私、悪い入間じゃないんです! 信じてください!! 作:かりん2022
おやすみなさい。
「「俺(私)達、婚約しました♡」」
「ミミミ!」
「ミー!」
火妖精達が祝福の火の粉(安全)を撒き散らした。
「おめでと〜! おめでとー僕! 末長くお幸せに!!」
「ありがとう、悟。君も誕生日おめでとう」
「きゃー! おめでとう夏油さん! 少女漫画みたい、素敵♡」
「おめでとうございます!」
「頭バグりそう」
「あはは……。だいぶ生存戦略絡んでるみたいだし、ありなんじゃないかな」
「しゃけ!」
「俺ら一同からはウェディングケーキプレゼントだぞ」
「直哉、この呪文の発音がわからん。もう一回教えてくれ」
「難しいねんな。自分の舌に触れてみて」
「シャンタク座流星群は、この世界では発見できなかったらしい」
「それは羨ましいです。僕達は2024年から地獄が確定してますから。ファーストアタックの後、入間のクーデターでどれだけ被害を減らせるか……」
「入間とは邪悪な魔法使いだったか」
「はい。超越者は必ず出ます。そして何度も復活します。なので殺すだけではダメなんです。封印をしないと……」
「ちょっと、よくも私の顔で好き勝手やってくれたわね! 楽しそうじゃない! 少女漫画よこしなさいよ!」
「私も見たい! 異世界の少女漫画!」
「ふむ。俺も興味がある」
「私が持ってるのだと放火ックスのしかないわよ?」
「それが見たいのよ」
「異世界にしかない奴じゃない」
「見て! メカ丸が教科書に載ってる!」
「スゴイナ向コウノ俺」
その日は朝早くから宴もたけなわ。
そんな時にサイレンが鳴った。
「夏油傑が現れました!」
「私が来たのかい? 会いたい!」
あっ
実は、こちらの夏油傑が呪詛師である事を誰も言えなかったのである。
なんとも言えない空気の中を、五条と夏油はウフフアハハと駆け抜ける。
「やあ、久しいね、さと……!?」
五条に抱かれた自分そっくりの女の子(改造ウェディングドレス着用)に夏油は驚く。
「傑ー!! 俺達の婚約式、傑も出席していけよ!」
「婚約……!? そ、そう。その子は誰かな?」
「傑」
「!?」
「あー!!! お前らちょっと引っ込んでて!」
五条教師が慌てて2人を引っ込めようとする。
「あ、悟? この人達なんなのかな?」
「並行世界の僕ら? なのかな?」
「は? 私が女性の世界線だとでも?」
「いやその、どうだっていいだろ、なんのよう?」
「どうでも良くはないけど……。宣戦布告しに来たんだ」
「来る12月24日! 百鬼夜行を執り行う! 新宿と京都に呪霊2000体をばら撒く!」
「は?」
「えっ どういうこと?」
「非術師なんてこの世界にいらないって事だよ」
「いや、必要だろ非術師。なんでいらないんだよ」
「非術師は呪いを産むだけの猿だからさ」
「しょうがねーだろ、生きてるんだから」
「呪いを産むモノに生きる価値なんてないね!」
五条が傷ついた顔をして、夏油(女)は怒る。
「訂正しろよ、私!! 悟は生きる価値あるだろ!! というか生きてる以上、誰でも呪霊を生み出すのは仕方ないだろ、生きてるんだから!」
五条を庇っていう事は衝撃的に過ぎた。少なくとも夏油にとっては。
「は? 悟の事は言ってないだろ。私は猿のことを言ってる」
「はああ? 悟は呪霊産むだろ。当たり前だろ、呪力強いんだから。私だって産んでるし! 大体、呪霊について文句があるなら天元様に言いなよ。天元様が結界張ったのが原因だろ、日本の呪霊がやたら強いのは」
「は?」
「は?」
衝撃と困惑と苛立ちで睨み合う中、五条教師は執りなした。
「あー、傑。こっちの人たちの世界、呪力について研究進んでるみたいなんだよね。エイリアンに侵略され掛かってて、全人類一丸となって対策練ってるんだ。術師非術師関係なく、ね。だよね?」
五条教師が確認すると、夏油(女)は頷いた。
「当たり前だろ。術師は圧倒的マイノリティなんだから、非術師の手伝いは絶対必要だ。非術師の手助けがないと、とてもじゃないけど生き残れないし」
「ッ 非術師は術師を迫害する! 何も知らないくせに、呪霊を生み出すだけの猿のくせに、神と崇めるべき術師を理解しようともせず、迫害するんだ!」
夏油教祖の叫びにも、五条達は困惑を返すのみだ。
「あー。こっちだと秘密規定があるんだから当然だろ? 俺の世界では秘密規定を撤廃してからは差別系の問題はほとんど消えてるよ。そもそも教えてない事を、理解できるわけないだろ。そりゃ術師の存在の公表後もちょっとはアンチがいるけど、消防車がコンビニ入っても非難する馬鹿が出るくらいだし、殆どはちゃんと尊重してくれるよ。それこそ消防隊員や警察と同程度はね。傑なんて、神とは違うかもだけど、芸能人くらいの扱いされてるよ。災害救助とか、大規模農園経営とか、電力発電とか危険な工事とかで大活躍してるしな。傑、その姿ってことは教祖だろ。お前の信者が呪霊祓ってくれたお前のこと迫害したりしたか? 感謝して崇めなかったか?」
戸惑いと共にされた指摘に、夏油は思わず言葉を失う。
「あのさ、傑。もしも傑が、呪霊退治や迫害で悩んでるんだったらさ、それは体制のせいなんじゃないかな……? 俺の所も、吸血が……加茂家の分家の人が改革するまでは雰囲気暗かったけど、システム変えたら明るくなったし。総監部が単に仕事できてないんだよ、それ。それをなんも知らない非術師のせいにしちゃダメだろ」
「私の所だと、事務処理とか分析とか研究補佐とか、仕事の大部分を非術師のエリートがしてくれてるよ。呪霊対策で出来る事っていっぱいあるし、術師が絶対必要な祓の作業って、実は想像するよりは大きい割合じゃあないんだよね。各々が出来ることって違うから、人は組織を作るんだよ。非術師も術師もない。何が出来るかだろ」
「あっ もしかして九十九に騙された? 一回あいつ、傑に変な事吹き込もうとしてたし!」
「ああ! あの非術師殺しちゃえばいいんだってブラックジョーク!」
「頼る大人を間違えたな。可哀想、傑」
「……」
「げ、夏油様……」
「ん、てことは……私って呪詛師なの!? ええー! あんな九十九の無理筋に引っ掛かっちゃったの!? こ、こわぁ。悟がいてくれてよかった」
「ええ……。す、傑……。大丈夫、じゃねぇよな」
「どうする傑。百鬼夜行やめて一旦帰る?」
「監視は必要だけど、俺の世界、侵略対策で人手はあるだけ欲しいから、受け入れるよ。日の当たるところまた歩けるけど、どうする?」
「……術師が呪霊を産むっていうのと、天元様のせいで呪霊が強いって証拠はあるのかい?」
「具体的な証拠はないけど、俺が生まれるのと同時期に呪霊が強くなってるんだよ。感覚的なものだから上手く言えないけど、術師と呪霊のバランスは大体保たれるんだ。術師に強いのがポロポロ産まれたら呪霊も強い。呪霊が強いやつが多ければ、術師も強いのが産まれてくる。そもそも個々人の流した呪力が負の感情によって固まったって説自体が今じゃ疑問視されてる。それと、天元様の結界については、日本とそれ以外を比べれば明らかだろ。あからさまに日本の方が呪霊も術師も強い。結界に閉じ込められて、残穢とかが拡散されずにぐるぐる回ってまた固まってるんじゃないかって話。あー、ゴミ箱にゴミを投げてぶっ壊しても中のゴミがばら撒かれるだけだろ? で、何かが袋にゴミを詰めればすぐにゴミ箱……ようは呪霊になる。祓いって、呪霊は倒せても、呪力を消すわけじゃねーから……。言ってる意味わかる?」
「そんな! じゃあ呪霊を祓う意味はないって事か!?」
「天元様の結界の中だとね。そういう説もある。反転術式でひたすら呪霊を消していけば話は別かもだけど、そんなの非現実的だし。天元様の結界自体に呪霊を抑制する効果もあるから、プラマイプラスになってて今外すと大変なことになるんじゃって説もあるし」
「いずれにせよ、非術師だけのせいなんて事はないよ。100%ない。少なくとも悟ショックはベテラン術師なら大抵は肌感覚として認識してる」
「……今日は帰るよ」
そうして、夏油教祖は帰還した。
それから。
九十九特級術師を言われある悪評が襲い掛かったのだった!
マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
返信不要の場合は返信不要と書いておいてください。
https://odaibako.net/u/karin2022v
リクエスト、返信不要の匿名感想はこちらにお願いします。
好みの話は
-
俺たち(内政)最強!
-
俺たち(内政)最強!番外編
-
最後の転生者が入間編
-
無名叙事詩の知識持ち転生者編