鈴木悟は転移することを知っている   作:下田 モノ

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5話 世界意思

 

 

 「くっそ。まるで弱体化してねぇじゃねーか」

 

 そう私達は『光輪の善神(アフラマズダー)』を使った筈なんだがまるで弱体化してる気がしない。

 

 さっきから500人以上で削りにいってるんだがな……でも弱体化前よりかはHPは確かに削れている。

 

 それでも推定ラスボスは『色欲』ですぐに回復する。ヤバいなこのままだと後方にいるあれら対策の切り札を待つしかなさそうだ…。

 

 やつは遂に超位魔法の一つ『腐敗の風』を使った。私達にかなりの持続ダメージを更に与えてくる……。だが、これでやつは超位魔法は後三回しか使えないのとリキャストタイムがある。

 

 削るのは今だとさっきよりも攻撃の数を増やした。切り札がくる時間稼ぎが出来ればいいと思ったからだ。

 

 本当にこれで最後だから私達は勝ちたいのだ。これで負けたら後味が悪すぎる。1人対1000人以上で負けましたなんて言ったらマジで恥ずかしすぎる。

 

 リキャストタイムが終わったのかやつは第十位階魔法『不浄の場(フィールド・オブ・アンクリーン)』を使って更に『腐敗の風』の持続ダメージを強化したらしい。

 

 中には蘇生アイテムが切れたせいで経験値消費の蘇生になってしまったプレイヤーもいるようだ。早く切り札がこないとこっちは全滅するかもな。

 

 なんて時間稼ぎをしながら30分位が経過した時だ。遂に切り札が戻ってきた。

 

 「遅くなった!!これであれらというモノを殴ればいいんだな!!」

 

 ワールド・チャンピオンのクラン長の一人単純馬鹿が戻ってきた。単純馬鹿に持たせたWIは、めちゃくちゃ頑張って手に入れた二十の一つ……――

 

 

 

 『――世界意思(ワールドセイヴァー)

 

 この単純馬鹿に『世界意思』を渡した時は気分はさながらアッサーにエクスカリバーを渡したときのマリーンの気持ちだった。

 

 

 

☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 まさか『光輪の善神』に続いて二十の一つを持っているなんてな……。

 

 きっとアレが第八階層のあれら対策だろう。何か対策があることは分かっていたがまさか『永劫の蛇の指輪』に次ぐ最も警戒しているWIを持っているなんて……

 

 原作のナザリックだったら全盛期だったとしても負けるほど強力なWIだ。

 

 「だがな、それがどんなものであったとしても俺達"アインズ・ウール・ゴウン"は決して負けん!!」

 

 そうだ。そう…今の俺は今の俺達"アインズ・ウール・ゴウン"がこんな遊び気分の塵どもなんかに負ける筈がない。

 

 俺は『世界意思』を持っている塵に向かって確実に"殺す意思"を込めて切り札を唱えようとした……――

 

 次の瞬間、視界が揺れた。

 

 それと同時にワールドエネミー化した俺のHPの6割が消し飛んだ。

 

 どうやら第八階層の端までノックバックで吹っ飛ばされたらしい。それと同時に少し冷静さが戻ってきた。

 

 おそらく今の『世界意思』は最強の状態といっても良いだろう。そして今のまま次の攻撃を受けたら死ぬな。

 

 俺はアイテムボックスから宝物殿からとってきたWIを装備し『暴食』『強欲』『憤怒』『怠惰』の能力を全部解放させる。次にモモンガ玉を最大解放だ。

 

 「二十を二つも使われたんだ…今から出し惜しみは無しだ。」

 

 『大罪の魔王』の能力『憤怒』『暴食』やモモンガ玉を最大で使うとなるとかなり経験値を消費するからあまり使いたくなかったが……仕方ないだろう。

 

 次の瞬間の俺達『アインズ・ウール・ゴウン』はきっと全世界最強だろう。

 

 

 

☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 「なんだったんだ?あの骸骨…――」

 

 単純馬鹿が『世界意思』の効果がほぼ最大の状態で吹っ飛ばしたので俺達は驚きで少しの間固まってしまった。

 

 同時に俺達ギルド連盟は勝利を確信した……――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――が、次の瞬間には絶望した。

 

 単純馬鹿が消し飛んだからだ。

 

 次の瞬間現れたのは残酷なまでに美しく、そして醜いと感じさせるそんな異形な存在だった。

 

 そして黒すらも塗りつぶさんとする深紅の目がこちら側を覗きそして一言呟いた。

 

 「絶望のオーラ Ⅴ」

 

 それと同時に蘇生アイテムを持っていたにも関わらず即死した。

 

 

 

☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 全部を解放させた俺は『世界意思』を持っている塵を消し飛ばした。

 

 次に残り塵を掃除するために俺は『絶望のオーラⅤ』を使い即死させた。

 

 これ以上は経験値が勿体無くて最強魔王状態を解除して普段の骸骨の姿に戻った。

 

 最強魔王状態の俺ではWIを持っていない唯のプレイヤーは『The goal of all life is death(あらゆる生ある者の目指すところは死である)』を使わずともそれと同じように即死させられる。

 

 つまり絶望のオーラⅤの影響を受けたら蘇生アイテムを持っていたとしても次の瞬間にはまた即死しているのだ。

 

 なので、蘇生アイテムを持っていようが持っていまいが意味を成さない。

 

 まぁそれだけの差がワールドエネミーとプレイヤーとであるのだ。更にそれが普段は5体分詰まっているのだ。

 

 全部を解放させた今の俺は転移後世界を1日もあればで完全に破壊し尽くすことができるだろう……多分。

 

 まぁそんなことホントに出来たとしてもするつもりは無い。あの世界にも大好きな存在が沢山いるのだ…。少なくとも今の腐りきった現実世界の100倍以上は美しいことだろう。

 

 まぁ未来に期待を抱くのはこれくらいにして俺はギルド連盟のやつらを完全に再起不能にするつもりだ。

 

 よくも俺達の『アインズ・ウール・ゴウン』のNPC(子供)達やモンスター達を数回も殺してくれたな。

 

 やつらには少なくともその10倍の死をくれてやる。

 

 まぁ、こうなることが分かっててWI『ファウンダー』を使いナザリックにリスポーンするようにしたのだ。

 

 無限リポップするプレイヤー達をレベル1になった後も殺し続けてやるか……

 

 プレイヤーはドロップアイテムと経験値や死体など一つとして捨てるところが無いからな。トータルでは圧倒的にプラスだな。

 

 「まぁ終わり良ければ全て良しってやつだな。」

 

 さぁ『黒の叡知』で魔法習得数を上げるために沢山殺すか……

 

 

 

☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 あれから、私達はナザリック大墳墓第八階層で死に続けていた。最初の方は抵抗していたが魔王に殺され続けレベルが90、80、70と下がり続けてしまった。 

 

 レベルが50まで下がったらあの魔王の代わりにNPCが相手をするようになっていた。まぁレベル50でどうにかなるような存在ではなく一方的にぼこぼこにされたが……。

 

 それから少ししてギルド拠点もギルド武器が破壊されたらしくいつの間にか『敗者の烙印』というものが同じギルドメンバーに出ていた。

 

 運営に問い合わせても相手のWIの効果や仕様のためか、それとも後5ヶ月でサービス終了するゲームだからかそれといった対応がなかった…。

 

 確かなのは私達は詰んでしまったことだけだ。

 

 いつの間にかログインしてくるプレイヤーも減り続けてしまった。

 

 私も今日限りでこのゲームを引退する。

 

 最後は、こんな形で引退なのは不服だが仕方ない。

 

 私はログアウトのボタンを押しこのゲームから去っていったのであった。

 

 

 

 

 




2025年~2135年のディストピアに時代が移り変わる時に伝説などの登場人物が間違った感じの名前になってしまったと言う独自設定です。
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