私、悪い入間じゃないんです! 信じてください!! 作:かりん2022
とても励みになります。どれもワクワクと読ませていただいてます。
思い掛けず書き上がったのでこれだけ更新します。
次の投稿は多分木曜日くらい。出来なかったらすみません。
よろしくお願いします。
感想お持ちしております。
ライブの次の日。五条と伊地知は、高専で疲れた顔で書類を確認しながら話をしていた。
ちなみに夏油は洗脳されてないかのメンタルチェック中である。古典的だが入間の踏み絵もある。効果があるかどうかはわからないが、やらないよりマシだ。
「入間いるってマジか。マジかぁ……」
「死神とか霊界探偵とかまた洗い直します?」
「今までの傾向から、本当にいるとしたら、本名出してるから、今まで探していないならいないと思う。けどそうね。洗って」
五条は書類を書きあげてため息。
「とりあえず、術師は最低限ペアで動いてもらって、1人襲われている間にもう1人が反撃、って体制かなぁ。入間の呪文聞いた時専用の緊急連絡ボタン作ろうか。また仕事増えちゃう〜」
「以前よりはマシですけどね。新田さん、お願いします。警報機は一気に配るので、情報は隠ぺいしてください」
伊地知は五条から書類を受け取り、ちらっと見て新田へ。
「はいっす」
「伊地知、さっきから何見てんの? いつも僕からの依頼は自分でしてたじゃん」
「アメリカからのグレムリン災害対策の協力依頼です。こちらが優先なので」
その言葉に五条は文句を言う。
「ええー! 入間対策のが優先でしょ。アメリカのグレムリン災害対策は希望者にしようよ、希望者に。数年後の話なんだし僕ら関係ないしさ、勿論やりたい人は止めないし邪魔しないけど、僕は今更社畜に戻るのは嫌だからね! 下手に生き残っちゃったら地球規模の防衛をワンオペになるじゃん。ブラック社畜超えてブラックホール社畜、あらゆる希望とかが吸い込まれてまさしく宇宙規模! ぜぇーったい嫌! い・や!!」
五条が消極的なのはこれもある。長距離移動能力を持ち、高い範囲攻撃力と絶対的防御を持つ五条の切実な願いである。絶対便利に使われるし、国運が掛かった頼みを断れるはずがない。相手も力を借りるためならどんな手でも使うだろう。強いものには強いものの苦しみがあるのだ。
「それが、全世界に影響してくるような作戦の提案なので、返答は絶対必要なんですよ。それも他の国に話が行く前に、急ぎで」
「何すんの?」
「地球を天元様の結界で覆って、呪霊や術師を発生しやすくする案です」
「待って天元様の結界そんな効果あったの?」
「漫画に描かれてて最近実証されつつある説です」
五条が真顔になる。外しちゃダメなの? それといいたげな顔だ。
「外しちゃダメなの? それ」
言った。
「既に天元様の結界が前提の技術体系が出来てますし、後ほんの数年のことですから」
「呪術師量産してどうすんの、爆散するのに」
心中でもするつもりか、と訝しげにする五条。
「国際協力して大規模儀式を行い、超強力な呪霊を作って夏油さんに使役させて戦う案のようですね。弱らせる役五条さん、使役する役夏油さんで指名されてて、この作戦がうまく行く可能性について専門家の見地からアドバイスを求められています」
あまりのことにポカンとして、五条は勢い込んで反対した。
「ダメダメ! ダメに決まってるでしょ、そんなの。魔法文明が万一防げたとしても、その後起こるのは呪霊の氾濫。まともに術師の数がいるのは日本しかないし、それでも手が回ってないんだよ? その後術師が生まれるとしても人間妊娠期間があるし、生まれてすぐには戦えない。 しかも天元様、僕、傑と要が全部日本だよりだし、いくら最強の僕と傑でもその規模の祓いは無理。却下だよ却下。考えなくてもわかるでしょ」
両手で大きくバツを作って五条。
「それが専門外の方にはわからないんですよ。だからその辺のわかりやすい資料を作って、詳しく説明しないとなんです」
「めんどくさーい! ただでさえ入間でいっぱいいっぱいなのに変な事に巻き込むなって言ってやりなよ」
なにせ五条は親友を奪われるかどうかの瀬戸際なのだ。モテる。術式が価値がある。本人も強く、人質にも使える。夏油の価値は計り知れない。戦えば五条が勝つ自負があるが、総合的な利用価値としてみたら夏油はその上をいくかもしれない。狙われない理由がない。
「頭ごなしに説明せずに断った場合、勝手に実行されて巻き込まれる可能性があるので。ある日いきなり地球を滅ぼしかねない呪霊を作っちゃったから戦えと言われてもお嫌でしょう?」
「ありそう。想像だけで胃が痛くなるほど嫌。伊地知、説得頑張って!」
「呪霊がなんだって? また猿が馬鹿な事を言ってきているのかい?」
「傑」
夏油は伊地知の読んでいる資料をちらっと読んで、にっこり笑って破こうとする。簡単に推定特級を取り込めとか言うな。それを慌てて阻止する伊地知。夏油はこう見えてとても短気なのである。
「ちゃんと断ります! 断りますが、相手の納得が大事なんですってばー! あっ 夏油さん! 超越者達の護衛の呪霊を増やして、護衛範囲も家族や親しい友人レベルまで広げておいてください。超越者になる予定の者達のオークションをしようと複数の組織が動き出しているらしいです。アメリカからも注意するようにと通達がありました。それと、呪詛師の情報を流したので逆恨み対策で術師の護衛が欲しいそうです。ミゲルさんお願い出来ますか?」
「面倒だけど仕方ないね。ミゲルにはすぐ連絡するよ」
「馬鹿じゃないの? 超越者を誘拐とか戦争じゃん」
五条は食い気味に批判する。
「ホントに色々考えるよねぇ……。お金なんて、一定以上あっても数年後には経済自体がなくなるし、それまでに十分準備できるよう各国とも補助金が配られる方向で動いてるのに」
今の時代、資産はパソコンで管理されてるので、電気文明が崩壊すれば大半の資産は幻と消える。それはもう物理的に。
「そういえば、終末思想が広まると海外は略奪に走りがちだけど、アメリカは出鼻を補助金配布で叩いたから、むしろ治安上がったらしいね。それを狙った強盗や急な値上げの取り締まり強化もしたらしいけど」
「大金がすぐに配られるのに暴れる意味もないですしね」
「超越者を奪おうっていうのはわかるよ。私たちには関係ない未来だけど、超越者がいなくなった地域は詰むからね。それをオークションに掛ける意味は分からないけど。彼らとは知り合っちゃったし、弟子にもしちゃったし、東京を守る超越者達は2024年のその時までは守ってあげよう。彼らは今は猿だが進化が約束された猿だしね」
「それで傑。吸血からどうしてもって頼まれて、僕、最後の時を東京で過ごさなきゃなんだよね。術師代表として式典もあるって。未来の首相からあんだけ必死に頼まれたらさぁ。僕たちが負ってきた責務をバトンタッチするわけだし? 区切りも必要あると思うしね。傑、最期の夜は星の見える田舎の海がいいって言ってたけど、一緒にいてくれない? お願い! ソーシャルディスタンスは守ってていいからさ!」
「良いよ、首相官邸の屋上で日本の終わりを眺めよう」
「終わっちゃダメなんだけどね。まあ地域分断されるから一旦終わりか。ありがと、傑」
「どういたしまして。ミゲルに電話するよ」
「ありがとうございます」
3ヶ月後。
任務中以外の全術師が東京校に集められ、メンタルチェックを受け、入間対策の緊急通報ボタンが配布されて注意喚起されている最中。
警報が鳴り響き、数多の特級呪霊が襲撃してきた。
混乱の最中、テレビ局が占拠されたニュースが流れ、超越者に護衛として配布した呪霊が次々と祓われる。
恐るべきテロである。それも首謀者は呪詛師羂索。やめて2024年までじっとしてて! 運命なのよ、諦めよう!?
折しもその日はハロウィン前日。
そして術師はちょくちょく邪魔が入っているとはいえ、基本的にもうずっと休暇モード。
皆が集まるということで、ハロウィン前日だが早くも数年後の引き継ぎ式の式典の服は如何と仕立て屋さんが来たり、前夜祭が企画されたりと楽しい事になっていた。仕立て屋さんはこの際仮装も売りつけようと、楽しい衣装をずらり。太っ腹にも一着だけ総監部から術師と補助監督と窓にプレゼントです! え~っ窓なのに良いんですかぁ? 窓も補助監督も大事な仲間だよ!
建物は飾り付けられ、布地が広がり、パーティーやイベントの予約が受け付けられ半端ないワクワク感だった。
全部燃えた。
術師達の涙は海を作り、怒りのオーラは山を作った。
マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
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https://odaibako.net/u/karin2022v
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