本好きの念能力者 @ 魔法科高校   作:avagnale

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九校戦 6

 深雪と雫が現れ、エリカに達也とほのかを釈放してもらえないか頼み込んだのだが……

 

「無理ね」

 

「千葉家のコネを使えば、」

 

「あのねぇ、そんなことにコネ使えないわよ。犯罪じゃない」

 

「…………厳重注意くらいで済まないの?」

 

「世界中に放送されたテロ行為よ? どれだけ被害者が出たんだか。執行猶予も難しいんじゃないかしら」

 

「そんな……」

 

「失明したり、視力低下した人達どれだけいるのかしら。檻の中確実じゃない?」

 

「それくらいで、」

 

「深雪、あんた本気で言ってるの? 被害者とその家族の気持ちを、自分達が失明したらって考えてみなさいよ」

 

 エリカはこいつ頭が可笑しいと思った。ブラコンにも程があると。

 

「せいぜいいい弁護士付けてあげることね」

 

「うん、そうだね。お父さんにお願いする」

 

 エリカは雫に小声で「ほのかはエレメンツの依存因子を利用されたことにしておきなさい」と囁いた。

 

「!?」

 

 エリカは雫を連れて人気のない場所に移動した。

 

「そうじゃないとあんなことできないわよね」

 

「うん……、ありがとう、エリカ」

 

「お礼は九高の天海ルシル君に言って」

 

「どういうこと?」

 

「通報したの天海ルシル君なんだって」

 

「!? ……もしかして今回失格になったのって、」

 

「ルシル君の指摘ね。いや〜、頭がキレて法律にも詳しいし、凄い権力者だわ。九島閣下と警察省動かしたのもルシル君よ」

 

「それは、本当に凄いね…………まさか、やっぱり天海ルシルさんは……」

 

「時計塔CEOだって。お祭りを戦場扱いされたから激怒したそうね」

 

「わたしもなんだってあんなことを……」

 

「雫、ルシル君とミアに謝罪しないとマズいわ。確か北山って時計塔と提携していなかったかしら?」

 

「うん、謝罪しないと…………ミアって本郷さんのこと?」

 

「能動空中機雷とあの兵器は競技と生命を馬鹿にしている、法律を無視している最低な魔法兵器だから妨害したんだって」

 

「そうだったんだ……」

 

「あたしも付き添うから」

 

「ありがとう、エリカ」

 

 エリカと雫がルシルの滞在しているロイヤルスイートを訪問したところ、ルシルは三高三人娘達から謝罪されているところだった。

 互いに自己紹介してからルシルとミアは雫から謝罪された。

 

「十七夜さんはルシルさんが時計塔CEOってよく気付いたね?」

 

「一条君がルシルさんと付き合いがあるらしくて教えてくれました」

 

「そういうこと……」

 

「お祭りでテロ行為だからね。激怒するだろう」

 

「申し訳ございませんでした。あれはわたしも卑怯だと思いました」

 

「卑怯どころではない。奴は頭が可笑しい。奴は雪合戦で乱反射を利用して雪盲……失明させたりするようなキチガイだろう」

 

「うわぁ、やりそうね……」

 

「どん引きします……」

 

 全員どん引きしている。

 

「ルシルさん、ほのかは……、」

 

「エレメンツの依存因子を利用されたからといって限度がある。立派な加害者だ。彼女は反省して、優秀な弁護士が頑張れば初犯だから執行猶予が付くだろう。荒療治だがこれで依存することがなくなるといいね」

 

「はい……」

 

 エレメンツの依存因子組み込みは当時の権力者の政策だ。あのようなバカに利用されるとは想定していなかったのだろう。国の責任でもあるため、初犯で殺人未遂だから執行猶予が付く。殺人は流石に無理だ。

 

 

 

 必殺 全部あいつのせい!

 

 

 

 真由美と克人、摩利、鈴音もルシルの部屋を訪問してきた。

 

「学生がロイヤルスイートというのも凄いな……」

 

「国防軍も気を遣っているのよ。圧倒的な権力者だから」

 

「渡辺、絶対に機嫌を損ねることのないようにしろ」

 

「わかった……」

 

 出迎えた響子に真由美は驚愕している。全員にドリンクフリーでお茶を出して同様に説明してから……

 

「桐原君と森崎君も逮捕されたのは、」

 

 そこで一高入学初日下校時校門前と部活動勧誘週間にあった殺人未遂の映像をレコーダーで再生した。

 

「なぜルシル君がこんな物を……、」

 

「時計塔の諜報網を侮るな。あのような犯罪者が風紀委員など正気か?」

 

「うっ……」

 

「キレてCADを抜く、攻撃魔法を使う危ない輩など檻の中だ。どのような殺傷性ランクの魔法を使おうと、当たりどころが悪ければ死ぬということも理解していないだろう? 人の生命をなんだと思っている?」

 

「す、すみませんでした……」

 

「真由美さんはあの場面をマルチスコープで見ていただろう? 何故あのバカの舌先三寸で収めた? バカは反省しないで繰り返すからバカというのだが?」

 

「はい……、申し訳ございませんでした……」

 

「そもそもあのバカも意味不明だ。自分達を散々侮辱しておいて挙句の果てには魔法で攻撃されるところだったのに庇う必要があるのか? 目立たずに解決する大人の対応? バカか。大人の対応とは通報することだ。あの頭が可笑しいキチガイのバカが判断することではない」

 

 しかも精霊の眼の一端について暴露するという目立つ行為をしている。それは目を付けられる。自業自得という言葉を知らない、本当に矛盾したバカだな。

 

「はい……、申し訳ございませんでした……」

 

 結論、どちらも風紀委員には不適格ということだ。

 

「この時に光井ほのかの閃光魔法のことをかなり威力が抑えられていたとあのバカは分析しているが、光のエレメンツの全力のフラッシュなど明らかにオーバーアタックの攻撃魔法になることも考えていなかったのか?」

 

「あ……」

 

「ネットの掲示板であのバカの顔と名前、住所が公開されて大炎上しているぞ?」

 

「え……、」

 

「一般人を甘く見過ぎだ。それだけ傍迷惑なテロ行為だったということだ」

 

「ルシルさん、それはほのかは……、」

 

「光のエレメンツの依存因子を利用されたんじゃない?って書き込みがあるから今のところ同情的。しかし一高は確実に叩かれる。監督責任があるから当然だ」

 

 雫はホッとして、真由美達一高三巨頭は顔色が悪い。

 

「それから殺人未遂犯が被害者と交際? 被害者のご両親は大丈夫なのか? ストックホルム症候群か? 何故娘を殺そうとした殺人未遂犯との交際を認める? 私が親なら絶対に認めない」

 

「( ゚д゚)ハッ! 確かに……」

 

 ストックホルム症候群の患者は自分が生き残るためには犯罪者に協力するのも当然だという証言もある。

 それで無辜の民が傷付けられては堪らない。

 敵国への最新研究データの漏洩など外患誘致そのもの。問答無用で死刑だよ。その原因を作った一高校長もな!

 

 

 

 ※ ぼくらの七日間戦争編で真由美に校長に囁いてもらった魔法の言葉

 

 

 

「…………達也君はどうなりますか?」

 

「テロ等準備罪はテロを未然に防ぐことを目的にしているが、あのキチガイは無自覚にやらかす。非常に性質が悪い。世界規模のテロ行為とこれまでのやらかしの数々も考慮して死刑」

 

「そうなるわよね」

 

 サバサバしているな、エリカは。反対に真由美はショックを受けている。バショウ煙草の紫煙をくゆらせながら告げる。こういう日はダウナー系に限る。

 

「高周波ブレードを止めるためにあのバカは疑似キャストジャミングを使っただろう?」

 

「ルシル君そこまで知ってるのね……」

 

 エリカ以外は疑似キャストジャミング?と疑問符を浮かべているので教えた。

 

「あれが原因でサイオン波酔いして倒れる生徒が続出した。あれも無自覚テロ行為だ」

 

「それが原因だったのか…………部活連の報告で何故かサイオン波酔いして倒れる生徒が続出したと報告はあったが……」

 

「風紀委員が風紀を乱すとは面白い冗談だな? 笑わせるな」

 

 あのCADを二つも使用許可を出した渡辺摩利、貴様のことだよ。

 

「うっ、も、申し訳ございませんでした……」

 

「貴様等未成年の裁判所ごっこも大概にしろ。風紀委員の警察と検察は分けろ。検察と裁判長は成人の有識者に任せるものだ。貴様等何様だ? 法に無知な輩が判断する? バカだろ」

 

「もっ、申し訳ございませんでした……」

 

「あれはキチガイ・サイコパスそのものだ。生かしておいたら今度は何をやらかすか知れたものではない。法を無視する輩を法で裁くだけだ。合法的に処分してやる。法律を舐めるな」

 

 ルシルの迫力にゴクリと息を呑む音が多数……

 

「一高はキチガイが多過ぎる。本当に一高に入学しなくてよかったと実感する」

 

 一高三巨頭だけでなく、三高三人娘達の顔色も悪い。

 

「愛梨達どうしたの? 顔色悪いけど?」

 

「いえ、三高も一高のことを批判できないと思っていました……」

 

「三高は乱暴者が多いですからの」

 

「すぐにキレて決闘も珍しくもありません」

 

「世紀末か。決闘は決闘罪という立派な犯罪だ」

 

『はい?』

 

 決闘罪について説明したところ、一高と三高は内心悲鳴を上げていた。

 あのキチガイ・サイコパスは入学早々副会長と決闘しているが、どれだけ好戦的なのだか。

 

 はんぞー君を利用して『そうですね。俺には務まりません。身の程を弁えて辞退します』、と断ればいいのに。目立ちたくないと言っている癖に矛盾しているよね。ただの目立ちたがり屋のバカだ。

 

「その点九高はいいわよね。ルシルは平和主義でコミュ力抜群、お笑い大好きだから、毎日楽しいもの」

 

「毎日お腹が痛いです」

 

「九高が羨ましいです……」

 

「ルシル君の顔だけで毎日目の保養だものね」

 

 エリカの意見に雫や三高三人娘達は首を縦にコクコク振っている。

 

「九高には一切違法行為をする人はいなかったわよね?」

 

「全てルシル様が指摘して改善された結果です」

 

 SSボード・バイアスロンや狩猟部などなどの銃刀法違反と年少射撃資格について……

 

 既に警察省に指摘して警察署での年少射撃資格講習会は日曜日開催も増やした。九高はそれを利用して受講している。

 狩猟部は馬術部に変わった。

 

 この織地では九高は熊本で馬肉三大産地のため、狩猟部の馬をお肉にしようとしたところ、結果馬達にイヤイヤ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブルされて必死に抵抗された。結果また馬術部になった。

 

 ちっ

 

 その犯罪行為リストを見せたところ、真由美と愛梨達はまたもや内心絶叫することになった。

 

「これは……、洒落にならんぞ……。報道されようものなら、確実に炎上する…………時計塔の調査結果では他の魔法科高校も同様なんだろう?」

 

「そうだね。多数檻の中、大炎上は保証する ♪」

 

「なにその嬉しくない保証は!?」

 

「一高で堂々と娑婆の空気を吸えるのはこの中ではエリカくらいかな?」

 

「やった!」

 

 エリカはガッツポーズしているが、他はお通夜状態だ。エクトプラズマを吐いているようだ(笑)

 

「流石は千葉家だよね。その点教育がしっかりしている」

 

「あはは……」

 

 乾いた笑いをあげるエリカだが、本当にその点感謝した方がいいと思う。

 

「エリカはご両親と兄達から愛されているということだ。立派な教育をされているのがその証拠だね」

 

「あ……、そういうことだったのね……」

 

 エリカは内心クソ親父とか軽蔑してごめんなさいと謝罪していた。

 

「それから、非魔法系部活動の野球部やサッカー部などでも夏はランニング中に梨や白桃などの盗み食いが非常に多い。窃盗罪だね」

 

「そんなことまでしていたの!?」

 

 普通科高校でも仕様なのかな? それは教えない。

 

「水分補給なのかな?」

 

「そういう問題ではないだろう……」

 

「農家を敵に回す行為ですね……」

 

「なんて恥知らずな……」

 

 克人や鈴音、愛梨も問題視している。

 

「…………九高は大丈夫なのかしら?」

 

「熊本は梨や白桃などの産地ではないからね。スイカやメロンなんて部活中に盗み食いできないよね」

 

「ルシル君、法律問題だからって九高に入学したのね!」

 

 何を今更、わかりきったことを、と鼻で嗤った。

 

「九高の演習林は白桃や梨、キウイ、すもも、カボス、柚子、梅、マンゴー、巨峰、シャインマスカット、パイナップル、日向夏、みかんなどでほとんど果樹園になっているわ」

 

「それぞれのマネージャーや園芸部、料理部などが管理しているため、盗み食いはできません」

 

 リーナとミアの発言に九高以外は羨ましそうにしている。

 

「蜜蜂いるから、下手に侵入できないよ(笑)」

 

「え……、それは、山岳部はどうなるのですか……?」

 

「毎日命懸け? 蜜蜂は家畜だから、山岳部などには蜜蜂を傷付けること禁じているし」

 

「それは、アナフィラキシーショックなどは、」

 

「自業自得」

 

 山岳部を始めとして、誰もが警戒するようになったからね。

 

 

 

 

 

 

「ええと……、一色さん達、このことは内密にお願いできないかしら……?」

 

「はい……、三高も他人事ではありませんから……」

 

 真由美の懇願に愛梨達は頷いた。

 

「ありがとう……、全く、今回の九校戦は妨害行為といい、頭が痛いわね……」

 

 いや、これまでに問題になっていなかったことが不思議でしかない。

 

「バトルボードの件だったかな? 原因のシンジケートは既に時計塔暗部が殲滅した」

 

 途端に真由美達の顔は輝いた。

 

「ブックメーカーしていたんだって」

 

「九校戦を賭け事にしていたのか……」

 

「賭け金も全て押収した。違法賭博だから誰も文句言えないよ(笑)」

 

 真由美達は乾いた笑いを溢した。

 

「流石は『幸運の女神の愛子』ね……」

 

 外務省警察省公安などに機密費として流した。所詮端金だから。

 

「ルシルさん、やってることスケール違いますね……」

 

「一流商社って、やってること最早政治だからね」

 

「本当に今回は申し訳ございませんでした……」

 

 一色愛梨と十七夜栞達は土下座した北山雫に目を瞠っていた。あの大富豪北山家ご令嬢の姿とは思えなかったから……

 

「SSボード・バイアスロンなどのクレー射撃の魔法版競技は資格認定されるまではビームライフルにしないとマズい。操弾射撃部の実弾は違法だからバイアスロンと統合。九高狩猟部は馬術部に変わった。顧問は猟友会に募集をかけたところ殺到した」

 

「九高は良くそのような予算がありましたね?」

 

 鈴音の素朴な疑問に……

 

「時計塔が魔法射撃基金と馬術部基金を設立した。H/Pから申請してそれが適切な予算だと承認されれば支給される」

 

「会長、申し込みましょう」

 

「そうね。流石に人件費までは難しいもの」

 

「馬の維持費用が馬鹿高いのは常識だ。九高狩猟部はアルバイトして賄っていた。学業に支障を来すから馬術部に変えて基金の申請をすることを勧める。朝4時起きってなんの拷問だよ」

 

「え……、」

 

「馬の餌やりや厩舎の掃除、馬糞の堆肥加工とかで朝5時〜強制労働していたんだって。家畜の奴隷だね」

 

「それもマズいな……」

 

「部活顧問と朝の作業員を農大か農高の馬術部経験者にでも募集かけないとマズいね。そのリストに理由が説明されている通り何一つ身に付かないのであれば本末転倒、売国奴認定される」

 

「時計塔の馬術部基金を申請します」

 

「まあ、社会に出れば社畜になるのだから、大して違わないと思うけどね」

 

「え……、それじゃあ時計塔は、」

 

「時計塔は超絶ホワイト。一日7時間労働、基本的に残業禁止。入社初年度30日有給休暇、しかも入社初日から利用できる。社食は美酒美食で無料」

 

「時計塔に就職します」

 

 鈴音の宣言にほとんど続いた。

 

 

 

 

 

 




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