本好きの念能力者 @ 魔法科高校   作:avagnale

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九校戦 5

 ルシルが新人戦女子アイス・ピラーズ・ブレイクを観戦していたところ、両隣に真由美と克人が座った。

 

 …………その前にルシルを探すのにマルチスコープを駆使して相当苦労した真由美……

 

「…………まったくもう……、相変わらず物理的に死角をついてくるわね……」

 

「七草のマルチスコープでも困難なのか?」

 

「ええ、なんて説明したらいいのか言葉に迷うわ…………マルチスコープに映っていても油断していたら気付かないのよ……」

 

「そういえば七草は昔から天海のことがお気に入りだったな」

 

「まさか九高に入学しているだなんて思わなかったわ……」

 

 実はこの織地では結構な馴染みだ。

 

「確か海釣りで七草は悲鳴を上げていたことがあったな」

 

 時計塔で一緒に釣りをして、『きゃーーーーっ!?』と釣れたアナゴに騒ぐ真由美のことを平成女子かとルシル君は思ったものだ。なんでもあのニュルニュルと顔が駄目だとか。

 

「七草は釣り餌に触ることもできなかったからな」

 

「うぅっ……、ルシル君は釣り餌なくても釣れるし、あんな理不尽ないと思ったわ……」

 

 違いないと笑った克人はさっさと探せと真由美をせっついた。

 

 …………実は真由美は小学生の頃にルシルと混浴してそういう関係だ。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 時計塔の料亭に一席設けてルシルは父とアリサを克人に紹介した。

 

「十文字克人です」

 

「すみませんすみません! 生命ばかりはお助けください!!」

 

 土下座する父乙。

 

「あの……、天海殿……?」

 

「すみませんすみません! どうか嫁と子供達の生命だけはお助けください!!」

 

「あの……、生命を奪うつもりなど、」

 

「すみませんすみません! 臓器も差し出しますから! どうかどうか!!」

 

「…………臓器を求めている訳ではありません…………土下座は止めてもらいたいのですが……」

 

「すみませんすみません! こんな可愛い子供達の父親になってすみません!!」

 

「…………俺は一体なんだと思われているんだ?」

 

「ヤクザ」

 

 克人はズーーーン|||と落ち込んでしまったwww

 

「父上、こんな見た目していますが、いい人ですよ?」

 

 すると即座に父は顔を上げた。

 

「あーー、びっくりしたよ。明らかに堅気の顔じゃないからな」

 

 克人はズーーーン|||と更に落ち込み、「こんな見た目……、堅気の顔じゃない…………」と……(笑)

 

「克人さん、父上は烈爺や天皇陛下にも土下座しているから、あまり気にしない方がいいよ?」

 

「…………老師にまさかの天皇陛下までにか……?」

 

「ルシルが3歳の頃でしたかな。老師にルシルのことがバレましてね。天皇陛下は雲上人ですから」

 

「話には聞いていましたが、お父様の土下座は本当だったのですね」

 

「アリサは真似してはいけないよ」

 

「はい、お兄様」

 

 ということで和やかに?始まった会食

 

「天海殿、その切り替えの速さは……」

 

「必殺技です」

 

「そ、そうですか……」

 

「あまり気にしない方がいいから。烈爺と陛下も居た堪れない気分になっていたけど」

 

「同情する……」

 

 

 

 それはともかく

 

「アリサは障壁魔法の天才だ。アリサ」

 

「はい、お兄様」

 

 アリサが使った障壁魔法に克人は目を見開いた。

 

「これは、ファランクスではないか……」

 

「アリサも特殊な目の持ち主でね。どのような魔法なのか一目見れば解析してしまう。九校戦で看取ってしまった」

 

「しかもCADも使用せずに……、流石は天海の妹だな……」

 

「アリサは天海遠縁の養女だが、天海の家風そのもので競争や争いは苦手、暴力など見たくもない。護身のためにファランクスの家庭教師になってもらいたい。もちろんファランクスを他には流出させないことは約束する」

 

「…………なんでもすると約束したのだからな。引き受けよう」

 

「よろしくお願いいたします、先生」

 

 克人はアリサに頬を緩め頷いた。

 

「しかしアリサ姫様も洗練されているな」

 

「お花、茶道、料理、ピアノ、ヴァイオリンはお兄様に教わっています」

 

「…………天海はそこまでできるのか?」

 

「茶道はあの堅苦しい作法と狭苦しい空間が大嫌いだけど、嗜みとして。料理とピアノ、ヴァイオリンは趣味」

 

「…………俺にも妹がいるがそこまでは教育されていないぞ……」

 

 克人は天海を流石は歴史ある名家だと感嘆の溜息を吐いた。

 

「何故このようにできた子供になったのか、父親の私でも不思議ですが。娘をよろしくお願いします」

 

「はい、責任持って教えます」

 

「ありがとうございます。父親として責任がありますからな」

 

「…………十師族も天海家を見習うべきですね……」

 

「例えば七草かな?」

 

「…………知っていたのか……」

 

「時計塔の諜報網を甘く見ないことだ。あれは完全にネグレクトだ」

 

「問題しかありませんな」

 

「…………他家に干渉できることでもありませんから、」

 

「魔法とは『愛』だ」

 

「…………何故『愛』になる?」

 

「薬中ジャンキーがベルリンの壁崩壊の序曲になった」

 

「…………愛と薬中がどう繋がる?」

 

「歴史を顧みることだ。現代魔法師は非常識に過ぎる」

 

「…………アリサ姫様はともかくとして……」

 

「まるで私達はまともではないという発言について」

 

「遺憾ですな」

 

「…………あの土下座といい、ご子息の言動行動といい、まともなのですか……?」

 

「土下座外交は基本ですな」

 

「日本人の文化www」

 

 克人は眉間を揉みほぐしている。

 

 ルシルといい、この父親といい、天海家は何かが可笑しいと思うのは自分だけなのだろうかと…………しかもルシルの父親天海権蔵は時計塔役員なのに…………何かが間違っている……

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 で、ようやくルシルを発見したのだが……

 

「何か用?」

 

「何か用じゃないわよ…………ルシル君は一高に入学すると思っていたのに……」

 

「九州グルメ多いよね」

 

「まさかの理由……」

 

「関西は炭水化物がおかずという粉物文化はちょっとね」

 

 神戸に二高があったら…………西宮はお隣だけど、京懐石とかも好きだし、しかし京都の夏と冬は大嫌いだ。盆地の夏と冬はあり得ない。

 念能力や魔法で気温や湿度、紫外線などどうにでもなるが、気分的に。

 

「食文化は大切だっていうのは理解できるけれど…………なぜこの一年音信不通になっていたのよ……」

 

 どうやら真由美は相当欲求不満なようで。

 

「時計塔関連で忙しかった」

 

 海外にいたからね。時計塔プライベートビーチでバカンスに忙しかったから嘘は吐いてないな。

 

「…………天海が九高に入学したのはそれだけではないだろう?」

 

「一科生二科生問題」

 

 克人は唸り声を上げて黙った。

 

「幼稚とかそれ以前」

 

「…………天海ならそれを解消できると思っていたのだが……」

 

「何故そのような些事に私が煩わされなければならない?」

 

「すまん……」

 

「ルシル君達の姿懇親会で見なかったと思うんだけど?」

 

「当日入り」

 

 転移してきた。窮屈な飛行機やバス移動は勘弁。

 

「何か予定あったのかしら?」

 

「宮古島バカンス」

 

 …………宮古島でアリサが『胸が出てきました』と白ビキニで迫ってきて抱いてしまった。リーナとミアも協力しているから抗える訳もない。

 

「自由ね……」

 

「はあ、ピラーズも問題多過ぎるね」

 

「……ピラーズ”も”? どんな問題が、それに他にも問題があるの……?」

 

「通達する。大会運営委員はバカしかいないのか? まあミアには勝てないよ」

 

「え……、」

 

 浴衣姿のミアが登場した。ミアは非常に可愛いため、会場は盛り上がっている。

 

 ミアは司波深雪の氷炎地獄の極炎を収束して爆縮にして返し、氷炎地獄の極寒を利用して氷柱を破壊した。水蒸気爆発の原理だ。

 

 ルシルのように爆縮を同時に複数種類多数放ったり、連発、コイン物質化はできないが、この程度は可能だ。ミアとリーナは爆縮は疲れるため多用はできないと言っている。司波深雪は馬鹿の一つ覚えのように氷炎地獄を使うため、対処は容易い。しかも氷炎地獄を利用するため、通常の爆縮よりは疲れない。ミアは決勝戦までは分子ディバイダーで勝ち上がってきた。北山雫や明智英美など瞬殺だ。

 

「CAD頼りの現代魔法師がミアの相手になるか」

 

「そんな……、深雪さんが相手にもされないなんて……」

 

「…………本郷選手は一体何者だ?」

 

「私の側仕え。天海式で鍛えた」

 

「そういうことか……」

 

 ルシルはミアを迎えに観客席から飛び降りた。

 

「ミア優勝おめでとう」

 

「ありがとうございます。ルシル様、褒めてくださいませ」

 

 なでなでしてからミアをエスコートして退場した。

 

「視線が鬱陶しいな」

 

「ちょっと待ってくれ」

 

 通路で司波兄妹と遭遇したが、スルーした。無粋な輩だな。

 

「一高一年司波達也だ」

 

「同じく司波深雪です」

 

 一瞥しただけでスルー

 

「…………こういう場合、名乗るのものじゃないのか?」

 

「ルシル様は有名人です」

 

 名乗るまでもないということだ。

 

「…………天海君達と話してみたかったんだ。古式なのに、CADを使わずにあの速度は一体どういうことなんだ?」

 

 CADなんか必要ないだろ。不良品が。

 

 この世界の汎用型CADは『ネギま』世界でいうところの魔法アプリ、『八男』に登場する平和ボケした魔族の国の防衛隊の武器を連想させる。現代日本人メンタルの魔族って……それでいいのか、魔族。とあれにはツッコんだ。

 魔法アプリはエヴァンジェリンが酷評していたし、魔族の防衛隊の武器はブランタークが呆れていたな。魔王様エリザベートも人間式で座禅瞑想していたし。

 

 要はバカにしかならないということだ。

 

 エヴァンジェリンは汎用型CADについて、『何故そのようなもの必要がある? 頭がバカになるし、歪な生き物だな、現代魔法師とは』と【発】ワールドで赤ワインを飲みながら述べていた。

 

 …………永遠の子猫エヴァンジェリンはルシル君の女の一人でワールドに住んでいる。『登校地獄』の呪いをあっさりと解呪してみせたところ惚れられた。私の分霊転生に付き合ってくれている。

 解呪というよりも呪い返しだが、麻帆良地下にいた赤毛の厄ネタが『登校地獄』にかかり、結果永久封印されたのは爆笑した。私の魔力量バグってるからね。労働基準法違反そのものの赤毛のちびっ子教師にそれを教えたところ、ガチ泣きされたwww

 あまりにも法律を舐めた妖怪ぬらりひょん爺にガチギレして文科省や労基署に通報したりマスゴミにリークしたりしていたら、ちびっ子教師は鬱病になり登校拒否して終了(笑)

 

 何故文科省か? 日本の英語の学習指導要領ではアメリカ英語が基準になっているのに、訛ったウェールズ英語とかふっざけんな。

 

 大人気ない? いや、女子中学校に男女共学化のためのモデルケースのためにって放り込まれたら『ふっざけんな』としか思わないだろう。逆セクハラの日々だったし。

 

 …………保健体育閨実技が捗ったけどねwww

 

 

 

「貴様の目は鬱陶しい。小賢しい輩が強欲に過ぎるな?」

 

「…………なんのことだ?」

 

「私達が気付かないとでも思ったのか? 不愉快極まりない。これは警告だ。次に私達のことをその不愉快極まりない目で探ろうとしたら制裁する。蛙如きが弁えろ」

 

 次の瞬間、ルシルから魔力で軽〜く威圧されて吐血して這いつくばった司波兄妹。

 

「愚か者が」

 

 司波達也の四肢をピアッシングで消滅させてやった。

 

「ミア優勝祝いに何食べたい?」

 

「長瀞のかき氷気分です」

 

「夏はかき氷だよね」

 

 ゴフゴフと血を吐きながらも、「ーーーッち、ちょっと待ってください!」と鬱陶しい声がするが無視した。

 

 次の瞬間、ルシルとミアは消えてしまった。

 

「!? ……一体どんな魔法だ……」

 

「…………わ、わたしも全く相手にされませんでした……」

 

 再成を使って回復してから……

 

「…………わたし達が吐血するほどの威圧?といい、これ以上探るのは危険です……」

 

「ああ、ひとまず止めよう……」

 

 流石のバカでもルシルの警告を理解した。

 

「…………雫も落ち込んでいるし、他にも落ち込んでいる選手は多い……」

 

 リーナにピラーズで負けた千代田花音、ミアに負けた北山雫、明智英美、バトルボードで失格になった光井ほのか、蔵人に負けた選手などなど、一高には暗い雰囲気が漂っている。

 

「次元が違うと思い知らされました……」

 

 ここで司波深雪のピラーズ・ブレイク2位取り消し失格が放送された。

 

「そんな……!?」「なんだって……」

 

 長瀞のかき氷屋でルシルとミアは果汁スペシャルを堪能した。リーナと蔵人へのお土産に巨峰かき氷と秩父ワインかき氷、桃のかき氷、ごろごろ生いちご、ほろにがキャラメルかき氷、ほうじ茶白あんかき氷などもインベントリに収納した。

 

 

 

 スピード・シューティングやアイス・ピラーズ・ブレイクでも失格者が続出した。

 

 新人戦アイス・ピラーズ・ブレイク終了後、九島烈に呼び出された問題児たちと生徒会などは何故今頃になって失格発表されるのか納得いかなかった。

 

 …………Harry Potterの学年末どんでん返しグリフィンドール優勝を連想させるからね。

 

 でもね? 犯罪行為を一々発表できるか。バカばかりだから一纏めに処分した方が効率的だ。

 

「閣下、司波深雪さんと千代田花音さんのピラーズ2位取り消し失格はどういうことですか? 他にも北山雫さんと明智英美さんも……」

 

「氷炎地獄を実際に戦場で使用することを想像してみたまえ。味方を凍らせて殺す気かね?」

 

「あ……」

 

「千代田花音君と明智英美君も同様に、氷柱が人だと考えたこともなかったのかね?」

 

「あ……」

 

 バカだろ、こいつら。想像力皆無か。

 

「千代田花音君は味方陣地を盛大に巻き込むフレンドリーファイア、明智英美君はまるで第二次世界大戦の神風特別攻撃隊『特攻』、人間魚雷『回天』だ。人の生命を一体なんだと思っているのかね?」

 

「も、申し訳ございませんでした……」

 

「ピラーズで優勝した天海ルシル君と倉橋理奈嬢、一条将輝君、本郷ミア嬢は対戦相手の氷柱しか破壊していない。君達は戦場最前線で氷柱になりたいのかね?」

 

 問題児達の顔色が青褪めた。

 

 北山雫と十七夜栞、他にもスピードシューティングで振動系魔法などでクレーを破壊していた者達の失格についても理由が説明された。

 

「スピードシューティングで優勝した天海ルシル君と七草真由美嬢、本郷ミア嬢、百地蔵人君はクレーを打ち抜いている。狩猟成果、生命を無駄にするような真似は決してしていない」

 

「お待ちください! 去年まではそれが違法行為だと指摘されませんでした!」

 

 反論してきた愚か者を烈は冷たい目で一瞥した。

 

「違法行為が判明したのに改善しないとでもいうのかね?」

 

「そ、それは……」

 

「法律を守らないのは獣だ。生命を馬鹿にする最低の行為は獣以下だね」

 

 烈の指摘に愚か者は黙った。

 

『君達は現代魔法師の人権を放棄するつもりかね?』

 

「Dr……」

 

 そこにDr. クレープ・シュゼットからアナウンスがあった。

 

『烈爺は魔法師権利保護のために戦った。烈爺の思想と行動を馬鹿にする、侮辱する行為だと問題児諸君は猛省し給え』

 

 神魔法工学師Dr. クレープ・シュゼットの言葉は重い。

 

『千代田花音君のエンジニア五十里啓君、大雑把とかそのような問題ではない』

 

「はい、申し訳ございませんでした……」

 

『明智英美君のエンジニア司波達也君は更に悪質だ。想像力が欠如している。君には倫理や道徳が圧倒的に足りない』

 

「…………」

 

 ふっ、だんまりか

 

『能動空中機雷のインデックスへの登録はこちらで止めておいた』

 

「あ、ありがとうございます……」

 

「通報者に感謝することだね。あの魔法の危険性について真っ先に気付いたお方だ」

 

「はい……」

 

「一つ確認したいことがある。能動空中機雷の開発者は北山雫嬢になっているが、事実なのかね?」

 

「いえ、開発者は司波達也さんです」

 

 雫は即答した。

 

「司波達也君、汚名を押し付けるとは不誠実かつ卑劣極まりない真似をするね」

 

「ーーーーッ」

 

 司波深雪と北山雫、明智英美、光井ほのかのエンジニアのこのバカ、疫病神だな。私が一高にいたら、絶対にハリセンでしばき倒していたよ?

 

「それでは僕のスピードシューティング失格については、」

 

 モブ崎の疑問に烈は「犯罪者が何故檻の中に入っていないのかね? 犯罪者がお祭りに参加する資格はないのだよ」と切って捨てた。

 

 モブ崎は愕然としている。クラウドで失格になったハラキリも同様だ。

 

「光井ほのか君のフラッシュについて、あれはテロ行為だとエンジニアも一緒だと指摘された」

 

「なんですって……」

 

「担当エンジニアの司波達也君も含めて、君達の九校戦はこれで終了だ」

 

「警察省の千葉寿和だ。司波達也君、光井ほのか君、テロ等準備罪で逮捕する。桐原武明君は殺人未遂罪で、森崎駿君は対人魔法攻撃で逮捕する」

 

 九島烈の後ろに控えていた千葉寿和がバカの前に立った。三高からも対人魔法攻撃で逮捕者が何人も出た。

 

「そんな!? お兄様とほのかを逮捕だなんて!?」

 

「深雪落ち着け。すぐに釈放されるさ」

 

 司波達也は「テロ等準備罪? 俺達はテロ準備などしていないからすぐに釈放される」と内心高を括っていた。

 

 千葉寿和は内心こいつ本物のバカだなと呆れた。釈放されるわけないだろうがと。CADを押収してから逮捕連行した。ついでにこれを目撃していた101の風間も逮捕された。

 

「バカが逮捕されたね」

 

「なんで逮捕されないって思い込んでいるのかしらね」

 

「不思議ですね」

 

 かき氷を食べているルシル達の会話を聞いていた千葉エリカは兄寿和が司波達也と光井ほのか達を連行している光景に目を剥き、自己紹介してきて一体どういうことなのかしらということで、説明した。

 

「なるほどね……。ところでその凄い豪華で美味しそうなかき氷どこで売ってるのかしら?」

 

「時計塔」

 

「はい? あの時計塔がキッチンカー出してるの?」

 

「いや、時計塔ショッピングモールにある『ファウンテン』」

 

「…………」

 

 インベントリからブルーミングストロベリーを出してエリカにあげた。インベントリのことを説明したところ羨ましがられた。

 

「時間が止まった異空間って凄い魔法ね…………本当に美味しい…………一杯いくらするのかしら?」

 

「それは5,000円ですね」

 

「はい?」

 

 エリカのスプーンを持つ手が止まった。

 

「わたしのピーチヘブンとリーナのチョコ&オレンジもですね」

 

「…………それじゃあ、ルシル君のメロンが器になったメロンがごろごろしているのは?」

 

「メロンドットメロンは10,000円です」

 

「かき氷一杯が……」

 

 超高級天然氷と時計塔産メロン丸々一玉使っているからね。

 

「そんな高い物無料でなんて、」

 

「気にしないで。女の子に支払わせるなんて野暮なことしない」

 

「あ、ありがとう……、ルシル君完璧超人超えてないかしら?」

 

「ルシルを射止めたわたしグッジョブね」

 

 リーナを羨望の目で見るエリカ。

 

「本当に気にしないで。端金だし」

 

「セレブね……」

 

「ジャンクフードやB級グルメも結構好きな庶民だよ?」

 

「それはセレブの嗜みにしか聞こえないわよ…………ちなみにどんなジャンクフードやB級グルメ食べてるのよ?」

 

「時計塔産のフルーツ牛バーガーやフルーツトンカツ、フルーツ鶏親子丼、伊勢海老や車海老、ホタルイカ、ホタテ、アワビ、桜海老、シラスなどの海鮮塩焼きそば、」

 

 ミアが画像で説明したところ、エリカは「ちょっと待って」と……

 

「このハンバーガーやトンカツ、親子丼、焼きそばいくらするのよ!?」

 

「気にしたことないよ。庶民は知恵と工夫で解決するのさ」

 

「庶民の定義が間違ってるわ……」

 

「私が常識だ」

 

「リーナが羨ましいんだけど……」

 

「天海家ではわたし達もこの福利厚生を享受できます」

 

「え……、天海家傘下までそんな福利厚生認められてるの!?」

 

「天海家はホワイトだからね。エリカならこれだけ出すけど?」

 

 エリカに年俸を提示したところ快諾された。

 

「ルシルならこれを自作できるわよ」

 

「ルシル君パティシエにもなれるんじゃない?」

 

 前世で現代日本どころか世界中の一流ホテル料理店パティスリーなどにもアバター変化を送って修行したからね。

 

「パティシエになって田舎に隠れ家的甘味処を作ってのんびりひっそりと生きるのもいいな。エリカも浴衣や着物で店員してみない? 可愛いから絶対に人気になる」

 

「そ、それは魅力的なんだけど…………ルシル君達の容姿だと難しいんじゃないかしら? 容姿的にもスイーツの見た目と味的にもすぐに評判になるわよ?」

 

 なんだと……、私に平穏をよこせ。もう不労所得でいいよね。

 

「ねえ、リーナはどうやってルシル君を射止めたのよ?」

 

「浴場に突撃したわ」

 

「思ったよりも物理ね!?」

 

 「恋はハリケーンなのよ」とリーナは胸を張っている。リーナが胸を張ると素晴らしい。

 

「それにしてもリーナとミアの浴衣、似合ってるわね。二人共注目の的よ?」

 

「ルシルが選んでくれたのよ」

 

「ルシル様に日替わりで買っていただきました」

 

「うわっ、なにこの甲斐性抜群の男の子……」

 

 夏のお祭りは浴衣だよね。な〜んか九校戦のファッションショーって痛々しいよね。

 

「可愛い女の子を着飾るのは楽しいよね」

 

「ルシルとのデート楽しいわ」

 

「下着も厳選してくださるのです」

 

「はい? …………もしかしてルシル君、ミアも娶るの?」

 

 さっきからルシル君はリーナとミアと「あーん」しているしと……

 

「可愛いから責任を取る。お気に入り」

 

「えへへ、ルシル様……」

 

 ミアが可愛くて頭をナデナデしてしまった。

 

「…………まあ、イイ男が何人も娶るのは自然かしら……珍しくもないし……」

 

 エリカはあのクソ親父、甲斐性の欠片もないわねと父親を軽蔑した。

 

「注目の的だけど、このようにイチャイチャしていればナンパもされない」

 

 普通に間接キスしてるものねとエリカは顔を赤らめた。

 

 なんとも初心なことで。

 

「ルシル君達お似合いだからナンパする猛者なんていないでしょ」

 

 ところがどっこい、虫除けがいなかったら、認識阻害を使わなかったらナンパ、逆ナンされるのは仕様だ。

 

「もしかしてエリカは千葉家で本邸とは離れだったりする?」

 

「ええ、ご想像の通りね」

 

「嫁達の仲が悪いと離れは仕様みたいだね。リーナとミアは仲いいから」

 

「憧れるんだけど……」

 

 どちらかの口の中に出したものを半分こさせたり、中出ししてから互いに69お掃除レズプレイさせたり、非常に捗る。

 

 ……ん? 面倒くさい気配を感知したため、部屋に戻ろう。

 

 またねとエリカに告げて席を立った。

 

 

 

 

 

 

 




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