※この小説には魔法少女ノ魔女裁判の
重大なネタバレが含まれています!
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ボクとワタシの 編
【副題観測記録/観測ログNo.25】
フィクスマージ語 " - FineND - "
翻訳結果…… 『 終わり 』
翻訳担当者:二階堂ヒロ
──この観測記録は、
チャンネル0に沈む彼女たちの痕跡。
読者はこの記録を通して、死後の視界を
垣間見ることになるだろう──
ノア君殺害事件──
その犯人は私、蓮見レイアだ。
犯行の全容を見せよう。
まずは……動機から話そうかな。
私の母親は自由な人だった。
急に絵を描いたり、本を読んだり、
結婚したり、引っ越したり──
まあ……とにかく、
天真爛漫という言葉が似合う人だった。
そんな、精神を病む前の母親は……
【ノア君の性格と非常に似ていて】ね。
母がテレビをみていたことがあった。
あそこで一番目立てれば……もう一度……
そう思った私は、芸能人として
誰よりも目立てるように頑張った。
精神を病んだ母親にもう一度注目されたい。
一番目立たないといけない……それを目標にね。
ここに捕まった後も、その信念は変わらない。
この牢屋敷で一番目立っていたノア君は、
みんなにチヤホヤされ、慕われていて──
私より有名人の彼女は、誰よりも注目されていた。
その……ノア君に……嫉妬した。
けど……彼女に話しかけたら──
まあ芸術家で変わったところはあったけれど……
精神を病む前の母親と似た綺麗な心が見えた。
何日かノア君と行動を共にして、
交流を深めていたら……
私にある変化が訪れた。
病む前の母親に似ているノア君が
私の事を見てくれたとき……
まるで【以前の母親】が
私を見てくれている気がしてね。
魔女因子の影響だろうと、ノア君がいる限り
この殺意を我慢できると思ったんだ。
でも──ノア君はずっと壁に絵を描いていて、
私の事を見てくれない。
今日も別の人の絵を先に描いた。
私がノア君の体を洗うときも、一度も私を見ない。
今日もずっと他の人の絵を描いている……。
なぜだ? なぜ、私を描いてくれないんだ?
なんで私を見てくれないんだ?
どうして他の人の絵を先に描くんだ?
なぜ、ナゼ、何故────
気づいた時には──ノア君を……
この手で……殺してしまっていた。
結局、私は……殺人衝動に耐えられなかった。
【演者】の暴走はそこから始まる。
殺意に囚われた私はぼやけた思考で、
──ロープ、火かき棒、矢、包帯……
いろんな道具を持っていた。
元々みんなから凶器を遠ざけるために焼却炉に
持って行っては処分していた道具たちだ。
湖で拾ったリボン……これは誰かのだと思って
届けに行く予定、【偶然】拾ったものだった。
焼却炉から持ち出した道具とリボン、
そして医務室の包帯を組み合わせて、
【即席の槍】のような物を作成し……
そして……ノア君の……、
彼女の心臓目掛けて、刺そうと腕を伸ばす。
けど──刺そうとした瞬間、
リボンが解けてしまったみたいだ。
矢は心臓を掠めて端を刺しただけ。
中途半端な位置に刺したからか、
その矢は真っ二つに折れてしまった。
そのとき、ノア君はまだ、
死んでいなかったよ。
ノア君は前のめりになって
必死に矢を抜き、犯人の顔を見ようと
こちらへ向こうとした。
私は【母親】に……ノア君に犯行を見られる恐怖を
覚え、咄嗟に魔法を使って顔を下に──
【視線誘導】で視線を固定した。
どうしても見られたくなかったからね。
用意していたロープを火かき棒に繋いで
【銛のような物】を投げた。
私は『偶然』、【銛のような物】を
真っ直ぐ飛ばすことができた。
それでノア君の心臓に刺さったんだ。
そのとき、【演者】は加害者になった。
引き抜く際にロープがぶれてしまって、
少し塗料を削ってしまったみたいだ。
ロープにも白い塗料が付いたようだね。
死にゆく最後のノア君の言葉で、
私はとんでもない過ちをした事を知る。
ノア君は死ぬ直前……一言呟いたんだ、
『レイアちゃん……』と。
その言葉を聞いて、私は気づいた。
壁に書かれた皆の絵。
最後に完成させようと必死に描いていた、
その人物の絵を。
ノア君が最後に描いたのは──私だった。
皆の絵を完成させると言っていたノア君。
最後は私のかっこいい絵を完成させる為に、
死ぬ直前まで描いていたのに……私は。
最後まで私を見ていてくれた【母親】を、
【ノア君】を、殺した──。
この手で……私は……殺したんだ。
その後の私は……全ての行動が操り人形のように、
半ば自動的に動いていた。
まるで生き残ろうと醜く、足掻くように。
食堂の時計を15分進めたのは私だ。
ノア君とサシで話したいことがあったからね。
まあ、結果的には……
犯行時刻の偽装に使ってしまったけど。
食堂にいつもの時間に到着して元の時間に戻す。
立派な犯行時刻の偽装の完成だ。
【見せかけの演者】に丁度いいトリックだったよ。
バケツに捨ててあったハンカチで、
塗料が付着した火かき棒とロープを拭いたのも私。
泥がついてるなんて思ってなかったから、
凶器の方に付着しちゃったみたいだね。
携帯できない上、隠せない火かき棒とロープは
監房入り口のバケツに入れて置いた。
じゃないと、他の人達には犯行が
不可能という結論になってしまうからね。
まさか、レイピアの方にも
白い塗料がついているとはね……、
配信の最中に気づいたんだ。
私のレイピアでスマホスタンドを
少し倒して、私の魔法と会話で
さりげなくココ君、ミリア君の視線をずらす。
その隙に、レイピアは拭いたけど……
刺したリンゴを処理するのは見落としていた。
気づいた時には、既に塗料がついたリンゴは
ミリア君が美味しく食べ終えていたよ。
彼女が体調不良になってしまった原因だね。
申し訳ないよ……ミリア君。
アリバイ作りの為に配信に参加して、
帰りはココ君、ミリア君、メルル君と
一緒に帰った。
この時、発見を遅らせる為に
死体は見られないようにした。
【視線誘導】……魔法を使いながら、
私の会話で違和感をなくしたんだ。
そして翌日の調査時間。
証拠を隠滅する為に、ハンカチと包帯、
リボンはポケットの中に入れて──
次の日が偶然、月曜日なのを利用し、
シャワールームのダストシュートに
調査目的と言って近づき、証拠を隠滅した。
まあ勘違いで日曜日だったようだから……
結構意味がなかったようだけど。
あぁ、それとリボンがナノカ君の物だった
事を思い出してね……大切な道具かもと
思って、ダストシュートで燃やすのはやめた。
見つけやすい湖に捨てたんだ。
流石に塗料は水で落としてからね。
運がいいのか悪いのか……
アリサ君がすぐ見つけてくれた。
ありがとうアリサ君。
私にとって【最悪な偶然】は続く。
事件と関係のない焼却炉に向かう人がいる
なんて思わなかったから、仕方なくハンナ君を
レイピアの柄で気絶させた。
焼却炉室の入り口をドラム缶で扉を固定
些細な時間稼ぎをした。
どうせバレる犯行だろうなと思っていたからね。
シャワールームのダストシュートは元々
封鎖していたから、彼女は動けないだろうと
思って──ネジを深めに閉めて置いたんだ。
経年劣化でフタは開けづらかったようだし、
違和感はないだろうと思ってたんだよ。
まさか普段からダストシュートを使う人がいる
なんて知らなかったからね。
二階の扉のない部屋にダストシュートが
繋がってるなんて知らなかった。
しかもロープが繋がれているなんてね……
ハンナ君に、焼却したはずの証拠品
【ハンカチ】と【包帯】を
持ってこられてしまうなんてね……
こんな偶然が同時に発生したんだ……。
どうやら罪から逃げるな、償えと──
『母親』は言っているんだろうね。
以上が、ノア君殺人事件の全貌だ。
私……蓮見レイアの最後の表舞台。
最後まで……私の言葉を静かに聴いてくれて
ありがとう……皆。
犯行の舞台は、これで閉幕だ。
カーテンコールは……やめておこう。
こんな醜い私の姿……誰にも見せたくないからね。
───────────────────────
蓮見レイアが
城ヶ崎ノアを殺した犯人だった──。
その事実を暴いた筈の皆の表情は
何かを堪えるようにしている。
皆、スマホを取り出す。
【魔女】を選出する投票は静かに行われ、
エマ以外の全員は
【蓮見レイア】と押したようだ。
そしてスマホをポケットにしまい
最後にエマがスマホを取り出した……
エマは押すことができないようだ。
指先は静かに震え、
処刑執行ボタンを押すのを躊躇している。
誰も口を出すことができない。
エマの様子を見たレイアは口を開いた。
「……言いたいことは……もうないよ。
エマ君のボタンを待つ必要もないし、
早く処刑してくれないかな、ゴクチョー」
全てを諦めたようなその沈んだ声は、
『役者らしくない声』だった。
「え? あ、はい、それで──」
「ま、待ってよ!」
そんなゴクチョーの声を遮るエマの声。
「レイアちゃん。 どうして自分が
不利になるような証言をしたの……?」
その一言を聞いたレイアは
苦しそうな表情を浮かべる。
エマのその一言に思うところがあったのだろう
シェリーも続けて発言した。
「そうですよ、レイアさん!
あなたが犯人なら検死結果を言う
メリットがありません!」
「アリバイを正直に言う必要も、
魔法の正誤を言う必要もありません」
納得がいかないシェリーは質問を続ける。
「全部あなたが答え合わせをしたから
私たちは特定できただけなんです」
「どうして……そんなことをしたんですか?」
「…………」
返事はなかった。
「おい! 黙ってたら何もわかんねーだろうが!」
レイアの態度にムカついたのだろう、
アリサは声を張り上げる。
「処刑されたら二度と話せねーんだ!」
「最後くらい……話せよ!」
「ウチらに……全部……話せよ……」
アリサの何かを堪える言葉に、
レイアは静かに反応し、
「…………処刑されたかったんだ」
ボソッと零す声は震えていた。
レイアは続けて犯行前の会話を語り出す。
───────────────────────
「ノア君……昼飯を持ってきたよ」
「ありがとう~レイアちゃん♪」
「そこに置いといて~、あとで食べる~」
「……」
「ふぅふふぅふ~ん」
「……完成しそうかい?」
「うん! あと二人分描いたら完成なんだ〜」
「あとはヒロ……なんでもない!」
「…………」
「ノア君、その…………
お絵描きは一旦中止して、私と一緒に──」
「ごめんね〜
もう少しで完成しそうなの」
「明日まで待ってて~
どうしても皆を喜ばせたいんだぁ~」
「………………そうか」
彼女を刺す前の昼の会話、最後の言葉。
あのとき……
もう一度、彼女と会話していたら……。
───────────────────────
「あのとき、私が……ノア君ともっと
意思疎通していたら……こんなことには……」
いくら後悔したところで──
殺人を犯してしまった事実は消えない。
静観していたアンアンが口を開く。
「 ノアは、わがはいに蝶の絵をくれた」
『 お守り……皆が無事に過ごせるようにって』
「 13人のラフスケッチも……
わがはいにだけ……くれた」
スケッチブックを静かに開き、
その絵を皆に見せてくる。
「赤い色が苦手だと勘違いはしていたが……」
「わがはいのことを気にかけて
赤色が蝶になる魔法をかけてくれた」
「流れる血を、皆が怖くないようにって……」
「もう……ノアに、会えないのか……」
アンアンの頬に雫が垂れた。
掠れる声、震えるスケッチブックを持つ手。
その声は枯れている。
それでも伝えたかったのだろう。
ノアの絵の真実を。
「 蝶には──不死って意味があるのよ」
マーゴがアンアンを見つめ、ポツリと言う。
「彼女は……私達全員に伝えたかった」
「皆が死なないように…………と」
その言葉が私に突き刺さる。
真っ先に◯された私のように◯んで
欲しくなかったのだろう。
生きている皆はそのスケッチブックを見て、
目を逸らす者、涙を拭う者、
苦々しい顔をする者に分かれていた。
「ノア君は……最後に……
私を、描こうとしていた……」
「それを、裏切った……私は……」
静かに涙を流し、絶望した顔を見せるレイア。
「処刑されるべき……【加害者】なんだ……」
目線は宙を舞い、自暴自棄の患者のような顔。
青ざめ、二度と戻らない『母親』に謝るように。
空を…………見ていた。
その言葉を聞いた他の皆は、
……誰も口を挟めな──
「……お話終わりました?
時間も押してますし、
処刑の進行を進めたいんですが……」
空気の読めないゴクチョーが口を挟んできた。
「押してないのはエマさんだけ」
「そのスマホにボタンが表示されていますね?」
「それを押すと処刑執行スタートになります」
「早く、長押ししていただけますと……
誤作動を防ぐために長押しなんですよねぇ」
囚人にわざわざ処刑ボタンを押させるなど……
この牢屋敷はとことん私達を追い詰める
よう設計されているな……悪趣味め。
蓮見レイアが城ヶ崎ノアを殺した犯人……
…………私はまだ【認めない】。
この事件の……城ケ崎ノアの
後頭部を殴った人物が判明していない。
それに現場の状況にまだ矛盾が残っている!
「蓮見レイア……どうして君は……」
死んでしまっているからだろう、
私の声は【向こうに届かない】。
「犯人じゃない可能性が残っているのに!」
どうしようもない無力感が私を襲う。
あの場に私がいれたら……
結末は違ったかもしれない。
だが私の手は届かない。
その無力感に圧倒されていた。
手を強く握りしめ手すりを叩いても血は出ない。
伝える手段を持たない私たちに……
できることは……何一つなかった。
「ヒロちゃん……」
肩に触れ、慰めるように体に手を回し、
私を背後から包んでくるシロ。
そして隣のノアも
私とシロを囲むように重なってきた。
私は、静かに口を開く。
「私達は見守ることしかできない」
「けど……最後まで、見届けよう」
「レイアの【最後の舞台】なんだから」
処刑ボタン 処刑0%
───────────────────────
───────────────────────
処刑ボタン 処刑20%
───────────────────────
───────────────────────
処刑ボタン 処刑40%
───────────────────────
───────────────────────
処刑ボタン 処刑60%
───────────────────────
───────────────────────
処刑ボタン 処刑80%
───────────────────────
───────────────────────
処刑100% ✓
───────────────────────
「……ではこれより、
魔女の処刑を執行します」
ゴクチョーの宣言と共に
中央の台座、機械仕掛けが作動する。
歯車が回転する音が裁判所に響く。
多少の揺れがあるみたいだ。
隣のシロは体が軽いせいか
体ごと持っていかれそうになっている。
揺れが多少収まり、少女たちの注目は
中央への台座に集中していた。
床が開きその場にあった台座は消え、
別の台座と入れ替わった。
その現れた台座の上には……
大がかりな処刑台が用意されていた。
(これが……彼女に対する処刑台か……)
現れたのは天使像。
過去にも使われた形跡でもあるのか、
血の匂いがする西洋風の処刑台。
処刑台とは思えない柔らかな表情をした天使像。
囚人を殺すための処刑台に本来なら
使わないデザインをしている。
ここの家主の趣味か……?
慈愛と平和の象徴を処刑台に描くなんて……。
「処刑台に天使? ハッ、悪趣味だな」
「えぇ……そうね……」
あの天使像でどう処刑するのか……
何となく、嫌な予感がする。
注目されないことが禁忌の彼女が
辛い処刑と言ったら……。
ゴクチョーがその像を開けると……
内側に無数の針がびっしりと敷き詰められた、
通称……アイアンメイデン。
天使像の内側とは思えない禍々しい内部。
静観していた他の少女たちの息をのむ音。
レイアの様子をちらりと見る。
先程の表情よりさらに震えていた。
手足は震え、顔は引きつっている。
それでも覚悟を決めた彼女は手で震える体を
支えつつ、ゆっくりと歩む。
その表情は涙を流し、
自身の罪を償う覚悟を決めた顔だった。
「レイアちゃん……」
「…………」
天使像に伸ばしたレイアの手が止まる。
「本当に君が犯人なの……?」
「……優しいんだね、【探偵さん】」
決して振り返らずに口だけを動かすレイア。
「私は……母親を殺した、断罪される存在」
「処刑されるべき……【魔女】なんだよ」
「当然の報いさ……」
そう言ってレイアは小さく微笑んだ。
ポケットからスマホを取り出しエマに投げた。
「うわ……」
落としそうになるも、
何とかスマホを受け取るエマ。
「あとで
見ておいてくれ……【エマ君】」
「君だけは……
最後まで私を信じようとしてくれた」
「それの報酬……さ」
アイアンメイデンの中に入っていく小さな姿。
最後の舞台にふさわしい美しさを見せた
残酷なすれ違いの舞台の終幕。
「皆……さようなら」
その言葉だけを裁判所に残して──
ゆっくりと天使像は閉まっていく。
「また……ね……」
ついに天使像は閉められた。
強烈な悲鳴が耳を鳴らす。
彼女は……“なれはて”にはならなかったのだろう。
一度の悲鳴だけで……もう何も聞こえない。
天使像の下から、血液がこぼれ
台座を赤色に染め上げる。
まだノアの魔法が残っているようで、
赤は美しい蝶となり裁判所を飛び回る。
アイアンメイデンが再び動く様子もなかった。
「“なれはて”にはなりませんでしたか……」
「まぁ、いいでしょう」
裁判所に残されたアイアンメイデンから
どす黒い紅い液体が外へと集まり……
液体の中から眠っている蓮見レイアが現れる。
このままだと台座ごとレイアは
下へと持ってかれてしまう。
私とノアは急いでレイアに近づき、
その台座から必死に降ろそうと運ぶ。
「また殺人事件が起こり次第
魔女裁判を開きます」
「それまで、慎ましく
生活しててくださいね」
「これにて、閉廷です。
お疲れさまでした」
ゴクチョーはそう言って飛び去って行った。
機械の作動する音が下から聞こえてくる。
また台座を動かしているのだろう。
天使像は地下へと片付けられていった。
床も閉じられ、中央の台座は元に戻る。
もう……裁判所には何もない。
全てが終わったのかと錯覚するように──
『舞台は消えた』
───────────────────────
裁判所内は静まり返っていた。
天使像があった場所を皆は見つめ続けて──。
やがて一人、また一人と
裁判所を後にする少女たち。
「ハンナさん、エマさん、
メルルさん……行きましょう」
「……そうですわ……ね」
「……うん」
あの4人も裁判所から去っていった。
残ったのはナノカだ。
「私は……黒幕を……」
「絶対に……倒してみせる……」
両手を握りしめ、
ぽつりとつぶやいた一言は『決意の表れ』だった。
───────────────────────
眠っているレイアを応接間に運んだあと、
私はノアの部屋を訪れていた。
まだ証拠が現場に残っていると信じて来たが……
すでに片付けられていたか……。
看守が片付けを命じられたのだろう。
ここにはもう何も残っていない。
帰ろうとした矢先、
ふと、壁の絵が気になって振り返る。
壁に描かれた私を含める12人の絵と……
最後に描こうとした……書きかけの似顔絵。
最後までノアは描こうとしていたのだろう。
悲劇なすれ違いが生んだ事件だった。
そしてこの未使用のスプレー。
結局、このスプレーは何だったのだろう。
どうしても気になっていた。
私はベットへと近づく。
生きていたノアが寝ていたベットの上
スプレーの裏側を覗いてみると──
そこに書いてあったのは……
『亜麻色のスプレー』という表記だった。
【第一章】舞台は踊る
─ 幕が上がる、舞台の始まり ─ 完。
───────────────────────
【第二章】活躍の代償
── 死者への儀式、赤い蝶 ──
《上演までしばらくお待ちください………》
ノアくぅぅぅぅんんん!
わぁぁぁ!?
なんだ……こいつ……。
じゃあ……この儀式をやれば!
えぇ、死んだ人と会話できるかもしれないの。
大魔女のことを……
知っている人物がいるかもしれない。
私の名前はシロ! よろしくね? レイアちゃん
あぁ! よろしく頼むよシロ君!
───────────────────────
乞うご期待ください。
あと、感想やら評価を入れていただけると……
作者のモチベーションが上がります。
進捗は活動報告をご覧下さい。
あと、二章が始まるまでの間、時間がかかるので
ギャグよりの新作を出します。
その名は……【マジョーシア】。