魔法少女ノ魔女裁判 ─君の為に〇ぬ時─   作:プッチーノ

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 ※この小説には魔法少女ノ魔女裁判の
  重大なネタバレが含まれています!
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 一章裁判前までは駆け抜けたい。
 ……プロットは完成してるのに……

 【副題観測記録/観測ログNo.10】
  フィクスマージ語 " - Reka N'o ChiDd - "
  翻訳結果…… 『 血の赤 』

 ──この観測記録は、
 チャンネル0に沈む彼女たちの痕跡。
 読者はこの記録を通して、死後の視界を
 垣間見ることになるだろう──


- Reka N'o ChiDd -

 

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外を探索している私達は湖畔周辺や倉庫前を

探索して回った。だが残滓はどこにも無かった為

仕方なく医務室前扉へと戻ってきている。

 

途中でエマシェリーハンナの3人が全力で

看守から逃げるのを目撃したが……

私達には関係ない。そっとしておこう。

 

ナノカが医務室の扉を開けたのを見てから

同時に一緒に滑り込むように入った私達は

もう一度室内探索を念入りにすることにした。

 

医務室に相変わらずメルルとアンアンがいる。

アンアンの看病の為か、換気の為かは

わからないが通路への扉は開けられていた。

 

(医務室の包帯の数が明らかに

 複数個減っている。怪我人でも出たのだろうか?

 頭の片隅に置いておこう)

 

私とシロは中庭側通路へと移動して行く。

 

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14時の鐘、ラウンジへと移動する私達。

そこで聞こえてきた声はミリアとココだった。

 

「ねぇねぇミリア〜ここで配信しようと

 思うんだけどさ、あてぃしー撮影準備するぅ

 アシスタントが欲しいんよねーできる?」

 

「え、アシスタント……おじさんが?」

 

「おじさん? まあアシスタントって言ってもぉ

 ほとんど雑用みたいな感じなんだけどさぁー?

 一人で準備するのもさぁ結構時間かかるし

 ……頼んでもいいかなぁーミリア?」

 

ミリアにだる絡みしているココだ。

どうやら夜にここで配信する為、

配信関係の機材運びを手伝わせようとしている。

 

(こういう面倒くさい行動をしてくる相手には、

 無視や事務的対応が一番効くはずだ……が

 ミリアにそういう対応はできそうにないな……)

 

「ま、まぁーおじさん暇ではあるし手伝えるよ?

 けど、配信の準備っておじさん知らな──

「はいはい!了承っつーことでじゃあよろしくー

 じゃあ、スタンドどこに置くか考えよぉ〜」

 

断れない様子で、『えぇ』と声を荒げるミリアと、

そんな反応を気にもとめず、話を進めるココ。

 

ココはミリアの手を取って引き連れて歩き、

二人は玄関ホール階段から2階へ移動して行った。

機材でもあるのか、娯楽室に。

 

……場の流れに呑まれていたミリア。

あまり自己主張が得意ではないのだろうか?

レイアとは対極に位置する性格かも知れないな。

 

そしてココ、何故そんなに強引なんだ?

食堂の話し方でもそうだが、そういう

強気な発言は他の人間に反感を貰いやすい。

私がその場に居たら間違いなく注意するだろう。

 

と、そう考えていたら服を引っ張られ

視点は服を引っ張ったシロへと向く。

 

「ねぇねぇ、ヒロちゃん……ボウガンがないよ」

「……え?」

「ラウンジにあったボウガン……」

 

それを聞いて、私はボウガンがある筈の壁を見る。

暖炉の反対側に飾ってあったボウガンが、ない。

 

「確かにあったはずだ、いつからだ?」

「昨日の……夕方17時にはあったかな」

 

昨日の17時以降は見ていないとなると──

約1日経過しているということか……!

 

(そうだとすると……! )

 

「……ボウガンが持ち出されてるとしたら

 誰かに使われている可能性が高い……!

 もしかしたら、誰か死んでいるかもしれないな」

 

「え!そんな……」

 彼女の顔は、徐々に青白くなっていく。

 

「一応、全員確認していけばいい、

 誰か死んでないかチェックしに行こうシロ!」

「うん、急ごう!! 」

 

そう言って私達は牢屋敷の中を確認しに

各部屋を覗いていくことにした。

 

今日私たちが視認した人物は、

エマ、シェリー、ハンナ、アンアン

メルル、ココ、ミリア、ナノカの8名。

 

まだ生存確認できていないのは

マーゴ、ノア、アリサ、レイアの4名だ。

無事ならそれでいいんだが……。

 

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囚われて4日目の16時50分。

結論を先に言うとそれは杞憂だった。

 

図書室の読書スペースの端で

分厚い本を解読しているのか、読んでいるマーゴ。

 

監房の自室床にひたすらお絵描き中のノアと

その絵をずっと見学しているアリサ。

 

娯楽室でビリヤードをしながらココとミリアに

ノア関係と配信関係の話をしているレイア。

 

結果的に誰も死んでいないのを確認した。

その代わり、少し気になる物を発見した

私達は現在、監房廊下のバケツを見ている。

 

監房のバケツの中に捨てられている一本の矢。

ナノカとマーゴの監房部屋前のバケツだ。

バケツの中に入り切らず、矢の先端が見える。

 

これはラウンジにあるボウガンの矢だろう。

誰かがここに捨てたのだろうな。

何故ここに矢が捨てられているのかはわからない。

 

またエマ監房前のバケツに、

解体された何らかの機械のパーツがある。

バケツの中はそのパーツでいっぱいになっている。

 

(誰かが掃除したゴミを捨てたのだろうか )

 

……その誰かはもしかしたら看守かも知れない。

実際、掃除している様子を何度か私達は見ている。

掃除して出たゴミをここに入れたんだろう。

 

人差し指を口に当て何かを思考しているシロ。

その機械パーツをシロと一緒に見ていると──

 

「ん〜? この機械のパーツってなんか……

 どこかで見たような……あっ、ヒロちゃん」

「どうした、シロ」

 

何かに気づいた反応を見せるシロ、

彼女の反応が気になり返答を返した。

 

「これボウガンのパーツかな」

 

「──そうかも知れない。ボルトや弦のパーツが

 バラバラにされている……ボウガンだろうな」

 

「誰かが危険だと思ってここに捨てたのかな?」

「それはわからない……が、

 解体されているなら使用できないな」

 

「なら、安全だね、誰がバラバラにしたのかな〜」

 

そんなことを言いながら

小さい手を顎に当てて、推理し始めるシロ。

 

監房前廊下は誰でも出入りが可能な為、

誰が捨てたかは推理できないな……。

現状ではわからない問題だろう。

 

そうして考えていると、鉄格子の上がる音がする。

監房のロックされる時間が解除され、

一番奥の監房から出てきたのはメルルだ。

 

メルルはどうやら、エマを待っているようで、

暫くしてエマも監房から出てきた。

 

「エマさん、大丈夫ですか?

 か、看守さんに追いかけられたって聞いて……」

「う、うん。何も!ちょっと疲れただけだよ」

 

「ほっぺたに土がついちゃってますよ」

 

メルルは眉を下げ、手でエマの頬についた土を払い

ハンカチを使って頬を拭ってあげている。

……まるで──母親みたいだな、メルル。

 

少し照れくさそうにしているエマ……

子供が喜ぶような無邪気な顔だった。

 

(……【彼女】を……君は見捨てたんだろう。

 君の本性、私が一番わかっているぞ、エマ)

 

その表情を見ていると、途端に湧いてくる殺意。

拳を握り、爪を手のひらに強く押し付ける。

どんなに強く押しても血が出ることはなかった。

 

「ヒロちゃん……怖い顔してるよ……」

 

怯えた表情でこちらを見るシロ。

その表情は私の事をとても心配そうに見ていた。

シロの発言を聞いて焦り、握った拳を解放する。

 

「え? あぁすまない」

 

「……二人の間に何があったか知らないけど……

 聞かないでおくね……事情があるんでしょ」

 

気を使わせてしまっただろうか。

幼そうな見た目からは想像できないくらい

精神が大人寄りだ。

そうして彼女のことを考えていたら、足音がした。

 

メルルはバケツの方へと歩き出していた。

泥がついたハンカチをバケツに捨てたメルルは

機械パーツの存在に気づいたようだ。

 

その様子を見ていたエマもバケツに近寄り

機械パーツを触って確認している。

だが何のパーツなのかは、わかっていないようだ。

 

メルルが夕食に行きましょうエマさんと提案し、

エマは行く前に少しメルルを止める。

 

ノアと少し会話をした後、話を切り上げ、

エマとメルルは食堂へと移動して行く。

 

缶スプレーの刺激臭が廊下にまで届いてきた。

シロは鼻をつまみ、急かすように発言した。

 

「ヒロちゃんヒロちゃん、スプレーの匂いが

 酷いよ──ここ、早く私たちも移動しよう?

 焼却炉とかまだ調べてないよ〜」

 

「そうだな。焼却炉か、いつでも入れるから

 後回しにしていたな。

 何もないとは思うが、見に行ってみよう」

 

私達は監房廊下から移動する。

 

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-------------------

 

私達は焼却炉へと足を踏み入れる。

壁と床、共に色鮮やかな緑色の部屋が

私達を嫌な匂いで歓迎してきた。

 

鉄錆びた匂いがする大量のパイプに

温度センサーとコントローラー。

 

焼かれた灰が沢山入ったドラム缶と、

一人入れそうな大きさの空のドラム缶がある。

 

ここで過去に事故があったのだろうか。

焼却炉のとこに張り紙が貼っており、

『月曜15時に自動稼働、触るな!!』と

大きめの字で表記されていた。

 

天井付近には大きなパイプが二つ繋がっている。

多分ダストシュートと繋がっているのだろう、

どこかの部屋からも捨てられる構造のようだ。

 

「ん、これ?ロープだ、

 なんで焼却炉に……何かに使ったのかなぁ……」

 

部屋の端に何故か置いてあるロープから目を離し、

シロは鼻を摘み、嫌な顔をしつつ発言する。

 

「ここもパイプ臭いよぅ──もう……出ていい?」

「わがままを言うな……君が調べたいと

 言っていただろう……」

 

「えぇ〜、だって臭いものは臭いもん……」

 

うんざりした顔をしつつ調査を始めるシロ。

顔は本当に早くここから出たいと主張していた。

 

「なるべく早くすませるよ。だからシロ、

【残滓】がないか一緒に探してくれ」

 

は〜い、と気だるげな返事を貰った、

どう見てもいつもより元気がない返事だな……。

 

シロも頑張っているし私もちゃんと探さないとな

……そう思って端から端まで調査をし始める。

 

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ヒロとシロ周辺調査中…………

 

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『骨折り損のくたびれ儲け』と言う(ことわざ)がある。

今の私達はまさにそのような状況だった。

 

20時と古時計は伝えてくる。

 

あれだけ時間をかけて調べた割には、私たちは

どこにも【残滓】を見つけることはできなかった。

 

つまり、『収穫はゼロ』ということだ。

 

疲れただけでなんの成果も得られなかった、

私たちはラウンジの椅子に座って休憩をしている。

 

そうして休憩していたら玄関ホールから

複数人移動してくる音が聞こえた。

 

ナノカを先頭としてエマとシェリーとハンナ、

メルルの5名。ぞろぞろとラウンジに入ってきた。

 

壁にかけられていた筈のボウガンがそこに無い。

無くなっているのを見て、皆同様に青ざめている、

何故かシェリーだけはいつもの笑顔のまま。

 

ナノカが静かな声でボウガンについて語る。

 

「昨日の日中に見た時はあって、今日の昼

 見に行ったらなかった。だから昨日の夜ね。

 後、もう一つ、私の髪リボンがなくなったの」

 

「髪リボン……ですか?」

 

シェリーが疑問気味に反応を返した。

 

「ええ、私の髪リボンよ。どこかに落とした

 のかも知れない。思い当たるところは探し

 回ったのだけど……見つからない」

 

ナノカは淡々と事実を述べ、

握りしめた拳を僅かに震えさせていた。

 

(外にいた理由はリボンを探していたのか。

 手を震わせているし、大切なリボンなのだろう)

 

(本人にとって大切そうなリボンを落とす……か、

 運営側がわざと盗んだ可能性もある。

 かなりの悪意を持っているようだな黒幕は)

 

「囚人の中に、泥棒がいるの。私は許さない」

 

ナノカはそう言って踵を返し、

ラウンジを出て階段を登る音を立てた。

 

まだ囚人が泥棒したとは限らないはずだが、

私はその発言を聞いて休憩を中断しようか迷う。

 

「言い争いになりそう……見に行くの? 」

 

シロはそう言って私に提案してくる。

 

(私も少しあの雰囲気は気になっていた)

 

「何もないとは思うが……一応見に行こう」

 

「そうだね!ついて行ってみよう!」

 

「ナノカさん、どうしちゃったんでしょう。

心配ですね……」

「あんな状態じゃ、トラブルを起こ────」

 

私達はエマ達を置いて、ナノカについて行く。

2階の娯楽室に入っていく彼女を見て、

私たちもそれに続くように入る。

 

そして案の定ナノカは──、

 

「あなたよね、私のリボン泥棒は」

 

「……あぁ?んだぁ、テメェ……」

 

娯楽室でチェスの椅子に座っているアリサに対し、

そう発言したナノカ。反応が遅いアリサに、

ナノカはもう一度大きめの声で確かに言う。

 

「あなたよね、泥棒は」

 

「人の顔見ていきなり泥棒ってなんだよ!?ふざけてんのかテメェ!!」

 

そう言われたアリサは喧嘩をふっかけられていると

感じているのか、ナノカと口論を始めてしまった。

 

アリサとナノカの距離はかなり近い、

このままでは暴力沙汰になりそうな距離だ。

 

途中エマが間に入って仲裁しようとしたが

アリサは近くにある椅子を蹴ってエマを牽制し、

ナノカの胸倉を掴んだ。二人の距離は間近だ。

 

(私がそこにいれば真っ先に仲裁できるが……

 死んでしまったため見ていることしかできない

 歯がゆいものだ……【正しくない】)

 

「はわわゎ、わわわゎ……」

「大変ですわ!暴力沙汰になりますわぁ!」

 

メルルとハンナはこの状況を止めようと、

考えているようだ、エマは──、

いい友人たちを手にいれたみたいだな。

 

とそんなことを考えていたら

エマとシェリーが何かボソボソと話している。

 

 

──嫌な予感が私の心を満たした。

 

 

「やっちゃえ! シェリーちゃん! 」

 

どう見ても悪ノリ顔のエマがそう言い、

 

「了解でーす!」

「え!? ちょっとまってシェ──

 

エマから許可を得たシェリーは全力で

ナノカとアリサに急接近し殴りかかった────

 

 

勢いはあまりにも速く二人に届いてしまった──

 

二人の頭はスイカ割りのように──

 

グシャっと嫌な音を立て、割れてしまった──

 

その光景に私の思考は真っ白に停止し──

 

隣にいるシロから、眩い光が発光し始め

部屋中を光で満たした─────────

 

-------------------





ヒロの脳内メモ

→今現在の状況
外は思ったより広く探索しきれなかった。
森の中や、湖畔の方はまた後で探索しよう。
私以外の死人が出る前に、牢屋敷の謎を
どうにかして解き明かさないと……。

扉という壁に阻まれてる問題
▶︎現在解決方法を模索中。

→牢屋敷関係
娯楽室はいつも空いている
食堂の料理は期待できそうにない。

10時〜12時、15時〜17時、22時〜翌日6時、
囚人全員が監房に拘束される時間で、さらに
私たちにとっては化け物が出現する時間。

囚人達が見つかった場合は看守に追いかけられる。
▶︎捕まったら懲罰房に拘束され2日間動けない。

→シロ関係
人懐っこい中型犬のような性格。
運営側の可能性あり。
昔の牢屋敷を訪れたことがある。
人間?魔女?大魔女?まだわからない。

「死ぬ可能性が高い人物」のみ見える。
レイア、ノア、メルル、エマ
現在はこの4人を認識可能。

彼女の魔法は現在特定不可。
魔女因子の痕跡を【残滓】と発言。
この【残滓】を集めると
彼女の魔法は強化されていく……らしい。

もしシロが敵側だとすると、
敵を強化していることになるが……
純粋無垢で嘘がつけ無さそうな
彼女は本当に敵なのか?

▶︎橘シェリー
 強力な腕力を持つ少女。

▶︎遠野ハンナ
 お嬢様? 言葉を使う少女。

▶︎氷上メルル
 シスターのような服装の少女。

▶︎黒部ナノカ
 なぜか最初から銃を持っていた少女。

『シロ』についてどのような印象を持ちましたか?

  • 無邪気、無垢な少女
  • 賢い少女
  • ミステリアスな少女
  • 自由奔放な少女
  • その他
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