本好きの念能力者 @ 魔法科高校   作:avagnale

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観客 VS 司馬達也


九校戦 3

 一高テントでは難しい顔をしている者達が多数……

 

「天海ルシル選手が本戦男子スピード・シューティングとアイス・ピラーズ・ブレイク、倉橋理奈選手が女子アイス・ピラーズ・ブレイクで、男子クラウド・ボールとバトルボードでも九高が優勝しました。本戦モノリス・コードとミラージ・バット、新人戦で巻き返さないと厳しい状況です」

 

 一高は真由美の本戦スピード・シューティングとクラウド・ボール、摩利のバトルボード優勝、克人と花音のピラーズ2位で総合2位だが……

 

「天海選手と倉橋選手がどのような魔法を使ったのかも不明です。起動式も魔法式も全く見えませんでした」

 

「倉橋選手の準決勝までに使用した魔法はあの現象からムスペルヘイムだと思われます」

 

 達也の分析結果にどよめきが起きた。

 

「超高難易度のA級魔法を使いこなす一年生だと……」

 

「天才ですね……」

 

「恐らくは隠れた古式の名門なのではありませんか?」

 

「そうとしか説明できませんね」

 

「摩利は倉橋さんにミラージで勝てると思うかしら?」

 

「…………対戦してみないとなんとも言えないが、彼女の魔法力は十師族クラスだと確信している」

 

「やっぱりそう思うのね…………なんで天海家倉橋家が九高に入学しているのよ……」

 

「? 会長は何かご存知なんですか?」

 

「…………天海家倉橋家の地盤は東京、次いで京都なのよ…………天海家は安倍晴明の末裔で、天海君は『今晴明』と古式界隈で評判らしいわ……」

 

『今晴明……』

 

「倉橋家は天海家の分家ね…………父からは相手が天海家倉橋家なら十師族が負けても仕方がないって言われたし……」

 

「一高や二高ならともかく、何故九高に入学したんですか?」

 

「謎ね。わたしと十文字君は面識があるから、質問してみるわ」

 

 くれぐれも口外禁止と……

 

 

 

 新人戦女子スピード・シューティング決勝前にミアは北山雫から鞘当てされたが、相手にしていなかった。

 

「一高の北山雫です。決勝ではよろしくお願いします」

 

 犯罪行為の自覚もないとはおめでたい頭をしていますねとミアは思っていた。

 

「あの……?」

 

 ミアは無言で去っていった。

 

 決勝ではミアと北山雫が対戦した。ミアも浴衣で出場している。

 

「ダークホースの九高か……本郷選手はこれまで辛勝という感じだが……」

 

 明智英美はミアに敗れた。

 

「雫にはお兄様の能動空中機雷があります。九高の快進撃はこれで終わりですよ」

 

 興味ないよ。

 

 能動空中機雷など、ねえ?

 

「!? ーーーッあれは、雫のいるエリアが闇で覆われているのか?」

 

「そんなっ!?」

 

 ミアは指をピストルの形にして、ルシルに教わったウィンドカッターを米粒大に圧縮してクレーに穴を開けていった。

 

「…………本郷選手の指先から何かが発射されているのか?」

 

「本郷選手も古式なのでしょうか……」

 

「ああ、CADを使っている様子はない。……的に三日月形の穴を開けている……」

 

「古式なのに、CADを使わずに凄まじい速度ですね……」

 

「やられたな……これまで偽っていたのか……」

 

「ですが、あのような妨害をするだなんて卑怯です……」

 

 100 - 0

 

 WINNER 本郷ミア

 

「ミア、優勝おめでとう」

 

「ありがとうございます。ルシル様、ご褒美をくださいませ」

 

「ミア可愛い」

 

 北山雫はORZして泣いている。

 

 

 

 一高から、あの妨害は反則だと抗議があったが……

 

「ルールに反則とはない」

 

 と大会運営委員から一蹴された。

 

 犯罪行為を妨害してやったのだから感謝しろ。

 

 

 

 

 新人戦男子スピード・シューティングでは九高の百地蔵人が甚平姿で登場して、三高の吉祥寺真紅郎を魔弾の射手で降し優勝した。

 

「おめでとう、蔵人」

 

「ありがとうございます、若様」

 

 百地蔵人は伊賀の忍びの末裔で天海家に一族で仕えている。ルシル直属だ。蔵人にはマルチスコープがあるため、旧七研から術式を提供してもらった。

 

 …………嘘です。真由美の魔弾の射手をルシル君は見取ってしまいました。ただの辻褄合わせです。

 

「蔵人の魔法適性、真由美さんに似ているね」

 

「七草のお嬢様ですか」

 

「蔵人だからクラウドでいいでしょって、まんま競技真由美さんと被ってるし、ねえ?」

 

「あはは、隠蔽と制御力なら七草のお嬢様にも負けませんよ」

 

「ふふっ、今頃一高大騒ぎしてるよ」

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 ルシルの予想通り、一高テントは騒然としていた。

 

「…………七草、弘一殿からの回答はどうだった?」

 

「天海家に魔弾の射手の術式を提供したのは事実だそうね。天海家は旧七研のスポンサーでもあるから。百地蔵人君はルシル君直属で、百地は忍びの名門だそうよ」

 

 百家ではない古式だよ。

 

「会長、百地選手もCADを使っている様子がありませんでしたが……」

 

「天海家の魔法制御力は現代魔法師とは比較にもならないのよ。分家や傘下の家にも徹底させているらしいわ」

 

「まさか新人戦男女スピード・シューティングでも九高に優勝されるとは……」

 

「百地蔵人君は百地の神童と忍び界隈で有名みたいね……」

 

「忍びの名門の神童ですか…………百地選手のかけ持ちする競技はモノリスですか?」

 

「いえ、クラウドのようですね」

 

「陰陽師の大家天海家とその分家の倉橋家、それに百地選手と恐らくは本郷選手も天海家傘下でしょう。今年の九高は反則的な面子が揃ってますね」

 

「お兄様がそれを言いますか、と言いたいところですが、同感ですね」

 

 一高の雰囲気は非常に暗い…………お祭りで何故暗くなる? 意味不明。

 

「…………忍びの名門百地ならモノリスの代表メンバーになってもおかしくないのに。恐らく男子クラウドは百地君が優勝することは確実だけれど、何故点数の高いモノリスに参加しないのかしら?」

 

「…………恐らくは忍びの秘伝を披露できないからではありませんか? 家から禁止されているとしても不思議でもありません。それに三高の一条選手との対決を避けたのでは?」

 

 真由美の疑問に達也が答えた。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 バトルボード予選でフラッシュを使った光井ほのかは失格になった。予め烈爺に予言として伝えておいたから即座にオーバーアタックで失格と放送された。

 

 観客席にいる司波達也はサングラスを外して耳を疑い驚愕に目を瞠っていた。

 

 そこで観客の声が聞こえてきた。

 

「一高の選手とエンジニア、頭が可笑しいだろ」

 

「傍迷惑極まりないわね」

 

「バカなんですね」

 

 司波達也はまた耳を疑った。

 

「納得。あれは卑怯だよ」

 

「雫……、しかしルールには載っていないことだぞ?」

 

「ルールに載っていないからってやっていいことじゃないよ。達也さん、ほのかになんてことさせてくれたの?」

 

「…………」

 

 雫が達也を見る目には軽蔑が混じっている。

 

「観客だってほのかの失格に納得している人達の方が多いよ」

 

「しかし雫も九高にスピードシューティングで妨害された」

 

「九高の妨害はあくまでも選手個人に限定してる。殺傷性もない。一高は観客まで無差別に攻撃するバカだな」

 

 観客の批判に司波達也は言葉を詰まらせた。

 

「失格になった選手泣いちゃってるけど、なんで泣くのかしら?」

 

「あんなことすれば失格になるって普通は思います」

 

「あの子も頭大丈夫なんかね?」

 

 観客のおしゃべりに雫は幼馴染の親友が心配になり立ち上がった。

 

「わたしはほのかが心配だから失礼するね」

 

「…………」

 

「あたしも失礼するわ。達也君、やっていいことと悪いことがあるわよ」

 

 千葉エリカの目も冷たい。

 

「達也さん、わたしもあれはやっていいことではないと思います」

 

 柴田美月も席を立った。あーちゃんはこの状況にオロオロしている

 

 また観客から……

 

「一高の作戦スタッフも一体何考えてんだか。キチガイだろ」

 

「魔法科高校って偏差値高いのに大丈夫なのかしら?」

 

「策士策に溺れるっていいますけれど、本当にキチガイ作戦ですね」

 

 パシャッとな。

 

「あいつがエンジニアみたいだな。あの会話からあのバカが作戦スタッフも兼ねてんのか」

 

 観客がぐるんっと振り向き、周囲からも司波達也へ非難する視線が殺到した。

 

「一高二科生ってあるけど、これおかしくないか?」

 

「どういうことかしら?」

 

「筆記圧倒的1位なんだよ。あのキチガイ作戦考えたバカだから二科生なのか?」

 

「ちょっ、他人のプライバシーを詮索するのは止めてくださいっ!」

 

 お前が言うな。九重寺などで他人のプライバシーを侵害してるだろうが。しかも貴様のお兄様の眼は鬱陶しい。のぞきしてんだろうが。

 

「こっちは傍迷惑な被害受けてんだけど? 失明したり視力低下したらどう責任取ってくれんだよ。訴えるために調べる必要あんだろ」

 

「そうよそうよ!」

 

「自分達だけサングラスして頭可笑しいでしょ!」

 

「お前ら倫理観どうなってんだよ!」

 

「キチガイがふざけんなよ!」

 

「一般人甘く見んなよ。世間知らずの現代魔法師のクソガキが。てめえの素顔素性電子の海に放流してやんよ」

 

 司波兄妹は逃げ出した(笑)他の一高生もこの空気が怖かったようで同様に。

 

「ぷっ、キチガイ・サイコパス逃げ出したよ」

 

「日本から追放されてくれないかしら」

 

「憐れなものですね」

 

 ルシル達は変身術を使い観客の声をネチネチ届けていた(笑)観客を操作して誘導することなど念能力者にとっては容易い。私はバグキャラなのでね。

 あのバカは逃げ出したが、四葉とまでは見抜けないと高を括っているのか?

 

 

 

 バーーーカ!!!

 

 

 

 知ってるんだよ(笑)

 

 

 

 世の中舐めるのも大概にしろ。徹底的に追い込んでやるよwww

 

 

 

 人目のないところまで逃げた司波兄妹は……

 

「…………ちっ、鬱陶しい連中だな……」

 

「お兄様……、撮影されてしまいましたが……」

 

「一般人が俺達のことを暴くことはできないさ」

 

「ですが、即座にお兄様がほのかの担当エンジニアだと突き止められてしまいました……」

 

「…………身元が割れなければいい」

 

「お兄様……」

 

「大丈夫だ。俺を本当の意味で傷付けられるものなど存在しない」

 

 やはりバカだな。いくらでもやりようはあるんだよ。

 

 ネット拡散は私刑に該当する可能性がある?

 

 一般人を舐めるな。こちらは身元を隠して拡散できるんだよ。

これは警告だ。一般人でもやられたらやり返すんだよ。一般人を甘く見過ぎだ。

 

 

 

 バーーーカ!!!

 

 

 

 

 

 




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