私、悪い入間じゃないんです! 信じてください!!   作:かりん2022

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俺たち(内政)最強!3

「帰ろう」

「うん!」

 

 2カ所から銃声。

 そして鋭い衝突音。

 

 考える前に理子ちゃんを庇う。

 

「俺の可愛い後輩を虐めないでくれないかな。泣いちゃうだろ?」

 

 来た方向に刺客。そして物陰から左手に時計、右手に銃を持った本間先輩が現れる。隣には吸血鬼のコスプレをした高峯さん。遅れて銃弾に銃弾を当てて軌道をずらしたと察する。

 

「泣いてません」

「だ、誰じゃ!?」

 

 本間先輩に言い返す。理子ちゃんは慌てた。

 

「本間先輩、高峯さん。どうしてここへ?」

「夏油くん、頼れと言ったろう? 今後の事ちゃんと考えてないだろ。同化しません、やったーめでたしじゃないんだよ。やるならちゃんと根回しして……」「まあまあ、その辺にしておこうか、未来視。独断専行というなら、私達もそうだからね。天内くん。君が生を望むなら、高飛びの準備はちゃんとしてある。ただ、その前にちゃんと天元様に挨拶をしていこうか。筋を通すのは大事だよ。大丈夫。話し合いは上手くいく。未来視のお墨付きだ。恩にきる必要はないとも。君の事を出汁に、天元様にいくつか聞きたい事があってね。私達への返礼はそれで十分さ」

「怪しいのじゃ! 質問とはなんなのじゃ!」

 

 天内が警戒心むき出して指差す。

 

「天元様の役割と、天元様がいなくなった後に起きるであろう問題についてさ。必要だろう? 本当は天元様ときちんと話しをしてから君を助けたかったんだけどね」

「うっ!」

 

 もっともである。この上なくもっともだった。というか未来視?

 

「次から大事な事はちゃんと事前に話してね。吸血からのお願いだ」

「せ、世話になるのじゃ!」

 

 ウィンクをした吸血に、走り寄る。

 

「理子ちゃん! それで問題が大きかったら無理に同化させられるかもしれないのに」

「実は天元様の結界が2024年に破棄される恐れがあってね。それがなかったとしても安定して持続できるシステムでもない。本人が嫌なら同化は無しでいいさ。すぐに進化が起こるわけでもないだろうし、事前準備について聞くだけだよ」

「えっ」

「俺達は邪魔だ、急ぐぞ天内くん。黒井くんなら、歌姫が保護をしている」

「う、うん」

 

 全てお見通しだった……?

 高峯さんは、秋に美味しい果物と共に上手くやれてるか聞きに来ていたけれど、特に関わり合いになることはないと思っていた。

 どこまで手が長いのか……。本間先輩と庵先輩は吸血の懐刀だから、切り札はありそうだと悟が言っていたけれど、まさかここまでなんて。未来視? 未来視って、本間さんは未来を見れるって事なのか?

 信じ難いが、銃を使える事も、銃弾を撃ち落とせるほどの腕前である事も知らなかった。本間先輩には、私の知らない顔があるのは明らかだった。

 

「さて、私たちは刺客の足止めだ。特に君は護衛なのだしね。もう一度言うが、大丈夫。話し合いは上手くいく。後始末も私達に任せてほしい。でも、君が言い出したのだから、それなりに覚悟はしようね。護衛対象を殺されたならともかく、逃がしてしまったなら、君への攻撃は想像を絶するだろう」

「……はい。覚悟の上です」

「ああ? お前ら、俺に勝てるつもりなのかよ」

「何故、私が本間くんのコードネームを明かしたのだと思う? 君がここで死ぬからだよ。援護してくれ、夏油くん。XXXXXデーニッ(沸き立て我が血潮)」

 

 奇妙な言葉を喋った高峯さんが消える。

 いや、高速で動いたんだ。

 私は呪霊を使って援護すると同時に、自分も突っ込んだ。

 

「夏油くん、そろそろ歌姫くんがこちらに合流する。足止めをするだけでいい」

「庵先輩が?」

 

 まさか庵先輩も隠し玉があるのだろうか。だが術式は聞いている。刺客の攻撃に手を焼きながら、私は混乱の極致にあった。

 そこに、涼やかな声が響く。

 

「ナトゥ・ヤウェ(君を愛している)」

「ちっ」

 

 庵先輩が愛を囁くように呪文を唱えていた。

 刺客が銃を撃つ。私はそれを防ぐ。

 

「デンニェクララバァィエン(でも僕は悪魔だから)」

 

 剣を振りかぶって、刺客が庵先輩に切り掛かる。

 

「フクシッワクララフィフィ・ヤウェ(これが僕の愛し方なんだよ)」

 

 庵先輩が、柔らかに両腕を伸ばして、刺客を抱き留める。

 すでに刺客は死んでいた。

 

「すまないね、歌姫くん。学生に殺人をさせるなんて」

「いえ! 私も術師ですし、後輩にいい所を見せたいので! 夏油! あんた、いまの見た? 見た? 私だってやる時はやるのよ!」

「今のは……」

「大丈夫ですか、夏油さん」

 

 黒井さんがやってくる。

 

「さて、五条くんだけど、刺客によって瀕死状態にされた事でハイになってしまっている。大きく成長出来るチャンスだから、受け止めてあげて欲しい。大丈夫。君なら出来る! 呪霊の9割は消し飛ぶがね」

「それも未来視ですか? 悟は大丈夫なんですか?」

「反転術式を覚えて絶好調だよ。私が今の彼の相手をすると死んじゃうからね。頼んだよ、最強の片割れくん。今後の話をしたいから、出来れば五条くんはしっかり寝かしつけてくれ」

「何故? 悟にも話さないのですか?」

「彼もいずれ仲間には引き込むがね。私は君と話したいんだ。2024年に起こる問題で、私は君に非常に強い期待を賭けている。そう、五条くんよりもね」

 

 きっと、私が頷くこともこの人達は知っているんだろうな。




なお夏油は普通に死にかけた模様。

マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
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https://odaibako.net/u/karin2022v
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好みの話は

  • 俺たち(内政)最強!
  • 俺たち(内政)最強!番外編
  • 最後の転生者が入間編
  • 無名叙事詩の知識持ち転生者編
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