九島とフリズスキャルヴ
飛行魔法と常駐型重力制御魔法式熱核融合炉の実現を発表登録後、時計塔ザ・ルシフェリアCEO宛にどこからともなく、フリズスキャルヴが届けられた。厄ネタ以外の何物でもない。ザ・ルシフェリアに就職した藤林響子にこれの概要とエドワード・クラークについて説明し、解析して、いずれウィルスをエシュロンⅢに仕込む予定であることを明かした。
藤林響子は先の沖縄海戦により、婚約者が高みに上ってしまい、九島烈が孫娘を心配して気分転換にザ・ルシフェリアを訪問した際、環境と待遇が気に入って就職したのだ。烈も孫娘を軍人にするよりは魔法の平和利用を促進しているザ・ルシフェリアへの就職の方が好ましいと狙っていたというのもある。ルシルは響子のスキルに当然目を付けていたのだから、秘書に採用するのも当然のことだ。
「時計塔のことは電子の海には公開していないから、CEO宛に届いたのだろうけどね」
「わたしに求められることはエシュロンⅢの場所を突き止めることですね?」
「そう、これは口外禁止。烈爺にもね」
「かしこまりました」
「九島なら電子金蚕を持っているよね? 提供してくれないかな? 改造してエシュロンIIIに感染させたいんだ」
「かしこまりました」
電子金蚕は一種の精霊であるため、これを天海式精霊魔法と電子の魔女エレクトロン・ソーサリスが魔改造して、念能力の【発】電子精霊と融合して完成したのが「遠見の神ゼーエヴァイト」だ。これは人や電子の海……コンピュータ機器にも取り憑き、古式魔法師や特殊な眼を持っていても見抜くことは困難極まりない仕様になっている。これに感染すると、情報は筒抜けになる。
響子にフリズスキャルヴからエシュロンIIIを解析してもらい、エシュロンⅢにゼーエヴァイトを感染させた。
九島光宣を紹介されたのだが、普段から良く体調を崩してしまうと相談された。診断した結果、ブック・オブ・ジ・エンドでサイオン量を減少させて、座禅瞑想によるサイオン循環……サイオン・コントロールを身に着ければ改善するだろうと、ギアスで契約してから指導したところ、1月程で体調改善の傾向にあると嬉しそうに報告された。
「烈爺、ちょ〜〜っとお茶しましょうか。烈爺向けの紅茶を用意してありますから」
「は、響子と光宣はゆっくりしていなさい」
「「お祖父様……」」
不安になる二人を烈は諭してルシルの後に続いた。ルシルは烈を個室に案内して施錠してから、盛大に溜息を溢した。
「九島、何やってくれてるの? 光宣の存在自体が十師族落ちどころか、数字落ちする証明だよね?」
「見ただけでそこまで理解りますか……」
実の兄妹の遺伝子による調整体って完全に狂ってるだろう。
「やって良いことと悪いことの、区別、道徳や倫理感もないのか……。九島現当主は更迭に相応しいね……。設定上の母親も光宣を認めていなかったりする?」
「は……」
「光宣の兄姉達もあまり人格的に好ましくないし。光宣は天海で二高入学まで預かる。健爺の孫娘もいるから仲良くできるだろう」
「……健の孫娘、ですか?」
「次のスターズ、シリウス筆頭候補だよ」
「それは……」
「あちらで知り合い帰化させた。こちらとあちらのパレードは仕様が異なるため、それも含めて将来は九島に相応しく仕上げてください」
「は、かしこまりました」
「藤林は天海直属にする」
「異存はありません」
「旧第九研は天海が吸収します。伝統派も吸収し九島の担当地域は他の九に、将来的には光宣に任せる。他の九島には将来的に香港マカオを拠点に、大亜の八仙を担当してもらいたい」
古式の伝統派など洗脳してしまえばいいのだ。
「あの、八仙を、ですか……」
「現在はチベットはポタラ宮を中心に活動しているようですね?」
「……ポタラ宮を?」
「レリックですよ。伝説のシャンバラを求めているようで、八仙が動いています」
「…………伝説のシャンバラに良くそこまでリソースを割けるものですな……」
「えぇ、存在したら危険極まりないので、妨害してくださいという話です」
「若様の警告であれば、シャンバラは実在するのですな。九島が対処しましょう」
……シャンバラは世界各地のシェルターのようなものだ。だからこそ世界中に伝説が残っているのだろう。
ポタラ宮地下のコンシェルジュ的なものも回収済みだから八仙の行動は無意味だが、他の九島と共に踊ってもらう。光宣にしたことへの罰だ。
「烈爺はザ・ルシフェリアの魔法部門顧問になってください。光宣と健爺の孫娘リーナの指導のためにもそちらの方がいいでしょう。他の九島は香港マカオへ。マカオのカジノも任せます」
「ありがとうございます……」
アンジェリーナ・クドウ・シールズ改め、倉橋理奈。天海分家に養子縁組した。父方妹夫妻の養女である。USNAではスターズ候補生の訓練で殺されたことになっている。実際にリーナを具現化して、他の候補生達をメンタルアウトで洗脳しておいたからね。リーナの両親には真相を知らせてある。娘が命を狙われ、人殺しをさせられるくらいならばと感謝されている。
……リーナはUSNAで魔法少女として、スターズ候補生として、悪者を成敗してTVでも目立っていたが、子供に堂々と宣伝させるとはこれ如何に。未成年の幼い子供にやらせることではないだろう。
USNAはカナダやメキシコなどなども吸収した訳だが、北アメリカ大陸全土などと、あれほど広大な大陸を、異民族を統治できる訳がない。だからテロなど日常茶飯事なのだ。馬鹿じゃないの。
リーナが日本に帰化してから、ルシルはふと呟いた。
「魔法少女リーナってあの姿も相当痛かったよね(笑)」
「どういうことよ!?」
「いや、幼稚園児〜小学校低学年までのおままごとレベルで、中学生がやることではないかなと」
「うっ……」
「USNAスターズの、ペンタゴンの広報部門は一体どういう神経しているのかと連中の頭を疑った」
「うぅっ……」
「おへそ丸出しでミニスカ、ボーダーニーソックスもどうなのかなと。ファッションセンス絶望的だよね(笑)」
「ううぅっ!? ……そ、それなら、ルシルならどういうファッションにするの?」
指を鳴らして、変身術でリーナを白のビキニ姿にした。
「年齢的に黒はないな。清楚な白のビキニ」
「ど、どんな魔法よ!? こ、こんな姿で魔法少女しろっていうの!?」
「だから何故魔法少女になる?」
ポンコツ乙
「プールで遊ぶ以外ないだろう。白ビキニ可愛いよ」
「……あ、ありがとう……」
プールでリーナと遊びながら、ヌードモデルになってもらい、ヤッてしまった(笑)ヌードデッサンはマジで癖になる。深雪といい、リーナといい、羞恥に染まった表情など、これは完全に芸術だ。
……ルシルの父親が高みに上がった。……妹のアンナが生まれたばかりなのに……
盛大な葬儀になり、天皇陛下や元老院の大物、十師族当主やその親族が参列した。
「本日は我が父のために参列いただきありがとう存じます」
ルシルの立ち居振る舞いに葬儀会場のあちらこちらから感嘆の溜息が溢れる。
ルシルは死者を送る祝詞をユルゲンシュミット語で唱える。
『高く亭亭たる大空を司る、最高神は闇と光の夫婦神よ
我等の祈りを聞き届け はるか高みに向かう者達へ 御身の祝福を与え給え 御身に捧ぐは弔いの歌 最上の御加護を 不帰の客へ』
ルシルの手から光と闇が飛び出し、空へ向かって上がっていく。
どこからか「なんて幻想的なのかしら……」と聞こえてくる。
「流石は「今晴明」ですね。天海前御前を弔うのに相応しい儀式です」
「陛下……」
「私の葬儀も貴方にお願いします」
「TPO!」
「ハッハッハ」
盛大な葬儀になったのだが、そこでのユルゲンシュミットの祝詞の儀式とルシルの容姿に見惚れた、葬儀に参列していた七草の三姉妹に惚れられ、仲良くなり、真由美とそういうことになった(笑)
大丈夫。ルシル君中一、真由美中三だから、合法合法(笑)精神は肉体に引きずられるからね。またヌードデッサンが捗った。香澄と泉美はまだつるぺただからないな。
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