本好きの念能力者 @ 魔法科高校   作:avagnale

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ツッコミ編その2


イリーガル・ハイ 2

 エイミィが来て自己紹介してからBBQに参加した。

 

「ルシルさんに指摘された資格、狩猟部でも認識していませんでした……」

 

 やはりか

 

「マズいわね……」

 

 全員深刻な表情になっている。

 

「エイミィ、狩猟部では乗馬もするんだよね? 魔法科高校狩猟部の大会とかあったりする?」

 

「はい、乗馬射撃大会があります」

 

 これはまたニッチな大会があったものだな。その大会は非常にマズいことも認識していないだろう。

 

「部活顧問いるの?」

 

「いえ、見たこともありません」

 

 こめかみを抑えた。

 

「ルシル君……、また新たな問題があるの……?」

 

「エイミィ、ちなみに乗馬資格について知ってるかな?」

 

「え、そんなのあったんですか!?」

 

「『騎乗者資格(日本馬術連盟)』。Bグレードで全日本実業団や公認競技会などへの出場に必要。実技(障害・馬場)と筆記試験がある。特に罰則はなかったと思うけど、完全に喧嘩を売ってるね。魔法科高校はマナーモラルに欠けると批判されても文句言えない。

インターハイでも資格が必要とされる。それをまるっと無視していないか」

 

 日本馬術連盟に加盟していないから必要ありませんとか言い訳は通用しないのではなかろうか。

 それとも問題がないのか?

 

「うわぁ……、それは確かに、馬好きなら……」

 

「顰蹙物ね」

 

「馬愛好家が反魔法師主義団体に加わりそうですね」

 

「私も馬好きだからどうかと思うよ?」

 

「え、ルシルさん馬好きなんですか? それなら狩猟部に、」

 

「いや、私が好きなのは競馬と馬肉」

 

「おい」「ちょっと」

 

「3歳の頃、両親と初めて競馬場で馬券を買ったら万馬券当たって、あれはいい思い出だ」

 

 ツッコんできた克人と真由美に冷静に返したところ、考え込む輩が続出したようで……

 

 …………わたしは両親にどこかへ遊びに連れていってもらったことなんてないんだけど……

 

 などという心の声が聞こえてくる。

 

「流石はギャンブラーね」

 

「それは確かに思い出になりますね」

 

「あの日はお馬さん記念で馬刺しパーティーになった」

 

「それが一般家庭なの……?」

 

「普通にあるけど? 金は天下の回り物。これが江戸っ子の心意気だよね」

 

「そういうものなのか……」

 

 元実家は横浜だけどね。江戸っ子ではないよ。

 

 ルシル君には馬とは金かお肉にしか見えない。人それぞれの愛があるのだ。

 

「馬の世話で狩猟部相当早起きなんじゃないの?」

 

「うっ、餌やりが5時なので、朝4時起きして登校してます……」

 

「絶対無理」

 

 拷問だろ。リーナとミアも絶対無理と頷いた。

 

「エイミィ、よく授業中起きていられるね」

 

「睡魔との戦いなんだよね……」

 

 雫の感想にエイミィは苦笑しているが……

 

「朝8時起きだけでもキツいのに、絶対無理」

 

「ちょっと」「おい」

 

「良くそれで間に合いますね……」

 

 寝坊もしばしばしている。ホテルのビュッフェなどでまったりしてから図書館転移だ。【隠】により気付かれない。

 

「臭い厩舎の馬糞掃除とかもキツそう。一頭一日35kg輩出して、年5tの堆肥になる。狩猟部に何頭馬がいるのか知らないけど、相当堆肥加工もキツいだろうね」

 

「確かに朝早いのキツいし、馬7頭……重労働なんですよね……」

 

「身体に馬糞かけられたりしないの?」

 

「…………」

 

 エイミィは沈黙した。沈黙は肯定だよ? まさか顔面ぶりぶりぶしゃあっ!されたことあったりする? 紳士の嗜みとしてそこまでは確認しないけどね。

 

「部活練習時間よりも馬の世話の時間の方が長いんじゃない?」

 

「( ゚д゚)ハッ! 言われてみれば確かに……」

 

「狩猟部は家畜の奴隷だね(笑)」

 

「まさかの家畜の奴隷扱い!?」

 

 まるでどこぞの農業高校だね(笑)

 

「ルシル君どれだけ馬にも詳しいのよ……」

 

「馬に賭ける情熱?」

 

「かけるは賭博っていう意味よね……」

 

「正解。七草真由美君には花丸をあげます」

 

「そんなことで花丸貰っても嬉しくないわよ……」

 

「なんと、七草真由美君は反抗期のようだ。これは担任として気を遣ってあげなければ」

 

「なんのコントよ……」

 

 反抗期の生徒にはナデナデしてあげよう。…………何故に顔が赤い? 反抗期故なのかな?

 

「親兄姉が頭を撫でて褒めて伸ばすのは天海家では普通」

 

「ルシルの妹のアリサは伯父様伯母様、ルシルから褒められている場面を見たことしかないわね」

 

「アリサ姫様は褒められる要素しかありませんよ」

 

「本当に仲がいいのね……」

 

「憧れますね……」

 

「それに乗馬のブーツも臭いから絶対嫌だ」

 

 ブーツなんて拷問だろ。私にはヴァッシェン・バリアがあるから関係ないが、窮屈だし勘弁してほしい。車のシートベルトも窮屈で鬱陶しいし。締め付けられるの嫌い。外交官ナンバープレートがあるからまるっと無視しているけど。

 

「まさかの理由きたーーー」

 

 まあそれはともかく

 

「狩猟部にも顧問は必要だということだ」

 

「そうですね……」

 

「それからあまりにも狩猟部はブラック過ぎる。農業経験者でも雇用して朝の餌やりや厩舎の掃除は任せるべきだ。肝心の勉学が疎かになっては本末転倒だ」

 

 農業高校でもあるまいし、十高では農業の理不尽を体験させるのは最初だけだよ?

 

「確かにそうね……」

 

「生徒会としても看過できませんね」

 

「まさかの実態が明らかになったな」

 

「そもそも乗馬しながら射撃って何? 昔の貴族の嗜みか、ステイツ開拓時代か? 今の時代なんの役に立つの?」

 

 それに非常にマズい問題があることも気付いていないし。

 

「…………」

 

 馬の維持費用高いって有名だと思うけど、狩猟部の予算には疑問しかない。そのようなマニアックかつニッチな大会で優勝したとしても予算優遇されるの? 何か間違ってないか?

 農業高校や農大なら餌代はかからないかもしれないが、ここ魔法科高校なんだけど?

 脳内インターネットで検索したところ、馬術部ブラックあるあるで有名なようだ。

 

 

 

 ということで

 

「新入生になんてことしでかしてくれてるの? 犯罪者にするつもりか?」

 

「うぅっ、ご、ごめんなさい……」

 

「真由美さん達は惰性で疑問にも思わなかったのだろうが、あの老害ジジイ……」

 

 洒落になってない。魔法科高校は歴史が浅いから、無法地帯なのだろうけど、ふっざけんな!

 

「バレて炎上しないうちに真由美さんにも受講を勧める。十師族は法律を無視するのかと、マスコミの格好の獲物、餌食にされるから。十文字はスピードシューティングなどに出場しなければ必要ないかな?」

 

「わかりました。ありがとうございます」

 

「ああ、すまない。礼を言う」

 

 この様子ではクレー射撃とライフル射撃の違いも認識していないな。

 

「真由美さんは日本ライフル射撃協会を通じて推薦を受けておきなさい。ライフル所持許可の申請は、満18歳になる前から受け付けてもらえる。 ただし、射撃エリートとして「低年者推薦」を受けていなければ、所持許可が得られるのは、満18歳になってからとなる。推薦書を添えて公安の許可……最寄りの警察署で所持許可の申請をしなさい」

 

「ライフル所持許可があればスピードシューティングでも合法なのね」

 

「やはりそこからか……」

 

「何かあるのかしら?」

 

「クレー射撃とライフル射撃は根本的に異なる。動く的を撃ち抜くか、否か。そのためにも法改正が必須になる。スピードシューティングでは真由美さんは鳥の頭を撃ち抜いていることにしなさい。精密射撃のスペシャリストとしてそのくらいの芸当は容易いとね。それなら『魔弾の射手』のダウングレード版を態々用意する必要もない」

 

「なるほど……」

 

「天海君、会長は推薦を受けられるのですか?」

 

「日本ライフル射撃協会がこの問題に気付いていないことは想像するに容易い。七草の権力を使えば真由美さんは射撃エリートとして受け付けてもらえるだろうね。法改正後、スピードシューティングはクレー射撃の魔法版だが、ライフルに相当する威力の魔法もルール範囲内と記載してしまえばいい。そのためにもライフル所持許可は必須だということ」

 

 国防のためにも認めさせる。

 

「本当に頭がキレますね……」

 

「本当に頼りになるわね……」

 

 少し調べればわかることだけど? 現代魔法師はどうにも法律を意識することがないというか、思慮に欠ける。

 それは法的に問題ないのかまずは確認するべきだ。前世の商社マン時代に徹底していたけど?

 

「十文字の『ファランクス』も狩猟では問題があるな……」

 

「む、どういうことだ?」

 

「『ファランクス』、獲物を粉砕するよね?」

 

「そういうことか……」

 

 狩猟成果無茶苦茶になるよ。

 

「実戦訓練も必要だし、狩猟では『ファランクス』は獲物を気絶させるか動脈を切り裂くということで。結局狩猟免許必須だね」

 

 『ファランクス』の応用で刃にすることも可能だろう。

 

「採用する。洒落にならない……」

 

「そうよね……」

 

「確か1Eに千葉のご令嬢がいる筈だ。千葉寿和さんが警察省勤務だから、彼女にお願いして、千葉のコネで問題ない魔法科高校生達の審査に融通をきかせてもらえばいい。講習会の開催年月日と場所は決まっている。コネがなければ開催年月日の変更はすぐには難しい。審査は1ヶ月前後要すると思う」

 

 例えばこれは旧埼玉の例だけどと、H/Pを見せた。

 

「3月と8月に講習会って、九校戦に間に合わないわね……」

 

 それどころか、旧神奈川や旧千葉でも平日講習会だからね。

 

「東京だと4月開催の警察署は既に終わっている。5月は大塚と南千住があるね。でも審査が厳しいから普通に間に合わないだろう。しかも土曜日丸一日だから学校休む必要があるし」

 

 私は治外法権だから関係ないけどね。素敵な言葉がある。『バレなければ犯罪ではない』

 

「エリカに連絡します」

 

「ルシル君、『問題ない魔法科高校生達』ということは、」

 

「これまで九校戦でクレー破壊行為をしていた連中は論外。許可出ないよ。審査で落とされる。問題視されて炎上しかねない」

 

 相当審査厳しいと言ったよね?

 

 真由美の魔弾の射手は生命を馬鹿にしているものではないため、セーフということにしておこう。鳥の狩猟? 頭を撃ち抜いていた設定だから。違法だけど。あくまでもクレーだから、テロ行為ではないから、気付かなかった、指導しない指摘しない無知な大人の方が悪い。

 

「ですよね……」

 

 ちょうど近くにいたエリカと西城レオンハルト、柴田美月が来て、自己紹介してから、事情説明したところ、快諾してくれた。

 

「警察省は魔法師に「年少射撃資格」の講習会を受講させる意思はないと飛び火して、このようなことにも気付かなかったのかと炎上する恐れがある。指摘して改善すれば炎上を阻止したとしてそれを功績に昇進するかもしれない」

 

「帰ったら和兄貴に伝えておくわ。それにしてもルシル君、よくそんな問題に気付いたわね?」

 

「ふと気になったんだよね。で、確認してみたら案の定?」

 

「バレたら確かに炎上するわね。それにしてもBBQ美味しそうね」

 

「エリカ達も食べる? お肉まだまだあるから」

 

「ありがとう! 実習居残りでお昼まだだったから助かるわ。…………このお肉脂凄いわね……」

 

「美味っ!」

 

「なんですか、この美味しいお肉……」

 

 ツキノワグマを釣ってきたことを教えたところ、絶賛された。

 

「それに塩醤油味噌ダレ、色々な柑橘ソースとか美味しすぎ……」

 

「エリカは千葉のご令嬢なのよね? このくらい普通じゃないのかしら?」

 

「リーナ、百家にどんな幻想見てるのよ?」

 

「十師族でも敵わないと思うわ……」

 

「全く、現代魔法師は非常識だな」

 

「どうしてそうなるのよ!?」

 

「これが庶民の在り方だ」

 

「庶民に謝罪しなさい! 天海家と比べたら七草も庶民よ!」

 

「なんて非常識なのでしょう」

 

「ルシルに現代魔法師の常識なんて通用しないわよ? 現代魔法師こそ非常識ね」

 

「そ、そんな……」

 

 真由美たちは愕然としているが、自分達の非常識を認識して弁えろ。

 

「ルシル様が釣りにお出かけされると熊猪鹿は基本ですね」

 

「ミア、それ本当?」

 

「はい、お魚さんも釣れますが、その場でBBQは恒例行事です」

 

 騎獣魔石でスーパヨットクルーザーを具現化して釣りして海鮮BBQも満喫している。

 

「ええと……、解体とか時間かかると思うんだけど……」

 

「インベントリでは解体もできるからね」

 

「それ、どんなBS魔法なのよ……」

 

 念能力だからね。魔法みたいなものさ。

 

「ルシルならハンターや漁師でも生きていけるんじゃねーか?」

 

「趣味だよ。しかし最初の解体は吐き気を催した。現代人にはキツいものがある」

 

「ルシルさん実際に解体したこともあるんですね」

 

 前世で戦友の実家での話だけどね…………玄関前に猪や鹿って……あれには流石に焦った……話には聞いていたけど……冗談だとしか思っていなかったから……

 

「鹿の繁殖力は旺盛で生態系を乱す原因だから、狩猟でお勧めする。狩猟免許なくても襲われたことにしておけば自衛目的で合法」

 

「それは無理がないか?」

 

「鹿の角は立派な凶器だからね」

 

「なるほど。それなら弟達も実戦訓練ができるな」

 

「狩猟成果の解体も体験した方がいい。現代魔法師は生命の尊さを知るべきだ」

 

「わかった」

 

「インベントリの解体能力に気付いた時には神々に祈りと感謝を捧げた」

 

「神魔法だから重宝するわよね」

 

「手ぶらっていうのも羨ましいぜ」

 

「垂涎の的ですよね……」

 

 ん〜、この三人、コミュ力抜群だな。

 

「魔法科高校の評価基準にコミュ力は必要ないのかな?」

 

「えっ、どういうこと?」

 

 魔法科高校の入試、面接ないよね。普通入試では面接でコミュ力や人柄も最低限確認されるものだ。

 

「エリカ達はあっという間に馴染んでコミュ力抜群だから、疑問に思った。可愛いし、人格的にも問題ないから、大手で取り合いになるんじゃない?」

 

「か、可愛い……////」

 

「確かにコミュ力って重要だと思うわ。エリカ達ならコミュ力、圧倒的上位よね」

 

「一般社会ではコミュ力も評価対象だ。実際に今年の入学初日の事件? 幼稚な一科生? 実際些細なことで犯罪行為に及んだし。明らかに人間的に劣等生だろう。評価基準にコミュ力、人間性を加えるべきだ。一高の評価基準は間違っている。そのような犯罪者は使えない。千葉の警察での権力は十師族を超えるから重宝するし。警察って十師族というヤクザよりも怖い国家権力というヤクザだよ?」

 

「ちょっと!?」

 

「エリカってヤクザのご令嬢なのね」

 

「入学初日のストーカー達は身の程知らずですね」

 

「リーナとミアまで!?」

 

 ルシルとリーナ、ミアの指摘に真由美達は真剣に悩んだ。

 

「鈴ちゃん、どう思うかしら?」

 

「否定できませんね。コミュ力抜群なら重宝されるでしょう」

 

「十文字にも欲しいくらいだな」

 

 克人の頭の中をよぎったのが十山だ。あれの対応は非常に疲れると……

 

 そんなあなたにご朗報。十山は数字剥奪決定しています\(^o^)/

 

「十文字君もそう思う? 千葉直系なら七草の護衛としても重宝するし、」

 

「は? 千葉直系をただの護衛? もったいない。コンシェルジュや側仕えなどでも重宝する。エリカ、妹の護衛側仕えならこれだけ出す」

 

 エリカに金額を提示したところ、即決された。

 

「あたしは天海家に就職します!」

 

「ちょっ、千葉さん、どんな待遇なのよ……」

 

「秘密です〜 ♪ やった、これで勝ち組確定!」

 

 小躍りしているエリカを不審に思ったのか、真由美が尋ねてきた。

 

「天海家は成り上がり、信用信頼できる護衛側仕えの確保は急務なので」

 

「…………その報酬と待遇って……?」

 

「秘密」

 

「ですよね……」

 

「本気で千葉さんが羨ましいです……」

 

 鈴音はルシルがDr. クレープ・シュゼットだと確信して、天海家への就職=時計塔就職なのではと、スカウトされたエリカが本気で羨ましかった。就活する必要性もなくなったのだから、余計羨ましい。

 

「百家子女が喰い付く程か…………それは相当な待遇なのだろう……」

 

「エリカ、お茶とお花への造詣を深めて、秘書検定1級目指してね」

 

 次の瞬間、小躍りしていたエリカは固まり、顔をギギギッとこちらに向けてきた。

 

「…………はい?」

 

「それが天海家が求める側仕え最低条件だから。お茶は緑茶紅茶コーヒーなど求められる」

 

「…………ルシル君、天海家って相当な名家だったりする?」

 

「いや、極々普通の一般家庭だね」

 

「そんな一般家庭聞いたこともないわよ!?」

 

「現代魔法師の常識は一般家庭の非常識」

 

「そこは否定できないけど……」

 

「エリカ、その佇まいなら、剣術の腕前も相当だろう? 芸は身を助けるともいう。妹達に粗忽者を就けようものなら、嫌われるのでね」

 

「うっ……、わかったわよ……」

 

 千葉エリカGET!

 

「レオには妹達の護衛としてこれだけ、美月には側仕え兼デザイナーとしてこれだけ出す」

 

 レオと美月に金額を提示したところ快諾された。

 

「ルシル、ダンケ!」

 

「ルシルさん、ありがとうございます!」

 

「いえいえ、コミュ力も重視した結果だからね。二科生の方がコミュ力抜群じゃないの?」

 

「そうよね。1Aのストーカー達なんか比較にもならないわ」

 

「ストーカーとエリカ達を交換してもらいたいです」

 

「ぷっ、リーナとミアも言うわね」

 

 エリカはツボったようだ。レオと美月もお腹が痛そうにしている。

 

 …………反対に雫とほのかは入学初日のことを振り返り、わたし達もストーカー扱いされても反論できないよねと落ち込んでいる。

 

 反省すればいいと思うよ? しかしあのような不気味な日本人形をよくストーカーできるものだ。怖気が走る。どちらも気持ち悪いよ。

 

「………ミアちゃんって大人しい可愛い見た目なのに、ズバズバ言いますね」

 

「イメージ違うぜ……」

 

「わたしはルシル様の側仕えですから」

 

 …………ミア、どこぞのダンケルフェルガーの武寄り側仕えになっていないか? スルーするしかないな……

 

「ルシル様、レバーねぎ塩串です。はい、あ〜ん」

 

 美味っ

 

「ミア、大変結構。これには『のんのこ』かな」

 

 ミアの『あ〜ん』と焼酎とのマリアージュも堪らない。

 

 レオがのんのこの瓶をくんかくんかして……

 

「おまっ、これ、完全に酒じゃねーか…………まるでリンゴの香りだな?」

 

「命の水だ」

 

「お、おう……the appleってまんまだぜ?」

 

「焼酎なら九州だよね。お気に入り」

 

「なんでそんだけぐびぐびいってシラフなんだよ……」

 

「ルシルはどれだけ飲んでもほろ酔いだからいいのよ」

 

「酔って女性に乱暴することもありません」

 

「紳士ですね」

 

「熊さん小さかったから、レバーねぎ塩串限定物だよ?」

 

 ルシルとリーナ、ミアは食べているが、それ以外は先着順だ。一斉に群がった。

 

「千葉さん速っ!?」

 

「うっふふ〜ん。ほら、美月も一緒に食べるわよ」

 

「ありがとう、エリカちゃん」

 

「ほら、レオにも余り物あげるわよ」

 

「(このアマ……)ダンケ……」

 

 う〜ん、なんていうか、二科生の方が生存競争に優れているな。

 

 そこで黙々と上カルビ串を焼いていくミアは可愛い。

 

「はい、ルシル様、あ〜ん♥️」

 

「美味っ」

 

「熊はやっぱり個体差があってそれぞれ味わい深いわね」

 

「今夜は熊鍋、数日後、紅焼熊掌にしようか」

 

「賛成(です)!」

 

「あの〜、ルシル君、熊鍋やホンシャオションジャン?って何……?」

 

「牛鍋の熊版。紅焼熊掌は熊の左前足掌。蜂蜜熊さんの掌は最高の中華美食だね。熊さんは両利きで左右味的に差はないと思うけど。プラシーボだろうね。蜂蜜熊さん一頭当たり二つしかないから、レア」

 

「コラーゲンの塊なのよ」

 

「蜂蜜熊さんの掌はお肌がぷるっぷるになります」

 

「…………これが格差社会なのね…………リーナさんとミアさんのお肌の秘訣……」

 

「……羨ましいですね……」

 

 マジで蜂蜜熊さん侮れない。

 

「ねえ、ルシルさん、蜂蜜熊さんってそんなに美味しいんですか?」

 

「普通の熊さんとはレベルが違う。このBBQ相当美食だね」

 

「確かに、最高ですよね……」

 

「タンシチューも絶品だね」

 

「何それ、気になります」

 

「蜂蜜熊さんタンシチュー至福ですよね」

 

「熊さんは蜂蜜に限るわ。肩肉やすね肉の赤ワイン煮込みもいいわね」

 

 すね肉とろけるから最高なんだよね。

 

 

 

 

 

 

 




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