鈴木悟は転移することを知っている   作:下田 モノ

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文字数が少なくてすみません


2話 覚悟

 

 

 D M M O R P G の一つに『ユグドラシル』というゲームがある。

 

 2126年に発売され一昔前まで爆発的なまでの人気を誇り日本のDMMOといえばこのゲームを指すというほどだったのだ。

 

 まぁ今は寂れたゲームと言わずともまぁ少し人気と言えるほどのゲームになってしまったが…

 

 私はそんなゲームをサービス開始日から『ユグドラシル』をプレイするいわゆる古参プレイヤーというやつだったのだが、どんなゲームも何時かは飽きてくる。もう少ししたらこのゲームも引退するかと仲間達と話していた。

 

 そこで私達ギルド『傭兵魔法職ギルド』はただ引退するのではなく最後に面白いことをしたいと思い周辺のギルドやクランに連絡をして何処かのギルドを攻略しよういう話になった。

 

 そこで昔からPKやワールドアイテムを独占しようとするギルドで有名なギルド『アインズ・ウール・ゴウン』を攻略しようとすることに決まったのだ。

 

 全盛期には何と3500人の二十ギルド連合を打倒したことは今でも伝説なのでユグドラシルの最後を飾る相手にとって不足はない。

 

 「3500人を打倒したからといってもそれは全盛期の『アインズ・ウール・ゴウン』の話や。」

 

 と仲間の一人がそう意見したが私たちは3500人を打倒したという事実はとても大きいということを仲間の一人に伝えた。

 

 「それでも3500人という数に勝てるなんてまずあり得ない。警戒しても警戒しすぎるということはないぞ。」

 

 「でも相手はいくら上位ギルドの10位と言っても今では一人しかログインしてないんやろ。楽勝も良いところやん。でも、言いたいことは分かったよ。」

 

 仲間の一人は余裕がいっぱいという感じだ。私はそれ以上咎める理由もなくなったので何も言わなかった。実際は、私自身も楽勝だと考えている。

 

 だが後に『ユグドラシル』の最後の伝説になると少なくとも私には想像出来なかった……――

 

 

 

☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 今、俺たちのギルド『アインズ・ウール・ゴウン』を攻略しようと『傭兵魔法職ギルド』が主体となって集まっているギルド連盟が出来たらしく俺は、原作にはない展開にとても焦った。原作知識に少し頼り過ぎたな……。

 

 『傭兵魔法職ギルド』は100人のプレイヤーで構成されておりその全員が100レベルであり、魔法職最強のワールド・ディザスターが約50人近くいるという。その圧倒的な殲滅力というのはギルド戦争が起こった場合勝利が確定されるといわれるほどだ。 

 

 その圧倒的なまでの殲滅力は俺達『アインズ・ウール・ゴウン』も例外ではない。更にそこに『傭兵魔法職ギルド』の周辺のギルドやクランも加わるとしたらすごく不味い。具体的には、WIや第八階層のあれらやルベドを使わなかった場合勝利する可能性は0%な程だ。

 

 しかもそれで終わったらまだ良いが原作よりWIなどに固執したせいで色々なギルドやクランに恨まれている…。やつらは多少なりとも今回のギルド戦争に参加すると考えて良いだろう。

 

 二十ギルド連盟の時は原作知識を使って第八階層のあれらのリソースも余裕をもっていたから今の第八階層のあれらを使えないこともないが、転移前にリソースをあまり消費したくない。

 

 それに第八階層のあれらを運用したとしても勝てるという保証はどこにもない。今回のギルド連盟のやつらは十中八九、第八階層のあれらについても知っているはずだ。何か対策してきてもおかしくない。

 

 「…――俺達『アインズ・ウール・ゴウン』に敗北は許されない。」

 

 つい自然と独り言を呟いてしまったが、俺はそう負けられないのだ。負けたら全てを失ってしまうギルド拠点は勿論のことNPC達も全てを失ってしまう……『アインズ・ウール・ゴウン』が築いてきたもの全て。

 

 それに俺は知っているのだ。自己を手に入れたNPC達のことを知っている。俺はナザリックが転移している世界を知っているのだ。只のゲームだったのならば敗北を受け入れられたのかもしれんが……。

 

 負けたらナザリックの未来が消えてなくなるのだ……。

 

 だったら尚更のこと敗北することは許されない。例え全ての存在に不幸を撒き散らす存在に成り果てたとしても…だ。

 

 転移後に影響を受けてしまうかもしれんがワールドエネミー『七大罪の魔王』のドロップアイテムを使うしかないか…――

 

 俺はナザリック大墳墓第十階層玉座の間から宝物殿に転移した。どんな困難が来ても正面から全てを打ち破れるそんな絶対的な存在へと至るために…。

 

 俺は七大罪系のWI『憤怒之罪』『怠惰之罪』『強欲之罪』『暴食之罪』『色欲之罪』以上五種類を取り出した。一つ一つがワールドエネミーになることが出来るというWIの二十にも匹敵するほどのWIだ。しかしこれには同時にリスクが存在している。そのリスクとは死亡時と同時にキャラロストしてしまうというリスクだ。

 

 原作にも初代ワールド・チャンピオンに七大罪系のWIを使いワールドエネミーとなったプレイヤーがいたが同じプレイヤーに倒された後はDQNBANされたらしいが実際は死亡時にキャラロストということだったらしい。

 

 だがこのWIは俺の覚悟でもある。超越者(オーバーロード)として本当の意味での敗北は許されないという覚悟の証だ。

 

 それから俺は『熱素石(カロリック・ストーン)』で作られた防具をアイテムボックスに入れた。七大罪系のWIは使うと通知が相手にもいってしまうのでギルド連盟にバレてしまう使うとしたら戦う直前だろう。

 

 おそらくこれが『ユグドラシル』での最後の戦いになるだろう。 勝ったら総取りだ。

 

 「ユグドラシルサービス終了まで残り半年必ず生き残ってやる…――」

 

 

 

 

 

 

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