()内はグリモワール発言です
後日一高カフェテリアで久しぶりに登校したルシルはリーナとお茶をしていた。これは注目の的で、七草の双子達が同席してきた。
「ルシル様はどちらにお住まいなのですか?」
「わたしも興味があります」
「わっ、わたしもです!」
そして司波兄妹から促された水波が……、実は生徒会は生徒達の
七草三姉妹をエスコートしたホテルは天海家資産だ。キチガイ・サイコパス対策に分散させてある。
「機会があったら招待する。ちょっと天海家は特殊なのでね」
天海家独自の結界で異界化してあるから。
そこに司波兄妹がきた。
「…………天海君、魔法科高校に通達のあった、女子学生のブーツの禁止とローファー着用と、校内では男子はサンダル着用、女子はスリッパなどの着用通達について、何かご存知ありませんか?」
「ブーツ臭いよね? 水虫の原因だし、水虫は伝染病だから禁止されたんじゃない? 伝染病を感染させるなんて、パンデミックじゃない」
「「「「「「ブーツ臭い……伝染病……パンデミック……」」」」」」
……女の子達は相当ショックなようだ(笑)
「いや、それ以外ないよね。昨年度までの女子ブーツはドン引きした。「臭そう」としか思えなかった」
おやおや、ORZになっている女子が多数だ(笑)
「九校戦でも女子のブーツ多いじゃない? 夏場にあれは何の拷問かと、水虫感染大会だなと(笑)」
「ルシルの感想、「水虫多そう」だったものね」
「リーナ、貴女はわたし達に死ねと!?」
深雪を筆頭に上級生女子は多数発狂している(笑)
「だから改革されたんじゃないかしら? ルシルの九校戦の感想、「スピードシューティングは確実。クラウドとミラージはセーフ。ピラーズは服装による。バトルボードはお色気皆無、水虫感染確実」って感想だったのよ?」
一高上級生女子は多数発狂した(笑)
ブーツ着用はないだろう。マジで臭い。魔法科高校は水虫伝染病テロリスト高校でした(真顔)
「…………天海君、実は生徒会業務で本来であれば教職員がするべき仕事を選別するのに判断に困っています。相談に乗っていただきたいのですが……」
「生徒会業務一覧を端末に表示できる?」
そこで達也が端末を用意したところで、「同行するのは北山さん、司波兄妹、香澄、泉美は許可する」と、ルシルは告げた。リーナは護衛として当然同行する。
「かしこまりました。水波ちゃんは家でお留守番していてね」
「はい、深雪姉さま」
一高校門前にはエアカーが……、そこから降りてきた藤林大門と響子にも驚愕することになる。
「ルシル様、蒼碧亭でよろしいですか?」
「あぁ、彼処なら問題ない」
「蒼碧亭、ですか?」
「……確か赤坂にある政財界の大物御用達の料亭の筈。一食百万〜だったかな?」
雫の発言に、知らなかった者達は驚愕に目を見開いた。
全員エアカーに乗り込んでから、空間圧縮されている車内にも驚愕した。
「ルシル様、また薬を……」
「一体何があったのですか?」
リーナが大門と響子に説明したところ、大門と響子は頭が痛そうにこめかみを抑えている。
「…………北山のご令女と司波兄妹、七草の双子だったかな? 詳しいことは明かせないが、ルシル様は特殊体質だから配慮してもらいたい」
「はい、それはもちろんですが……」
戸惑う深雪達は笑顔で黙らされた。
「…………この人選は、一体どのような意味があるのですか?」
司波達也はルシルの明らかに上位者の、威厳のあるオーラに圧倒されて自然と敬語になった。
「他の生徒会役員達では可哀想なことにしかならないだろう」
「超一流の料亭にいきなり招待されるだなんてね」
司波兄妹はもしかして自分達の出自が知られているのかと疑惑の視線を隠し切れなくなった。……四葉のスポンサーということなので、恐らく知っているのだろうと……
「…………古式の名門藤林はどのような立場なのですか?」
「私はルシル様の護衛だよ」
「わたしはルシル様の秘書ね」
「凄いですね……」
蒼碧亭に到着後、即座に和洋折衷の離れに案内されて前菜から始まった。当然の如くルシルは冷酒を注文した。
「北山さんや司波さん、香澄、泉美達もお酒を好きに飲むといい。今の内に訓練しておかないと、将来魔法大学のサークルの新歓で酔い潰されて乱暴されるなど予想できるだろう?」
「それは……、確かにその通りですね。深雪、お勧めを飲んでみなさい」
「はい、いただきます」
達也と深雪の判断に全員前に倣えだ。
「司波達也さん、貴方も飲みなさい」
「いえ、自分は、」
「アルコール耐性訓練だ。『再成は禁止する』」
天海家秘術言霊で司波達也の「再成」を禁止した。
「「「!?」」」
「「再成」に頼り切りは危険極まりない」
「…………はい……」
あれ? 司波達也、余裕で攻略できたんだけど? この程度が魔王様って、この世界レベル低いね? 『言霊』程度に抗えない雑魚じゃん。やはり現代魔法師とはぽっと出か。
(マスター、それ理不尽ですよ〜 マスター、属性多すぎ〜)
そこで和やかに始まった旬の美酒美食に舌鼓を打ちながら、一高の生徒会業務を端末で確認したルシルは、瞬時に仕分けした。
「はい、分類しておいた」
ブック・オブ・ジ・エンド、マジ重宝する。
「「「「はい!?」」」」
「ふふっ、ルシル様にはそのような異能があるのよ。わたしでもできないわね」
「電子の魔女エレクトロン・ソーサリスでも、ですか……」
「……………………凄いですね…………これ、全て明確な理由付けがされています……」
「何? 本当か、深雪?」
確認した達也は感嘆の溜息を溢した。
「校長には「労働基準監督署に訴えます」と魔法の言葉を囁やけばいい」
大門と響子は小さく吹き出した。
「? ……それほどまで効果がある言葉なのですか?」
「司波君、社会人の企業経営者などにとって、それは致命的なんだよ」
「ええ、正に魔法の言葉ね」
報道されて炎上するよ?
「中条あずさ生徒会長では弱い。司波兄妹、泉美と香澄で校長に訴えればいい」
「「「「確かに……」」」」
「魔法科高校の生徒会長には政治力も求められる。彼女には酷だろう」
司波兄妹はやはり自分達は四葉だと知られていると確信した。天海家はそれほどの権力者だと……
「それから、一高一科生二科生の不愉快極まりない差別問題の根本の、エンブレムを統一しなければ報道されて炎上しても自業自得だと伝えておきなさい」
「「は、はい……」」
話は変わるけどと、ルシルは端末にとある女優の画像を映して、差し出した。
「この方は確か女優の小和村真紀さんですよね? 北山家のパーティーでご挨拶したことがあります」
「北山さんの従兄の婚約者を装っている」
「えっ……」
「七宝をおだてて、十師族に代わる新秩序を、十師族の配下ではない有力な魔法師を配下にしようと画策している雌豚ビッチだ」
「「「「「!?」」」」」
「光井さんもその対象だ。有力な魔法師を仲間にしたいようだね。北山家のパーティーで司波さん達に接触したが、すげなくあしらわれた為、それで七宝を煽っている。それが司波さん達を侮蔑することや香澄と泉美を敵視する原因になっている」
「最低」
雫は従兄が利用されていることや、親友ほのかが狙われていることにも嫌悪した。
ルシルは雫に雌豚と七宝の会話を録音したレコーダーを差し出した。
「北山さんは従兄にそのレコーダーを渡してやるといい」
「ありがとうございます。……天海君は、……ルシル様は何故知っているのですか?」
あれ、雫までルシル様呼びになった。
「配下に忍びがいるからねぇ」
雫と深雪、達也はルシルの両隣の藤林を見て納得したように頷いた。
…………いや、本当に天海家を甘く見過ぎだ。天海家には藤林だけではなく、百地や風魔などの忍びも配下にいるのだから。
「まさかわたし達どころかほのかまで狙われているだなんて……」
「そのような背景があったのですか……」
「徹底的に七宝をおちょくって、雌豚と切らせるので、寸劇に付き合って」
「「かしこまりました」」
ルシルは会計後、領収書をもらってから、司波深雪に領収書を渡した。
「校長の”ポケットマネー”に請求しておいて。本来教職員がする仕事を仕分けするための、差別問題を解消するための会議でかかった経費という名目で」
「え……、2,000万円……」
ほとんど目をひん剥いた。
後日、アイネブリーゼで七草と七宝の騒動について話題になったのだが……
「彼は法律に詳し過ぎる……」
「天海君って、本当に新入生? 今まで法律なんて指摘したの生徒どころか教師ですらいなかったのに」
いや、そこはツッコむところだろう。原作はキチガイ・サイコパスだよね。
「法律と七草の双子を利用して、師族会議で糾弾されたらなどと、えげつない……」
「数字剥奪は洒落になりませんね……」
「俺には彼が年下だとは到底思えない…………あまりにも老獪過ぎる……」
「「同感(ですね)」」
「でも本当に紳士だよ」
雫達から狙われていることを警告されたほのかは愕然としてしまった。
「そんな……」
「ほのか、天海家が対処してくれるっていうことだから安心して」
「う、うん……」
「なんで天海家がほのかのために動くの?」
「光井のために、なんで陰陽師の大家の天海家が対処してくれるんだ?」
エリカとレオの疑問に幹比古は肩をすくめた。
「それが天海家の在り方なんだよ。あの家は売国奴に容赦ないからね」
それは十師族であろうともか?という達也の疑問にも当然だと返した幹比古。十師族など所詮ぽっと出に過ぎない。
「あたし達の入学初日に天海君がいたらと思うと、なんか愉しくなってくるわね」
「最悪、森崎は退学だっただろうな」
「結局公安に逮捕されたけど」
雫の暴露にこれを知らなかったメンバーは驚愕した。
「天海家の権力と情報網、凄まじいわね……」
「ああ、公安をまるで手先のように使っていた」
「経緯はどうあれ、確かに犯罪組織に加担するなんてありえない」
全員雫に頷いた。
報道されて指名手配されて、表社会では居場所がなくなったら、はたして司波達也キチガイ・サイコパスはどのような行動に出るだろうか。国を甘く見過ぎだ。四葉は切り捨てるのではないかな。それとも整形してPDを捏造するか? その程度はやりそうだよね。
逃がさないけど。この世界の連中は念能力や本物の魔法魔術の存在を知らない蛙に過ぎない。
「雫は天海君と随分盛り上がっていたよね?」
「うん、彼、面白いよ。クールなイメージと全く逆。実技演習の末路が楽しみ」
「「「「「あぁ……」」」」」
七宝モップ掃除もスッとしましたと深雪と雫、ほのか達は盛り上がり、これを聞いたエリカは爆笑した。
「あっ、わかった! 天海君は七草の刺客!!」
「はあっ?」
「……エリカの意見は否定できないな…………十師族嫌いの校長への警告も兼ねて、か? 犯罪者育成校という洒落にならない現実を突き付けられたからな…………決定的発言の証拠まで記録されてしまった……」
「数字落ち」を知るものは現代魔法の闇に通じていることになるため、それも判断材料だ。
しかし天海家は四葉のスポンサーでもあるという事実を暴露できるわけもなく、達也と深雪はエリカの意見を否定しなかった。
「本当にキレるわね」
「双子から『ルシル様』と慕われるのも納得ですね……」
「…………魔法科高校の実技なんて、ノロマな機械を宛てがわれて、テスト以外では何の役にも立たないつまらない練習をさせられるだけで時間の無駄だって……」
「それは……、深雪の感想よりも辛辣だな……」
「天海君が実技にも参加しない理由がわかりました……」
達也が幹比古に視線を向けると……
「それが天海家だよ……」
「それにしても魔法の言葉というのも凄いな」
「はい、2,000万円の経費も認められました」
「えっ、どういうこと?」
苦笑しながら達也と深雪は料亭の経費を校長に請求した一幕、校長のポケットマネーで出すことになったこと、エンブレムも配布して統一することになったこと、校長が内心涙目になっていたことを説明したところ、エリカは爆笑して、他は引きつっている。
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