私、悪い入間じゃないんです! 信じてください!! 作:かりん2022
「これが僕と傑の子供……」
「お前じゃなくて俺と傑の子な」
五条教師はツンツンと火蜥蜴を突く。
火蜥蜴は五条と五条先生を見比べて戸惑っていた。可愛い。
「基本顔が人間なだけの放火害虫やで。今はただの蜥蜴やけど。数年で羽化して火蜥蜴から火妖精になって、数年で寿命になるんや」
「躾けたからちゃんと益虫だよ。そろそろ繭を作るから準備してあげないと。巣材をもらってもいいかい?」
「いいよー。何が必要?」
「少し大きめの安物の鍋が一つあればそれで。蓋つきのやつね」
「すぐ用意する」
2匹の火蜥蜴は、伊地知が持ってきてくれた鍋の中でくるくる回った後、繭を作り始めた。
「なあ、傑」
「……」
「無視すんなよ、怒ってる……?」
目を潤ませ、キャルンとして露骨に甘える五条。
「……なんであんな事したんだい?」
「普通に言っても結婚してくれないと思って」
ゲッホゴッホ!
現地人一同、激しく咳き込んだ。
「こう、外堀埋めたら、仕方ないねって結婚してくれると思ったんだよ」
「君は特級術師で、私も特級術師だ。戦略上、許されないよ」
「でもさ! 俺、このままだとワンオペじゃん! 結婚してたら、配慮して一緒の地区にしてもらえるじゃん! ヤダヤダ、俺、過労で死んじゃう。傑と一緒の地区がいい」
「……特級術師の私達とは、皆が同じ地区になりたいと思ってるよ」
「誰だってそう。俺だってそう! ちょっとぐらい広くていいからさ。俺、絶対傑と組みたい。傑と一緒の地区なら何も心配いらないじゃん。傑の睡眠時間とか未来視した時の無防備な時間帯とか、俺、絶対頑張って護衛するし! その代わり俺の睡眠時間守って!」
「私だって君がいてくれると安心だよ。けど、吸血も許さないよ」
「お互い愛し合ってるなら仕方ないって言ってくれた!」
「愛し合ってないだろ。愛し合ってるのかい?」
「俺、傑のこと大好き! ちょー好き! 愛してる!! 俺の子産んで! ほら、2024年までに1人ぐらいならなんとか産んで産後の回復も間に合うって! 子育て要因って事なら、傑の両親保護する許可も得られるかもよ!」
「……」
「それとも、俺のこと、キライ……? 過労死すればいいと思ってる?」
「そうとは言ってないよ。過労死の危険は私もなんだし、今の所一緒の配属予定は伊地知になってるけど、あの子は事務処理能力は素晴らしいけど、私が休んでいる間の防衛はね……」
「だろ!? 俺の方が役立つってマジで! 事務だって苦手だけど頑張る! ほら、呪霊だって強力なのの発生が予測されてるし! やっぱ武力だって武力!」
「それは2人で分担しようか。でも子供は……」
「直哉も言ってたけどさ、発情呪文で訳わかんないうちに終わるって! 優しくするし、子供作る一回でいいからさ。子供いれば説得力増すし。俺、超大事にする!」
「うーん」
「このままだと、俺は京都、お前は東京に配属されて、もう2度と会えないかもじゃん。2024年になったらもう、行き来無理なんだから」
「……一生のお願い」
うるうると五条は精一杯可愛い顔をする。ダメおしで口の中でもごもご何事か唱え始めると、夏油はそれを止めた。
「嘘泣き呪文はやめて。……私も甘いね。君のお願いを断れたことは一度だってないよ」
「傑ー!!!」
グリグリと頭を押し付ける五条。何やらプロポーズが成功してしまったらしい。
「2024年になんかあんの? っていうか嘘泣き呪文なんてあるの? 他にもちょいちょい呪文使ってたよね。何あれ」
「何って、2024年にエイリアンが侵略に来て電気文明終わるじゃん」
「は?」
「こっちではいないのかい? 未来からの転生者。2024年4月4日、シャンタク座流星群によって、電気文明は終わりを迎えるって証言があって大変なんだ」
「実際それっぽい流星群も確認されてて、エイリアン文明の証拠たる呪文も見つかってるしな~。起こるだろうグレムリン災害の準備ですげー忙しいの」
「あの呪文みたいのってそういう……対処法ないの?」
「地球全土で電気を食う胞子が散布されるんだぜ? 一晩で地球全土の人類の体内にまで到達するって話だし、一週間あとには雷のかわりに電気を食うグレムリン結晶が降るって話だし、無理無理! 取り敢えず体内電気食われるファーストアタック乗り切れれば良いなって。それでグレムリンが体つき破って死んだ例とか、近くの生き物と同化しちゃった例もあるみたいだし。下手に適合するとエイリアンに人格塗り潰されるし、孫が物理的に産まれなくなるし」
「マジで?」
「こっちでも来るかは知らない。天体望遠鏡ですぐ確認できるよ。座標も教科書にある」
「教科書見せて」
ということで改めて真依と順平の教科書を見ることになったのだが。
「ふむ。アー!」
「こうだよ。ア“ー(射て)! エイリアンの言葉で射てって意味なんだ」
「ア“ー(射て)!」
衝撃波が用意した的を貫く。
「おもしろ!」
「呪文失敗すると全身の血液が沸騰したりするから気をつけな。さっきの途中で呪文止めたのも、多少技術使ってるからね?」
「無名叙事詩……すごいな」
「ねぇ、僕の誕生日にお披露目していい、これ」
「いいよ」
「やったー! そっちの僕と傑の婚約式もしよ! お勧めの呪文とかある?」
「はいはいはいはいはい! お勧めの呪文いっぱいあるわ! 少女に人気な魔法ランキングは」
「真依さん!」
「あはは、いいよ聞きたい。何が人気なの?」
「第一位! 庵先生もよく使う、呪殺呪文!」
「おっとぉ」
真依はキラキラとしてうっとりという。
「『君を愛している。けれど僕は悪魔だから、これが僕の愛し方なんだ』」
「それが呪文?」
「そう。ちょっと長いけど、発音は簡単な方よ。消費も激しいしデメリットもあるけど、ロマンチックで少女漫画によく出てくるわ!」
「呪殺がよくでる少女漫画とは」
「反対呪文もいいよね。『まず自分自身を愛しなさい』。これを使われたら呪殺が反射して死んじゃうけど。支援呪文好きだなぁ。『君が憎い。幸せになってしまえ!』。ああでも、火蜥蜴系の呪文も好き! 『大発見! 焔って燃えてるらしいよ?』 とか凄く可愛い!」
「自分、淫魔呪文が好きやなぁ。性転換呪文が、『男同士なら浮気じゃない』、年齢操作呪文が『あなたの妹になってあげる』、嘘泣き呪文が『早く精気をくれなきゃ死んじゃうわ』そして発情呪文が『体に心を委ねて』。で、トドメは自爆呪文で『私を忘れないで』! どんだけ好きなんや」
呪文談義にキャッキャする。
「傑、傑。婚約式で自爆呪文以外全部使って!」
「いいけどさぁ……。君年下好きなの?」
「いいじゃん、妹!」
「わかってるじゃない、五条悟!」
「そうだ! まだ私に会えてないけど、こっちの悟と私は仲良いのかい?」
幸せいっぱいに、夏油は五条教師に問いかける。
「……うん。僕も傑が好きだよ」
その言葉に夜蛾達は泣いた。
マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
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