魔法少女ノ魔女裁判 ─君の為に〇ぬ時─   作:プッチーノ

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 ※この小説には魔法少女ノ魔女裁判の
  重大なネタバレが含まれています!
  クリアしてない方はクリア後を推奨します!
  ネタバレ嫌な方もブラウザバック!

 ※また、「残酷な描写」以外は念のため
  つけているものが多いです。

【副題観測記録/観測ログNo.1】
 フィクスマージ語 " - shi-des - "
 翻訳結果…… 『 死 』

 <追記 1/7>
  制作中の進行度は活動報告にて、
  逐一報告しております。
  投稿日付が気になる方は確認してくださいね。

 ──この観測記録は、
 チャンネル0に沈む彼女たちの痕跡。
 読者はこの記録を通して、死後の視界を
 垣間見ることになるだろう──


舞台は踊る ─ 幕が上がる、舞台の始まり ─
- shi-des -


 

Ado Jiell DaRk rai LowhEll

 

rAwTell pray•lee Iz'u Nii Was•Da

 

LAikIll

 

deFuTai Ca-nan Bah

 

WairTall Iz"u──

 

──rAwTell Iz'u shid aSte──

 

 

 

【第一章】舞台は踊る

─ 幕が上がる、舞台の始まり ─

──────────────────

 

 

(……うっ……ここは……? )

 

 

……わ…………んじ……いま……ね……

掃……なきゃ……。

 

 

(なん……だ?……確か、

 私は……看守を……そうと……)

 

 

魔女………つつ…………、

……えきれ……殺意……想……れて………ます。

 

 

(私に……私に……何が起こった?)

 

 

と……わけで……事件が…………第、

……裁判】……します。

 

 

(誰かが……何か……話している)

 

 

 

……「処刑」しますので……

 

 

 

(……そんなこと……させない!)

 

 

(あんな……化物の存在は【正しくない】!)

 

 

急いで私は顔を正面に向けた。

 

 

見た先にあった光景は──────、

 

 

 

頭と胴体が別れた、【私の姿】だった。

 

 

 

──────────────────

 

ラウンジには……怯え震えている少女達がいた。

皆一様に引き攣った表情で固定されている。

 

その理由は明白だ。

頭と胴体が別れた死体と大量の血溜まりと

鋭利な鎌を振るい……私を殺した化け物。

 

この異常極まりない状況にも関わらず

態度一つ変えない自称『かわいいフクロウ』

 

凄惨としか言えない……

あまりにも現実離れした光景がそこにあった。

 

人は死んだら全てが終わる。

人間としての普通……いや『正しい姿』だ。

それなのに私は……『私の死体』が見えている。

 

(な、なぜこの光景を私が『見えている?』

 あの死体は……私の姿だ……どうして)

 

確かに私は死んだはず……あぁ──

 

 

 

(……あぁ、死んでしまったのか……)

 

改めて思いなおし、ため息をつく。

 

今思うと死ぬ直前の私は何処か変だった。

 

殺意が噴水のように湧き上がり

抑えようとしても制御が効かなかった。

まるで……操られているかのように……。

 

衝動的に動いた時と違い、今は冷静になれている。

体を起こし、洋服を軽く払い周囲を確認した。

どうやら暖炉の前にいるみたいだ。

 

(一体、私はどういう状態になっている……)

 

(私自身の死体が見えているということは

 まさか、死後の世界……か?

 いやそもそも何故私の魔法は発動してない?)

 

様々な推測を心の中で整理していると……

 

 

 

「yO〜pare o〜── ──────」

 

(……この声は?)

 

「yO〜pare o〜Re cU〜rOi〜」

 

(教会音楽……のような……)

 

(聴いたことがない言語の歌だ。

 公用語と法則が違う気がする)

 

「yO〜pare o〜Re cU〜……He……?」

 

美しい声の主は私の存在に気付いたのか

歌を中断しこちらに歩いてくるようだ。

足音の方向に体を向けると、そこには──

 

「He〜rO〜」

 

無垢な笑顔を見せる……推定8歳前後の少女。

 

全体的に衣装、アクセサリなど全てが

ほぼ白一色……一言で言うと『白紙』だろうか。

まだ何も描いていない作品のような────

 

彼女の発した言葉は知らない言語の筈なのに、

私の名前を呼ばれた感覚があった。

私はその少女に対し、『正しく』返答を返す。

 

「初めまして、私の名前は二階堂ヒロだ」

 

「……Nii ReDogh' KoISu l'u〜……」

 

「……」

 

──返答を返したが、

相手は明らかに落ち込んだ表情だ。

 

視線は右往左往し、目尻も下がり

ボソボソと独り言を始めている。

 

(こちらの言語と違うのが想定外なのだろうな、

 頭に手を当てて何かを考えている)

 

やがて、一言ぽつりと手を下ろし発言した。

 

「……So-meRRy……HerO……」

 

推測に過ぎないが……謝っているのだろう。

申し訳なさそうな表情でこちらを見ている。

 

気まずい雰囲気が私たちを覆う。

 

彼女に対しどうにか言葉を伝える手段がないかと

模索していると、別の場所から大きな声が響いた。

 

「待ちたまえ!」

 

大きな声に反応し私と彼女はそちらを見る。

声の正体は……蓮見レイアだった。

 

少女はレイピアを抜き、アリサを守るような形で

化物の間を陣取るように立っている。

 

「彼女に手を出すな!

 これ以上の悲劇は起こさせない!」

 

啖呵を切った彼女に対して化物は

全く耳を貸すつもりはないようで、

レイアに向かって大きく鎌を振りかぶった。

 

その時、咄嗟に動く姿を見てしまう。

 

いや……見えてしまった。

 

「誰が」 間に 入ってしまったか

 

化物が持つ鎌は振るわれ──、

 

 

 

エマの体は左右に切断され、倒れた。

 

「──エ──マ?」

 

『ーーーーーン』

 

誰かの声が微かに聴こえ──

 

隣の「彼女」から光が溢れ、

 

部屋全体は大量のペンキを一気に

ぶちまけたかのように白一色の光と化した。

 

──────────────────

 

 

 

──────────────────

 

眩しすぎる光は消え、部屋の様子は

元の赤く薄暗いラウンジに戻っていた。

 

突然強い光を至近距離で受けた為か、

目がぼやけて前が見えづらい。

 

目元を擦り、もう一度目を開ける。

 

(さっきの光はなんだ? 何が起こった?)

 

「待ちたまえ!」

 

それは一度見た光景。

 

光が溢れる直前の聴いたセリフと同じで、

アリサと化物の間を陣取るように立っている

レイピアを構えたレイア。

 

(……まさか、時間が巻き戻った? )

 

真っ二つに裂かれていた筈のエマも

今は部屋の隅に立っていて無事だ。

 

「彼女に手を出すな!

 これ以上の悲劇は起こさせない!」

 

先程の場面をリプレイしたかのように

看守は全く耳を貸すつもりはない様子で、

また大きく鎌を振りかぶった。

 

(……っ! )

 

起きた惨劇を想起し、唾を飲み込む……

 

「──ハッ! 」

 

鮮血などは飛び散らずに

レイアは後方へと跳躍し見事に回避していた。

看守が持つ鎌は空だけを切る。

 

割り込んだエマが真っ二つに

なるようなことも特になかった。

 

アリサの近くに着地したレイアは

レイピアを構い直し、看守を睨む。

 

「彼女はルールを破っていない

 切り捨てる理由はないはずだ!」

 

レイアの後ろに立つアリサの表情は呆然とし

ていて、何故庇ったのかと困惑している。

 

「な、なんでおめぇ──

 

「私は君たちを守りたい。

 そのためにお互い冷静になるべきだ」

 

レイアは彼女の疑問にすぐ答えた。

 

看守とレイアは睨み合っていたが

元々牽制のつもりだったのだろう。

 

血溜まりなどを掃除し、私の死体を片付け

看守は退出し────と後ろに彼女も居た。

 

死体を持った看守についていく謎の少女。

先程の大量に眩しい光を発生させた

名前も知らない小さな彼女。

 

あの少女には色々と聞きたい事がある。

 

この場所、私の今の状態や先程の現象、

列挙しただけでも多くの疑問がある。

 

私は楽しそうに歩いて行った謎の少女を

追いかけるように、ラウンジを後にした。

 

──────────────────

──────────────────

 

ラウンジから玄関ホールに向かって走る私は

豪奢な洋館のような広々とした空間へと出た。

玄関近くに目的の少女を見つけそちらに向かう。

 

玄関から出て行った看守にまだ

ついていくつもりなのだろうか、

口笛を吹きながら歩いている。

 

私は彼女を引き留めるため、会話を試みた。

 

「君、待ってくれないか!」

 

「!? 」

 

何故か、相当驚いた反応をしているようで

少女は止まり、こちらに振り返ってきた。

 

「ヒロちゃん、私の言葉わかるの!?」

 

初対面の時は言葉が通じなかった筈の彼女から

私が慣れ親しんだ言語で返ってきた。

 

「……あぁ!」

 

「やったぁ! ヒロちゃんと会話

 できるようになるなんて、嬉しいなぁ〜」

 

すぐに私の応答が返ってきたのが、

余程嬉しかったのだろう。

はしゃぎながらこちらに歩いて来る。

 

玄関ホールの扉は閉まり、音が響く。

その音を気にもとめず

彼女は嬉しそうに近寄ってきた。

 

彼女の身長は低く、私と身長差があるため

少々しゃがみながら目を合わせる。

 

「君の事を私は知らないし、自己紹介を

 してくれないか? こちらの事は知っている

 と思うが、私は二階堂ヒロだ。 よろしく」

 

「よろしくね、ヒロちゃん!

 えーと、私も自己紹介はしたいんだけど……」

 

笑顔だった彼女は困った顔で考え始めた。

少し考えた結果、口を開き────、

 

「……覚えてないの……名前も何もかも……

 ここに見覚えがある位で……」

 

憂いがある表情を見せ、彼女はそう答えた。

 

(記憶喪失か……これは厄介な状況だな)

 

(嘘をついている様子も特にない、

 本当と仮定して話していこうか)

 

「それは……辛かっただろう」

 

私は少女の頭を撫で、励ます。

撫でられた彼女の表情はまた笑顔に戻る。

髪の毛はくしゃくしゃになるが、

嬉しいのかもっと撫でて欲しそうに見えた。

 

「名前がないと少し呼びづらいな、

 仮の名でいいなら、私がつけてもいいが」

 

「……名前! くれるの?」

 

「あぁ、そうだな……少し待ってくれ」

 

彼女の仮の名前を考えるため

もう一度、彼女を観察してみる事にした。

 

無垢な笑顔や撫でられた時の反応。

こちらに歩いてきた時のはしゃいだ様子は

人懐っこく犬っぽさを際立せている。

 

服装はヘッドドレス、白い花の装飾、

ジャンパースカートにドロワーズ、ブラウス

おでこ靴、それぞれ別の花が飾られていた。

初対面のときに見た感想と同じく白統一。

 

私は複数の名前を思いつき、提案する。

 

「最初に思いついたのは シロ で他には──

「シロ! 私の名前!」

 

「そ、即決か? 他にも候補があってだな」

 

「ヒロちゃんと似たいい名前〜」

 

最初に言った名前が相当気に入ったらしい。

彼女はもう他の名前を聴く気はないようだ。

 

「ヒロちゃん! ありがとう!」

 

そう元気に答え、私に抱きついてきた。

体を私に擦り付けてくる。

 

(……どうしても犬に見えるな)

 

尻尾がないはずなのに幻覚だろうか、

尻尾を振っているようにしか見えない。

これは誰かによく似ているような──

 

-------------------

 

「ま、待ってよ!ヒロちゃん」

 

-------------------

 

「ボ、ボク!諦めないから!」

 

-------------------

 

「ヒロちゃんなら見つけてくれると思った!」

 

-------------------

 

(……っ! 今は関係ないだろう……!)

 

「ん? どうしたの? ヒロちゃん」

 

「いや……なんでもない」

 

抱きついている彼女を少し離れかせた。

彼女と顔をみて、目を合わせる。

綺麗な白色の瞳がこちらをみていた。

 

そういえば質問したい事、

聞きたい事が沢山あるのを思い出した。

早速彼女に色々聞いてみよう。

 

「君、いやシロ、いつから此処に?」

 

「うーん、ついさっきかな〜。

 気づいたらあの薄暗いところにいたよ?」

 

「……そうか、では別の質問を。

 此処に見覚えがあると言ったが……」

 

「うん、何回も来たような感覚があるんだ〜

 何も覚えてない筈なのに……なんでだろ」

 

「何回も……?」

 

(この場所は監獄のように見えるが……

 何回も来たことがある事など

 あり得るのだろうか? )

 

他のことも気になる事が多い。問いを続ける。

 

「今、私はどんな状態なんだ? さっき私の死体が

 看守に持って行かれたところを見ただろう?」

 

「あのでっか〜〜い鎌持ってる背の高い?」

 

「その通りだ」

 

私は確認もとりつつ、話を続ける。

 

「普通なら自分の死体を見ることはできない、

 それなのに私は見れていた。この矛盾や

 この件に関して何か知らないかな?」

 

ある程度の推測は自分で考えられるが、

それでは確証は得られない。

確実な情報だと確定するまでは全てを疑うべきだ。

その為に私はシロに聞く。

 

「うーん……シロにはよくわからないな〜

 けど、さっきの……ゴクチョーだよね?

 ゴクチョーが言ってた【魔法】関係かも」

 

「……もしかして、君の【魔法】が原因か?」

 

「うん、皆にはそれぞれの固有の【魔法】が

 あるって話してたよ〜。多分私にも【魔法】が

 あって無意識に発動しちゃってるかも」

 

(なるほど、ある程度は考えられそうだな)

 

彼女自身何の魔法かは把握していない事と

自分の魔法が強制的に発動している事、

この二つだけでもある程度は納得できた。

 

そう考えると色々と辻褄は合う。

 

(シロの魔法は私より優先順位が高い?)

 

魔法の発動を阻害しているのか、

もしくは発動自体無かった事にされているか。

以上のどれかだと推測する。

 

この推測から先はまだ未知数、つまり情報不足だ。

一旦この件は保留しさらに別の質問を投げかける。

 

「先程私達がいた場所……

 ラウンジの話を聞きたいが覚えてないかな?」

 

「あの暖炉がある部屋のこと?」

 

「そうだ。さっき一人の少女……

 エマというんだが、エマが真っ二つに

 割かれた瞬間君から強い光が溢れ出たんだ」

 

「……えぇ〜?」

 

「そうしたら、時間が少し戻って先程とは違い

 エマは真っ二つにならなくなった。

 君はなにか知らないだろうか?」

 

「……? シロは見てないよ〜その光景」

 

「……え?」

 

(どういう事だ?)

 

(確かに彼女の魔法? が発動したらしい瞬間を

 私は目撃した。それにも関わらず、

 シロ本人はその光景を認識できていない?)

 

魔法が発動したら本人はその記憶を失う?

それは魔法として、欠陥ではないだろうか。

 

例えば、私の魔法「死に戻り」は死んでしまったら

その日目覚めた時に戻される魔法。

 

この魔法に関しては、私自身忌々しいもので

あって積極的に使いたくない存在だ。

 

【正しくない】からだ──

 

だが、魔法自体は不利益をもたらすような

代物ではない。それなのに彼女の魔法は、

致命的な弱点を持ってしまっている事になる。

 

(だとすると彼女自身も私達と同じ被害者?

 だが、時を戻すなんて強力な魔法に分類される

 だろう、そうすると運営側の関係者か?)

 

現時点では、シロの情報が足りないのだろう。

 

「ヒロちゃん、難しい顔してるよ〜

 何か考え事〜〜シロにも教えて〜〜」

 

こちらの反応が遅い事を気にかけてか、

私の顔を覗き込みつつ腕を引っ張ってくる。

こちらの様子を伺って反応を見てる顔だ。

 

「あぁ、考えることが多くてね。

 まだ結論がついたわけじゃないから

 あとでまとめて話す。それでいいかい?」

 

「はぁ〜い」

 

今の状況では何もかも判断材料が足りない。

この屋敷を探索して情報収集すべきだろう、

何かわかるかもしれない。

 

(シロはこの屋敷のことを、

 見覚えがあると言っていたな)

 

「この屋敷に……見覚えがあるんだろう?

 なら、案内を頼んでもいいかな?」

 

「うん! ヒロちゃんの案内頑張るよ!」

 

シロは私の左手を取り、楽しそうに歩き始める。

 

案内役を頼まれて嬉しそうに移動する彼女を

観察するが、表裏が無さそうな純粋さが見えた。

 

私はそんな彼女、シロの手をとって

玄関ホールから移動する。

 




処女作です。(ガチ)

まのさばロス病を罹ってしまいました。
二次創作を探すゾンビと化してます。
同じ病気に罹っている方は何人いるんでしょうか。

チャンネル0メンバー
▶︎二階堂ヒロ
 文武両道、才色兼備な少女。
 この物語の主人公。

▶︎謎の少女(仮名:シロ)
 死後の世界にいる謎の少女。
 記憶喪失らしい。

チャンネル1メンバー
▶︎桜羽エマ
 二階堂ヒロの幼馴染。
 看守に切られたはずが、
 何らかの魔法発動により生きている。

▶︎蓮見レイア
 芸能事務所に所属しているタレント。

▶︎紫藤アリサ
 家出少女。ヤンキー。

▶︎ゴクチョー
 ここの管理者の一人だろう。

▶︎看守
 手が複数ある化け物。

使用楽曲コード:32152442,32152477,78360404,79502369

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