※この小説には魔法少女ノ魔女裁判の
重大なネタバレが含まれています!
クリアしてない方はクリア後推奨!
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ヒロノアシロ3人になった途端
めちゃめちゃ筆が乗りました。
【副題観測記録/観測ログNo.12】
フィクスマージ語 " - tone san - "
翻訳結果…… 『 13 』
──この観測記録は、
チャンネル0に沈む彼女たちの痕跡。
読者はこの記録を通して、死後の視界を
垣間見ることになるだろう──
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時計は21時を知らせる。
「ヒロちゃん、ここどう言う場所なのかな?」
私の目の前にいる城ケ崎ノア。
監房でひたすら自室の床に絵を描いていた彼女。
その彼女は今、確実に私達を見ていた。
つまり──彼女はどこかで死んでいる……。
「ノアちゃん! 私たちのこと見えてるの……」
私と同様に驚きつつ、少し悲しんでいるシロ。
ノアが死んでしまったことを悟った反応を見せる。
私たちの反応に違和感を覚えたのか
城ケ崎ノアは不思議そうな顔をしていた。
「……? え〜とね〜、誰かな? 」
「……あ! 自己紹介がまだだったね!
私の名前はシロ。ヒロちゃんから貰った名前!
よろしくねノアちゃん!」
「貰った? ……へぇー、シロちゃんね!
えーとね~のあの名前は〜城ケ崎ノアだよ」
二人は握手する。目を合わせシロに問いかける。
「それで……ここってどう言う場所なのかな?
のあが皆に話しかけても反応しないんだぁ〜
……何か知ってる?」
「私自身もよくわかってないんだけど……」
シロは私のことをチラチラと見てくる。
あぁ、私に助けて欲しいのだろうな──
私はノアに視線を向け、事情を話す。
「話すのは酷ではあるが──城ケ崎ノア。
君の体は今どこかで死体となっているだろう」
「……うぇ!?」
想定と違う答えが返ってきたからか、
彼女は、あからさまに驚愕している。
混乱しているのだろう……無理もない。
私は続けて推測を伝える。
「私たちがいる場所は……多分死後の世界だ。
シロの魔法の影響によってこの世界は
作られているらしい。本人に自覚はないが」
「そうだよ! まぁ多分だけどね……。
みんなの魔法と同じように、私の魔法が
あって無意識に発動してると思うんだ!」
シロは横の髪を弄りつつ、ニコニコと笑顔を
浮かべ、新しい仲間のノアを歓迎する表情。
驚いた顔をするノアは少しずつ冷静さを取り戻し
ある程度理解した顔でこちらに頷き返す。
「へぇ〜、死んだ後の世界ってあるんだぁ〜
これは、良いテーマだし何か描けそう!
さっそくお絵描きしよぉーっと」
ノアはそんな事を言って服の内側から
赤いスプレーを取り出して
医務室の壁に噴射しようとしている。
──ん? いや、ここで描くのか?
「いや待て待て、ここは医務──
プシューと音を立てるスプレー。
私の制止も聞かずに、壁に描き始めてしまった。
「まあ誰にも迷惑かけてない……か?」
お絵描きを始めたノアに対して、
シロは聴きたいことがあるらしく、彼女に問う。
「ノアちゃん、そのスプレーはどこで?」
「ん? えーと……なんか濃い赤色の光を触ろうと
したら手がズズズって入っていってーそれで
最後に引っ張ったら手に入れたんだぁ」
「そ、そうなんだ……」
ノアの呑気な言葉に翻弄されているシロ。
ひたすらスプレーで絵を描き続けているノア。
どうやら私が火かき棒を手に入れた時と同じ、
あの血と赤い蝶が漏れ出ている光に手を突っ込み
入手したらしい。入手するのはいいが……
(初見であの光に手を突っ込んだのか……?
あの不気味な赤い光に? 何かもわからないのに?
……【彼女】と似て、自由奔放だなノア)
すると何を思ったのかノアのお絵描きが止まる。
「……あれれ? 魔法が発動しない……」
そんな事をノアは呟く、その言葉を聴き
気になった私はノアの絵を覗いて見る。
彼女がスプレーした後の絵は乱雑で、
何を考えて描いたのかわからない。
……これが芸術作品という物なのか?
監房の時に見た時の絵とは違い、幼い子が初めて
描いたような【バルーン】とはまるっきり違う絵。
シロもその絵をみてキョトンとした顔になる。
「え〜と、この絵は──
「わぁぁ!見ちゃダメ!」
私達に見えないように、ノアは必死にその絵を
体全体を使ってまで、見えないようにしていた。
そんなに隠したがるような事だろうか?
「この絵はまだ未完成なの、み……見ちゃダメ!」
あからさまに慌てた様子のノアを見て
その反応に私は一つ心当たりがあった。
(私の魔法【死に戻り】が発動しなかったように、
この死後の世界では、魔法の発動ができない?)
私の時も【死に戻り】の魔法が発動しない事に
実際かなり驚いたしノアの反応も当然か……。
「え〜とノアちゃん、ごめんね。
ノアちゃんの魔法が何かは知らないけど
私の魔法のせいで発動できないんだと思う」
「……シロちゃんの魔法で? のあ達の魔法が
使えなくなってるの? 何ていう魔法?」
ノアは描いた絵を隠しながらシロに聞き返す。
私たち二人はその絵を見ないようにしつつ
事実を返答する。
「あぁ、シロは記憶喪失の状態で何の魔法か
忘れてしまっている。名前すら忘れてしまって
いるようだったから、私が名を付けたんだ」
「へぇ~そうなんだ!……のあの魔法はねぇ
【液体操作】ができるんだ〜スプレーとか
水、液体ならなぁーんでも操作できるの」
「……【お絵描きにしか使えない】んだけどね」
後ろで描いた絵を誤魔化し始めるノア。
(【液体操作】か、かなり強力な魔法だが、
絵を描く制限があるのか……液体、蝶……?
……もしかして)
「……ノア、もしかして血液が赤い蝶に
なってしまうのは──君が?」
「そうだよ〜、みんなが血を見て怖がってたし
のあの魔法で血を赤い蝶に変えてね?
怖くないようにしてあげたんだよぉ〜〜」
「そうか……あの不気味な濃い赤色の光が
ある程度蝶になっていたのはそういうことか」
シロが見つけたとき、『濃い赤い液体が漏れ出た』
と言っていたしその時点ではノアの魔法……
【液体操作】を発動していなかったのだろう。
まだ疑問が残っているのか、
シロは私に答えて欲しそうに目線を向けてくる。
「あれ? 私の魔法のせいで皆の魔法が発動
できなくなっているなら……赤い蝶になる
魔法はどうしてこっちに影響してるの?」
「それは……確かにそうだな。考えてみようか」
その疑問に答えたのは意外にも
お絵描き跡を誤魔化し終えたノアだった。
誤魔化した絵をよそに私達を見るノア。
「んーよくわかんないけど……のあが
生きてるときに発動した魔法だからかな?」
「生きている時……か」
魔法の発動ができない死後の世界……
生きてる時に魔法を発動させておくと
その影響だけは残り続ける……か……。
それがもし正しいとしたら納得はできる。
シロは左手のひらに右手の拳をポンと置くと、
「もしそうだとしたら、図書室の枯れない桜や
花畑の虹、扉がない部屋がある理由も?」
と、これまでの発見した物を根拠に語った。
3人の発言をまとめてみよう。
「生きている時に発動した魔法の影響は
死後の世界にまで影響を及ぼす……」
シロはそれに続いて発言した。
「死後の世界で魔法の発動はできないだね」
「まあ、発動できないことに関しては、
調査を進めていれば解決するかもしれないな」
と私は注釈を入れるように、一言加えた。
「ヒロちゃんもシロちゃんも賢いね!
姉妹みたいに似てる名前だし、もしかして?」
「いや、確かに私が仮の名前をつけたが……
別に私とシロは姉妹じゃない」
「うん!私は記憶喪失だからね〜、名前を
一時的に貰っただけだよ!むしろヒロちゃんと
ノアちゃんの方が姉妹みたいに見えるけど?」
「あぁ、私が姉で、ノアが妹か」
「ノアちゃんが姉で、ヒロちゃんが妹でしょ?」
「え」「う?」「ん?」
どちらが姉か、そんな
くだらない議論が勃発しそうだった。
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無機質な時計は21時20分を示す。
私たちは医務室から監房まで移動するため
扉の近くで待機していた。
すると足音がラウンジ側から聞こえてくる。
エマが医務室のアンアンにスマホを持ってきた。
レイアから『アンアン君がスマホを忘れたから
渡してきて欲しい』と頼まれた……らしい。
ラウンジでココが配信を始めたばかりのようで
エマとアンアンは仲良くベットの上で寝転がり
配信を見るため共有しつつスマホを覗いている。
医務室に入ってきたときに扉を開けてくれたので
それに合わせる形で移動していた。
ノアの死体を一度確認しに行くつもりだ。
犯人を見つけて断罪し、弔わないと、
死んでしまったノアが報われない。
いつもノアは監房にお絵描きをしていたし、
彼女の死体は間違いなく
監房の自室だろうと当たりをつけている。
ラウンジで配信をしているレイア、ココ、
ミリアを横目に玄関ホールまで移動してきた。
歩いてる最中ノアはシロに話しかける。
「ねえねえシロちゃん、記憶喪失って
聞いたけど……何も覚えてないのかな?」
「うん、名前すら覚えてないよ。
この屋敷に見覚えがあるくらいで──」
ノアはシロの雰囲気が好ましいのか、
積極的に会話をしようとしている。
いつも絵をかいていた彼女が、だ。
(二人は相性がとても良いみたいで安心した。
話し相手が増えるのはシロにとって良い事だ)
シロとノアは楽しそうに会話をし続ける。
食堂廊下まで歩き、先程見た絵の話が挙がった。
「ノアちゃんの描いたあの絵、私は好きだな〜
絵の技法とか想いとかはよくわからないけど
なんとなく気持ちの籠ったいい絵だと思ったよ」
その言葉に何か驚くことがあったのか、ノアは
急に立ち止まり妙に恥ずかしそうな反応をする。
再度歩き始め、シロに問うような顔を見せた。
「本当? シロちゃん……?」
「うん……どうしたの? ノアちゃん」
ノアの表情は嬉しそうな顔を隠せないらしい。
「えへへ……ありがとうシロちゃん」
そして満面の笑みを浮かべ、感謝を示した。
ノアは歩を早めて、先に階段を降り始める。
その反応をシロはよくわかっていない様子で、
「えーと、どういたしまして……?」
なとど困惑気味に返答を返していた。
ノアの琴線に何か触れたのか?
それとも、単に人たらしなだけか。
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地下階段を降りるとき、ノアは話しかけてきた。
「【残滓】って不思議だね、ヒロちゃん」
「あぁ、ティーポットの記憶を見て驚いただろう?
教えられるまでは私も半信半疑だった」
あの【残滓】に初めて触れたときは本当に驚いた。
「色々な記憶見られるなんて面白いなぁ〜
まだ見てない場所とかあるんだよね?」
「もちろん。まだ探索途中だから
色々見てこの牢屋敷の謎を解明しないと」
地下監房入り口に辿り着く。
そういえばノアに聞いてなかったことがあった。
「そういえばノア、医務室の入り口閉まって
いただろう? どうして入って来れたんだ?」
「んーとね、お絵描きしてたらなんか
開いちゃった……のあにはわかんない」
「そうか、なら後で試してみてくれないか?
何かわかったら伝えてくれると助かるよ」
はーいヒロちゃん、とノアは元気よく返答した。
私達はついにノアとアンアンの監房前に辿り着く。
「シロ、もし怖かったら──」
「いや……見るよ、私は」
「ノアは平気か? 自分の死体だ、無理そうな──」
「のあも見る! 覚悟はできてるもん! 」
二人はとっくに覚悟してきたようだ。
その光景を信じたくはないが、
現実は直視しなければならない。
(目を背けていては……何も解決しないのだから)
意を決して私達は監房廊下から、
その死体を見た。
部屋の床には一面の白い塗料が塗られていて
中央にノアの死体がある。
白い塗料の上には足跡一つない。
死体は廊下方向に頭を向けた状態で
うつ伏せに倒れ、血を流し◯んでしまっていた。
「うわ、本当に……◯んじゃったんだ」
悲しそうなノアの声が耳に響く。
背中から見て心臓に大きな刺し傷が一箇所、
凶器と思われる矢は左足付近に落ちている。
この矢は真っ二つに折れてしまっているな……。
またこの矢には血液が付着していた。
「……ノアちゃん……」
顔色を悪くしたシロが呟く。
ノアの死体の胸の傷は、矢よりはるかに大きい。
胸を矢で刺したなら傷の大きさが合わないな。
よくみると、服が少し焼けたような跡がある。
「……うぅ」
死体を注意深く見ると、
床に描かれた赤い蝶の絵がある。
ノアの魔法による影響で大量の血液は
美しい赤い蝶に変わってしまったのだろう。
「っ……」
死体を見て、徐々に気持ち悪くなってくる。
だが逃げてはいけない。雑念を振り払う。
今度は死体の周辺を見てみる。
「床の部分、白い塗料が擦れているよ?
こんなの残した覚えないのになぁ……」
ノアが指を指した場所は頭付近にある痕跡だ。
近くに灰のような物が落ちていて、
体を丸ごと床に擦られたような黒い痕跡。
(何かで引っ張られたのかもしれないな)
「頭付近にもう一つ痕跡があるみたいだよ。
この引っ掻き傷みたいな、一体なんだろう?」
シロが見ているのは先程の痕跡の隣にある傷跡。
白い塗料が不自然に剥げ落ちていている。
これがアートだとしても、明らかに異物な痕跡だ。
あと気になるものを挙げていくと、
死体の右手が持つ白いスプレー、
ノアのベッドに置かれている未使用のスプレーか。
「ヒロちゃん、壁見て……」
ノアの死体に気を取られていた為、
監房の壁は見ていなかった。
シロのその一言で、私は壁に視線を向けると──
壁に……ノアが描いたであろう、
牢屋敷のメンバー13人分の絵だった。
作成途中だったのだろうか?
一部色がまだつけられていない。
メンバー13人の絵を完成させることは、
永遠にできなくなってしまった。
この絵を描ける【バルーン】は……
もうこの世にいないのだから──
ヒロの脳内メモ
→今現在の状況
ノアの死体を確認した……。
犯人を必ず断罪しなければ……。
→死亡メンバー ヒロ ノア
扉という壁に阻まれてる問題
▶︎現在解決方法を模索中。
もしかしたらノアは何か手段を?
→牢屋敷関係
娯楽室はいつも空いている
食堂の料理は期待できそうにない。
10時〜12時、15時〜17時、22時〜翌日6時、
囚人全員が監房に拘束される時間で、さらに
私たちにとっては化け物が出現する時間。
囚人達が見つかった場合は看守に追いかけられる。
▶︎捕まったら懲罰房に拘束され2日間動けない。
→シロ関係
人懐っこい中型犬のような性格。
運営側の可能性あり。
昔の牢屋敷を訪れたことがある。
人間?魔女?大魔女?まだわからない。
「死ぬ可能性が高い人物」のみ見える。
レイア、メルル、エマ
現在はこの3人を認識可能。
彼女の魔法は現在特定不可。
魔女因子の痕跡を【残滓】と発言。
この【残滓】を集めると
彼女の魔法は強化されていく……らしい。
もしシロが敵側だとすると、
敵を強化していることになるが……
純粋無垢で嘘がつけ無さそうな
彼女は本当に敵なのか?
『シロ』についてどのような印象を持ちましたか?
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無邪気、無垢な少女
-
賢い少女
-
ミステリアスな少女
-
自由奔放な少女
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その他