私、悪い入間じゃないんです! 信じてください!!   作:かりん2022

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俺たち(内政)最強! 番外編④

「ところで、呪詛師って私何したの? オコジョになって嘘泣き魔法使っても謝っても許されないこと?」

「あれで許されないことなんてあんのかよ」

「君達の世界ではないかもしれないけど、こっちの世界では割とあるかな」

 

 五条と夏油に五条先生が答える。

 

「おい、知りもせずに勧誘して大丈夫かよ」

「特級だぞ? 味方に出来るならするに決まってるじゃん。それでなくても超越者がログインしてきたら、足立区が一瞬で更地とか港区が廃墟にとか普通にあるから国を守れるほど強ければ、多少やらかすぐらい誤差。入間よりマシだし」

「それに二千体を新宿と京都にばら撒く程度なら可愛いもんかなって」

「お前、農場でそれくらい働かせてるもんな」

「減らす案とこのままいく案で派閥できて大変なんだよね。突発的に入間にやられたらどうすんだって話」

「ちょいちょい話に出るけど、入間ってそんな怖いの?」

「「怖い」所持魔法、性格、頭脳、どれをとっても最悪の魔王だし」

「私なんて全然可愛いもんだよ、全力でやっても足元にも及ばないよ」

「そっちはそっちで地獄なんだね」

 

 なんだか五条は安心してしまう。

 きっとどこかでバランスは取れるのである。

 五条と夏油が協力しないとダメな事態だから、2人の道は分かたれなかったのだろう。そう思いたい。

 

 改めて夜蛾から夏油のやらかしを説明されて、一行は微妙な顔をした。

 

「あー。私、ずいぶん自由というか……ごめん言うね。特級術師なのになんで管理されてないのかな?」

「それな。ほんとそれな。ある程度危険性のある術師は吸血が……あー。そうか吸血がやってたもんな、その手の仕事。ウッソこっちではやってる奴いないの? 俺から言わせれば完全に総監部の落ち度なんだけど。ありえねーって」

「さっきも体制の問題って言ってたよね。そんな違う? 参考までに聞きたいな」

 

 そこまで言われれば、五条教諭も気になってしまう。教育のことは他人事ではない。

 

「順平と真依が持ってきた教科書の中にあるはず。歴史の教科書の現代の所、呪術界の変遷って項目。吸血に内容の相談されたから覚えてる」

「自分も相談されたわ。当主候補やからって色々教えられとるし、なんでも聞いて! 教科書にはない教育要領の内容もわかるんやで!」

「直哉は実践できてないだろ……。匙投げられて指揮官先頭ならそれで良いって言われてただろ……」

「ここに吸血がいれば、今からでもどうにかしてくれるんだろうけど。私も悟も、組織運営の事はあんまり詳しくないんだよね」

「暴れた夏油さんも悪いけど、夏油さんの手綱握れない総監部無能って話よね。セーフティどこ行ったのよ」

「吸血様がいないって話ですし、仕方ないですよ……。改革されたのってここ10年って話ですし」

「あー。確かに子供の時はそうだったかも」

 

 言いながら、教科書の該当ページを出してくれる。

 

「組織でっか! 今よりずっと人数多いじゃん。そんなに術師いないでしょ」

「術師は取りこぼされた在野がかなりいるんやけど、それはそれとして。非術師でも出来る所は非術師に任せてるんや。緊急時の動線もちゃんと用意してあるんやで。基本合議制やけど、現場判断や独断もいけるようになっとる。入間が現れた時は相談なんてしとれんしな」

「また入間……」

 

 そんなわけで、御三家の当主や当主候補も交え、並行世界交流という事で、呪文だけではなく前世の研究や最新論文などの知識を教える事になったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひどい教育格差だ……」

「教わる事が吸血がいないとこんなひどい事になるって教訓以外何にもないやん」

「こら、直哉! 私たちの世界は地球人って括りでグレムリン災害に向けて50年努力してるんだから、違って当たり前だろ」

 

 悟が嘆き、直哉がバカにして、夏油はフォローになってないフォローをする。

 

「ふむ。今は加茂家の分家だという、高嶺さんという人が取りまとめているのか? 本家も従ってるのか? 私も?」

「そうそう。吸血については、皆が認めてるよ。次のまとめ役は未来視じゃないかって話。最低限の戦闘力は欲しいって意見が根強いんだけど、組織運営の力とそれは比例しないんだよね〜。今のところは未来視の次はバランスとって乙骨って話が出てるけど、憲紀も候補だよ」

 

 その言葉に、憲紀は少し嬉しそう。大体が、分家とはいえ加茂家が総監部を取りまとめるというのは悪くない。

 

「僕が候補、ですか。五条さんは?」

「俺はほら、未来視先輩と世代重なるから。先輩とは一つ違いだし。効率面でも、未来視先輩の指示で俺が動いた方が絶対いいし」

「未来視先輩はどんな方ですか? 未来視ってやはり便利なんですか?」

「未来視ってそれだけじゃダメなんだよね。色々デメリットもでかいし、そんな便利でもないし。未来視は色んな意味で頭の良さが問われる能力なんだけど、未来視先輩はその辺ほんとすごいよ。懐中時計を見て呪霊が出現した瞬間殴り飛ばす所とか、ほんと頼り甲斐があるって思うし。吸血仕込みの気遣いもあって、未来視先輩のもとで働けるのは喜びですらあるかな」

 

 その評価に一同驚きの表情をする。五条は上の命令には逆らわないが、革新派でもあり、最も手綱が握りにくいものの1人でもある。それがここまでいうとは。

 

「ずいぶんと評価するのだな。未来視は禪院家の分家だったか」

「そりゃね。吸血と未来視先輩なら、従うのに不足はないよ。吸血は演技とか人によって態度を変えるのあからさまな所があるから、僕は未来視先輩の方が好きかな。五条家は転生者でなかったからねー。そこはちょっと残念かな。竜の魔女が五条家に生まれてたら困ったろうし、別に良いんだけど」

「竜の魔女ってどんな人なんや?」

「強欲お宝ドラゴンやで。悟くんとど突きあえるほど凄いのに、一般人相手に当たり屋とか平然とやる奴や。あの巨躯で触れれば折れそうなお嬢さんにぶつかって骨が折れたとか誰が考えても無理があるやろ」

「ええ……なんやそれ」

「具体的にどんな者達なのだ。特に吸血は呪術界を改革したのだろう」

「人脈広いし、学校には顔繋ぎで毎年来てたよ。吸血の事は全術師が顔見知りで話したことあるはずだよ。血を消費した身体強化で呪力は多かったけど、階級は一級。まあ、上に立つのに必要十分って感じの実力だね。人の内面をよく見てて、どんな相手にも言葉を尽くして、ちゃんと向き合って話す人で、さっき言った態度を変えるってのも、悪い意味じゃなくて、その人の好感を覚えるような人を演じるって意味ね。人の長所を見つけるのが得意で、皆で協力して何かを成し遂げるのが大好きで、これだけ聞くと甘いけど、しっかり見極めてダメな奴はきっちり粛清してたかな。納得する形で、そうと取られないようにね。政治特級って感じ。決め台詞は、『それは君に任せる。それ以外は私に任せてくれ』」

「ほう……ずいぶんと傑物だ。だが、綺麗事だけでは呪術界は動かないと思うが」

「トップを張るに足る最低限の強さは持ってたし、清濁合わせ飲めてて、尚且つ濁の部分は人に見せないんだよ。皆が綺麗なあいつしか知らないけど、呪術界で敵対勢力がいない。どういうことかわかるだろ?」

「凄まじいですね。それは」

 

 話だけで憲紀は憧れを抱いてしまう。

 

「では未来視は?」

「未来視はさ。気になる人がいるとするじゃん」

「うむ」

「仕事を頑張ってると、ある日、ご褒美で温泉施設のペアチケットを渡されるわけ」

「ふむ」

 

 そこまでは別にそこまですごい話でもない。直毘人は怪訝な顔で頷いた。

 

「で、仕事帰りにそこに寄ろうかなって移動してると、空から人が! 傑じゃん! って慌てて受け止めるわけ」

「???」

「『悟!? ありがとう、ちょっと手伝ってくれ!』『了解!』バーン! 敵を倒した! 気になる人は泥だらけ! 近くにはなんと、その温泉施設が! 『ちょうどチケット持ってるんだけど、ペアで行く人いないんだよね。一緒に行かない?』『良いのかい? あそこ、でかいプールもあったよね、行きたい!』 ハッピーエンド! というような事がある。まじである。しかも、未来視がお膳立てしてるのは100%勧誘が成功する」

「そんな美味しい仕事があるわけ!?」

 

 美味しいにも程がある仕事である。あと、五条を釣るには夏油らしい。

 確かにその辺り、総監部はうまくやれていないのかもしれない。

 

「五条さん、未来視さんのお気に入りだからご褒美イベント多いのよねー。羨ましい。でも私も、来場一万名様記念が当たったりしてるわよ!」

「未来視とはそこまでコントロールできるものなのか?」

 

 もはや未来を操ると言って良いレベルではないだろうか。

 

「私も未来視魔法は使えるけど、例えば大きな決断をした時、次の日に笑ってるか悲しんでるか未来視する、ぐらいの効果なんだよね未来視って。話してる事がわかるわけじゃないんだ。良い選択だったとしても、ずっと笑顔な訳もなし、選択を間違っても何かの拍子に笑う事ぐらいあるし、簡単に未来は変わるし、かなり繊細で難しい魔法なんだよ。でも未来視は、そこから上手くすごく幸せで笑ってる未来への行き方を見つけてくれるんだ」

 

 傑はしみじみと頷く。話に聞いているだけでも、凄まじい腕前だ。

 

「恋愛相談とかも強いぜ。滅多に相談に乗ってくれねーけど」

「告白の結果が確実にわかるからね。玉砕しないで済むのはありがたいよね」

「自分が頑張っている所を目撃されるとか、偶然が重なって良い事が起こるとか、そういう良い未来を引き寄せてくれるので、未来視様からお願いされる仕事は頑張ろうって気になりますよね」

「わかる! 俺、未来視から頼まれた仕事はすげー頑張る。頑張ってればたまにすごく良いことあるから。それに骨折り損のくたびれもうけが絶対ないってのも大きい! 失敗とか呪霊出ないとかないもん」

「現金やな。自分は吸血の方が好きかなぁ。演技いうても話しやすいわ」

「どっちの研究を選んだ方が成果出るみたいなのも教えてくれるのよ。未来視様ほど頼り甲斐のある人はいないわよ。吸血様はコミュ力高くて話しやすいけど、未来視様は物理的なご利益があるのよ」

「吸血もご利益はあるやろ、困り事は相談に乗ってスムーズに話し通してくれるし」

 

 その話に、直毘人は頷いた。なるほど、両名とも凄い傑物らしい。

 

「そこまで求心力のある者は今の呪術界にはおらんな。そのまま体制を模倣するのは難しいか」

「でも政治をよくしないと、事態って好転しないよ?」

「ふむ。夏油特級呪詛師の件、吸血や未来視ならどうする?」

「普通に組織ごと取り込めるでしょ、吸血なら」

「未来視先輩だったら、組織はそのまま、自分の為に働くように無言の圧力を掛けるかなぁ。敵がいないのは未来視もなんだよね。未来視の敵対者は何故かいなくなってるの。無言の圧力なのに吸血より露骨かな」

「俺、未来視に逆らうのは絶対嫌だ」

「あの人、暴言吐かれても反撃しないぐらい小市民っぷり凄いのに、害があるとなると速やかに自然消滅させるから、見ててハラハラするよね。たまに勘違いして未来視先輩に舐めた口叩く人いるけどさ。未来視先輩って信者もいっぱいいるから、ほんと逆らうとどうなるかわからないのに」

「ふーん。で、未来視先輩に舐めた口聞いたのってどいつ?」

「ほら怖い。私がちゃんと注意しておいたから大丈夫だよ」

「吸血と未来視は凄いのだな。ならば、お前達は何が出来る? 夏油特級術師のこと、お前達が総監部ならどうする?」

 

 五条、夏油、直哉は考え込む。

 

「傑が大事ってだけじゃなくて、大駒は攻略より取り込む方が得だろ。戦うと犠牲でるし……。こっちの傑、呪霊あんま持ってなさそうだから、頑張れば勝てるだろうけど……呪霊操術って倒すと呪霊解放されるから、普通にやると村一個以上の犠牲は出るぜ。それ考えると、とにかく説得かなぁ」

「服従の縛り結ばせるのがベストやけど……。秘匿死刑はないなぁ。犠牲出るかもやし、なんとか弱み握って脅迫で時間稼いで人質作って取り込みかなぁ。ちょうど良さそうな女の子達おったし」

「自分のことだから擁護するみたいで嫌だけど、特級術師に秘匿死刑って馬鹿じゃないか? 特級の基準って短期で国滅ぼせるって事だぞ。絶対敵対させちゃダメだろ……。多少煮湯を飲んだとしても同盟かなぁ。直哉のいう通り、嵌めて縛りを結ぶのが良いかな。何故かあの女の子達がピンチになって、何故か私達だけが助ける事ができて、助けることと引き換えに逆らわない縛りを、とかかなぁ」

「未来視先輩がやりそー」

「未来視先輩がやる時はね。似たような組織が何故か偶然壊滅してく事件が相次いで無言の従えって圧力を感じて自主的に顔色を伺うようにするんだよ」

「どっちにしろ大仕事やな。出来るんか?」

「特級術師を臣従させる為に掛ける手間なんだ。妥当だろ」

「なんか面倒やな……。発情魔法とか放火ックスして子供人質にしたらあかん?」

「任せて!」

「真依さん、黙って帰る方法の研究してようね」

 

 ぴょこんと少女漫画を持って飛び出した真依を順平が回収する。

 

「まあ、それも手ではあるけど、傑の友達が怒りそうだね」

「遺恨は残さない方がいいよね」

 

「ふむふむ。そこまで言うならお前らが誇る体制の力。見せてもらおうか」

 

 直毘人は話を聞きながら頷く。

 吸血と未来視の影響か、直哉達の腹黒度が上がっていた。

 ただ、実際に言うのとやるのとでは別だ。

 そう簡単に取り込めるのならば、苦労はしない。

 これだけこちらの体制や総監部を馬鹿にしたのだ。その実力を見せてもらおうではないか。

 失敗すれば総監部は顔を潰されずに済むし、成功すれば総監部の面目は多少潰れても、特級呪詛師が特級術師になって術師の犠牲が減ったり仕事が効率化するなら文句はない。

 

 

 ということで、夏油特級呪詛師の取り込みと改革が3人に依頼されたのだった!




マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
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https://odaibako.net/u/karin2022v
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  • 俺たち(内政)最強!
  • 俺たち(内政)最強!番外編
  • 最後の転生者が入間編
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