本好きの念能力者 @ 魔法科高校   作:avagnale

78 / 94
近未来でも絶対にあると思う件


天海家のルーツ

 ルシルは時計塔で烈や響子、光宣達と魔法科高校無法地帯の問題を共有した。

 

「……………………響子?」

 

「…………お祖父様、わたしも狩猟部の馬までだなんて思いませんでした……」

 

「キョウコは切り捨てた」

 

「ドラクエ調ですね……」

 

 光宣大変結構。頭を撫でておいた。光宣は嬉しそうだ。なにこの可愛い生き物。

 

「生徒会がそこまで把握し切れませんよ……」

 

「救済策として馬を売ってお肉にしてしまえと囁いたのに、躊躇しているのですよ、あのお嬢様」

 

「……ルシル君は悪魔なのかしら?」

 

「家畜出荷は仕様。魔法科高校は非常識に過ぎる」

 

「困ったことだね」

 

「魔法科高校は国立です。魔法に全く関係ないのに、馬鹿高い馬の維持費用を国民の血税から捻出するのはどうなのかと思いました。純粋な馬術部なら私も否定しません」

 

「ふむ、確かに疑問でしかないね」

 

「他の料理部や美術部などの文化系なら教養にもなるし、体育会系の陸上部などなら、健全な精神は健全な肉体に宿るため、問題ないのですがね」

 

「僕もルシルさんの意見に賛成します。狩猟部の馬は必要性が感じられません」

 

「しかも起源がインディアン虐殺を連想させられるというのも問題ですね。銃刀法違反ですし」

 

 響子も狩猟部の実態に嫌悪している。

 

「まあそういうことで、一高校長は戦犯だと判断しました」

 

「十高以外は一高を見本にしたのだからね。全く頭の痛いことだ」

 

 そこにルシルの母、奈那が妹のアンナを連れてきた。

 

「ルシル、アンナをお願い。お兄様成分不足しているみたいなの」

 

「おにいさま〜〜」

 

 ルシルがアンナを膝抱っこしてあやしている姿に光宣は尊いと脳内カメラに焼き付けている。

 

「…………なんて尊いのですか……、僕もアンナ姫様のような妹が欲しいです……」

 

「それは難しいね」

 

「年齢的にもね」

 

「…………今からでも天海家の養子になれませんか?」

 

「いや、光宣は九島の跡取りだからそれは難しいね……」

 

「そんな……」

 

「光宣君、九島の、お祖父様の後継者はあなたしかいないのよ」

 

「僕の兄はルシルさんだと思っています。血縁の両親や兄姉? 赤の他人ですね」

 

「光宣(君)……」

 

 光宣はルシルと一緒に女装させられてアミューズメント・パークに連れていかれて遊んだ記憶や、一般家庭?の愛を体験をしているためか、九島は祖父以外は嫌悪している。

 光宣は天海家では良いことをした時は褒めて可愛がられる。悪いことをした時には、それが何故悪いことなのだと叱られて諭されるという、世間一般的には当たり前の環境を天海家で初めて知った。

 可愛がられたことなど、九島ではなかったと……

 

「…………リーナが妬ましいです…………あんなにルシルさんと……」

 

「ちょっと待ちなさい(待って)」

 

「いっそのことルシルさんの変身術で女の子に性転換してもらって、」

 

「だから待ちなさい」

 

 烈と響子は焦りに焦った。まさかの性転換希望か!?と…………洒落にならない……

 

 

 

◇◇◇

 

 

 …………これを報告された天海権蔵はまた土下座謝罪だ(笑)

 

「すみませんすみません! うちの子供が可愛くてすみません!!」

 

「いえ、決してルシル君を責めている訳では、」

 

「すみませんすみません! うちの子供が天然で九島ご子息を誑かしてすみません!!」

 

「…………久しぶりに炸裂しましたね……」

 

「うむ……、権蔵殿の必殺技だね……」

 

「で、どうしますか?」

 

「…………相も変わらず立ち直り?が速いですな……」

 

 いつの間にか胡座をかいている権蔵(笑)

 

「本当にある意味血の繋がりを実感させられますね……」

 

「それは最早物理的な精神干渉系魔法でしかないと思うのですよ……」

 

 権蔵はアッハッハッと笑った。

 

「もう光宣君には第一世代か、非魔法師、血縁のない魔法師と結婚させるしかないと思うのですよ。一般常識からして」

 

「否定できませんな……」

 

「お祖父様?」

 

「…………響子、旧第九研に限らず、現代魔法師には大なり小なり近親婚が蔓延っている。それを権蔵殿は指摘されているのだ」

 

「…………九島も例外ではないのですね……」

 

 光宣のルーツについて響子は知らないことだが……

 

「ルシルは一言、『狂ってる』だけですな」

 

「…………ようやく、我等の現状が認められたのですな……」

 

 烈は心の中で涙を流した……

 

「法律やベルモントレポートにはないことですが、精子売買からの出産についてはあくまでも他人事だけど、自分のことになると笑えないと。ルシルは嫌悪していますよ」

 

「ベルモントレポートについてはルシル君から聞いています。生まれていないから適用はされないと……」

 

「ステイツでかつてあった非人道的な人体実験ですな。梅毒や人体にプルトニウムを注入するなど、嫌悪しかしない」

 

「流石はルシル君のお父様なだけはあってお詳しいですね」

 

 烈と権蔵のお酌役の響子は感心している。親子なだけはあると……

 

「いや、ルシルが3歳の頃だったかな? 庭の蟻を鬱陶しく思ってどの程度まで許されるのか調べた結果?」

 

 烈と響子は沈黙した。

 

「突然『父上、プルトニウムって入手できますか?』ですよ?」

 

「それは……、反応に困りますな……」

 

「どのような理由があって、どのような目的で、どのように使うのか問いただしました。『マンハッタン計画の再来か!?』と、レポートに辿り着いたということです」

 

「……………………ルシル君は天海家に生まれていなければ、」

 

「いや、そこは愛情と教育でしょう?」

 

「…………私達にはその愛情と教育が眩しく見えるのですよ……」

 

 烈は響子にお酌されてキューッと呑み干した。

 

「ルシルのあれはブラックユーモアそのものですね」

 

「3歳児なのにブラックユーモアですか……」

 

「ルシルには生まれた時からそれだけの知性があったと思っている」

 

「それは否定できませんね……」

 

 権蔵も響子にお酌されて呑み干した。

 

「…………しかし権蔵殿の土下座は名前的にも似合いませんな?」

 

「名前的にも厳ついイメージなのに、あれはないと思いますよ?」

 

「土下座すればいいですか?」

 

「どうしてそうなるのですか……」

 

「いや〜、私は庶民なので〜〜」

 

「詐欺そのものですな……」

 

「? 天海は立派な庶民ですよ? 私はそうとしか聞いていませんが……」

 

「…………立派な庶民というところもツッコみたいところですが……」

 

「時計塔役員で、曜変天目茶碗を酒器にしていらっしゃるお方を庶民とはいいません」

 

「息子が出来人だからね」

 

「その出来人のご子息をお育てになられたのは権蔵様と奈那様でしょう」

 

 響子の指摘に権蔵は真顔になった。

 

「…………ルシルが私達一般人の教育で育つと思うとでも?」

 

 烈と響子は息を呑んだ。

 

「私達親から見てもルシルは神童を超えている」

 

「…………」

 

「くれぐれも、あの子を甘く見ないことだ」

 

「…………しかと受け止めます……」

 

「…………ルシルには全てこの世はお笑い、遊び場でしかないと思っている節がある……」

 

「それは……、」

 

「度が過ぎた時には説教しかないでしょう。『愛』ですよ。『愛』でしかあの子は止められない」

 

「…………」

 

 『魔法科高校の劣等生』世界はお笑い、遊び場でしかない。父上、鋭いですね。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

閑話休題

 

 母に質問してみる。

 

「母上、魔法科高校に狩猟部なる部活があるのですが、この映像を見てどう思いますか?」

 

「…………ええと、まず何故馬に乗っているのかしら?」

 

「ですよね」

 

「伯母様も疑問に思いますよね」

 

「狩猟部なのよね? 狩猟するには免許が必要だと思うのだけれど、狩猟免許に馬、必要なのかしら?」

 

「奈那殿もそう思われますか」

 

「はい、違和感しかありません」

 

「おうまさん、おにく」

 

「アンナもそう思うよね」

 

 いいこいいこ。

 

 むふー、しているアンナに全員癒される。

 

「……それから、あれは猟銃型CADなのかしら? 狩猟免許持っているの? 法的に問題ないのかしら?」

 

「問題しかないですね」

 

「おにいさま、はんざいしゃはっけんしました」

 

「…………老師、ルシルは長男でしっかりしているので心配はしていませんが、アリサとアンナがそのような処に通って大丈夫なのでしょうか……? それにリーナちゃんとミアちゃんも大丈夫なの?」

 

「母君が姫様達の心配をされるのも尤もですな」

 

「伯母様、わたし達はルシルがいるから問題ありません」

 

「ルシル様が危険人物は排除してくださいました」

 

「そう、流石はルシルね。よくやりました。

光宣君は中学校は大丈夫なのかしら?」

 

「はい、学校ではルシルさんに教わった認識阻害を使っています」

 

「ああ……、視線が鬱陶しいのね……」

 

「あはは……、僕だって強姦されたくないので……」

 

「ルシル?」

 

「光宣の容姿、女性だけでなく、ガチゲイなどからも『いただきま〜す♥️ バッチイケ! バッチコイ!』状態なので」

 

「それを指摘された時は怖気が走りました」

 

「伯母様、ルシルの指摘も尤もです」

 

「はあ……、光宣君も大変ね……」

 

「現実問題、同級生でアプローチしてくる女子生徒がどこぞの家の間者かもしれない。バレンタイン・チョコレートに何かしら混入されているかもしれない。他国の潜入工作員の可能性も否定できない。光宣の遺伝子が盗まれようものなら、発覚したら大炎上します」

 

「それもあったね。本当に感謝するよ……」

 

「烈爺、光宣が魔法科高校に入学する時に虫除けは必須ですよ?」

 

「…………九には光宣と同年齢はいないのだが……」

 

「え……、それ、大丈夫ですか? 食事に薬を混入されたりとか?」

 

「ルシルに薬は効かないからわたし達もそこは安心しているけど、グランパ、光宣大丈夫なんですか?」

 

「……………………」

 

「お祖父様? その沈黙は不安にしかならないのですが?」

 

「…………ルシル君、君の伝手でなんとかならないかな?」

 

 仕方がない。ここは四葉に依頼して水波を派遣してもらおう。……あれ? 水波赤面して機能しなかったりする? ありえるな。

 

「全く、親が機能していないだなんて……」

 

 …………母上からは冷気が漂っている。

 

「申し訳ございません、伯母上……」

 

「光宣君が謝ることではないわ。ハリセンで引っ叩いてやりたくなるわね」

 

 いえ、だから、その冷気怖いですから!

 

「…………ルシル君、奈那殿は本当に非魔法師なのかね? 精神的に凍り付くように思わされる……」

 

 ……母のステータスを診てみたところ、精神干渉系魔法の才能に溢れている……

 

 

 

 烈爺とリーナ達と内緒話……

 

「母上は倉橋出身ということはご存知ですよね?」

 

「それは知っているよ」

 

「母上も先祖返りのようですね」

 

「…………そういうことか……」

 

「……本当に安倍晴明庶流倉橋? うちの遺伝子どうなってるの?」

 

「…………ルシル君もそう思うのか……」

 

「倉橋という時点で疑っていましたが、そういうこと?」

 

「そういうことだろうね。君も先祖返りそのものだよ……」

 

「ワーーーオ、あの安倍晴明!? ルシル凄い!」

 

「家系図なんて捏造し放題だから眉唾物だと思っていたのに……」

 

「ですが納得です」

 

「ルシル君、倉橋家で光宣と同年齢の姫君はいないのかね?」

 

「いませんね。叔父上叔母上の子供紅花は8歳です」

 

「紅花ちゃんは流石に一緒に登下校できませんね……」

 

 烈はこれがORZというものかと……

 

 

 

 話題は狩猟部について戻り……

 

「それにしても何故これが今まで問題になっていないのかしら?」

 

 …………土下座外交の父上といい、この母上といい、何かがおかしい……

 

「現代魔法師の常識は非魔法師の非常識。非魔法師の常識は現代魔法師の非常識です」

 

「頭が痛いわね…………普通はすぐに問題になるわよ…………それに魔法科高校に馬は必要あるのかしら? 魔法と馬になんの関係があるの? 国立だから税金で運営されているのに、必要性が感じられないわね……」

 

「税金の無駄遣いそのものですね」

 

「副産物の堆肥を地域に無償配布しているのかしら? それで非魔法師との融和を目的に?」

 

「他の大学馬術部でも堆肥無償配布しているようですね。園芸部と花壇で利用する以外は無償配布しているそうです」

 

「堆肥など普通にホームセンターなどに発注すればいいわよね」

 

 母は狩猟部の実態を聞いて呆れている。カリウム爆弾のバナナの皮をきざんで発酵させてその液を撒いておけばいいんじゃないかな。植物に必要な窒素以外ほぼ全ての成分含まれているし。

 

「本当に二兎追うものは一兎も得ずどころではないわね。害悪以外の何物でもないわ」

 

「どんだけ詰め込んでいるのかというお話ですね。詰め込み教育の極致なのかな?」

 

「なるほど……、そのような捉え方もできるのか……」

 

 

 

 烈爺に百田◯樹著の「今こそ◯国に謝ろう」をお勧めしておいた。

 

「…………ルシル君がお勧めするならそれなりの理由があるのだね……」

 

「それ、事実ですから ♪」

 

「…………私はルシル君が誰よりも怖くなるのだよ……」

 

「最低でもチョンは族滅させます。ヒトモドキだから。CR Operation 画策中です」

 

「…………どのようなものなのだね?」

 

 概要を説明したところ、烈爺は戦慄したが、そうでもしなければ平和は不可能だと認めた。

 

 読書後、烈爺は「韓国には民度という概念自体存在しないのだね」と悟った。

 

「正確には半島には、かな? 赤字そのもので絶対に採算取れないので要りません。ヒトモドキですね」

 

「文字を作ってもらって、それを教えてもらって感謝もしない民族とはね……」

 

 神祇省創設するよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………まさかそのような法律があったとは思いもしなかったよ…………しかし確かに批判されても当然だ……」

 

「完全に十高以外の魔法科高校は無法地帯だね」

 

「本当に洒落にならないですね……」

 

「光宣、想像を膨らませてようか。君のペットが悪戯に爆散されたり、拷問されたり?」

 

「殺します!」

 

「許せないわ!」

 

「そういうこと」

 

「ルシルさんのおっしゃる通り、現代魔法師は狂ってるではありませんか……」

 

「全ては教育だよ。光宣とリーナ達も天海家に預けられなかったら、ありえた未来なのだと肝に銘じなさい」

 

「はい!」

 

「…………白虎が惨殺されようものなら、……ふふっ……」

 

「ちょっと待て(待ちなさい)」

 

「なんですか?」

 

「光宣は物騒なことを考えているね?」

 

 …………これ、発散させないとマズいよね? 実戦訓練させてみようか? 烈爺とコショコショしたところ、決定した。

 

「光宣、旧埼玉本庄市の、とあるペット出荷元から、ペット達を保護してきなさい。ルシル君の指示に従いなさい」

 

「お任せください!」

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 ということで、そのペット出荷元を潰す。

 

「光宣、人の皮を被ったモドキだから、全員殺せ」

 

「お任せください!」

 

「虐待されたペットの疑似体験させる精神干渉系魔法は九島にあったかな?」

 

「……いえ、僕が知る限りでもそのような魔法はありません……」

 

 う〜ん、どうしたものかな……

 

「ルシルさんは使えるのですね?」

 

「…………あれ、悲惨極まりない映像をインストールする必要があるんだよね……。光宣が堪えられるのか心配でね……」

 

「ルシルさんが僕を心配……」

 

 おい、光宣、何か可笑しくないか?

 

「…………光宣、これは過去ペットの埋葬として不法投棄されていたキチガイ業者の所業の映像だ」

 

 光宣に見せたところ……

 

「ーーーーーーーッ(# ゚Д゚)、なんでこのようなことが許されるんですか!?」

 

「許せないよね? これは一例に過ぎない」

 

「…………発狂死します……」

 

「今回は精神干渉系魔法特化型CAD『クルーシオ』type ゾオンを支給する」

 

「ゾオン? ……動物に特化しているということですか?」

 

「そういうこと。光宣、徹底的にやれ」

 

 ルシルの冷たい笑顔に光宣は思わず息を呑んだが、すぐに笑顔で頷いた。

 

「はい、徹底的にやります!」

 

 ということで、会社経営者従業員含めて全て潰した。

 

 奴等の家族はこれまでその金で養われてきたため、路頭に迷とうと、一家離散しても『ざまあ』としか思わない。

 

「う……、ルシルさん、ここ、凄い異臭がしますね……」

 

 ん? ああ、ヴァッシェン・バリアを拡大した。

 

「凄いです!」

 

 しかしねえ……

 

「この子達の教育、大変だよね……」

 

「もふもふパラダイス大歓迎です!」

 

 …………おかしい、何かがおかしい……

 

 まあそれはともかく、ペット達は全て時計塔に転移させた。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「問題は現代魔法師にあまりいいイメージのない古式魔法師が多い関西の警察署での講習会かな」

 

 何かあればここぞとばかりに叩かれるよ。

 

「二高、だね」

 

「講習会が開催される警察署は決まっているから、千葉寿和さんに千葉門下生の警察官を派遣してもらうしかないかな」

 

「すぐに千葉警部に連絡します」

 

 響子が寿和に連絡した。

 

「烈爺は臨時師族会議をオンラインではなく、盗聴防止が厳重な時計塔の会議室で開催してください。もしもこれが公になったら大炎上確実なので」

 

「その通りだね。ありがとう。場所の提供も助かるよ」

 

「ルシルさんはやはり着眼点が違いますよね。本当に尊敬します」

 

「生命は尊いもの、と考えるとねえ」

 

「問題しかありませんね」

 

「烈爺、大会運営委員に盛大に釘刺ししておいた方がいいですよ」

 

「私も他人のことを言えたものではないが、確かに必要だろうね」

 

 あとは烈爺にモノリスでの懸念も伝えておいた。

 

 

 

「…………ルシル君は本当にDavid Bowieが好きだね?」

 

 今日もDavid Bowieを流している。

 

「ベルリンの壁崩壊への序曲となったと称えられている偉大なミュージシャンですからね」

 

「何……?」

 

 烈爺はDavid Bowieを検索したところ、感嘆の溜息を溢した。

 

「…………音楽が世界を変えるのか……」

 

「グラ厶・ロックを創設した偉大なミュージシャンですね。行動はロックでも、音楽は全くロックではないと思いますが」

 

「くっ、そこでツッコむのかね……」

 

「世界を変えるのは『愛』、立派な魔法です」

 

「なるほど……、君がDavid Bowieを称えるのも納得したよ……」

 

「だから6/6はBowieに敬意を払い、一杯やっているのです」

 

「なるほど、ベルリンの壁でコンサートを開催した日だからか。……しかしこのライブ映像は正に薬中そのものだね……」

 

 そういう意味でもロックだよね。

 

「なんていうのかなぁ……、現代の歴史教育は薄っぺらい? その時にどのようなことがあったのか、それがどのようなことに繋がったのか、教育が足りていないと思うのですよ」

 

「詰め込み教育の弊害、か……」

 

「それを魔法大学学長に指摘して、魔法科高校の入試一般科目歴史の問題に『ベルリンの壁崩壊のキッカケとなったのは何か。魔法とは何か』と出題してもらいました」

 

「…………君はそのようなことまでしていたのかね……」

 

「世界を変えるのは魔法だから出題してもいい。正解者はリーナとミアだけでした」

 

「なるほど、確かに魔法科高校の入試に相応しいだろうね。リーナとミア嬢は君の教育があったからこそか」

 

「それを確認できた学生はいないと思います。魔法科高校の入試問題の解答は機密上公開されないし」

 

「困ったものだね」

 

 出題はヒネリも加えてあるからね。

 

「Bob Marleyも好きですね。レゲエでジャマイカ和平を実現した偉人です」

 

 Bob Marleyを検索して調べた烈爺は感嘆の溜息を溢した。

 

「…………Bob Marleyはアフリカでの功績も素晴らしいものがあるね……」

 

「Sly Stoneも好きですね」

 

 Sly Stoneにも烈爺は感嘆の溜息を溢した。

 

「良く当時のステイツで暗殺されなかったものだね……」

 

「人種差別が激しかったようですからね。身を潜める時期もあったとか」

 

「それは当然だろう……」

 

「私はそういう人間のドラマが好きです」

 

「…………君は年齢を偽っていないかね?」

 

「ハッハッハ」

 

 転生者だから精神的には大人です。

 

「そういえば藤林一門が勢揃いで天海家傘下になったことについて」

 

「権蔵殿達にも護衛は必要だからね。待遇についても破格だ」

 

「伝統派が天海家傘下になったことについて」

 

「以下略だよ」

 

「湯葉や湯豆腐、京懐石とか好きだから歓迎しますけどね。アリサとアンナも喜んでいましたから」

 

 今日の会食は湯葉御膳だ。

 

「姫様達にも喜んでもらえて光栄の至りだそうだよ」

 

「粉物文化は相容れませんけどね。炭水化物をおかずにごはんはちょっとねぇ」

 

「しかし関東でもラーメンライス文化などがあるね?」

 

「あれも正直意味不明だと思っていますよ。だったらその分お酒を愉しみたいので」

 

「……ラーメンに餃子や、餃子定食、カツ丼などに付いてくるうどん蕎麦、飲茶はどうなるのだね?」

 

 烈爺、意外と庶民派? フ◯ソバや山◯うどんとか?

 

「少食だからありえません。飲茶にはワインやカクテルですかね?」

 

 紹興酒臭いからありえない。…………え? 何故烏龍茶などではないのか? 愚問だ。

 

「それは最早飲茶とはいえないと思うのだよ」

 

「酒はガソリンです」

 

「まるでアル中発言だね。それで、伝統派は使えそうかね?」

 

「徹底的に鍛え直さないと使いものになりませんね。比叡山に頼みました」

 

「本当にすまない。九の問題を押し付けてしまったこと、ここに謝罪する」

 

「烈爺が謝罪することではないと思います。成果が得られなかったなら、より一層精進するべきだ」

 

 ベルモントレポートでは、インフォームド・コンセントを構成する要素として、「情報」・「理解」・「自発性」を挙げている。

 

 この情報とは

 

研究の方法・目的

リスクと期待される利益

代替的な方法

質問の機会や研究参加を撤回する機会がいつでも対象者に与えられているという記述

対象者の選択方法

研究責任者

 

 これに違反している訳でもなし、伝統派は勘違い甚だしい。

 

 ベルモントレポートはアメリカの非人道的な人体実験……タスキギー梅毒実験、グアテマラ性病実験、MKウルトラ計画、放射能人体実験(マンハッタン計画関連)発覚の結果、策定されたガイドラインだ。

 

 期待される利益が得られなかったからといって、自ら参加したのにねぇ。

 

「……天海家に光宣を預けて正解だったよ。本家の息子や他の孫達は駄目だ……」

 

 光宣の境遇の一端を明かしただけで私の両親は激怒していたからね。九島から光宣の親権を剥奪して養子縁組しようかと真剣に相談していたくらいだ。

 

「九だけの問題ではありませんけどね。国の責任でもある。近親相姦による遺伝子異常、近い未来、問題になりますよ?」

 

「解決策は北山家のように非魔法師との結婚かね?」

 

「融和のためにも。子供が魔法師だろうと、非魔法師だろうと愛があれば関係ないと思っています。『愛』は魔法です」

 

「……それはなんの哲学なのかというところだが、David Bowieなどの例があるからね……」

 

「光宣、一高に進学させますか?」

 

「…………九島の跡取りとして二高に進学させるよ。ルシル君達が光宣を可愛がってくれているのは嬉しいのだけどね……」

 

「それは残念ですね。光宣は私の弟同然なので」

 

「本当にありがとう……」

 

 烈はあの馬鹿息子や他の孫達に対して説教してやりたくなった。

 

 

 

 

 

 

 




感想大歓迎です ♪
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。