瘍?血管迷走神経反射?入院まで僅か一週間程度ということだよね? どんだけ胃が神経が弱いの? 無理あり過ぎだろう。それとも息子のことで相当悩んでいたのか? 十三束家内部では「鬼子」として敬遠され、孤立しているとか、母親は思い悩んでいたとしても不思議ではない。
司波達也は目立ちたがりのただの馬鹿の末路だろ。出る杭は打たれる。討伐も不可能な、パラサイトよりも呪われた存在など、バットでホームラン、金星に逝ってこい。としか思えなかった。キチガイ・サイコパスの末路だよね。野放しの危険極まりない地球破壊爆弾など地球追放案件だろう。
皆殺し地球破壊爆弾などあふぉの発想だろ。世紀末覇者かよ。世界を壊すって言うなら、私が司波達也、貴様を潰す。 by HUNTER✕HUNTER 幻影旅団 蜘蛛
昔世紀末覇者してたこそ泥チンピラからあふぉ、世紀末覇者呼ばわりされるってどんな気分? どんな気分? ぷーくすくす(笑)
「十三束は恐らくサイオン制御が苦手なのだろう。丁度いい、エリカ達にもこれを機会に教えよう。放課後私の部屋に来なさい」
「へ? 天海君、学校に個室あるの?」
〈くれた〉
「ふ、普通はもらえないと思う……」
〈普通? 何それ、美味しいの?〉
サイオン文字会話に乾いた笑いを溢す十三束。解せぬ
で、放課後、ルシル君の部屋に1Aと1Eの達也を除いたいつものメンバー、そして十三束が集まりギアスに署名後、サイオン・コントロールのコツ……座禅瞑想を教えた。
サイオン文字にはリーナ以外驚愕していた。かつてはリーナも驚愕していたが、リーナはわかるわかると頷いている。
〈テレッテレーーッ! 勇者ミキヒコは柴田美月の巨乳セックスぃー・ブラジャーを手に入れた♥️ 早速装備する勇者ミキヒコ〉
「よ、吉田君……?」
「ちょっと!? ちっ、違うからね!? ご、誤解だよ、柴田さん!?」
〈何? 勇者ミキヒコは美月のおパンツ様が好きだったのか。既に入手していたとは、流石は勇者ミキヒコだ。褒めてつかわすぞよ〉
〈自首しなさい〉
リーナもサイオン文字会話で合わせてきた(笑)
「「「最低ですね」」」
「そんなことしてないよ!?」
〈それでも勇者か、貴様! 自覚が足りん!!〉
〈下着ドロボーは犯罪よ〉
「僕は勇者じゃないから!!」
真っ赤な顔で必死に否定して絶叫するミキヒコはともかく
「まずは座禅瞑想でサイオン・コントロールの感覚を養うんだ」
「わ、分かった……。天海家秘伝っていうだけはあるね……。これ、勘だけど、相当実力上がるんじゃない?」
「上がる」
アリサとアンナ、リーナ、光宣を始めとして、天海傘下魔法師達で実績がある。ルシル本体も、アバターも毎日している。ワールドでのアバター一億体による経験値還元超絶チート。前世からオーラ魔力霊力気神力でも、今生でもそれぞれ一億体しているし。
アンナは天才だね。3歳で既にサイオン霊子文字会話できていたから。
三つ子の魂百までなのかな?
前世HUNTER✕HUNTERの異世界で、キルアは絶望的なまでに【円】が苦手だった。【円】は念能力の応用技で自身のオーラを周囲に薄く広げて他者のオーラを感知するものだが、この座禅瞑想でキルアの【円】の範囲も広がるようになった実績もある。
「一高の評価基準と実技がそもそもおかしいのよ」
リーナはCADは飛行魔法と完全思考操作、ヘヴィメタル・バースト以外はほとんど必要ないレベルになっているからね。サイオン制御力では誓約を解除した深雪をも上回っている。
「サイオンで文字を作り会話するなど目から鱗が落ちる思いです」
「これもまだ初歩だけどね」
「「「「「「「はい?」」」」」」」
サイオンによるイボクリを……
「身体を覆っているサイオンの一部をイボにして少しずつ移動させる」
リーナは遠い目をして、他は全員目を見開いている。
「イボを増やしながら移動させる」
「ええ!?」
「両手で」イボイボイボイボ
「マジでか!?」
「左右で動く方向を逆にしたり、イボの大きさや形を変えたり」
「ちょっ、色々な動物になったりしてるわよ!?」
「「マジでか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?」」
「イボごとに進む速さや向きを変えたり」
「なんでサイオンのイボが「速いよ」、「遅いよ」とか喋ってるのよ!?」
「…………心の整理が追いつかないよ……」
ミキヒコは理解を諦めたようだ。HUNTER✕HUNTERの原作を思い出す反応だな。ジン・フリークスを見習い給えよ。
「ま、ペン回しみたいなものさ。できたところであまり能力に影響ないし」
「それができるのがカッコいいんじゃない」
「そうです。素敵です、ルシル様!」
「…………あまりっていうことは制御力は確実に上がるんですよね? わたしも試しにやってみます」
雫に皆続いたのだが、なんとかイボを一つ作るので精一杯だ。
「…………なんとか利き手に一つだけが限界…………もしかしてサイオン制御力にも利き手とか関係あったりしますか?」
「多分関係あると思うわ。ルシルは両利きだから」
「天海ではこれをイボクリと呼んでいるサイオン手遊び」
「リーナもできるのかしら?」
「わたしはまだイボ九つくらいが限界ね。サイオン文字も結構苦労したわ」
念能力の【纏】【絶】【錬】【発】の四大行、そして応用技の【凝】【硬】【周】【堅】【流】【隠】【円】もサイオンなどでもできるが、これは教えない。この世界のサイオンの魔法は念能力の必殺技【発】と考えている。魔法演算領域は念能力でいうところのメモリに該当するのかな? ステータス上でもそうなっているからね。私は♾️だが(笑)
「美月は霊子でできるようになるかもしれないね」
「はい!?」
イボクリ霊子版を見せたところ、水晶眼を持つ美月は目を瞠った。
「…………柴田さん、まさか、霊子でも……?」
「は、はい……、サイオンと同じようになっています……神々しいです……」
ミキヒコ達に遠い目をされた。
「十三束、まずは座禅瞑想からだ」
「うん、これならランチで60,000円の出費も痛くないよ……」
「ランチ二人で60,000円って格安じゃない?」
「……社会人に謝った方がいいと思うよ。今日のランチは僕のお小遣い2ヶ月分だぞ? アルバイトしないと……」
鋼はルシルの友人達に聞いてみた。
「……十三束君、ルシル様とデートするとランチ一人60,000円も珍しいことではないわ」
「「「はい?」」」
「十三束君はどうやってそこまで抑えたのか、そちらに興味があるわ」
「……え? まさか、天海君の普通だったの? 天海君はあの店で最高の30,000円、……僕は最安の3,000円コースにして、……天海君はワインをどんどん注文していったのに……」
「あら、随分とリーズナブルな店にしたのね」
「一高周辺にそこまで高級な店は見た限りない」
「た、助かった……」
「十三束君、同情するよ……」
勇者ミキヒコ、それで原作よりも早くスランプ解消したのだから安いものだよね。
「吉田君、ありがとう……。ランチで3,000円って結構贅沢だと思うんだけど、天海君の30,000円コースと比べると悲しくなったんだよね……」
「だよね……」
「十三束には同情するぜ……」
首を傾げたルシルは雫に尋ねた。
「ねえ、十三束ってお金持ちだと思っていたんだけど、もしかしてやらかした?」
「ううん、良心的だと思いますよ?」
「だよね? 何故十三束は涙目なのか理解できないんだけど」
「不思議ですね」
「ルシル君と雫は庶民に土下座して謝った方がいいわよ?」
「「何故に?」」
「あんたらセレブと一緒にするな!?」
エリカの絶叫に鋼とレオ、ほのか、美月達が拍手している……
「ほのかまで……」
「わたしは庶民だよ、雫!」
「雫、騙されるな。魔法師の平均年収は一般人よりも上だ。しかも百家の十三束、ワンダーランドを経営しているところや千葉なら……、絶対に私達を騙そうとしているだろう」
「そうですよね、ルシルさん。ほのか、エリカ、わたし達を騙せると思わないで」
「ごめんなさい、わたしには説得は無理です……」
「……ルシル君はどの魔法師よりも一般常識を弁えていると思っていたけど、金銭感覚だけは非常識だった……」
「雫もね……」
「でも時計塔や銀座なら寿司1人100,000円くらい普通だよ?」
「そう、普通」
「っていうか、端金じゃない」
「住む世界が違うぜ……」
「これが格差社会か……」
解せぬ
「よく1月30,000円で生きていけるね」
「家の仕事でバイトしたりしてるけど、普通に生きていけるから」
「いや、どう考えてみても無理だろう。デートどうするの?」
「僕は彼女いないからね。……言ってて悲しくなってきた」
「安心して、十三束君。彼女持ちはこの中でルシル様と吉田君だけだから」
「しかもルシルは複数のな。刺されないのが不思議なレベルだぜ……」
「ルシルの相手は1人だけじゃ無理よ。もっと増やしてほしいわ」
「そうね、わたし達の身体が持たないもの。ルシル様にはもっと恋人を増やしてもらわなければいけません」
全身白濁塗れアヘ顔Wピースは仕様ですからね。一般人ナンパも推奨されている。
「「「「どんだけ……」」」」
念能力の【発】マバリアの一つ、リジェネの副作用ですね。ルシル君には当初そのような意図はなかったのに、実質絶倫という(笑)
〈勇者ハガネンよ、王命を達成すれば報酬を支払うぞ?〉
「え……?」
「ハガネンって十三束のことか?」
〈とある国に痔切好春吐王子と穴星痔鬱王子がおる〉
「……漢字からして碌でもない王子みたいな気がするぞ……」
「「同感だね(だぜ)」」
「こんな複雑な漢字までサイオンでできちゃうんだ……」
「ええ、流石はルシル様ね」
〈そこで勇者ハガネンよ、1Bクラスメイトのエイミィのエッチな下着を家探ししてくるのじゃ〉
「「「どんな王命だよ!?」」」
「なっ、なんでエイミィの下着になるんですか?」
〈勇者ハガネンはエイミィと背格好も似ておる。王子達には其方くらいのエッチな女性下着姿の男の子に掘られる性癖があるのじゃ!〉
吹き出す音が続出した。
〈さあ、逝ってくるのじゃ! 勇者ハガネンよ!!〉
「勘弁してよ!? そんなことしたら明智さんに嫌われるじゃない!?」
〈大丈夫じゃ。王命じゃからな。勇者は全てが許されるのじゃよ〉
「許される訳ないよね!?」
〈むう、相手が不満か? それでは昼でブラジャーしておる第三汚蛆はどうじゃ〉
「碌でもない王子しかいない国があったものだね!?」
前世ユルゲンシュミットの王子達のことですね(笑)
「しかも漢字が王子から汚蛆になってるよ……」
〈あの国には王子のルビが汚蛆の文化がある〉
「絶対にんな国逝きたくねーぜ」
「産まれたくもないね」
〈さあ、まずはゴールディに逝ってこい! 勇者ハガネンよ!! 本人の目の前でエッチな下着をグヒヒヒッと物色して着替えてくるのじゃ!!!〉
「本当に殺されちゃうよ!? ゴールディの秘術怖いんだぞ!?」
〈このシュミル・カチューシャ シュミミを装着して「ぷひぷひ」鳴きながら厳選すればお茶目な悪戯で済まされるぞよ〉
「済まされないよ!?」
〈それでもハガネンの名を持つ者か。苦難を乗り越えてこそ勇者じゃ。コツはルパン・ダイブじゃよ〉
勇者ハガネンがエイミィにルパン・ダイブする絵をルシルは指先にサイオンで作った。
「うわぁ、「え〜いみぃっちゃ〜ん♥️」って……」
「完全に犯罪じゃない!?」
〈それが許されるのが勇者なんじゃ〉
「許されないよ!?」
女の子達はお腹が痛そうでプルプル震えているが、ハガネンは涙目で、ミキヒコとレオはハガネンに同情している。いや、エリカは爆笑している。
「……そんな国よく潰れないね……」
〈うむ、勇者ハガネンの行いにより、廃嫡を王に決意させるよう持っていくのじゃ〉
「そんな現場目撃されたら廃嫡されるよね! 嫌だよ、そんな勇者!!」
〈全く最近の勇者は、ミキヒコといい、ハガネンといい、我儘じゃのう〉
「「絶対に嫌だよ!!!」」
全く最近の勇者は……
「……あーっはっはっ、あー笑った笑った……まだお腹痛いんだけど……これ演劇部で演じたらウケるわよ?」
「一応録画してある。一高で上映してみようか」
「止めてよ!?」
「十三束君も災難だね……」
「当事者になると笑えねーぜ……」
解せぬ
ワールド経由でユルゲンシュミットの神々の世界のルシフェリアに渡して、機織りの女神ヴェントゥヒーテに新たな織地をコピペしてもらって、そこに逝ってこいしようと思ったのに、残念無念。
「それでは私は明日から夏休みで一月休むから」
「「「なんて羨ましい……」」」
「え……、まだ二学期始まったばかり、初日だよね?」
「特にイベントないと思うからね」
「なにそれ……」
やはり人生楽しまないとね。
一月後、鋼はサイオン制御力が上達し、引っ付いて離れないサイオンが離れるようになってきた。これに驚愕した鋼の両親は詳細は明かせないが、天海君のお陰と聞き、足を向けて寝られないと、天海家訪問の上で盛大に感謝していた。
母親の翡翠をステータス解析してみたところ、案の定、血管迷走神経反射の兆候があった。一族が得意とする「金属精錬」を直系の息子が使用できないことが悩みに、ストレスになっていたと。
う〜ん、原作ではとんでもない時期に貧乏くじを引き当てた、と……完全に弱腰政府外務省とキチガイ・サイコパス・厄病神司波達也のとばっちりだね。
「十三束さん、翡翠さんにはストレスによる血管迷走神経反射の兆候がある」
要は自律神経の乱れで胃潰瘍になったり、失神したりするということだ。
「「「え゙……」」」
「次の日本魔法協会会長の任期は翡翠さんの筈だ。病気療養を名目に断りなさい。静かなところで療養した方がいい」
修正力は侮れないからね。
「は、はい……」
「翡翠……、思い当たることがあったのか……?」
「はい……」
翡翠は鋼をチラッと気不味そうに見て、夫は納得していた。
「「御前様、感謝いたします……」」
深々と土下座の如く感謝された。
「十高の校長になってくれるなら会長就任など余裕で断れるが?」
「噂の十高ですか?」
「現十高校長が産休に入るため、受けてもらえないかな。南の島で極楽快適、学食は時計塔の社内食堂に次ぐ美味さ、時計塔とエアカーで定期便もある」
後日十三束夫妻は十高を視察したところ、快諾した。
「十三束、おめでとう」
「ありがとうございます、御前様!」
「体質改善のためだから、あの時の出費、ご両親に出してもらえるんじゃない?」
「( ゚д゚)ハッ! た、確かに……」
気付くの遅いよ。
レナは嫁き遅れになる前に出産したいからと、避妊を止めた結果だ。実年齢25歳で見た目16歳くらいの合法ロリ、お姉様大好きなルシル君は気にしていないのだが、レナの意思を尊重した。
レナは翡翠との引き継ぎが終わり次第、天海家で産休育休する。
…………響子もそれに合わせた。…………烈からチラチラ見られて、早く曾孫の顔が見たいですなとか、事あるごとに繰り返した結果、レナと同時期に響子も妊娠したよ……
母親って大変ですよね