私、悪い入間じゃないんです! 信じてください!! 作:かりん2022
性格悪いから、聖人である吸血様の思考回路がわからない……。
多分絶対違うんだろうなって思いながら書いてる。
吸血様ならすでに味方わんさか作ってるし自分の知識もある程度伝達してるよね。
ーー生まれる前の記憶を覚えている。
三粒の滴が落ちる。その一滴の中に、私はいた。
1976年11月8日。
産声を上げた私は、母の胸の中で今までを振り返っていた。
忘れもしない2024年4月4日。美しいシャンタク座流星群が降り、そして起こったグレムリン災害によって、電気は失われ、魔物溢れるファンタジーな地獄に変わった世界で、精一杯生きた。
怪獣に踏み潰されて死んだと思った私は、雫に閉じ込められて以前の家族の元に、同じ名前で生まれていた。
「準備期間をもらえたという事なのかな?」
チャンスを貰えたのは嬉しいが、あの地獄はもう一度体験したくはない。
ひとまず、情報を集める事とする。
妙な物が見えるようになった他、ちらほらと差異があるような気がした。
最も、生まれた時の事なんぞほとんど覚えていないのだが……ひとまず、醜悪な悪霊染みた存在はなかったと言える。
過去に転生というより、世界が魔物のいる世界観で巻き戻ったという事だろうか?
2024年4月4日、あの悪夢の日に、魔物達も実体化する?
わからない。
わからない事だらけだが、ひとまず学びながら、そして平和を謳歌しながら生きる。
いうほど平和でもなく、それなりに激動の時代なのだが。
かつてグレムリン災害とともに得た魔法も使えるようだった。
ただ、どうやら前とは前提の力が違う。
色々実験をしていく。小学生になったら仲間集めもはじめたい。
1981年11月14日。
私は、明日、本家で七五三の儀式をするのだという。
前世ではなかったイベントだね。
本家は加茂家というらしい。
由緒ある祓い屋の儀式なのだそうだ。
分家である我が家は力を失って久しいが、それでも一応見える者がいないか検査に行くのだという。
「もしも試験に合格したらどうなるのかな?」
「そうね。向こうで修行をして、呪術高専に通う事になるんじゃないかしら?」
「本家の子は学校に行かずに家で全ての勉強を終えているようだよ」
「この時代にノー学歴は勘弁してほしいかな……あと、呪術って字面が凄いね?」
パソコンがあればネットで調べるんだが、この時代、まだネット環境は整っていない。それでも、伝手を辿って話を聞くことに成功した。
卒業までの死亡率20%! 生徒数、一学年が片手で収まるぐらい!
学生でありながら、死亡率の高い任務にがんがん放り込む鬼畜っぷり!
「邦光くん、明日は見えないって言うのよ?」
「ちょっと待ってね、考えるから!」
とんでもなかった。危なかった。
2024年問題があるから、どうしてもコネは欲しい。小学校時代の友人が、2024年には頼り甲斐のある相棒になっている、そのように持って行くことを考えると、味方が2人と100人だとだいぶ話が違ってくる。
とはいえ、死亡率というのが気にかかる。
実際に、この半透明の化け物達は、人を害しうるということだ。
2024年問題に関連性がある可能性もあり、コネをつないでおきたい。
「お父さん、お母さん。私は将来政治家になって、農作物の保護に力を入れたいから、小中学校は行きたい。呪術高専は行くけど、その後も大学に行きたい。誤魔化すんじゃなくて、しっかり相談したい。言語学も学びたい。でも、祓い屋についても、知らずに避けるんじゃなくて、しっかり学んで判断したいし、その生徒達が人手がなくて危険なことをさせられてるなら、政治面で解決したい」
「うっ我が子が眩しい……!」
「うちの子は政治家になる為に生まれてきた子!」
そんなこんなで、翌日15日に、私は加茂家へと向かった。
そして、いきなり魔物を嗾けられた。
魔物を殴り倒す。
「いきなり、ご挨拶だね。 お眼鏡には叶ったかな?」
「十分な呪力だ。よし、お前を養子に迎え入れてやろう」
「その前に、色々聞きたいことがあってね。何せ私は、素人で、 ふんっ この化け物がなんと呼ばれているかも知らないんだよ」
殴り飛ばされかけたので咄嗟に殴り飛ばした。
「ゲフッ」
そして私は思い切りドスッと踏む。
「さて、色々教えて貰ってもいいかな?」
こんな事をするつもりは全くなかったんだが……。
会話ができない相手は、まず対等だと認めさせる所からスタートしないとだからね。
前途多難だ……。
誠に遺憾ながら、加茂家の方々を時にボコリ、時に平身低頭して見せる事で、なんとか会話に漕ぎつけた。
私は知識を手にいれ、任務を受ける事となった。
投資、学校でのコネ作り、勉強、任務。
非常に忙しいし、2024年までにこれが続くなんて嫌になる。
だが、2024年に楽になる為だ。致し方あるまい。
1989年1月1日。
五条家に六眼というとても特別な子供が生まれたらしい。
中学一年生になり、加茂家に居場所を作りつつあった私も挨拶に行った。
赤子でありながら、その子は一線を画していた。
2006年4月1日。
30歳となった私は、はやる気持ちを抑えて学校に向かっていた。
毎年、学生のチェックと顔合わせはしていたが、その年は特別だった。よく知った名前があったのだ。
そして、ついにその人を見つけた。
その人は、指を口に当てる。
「!!!」
「吸血、久しぶりだな……! あ、俺は本間と呼んでほしい。今のところは。術式は適当な呪文で誤魔化してる」
「私も高峯と呼んでもらいたいかな。私も術式を誤魔化しているのでね」
「そんな吸血鬼みたいな服で?」
「加茂家だからね。らしいだろう?」
本間玖郎。禪院家の遠縁で、術式は衝撃波を撃てるという事になっている。
もちろんそれは真っ赤な嘘だ。
彼は私が吸血の魔法使いと言われたように、未来視の魔法使い。
未来を見ることができるのだ。
私達は誰もいない部屋できつく抱きしめ合う。
未来視くんは、ボロボロの様子だった。禪院家なのだ。それも当然だろう。
よく術式を隠し、生き残ってくれた。
私と違って、呪力もさほどないのに。
私達は早速場所を移して情報を交換した。未来視くんもあの雫を見たらしい。
「最後の滴が入間でない事を祈るがね。2024年は見えるかい?」
「すまん、そこまで遠い未来が見えなくて……」
「では、確認出来次第教えてくれ。私は投資で資金を稼ぎつつ、必要箇所に資金注入と勉強をしていてね」
「俺は力を隠して生き延びるのが精一杯だよ。力をカミングアウトしても碌な事にならないし、幼児化したらどうなるかわからんからな」
未来視は強力だが、その負担は大きい。
魔力が逆流し、しばらくの間、思考が幼児に退化してしまうのだ。
とてもではないが、敵だらけの場所で使える術ではない。
同級生の女の子といい、後衛組となりそうな学年だ。
「それはそうだろうね。私も、呪文を他者が唱えるとどうなるのかの実験が出来ずにいるよ」
「とりあえず、吸血が死んだ後に生まれた技術の再現ができないかとか、色々試したいことがあるんだ。協力してほしい」
「了解。ひとまずは、君に時計を買おうか」
「頼む」
そうして、ここにグレムリン同盟が結ばれたのだった。
マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
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https://odaibako.net/u/karin2022v
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最後の転生者は
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竜の魔女(めっちゃ強欲な魔女)
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入間の魔法使い(めっちゃ邪悪な魔法使い)