※この小説には魔法少女ノ魔女裁判の
重大なネタバレが含まれています!
クリアしてない方はクリア後推奨!
ネタバレ嫌な方はブラウザバック!
ここから独自解釈が徐々に増えていきます。
また区切りが良い為、前三つの話より文字数が
若干少ないんですが、ご了承ください。
【副題観測記録/観測ログNo.4】
フィクスマージ語 " - Sikes~more - "
翻訳結果…… 『 大好き 』
──この観測記録は、
チャンネル0に沈む彼女たちの痕跡。
読者はこの記録を通して、死後の視界を
垣間見ることになるだろう──
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そう今までの、シロとの会話から
私は一つの答えを導き出せた。
シロの目はひょっとすると……
顔を認識できていない
盲目
▶︎見え方が私と違う
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ステンドグラスが割れるような音が響いた。
もしかしてこの音、正しい時に鳴るのか?
「シロ、まだ何か隠しているね?」
ビクッと彼女は驚きこちらを一度凝視する。
さらに目は明後日の方向へと泳いでいた。
「な、何のこと〜?」
「とぼけても無駄だよ」
私は腕を組み彼女を見据えた。
そして左手の手のひらを見せる。
「もしかして君の目は、見えている人と
見えていない人がいるんじゃないか?」
「な、何を根拠に言ってるのかな〜」
そう言って彼女は少し下を向く。
いつもの笑顔はなくなり顔は焦り始め
『何か』をバレないようにしていた。
隠し方が上手くない、【素直】なんだろう。
私は左手の人差し指、中指、薬指を上げる。
「根拠は三つほど……ある。」
「み、みっつも?」
彼女はこちらの指を見た。
私は一度指をたたみ、
人差し指だけを上へと上げなおす。
「1つ目は、看守が走り去ったと言ったことだ」
「それが……どうかしたの?」
「アリサは施錠される時間ギリギリに
監房をぬけだした後、看守に見つかり
食堂から逃亡した。間違いないね?」
「う、うん。その通りだよ」
(……やはり誤魔化しているな)
「それならシロ、君なら
『アリサが逃げ出した』……と
本来なら言うんじゃないかな?」
「……」
彼女は唇を紡いでいる。
「それに、監房廊下から階段へ行くとき
アリサを見ていたわけじゃなかった。
階段の方を見ていたよね」
「……」
「アリサの事を見えてない可能性がある。
音だけを聞いて
私の言動に合わせたんじゃないか?」
続けて中指を上へと上げた指は2本になる。
「2つ目は、監房に来た人数の発言だよ」
「……ょ4人ずつ来てたよ?
それの何かおかしいの?」
「確かに4人ずつ来ていたね。だが、
足音だけでも人数はわかる」
「実はレイア、ノア、メルル、エマの4人の
事しか見えてなかったんじゃないか?」
「……ぅ」
右手で人差し指をシロの頬にさす。
「特に2番目に来た4人の事を君は……
誰一人として見えていなかった可能性がある。
あえて言及を避けていたように見えた」
「……ぅぅ」
最後に薬指を上にあげて、
私の上げた指は3本になる。
「最後の根拠としては【残滓】かな」
「……」
「さっきあげた【4人】に残滓が『付着していた』
……と発言したね」
「う…うん……」
「君の見える人の条件……
【4人】だけが見えていた理由……
考えられる可能性は【魔女】関係かな」
「……ぅぅぅ」
「3つの根拠から導き出せる答え、それは……」
(あっているはずだ……。けど、それが
もし『正しい』としたら……その4人は)
頭を巡る嫌な予感。間違いなく正しい。
それでも間違っていて欲しいと。
(魔女になる可能性が高い人物……になる)
「 【残滓】が多い人物。 もしくは、
魔女因子の進行が早い人じゃないか?
私の推理はあっているか?」
(3つの根拠が正しければ……)
「──ヒロちゃん、本当に賢いね……。
本当は言いたくなかったけど…正直に言うよ」
どうやらその嫌な予感は【正しい】らしい。
間違ってて欲しかった。
シロは悲しそうにポツリと言う。
「私の目はね、【残滓】が多い人
しか見えてないの、つまり見えている人は
これから死んじゃう可能性が高い人」
そう言って…彼女は寂しそうな顔を覗かせた。
【死に近い人物】しかシロの目には映らない。
そこで私は思い出した
死ぬ前に聴いたゴクチョーの言葉。
ゴクチョーは魔女になる因子──つまり
【魔女因子】を私達全員持っていると言った。
【魔女】はこの国にとって災厄をもたらすと。
エマや皆は……遅かれ早かれ皆【魔女】に
なって最終的にあの看守のような──
『なれはて』になる運命だと。
レイア、ノア、メルル、エマの4人は
此処に連れてこられたばかりなのに、すでに
魔女因子の進行が始まっている……と。
【魔女】になる可能性が高いと
シロの目は嫌でも理解できてしまう。
それを私にはバレたくなかった。
(バレてしまわないよう、知り合いのエマが
死ぬ可能性が高い事を黙っておきたかった)
「黙っていて、ごめんなさい……」
シロは怒られた後の犬のように
俯き、落ち込んでしまった。
尻尾があったら下がってしまっているだろう。
(私のことを考えて黙っていた……
そうだとすると流石に責められない)
俯いている彼女を慰めるように、
私は彼女の頭に手をポンと置いて撫でる。
「……大丈夫だシロ、君は優しい子だ。
私のことを考えて黙ってくれていた……
そうなんだろう?」
「……! うん」
さらに頭を撫でてやる。
「人の気持ちを考えられる君はとてもいい子だ。
その人を思いやれる心は大切にしていくといい、
君は……成長できる」
「……ヒロちゃんありがとう!!」
俯いていたのをやめ、彼女は抱きついてきた。
今は……しばらくこのままでいよう。
私達は厨房の部屋の中で過ごすことにした。
胸の奥が少し暖かくなった気がする──
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ある程度の時間が過ぎ
私達は厨房から食堂に戻ってきていた。
ここは調べ尽くした為
私達は食堂廊下まで移動する。
するとシロは私の腕を少し引っ張った。
「ヒロちゃん……ラウンジで聴いた
ゴクチョーの『救済』の話覚えてる?」
ゴクチョーの話か、確かに覚えているな。
「あぁ覚えてるよ。確か『救済がなくもない』
とか『大魔女さえ見つかれば』と言っていた」
「そうそう、その話!」
彼女は頭より上に腕ごと手を持ち上げ、
人差し指を上げた。
「私たちが大魔女を探し当てて
それを生きた人に伝える手段があれば、
救済があるってことだよね〜?」
と顔を上向け、凛とした態度をとる。
「なら! まだ生きてる子達の為にも、
私たちで見つけよう! 【大魔女】!」
そう高らかに宣言したシロ。
それに対して私は冷静に返答する。
「探したい気持ちはわかるよ。
【大魔女】さえ見つかれば、私達が
救済される可能性は大いにあるだろう」
その宣言に対して私はそう上手くいかない
だろうなとは思いつつも、賛成はした。
最終目標としてそこに辿り着かないと
いけないのだろうと私もわかっている。
「だが、現状探す心当たりがない上
伝える方法とやらも確立されてない」
「この牢屋敷の規則と私達の状況、
君の魔法の謎も残ったままだ」
口うるさいかもしれないが……
大切なことだ、伝えておかないと。
「知らないことが多いし、今私たちに出来る
【残滓】を集める情報収集を先にやろう」
はぁ〜い、と間延びした声をあげ
私達は食堂廊下から他の場所の探索を
するために移動し始める。
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玄関ホールとラウンジを通り抜け
中庭側の廊下へと私達は移動した。
医務室への扉は閉まったまま……か。
(看守から逃げていったアリサは
こちら側には逃げてないのだろうな)
中庭の扉はなぜか開けられている為
私達は足を踏み入れた。
四方を壁に囲まれている中庭は
緑豊かな庭園で私達を包んでくる。
(随分と風通しがいい場所だな)
自然の香りがよく心が落ち着く空間だ。
上を見上げると2階のベランダと空が見えた。
吹き抜けとなっているのだろう。
2階の各所のベランダが張り出している。
(換気の為に開けられているのか)
「ヒロちゃんヒロちゃん!
ここは落ち着ける良い空間だね〜」
「あぁ、そうだな。
ここなら休憩に最適かもしれない。
空気がいいし、休めるな」
そんな雑談をしていると、視界の端に
光輝いた【残滓】があるのを発見した。
誰かが摘んだのだろうか、
一部のハーブがなくなっていて
そこに【残滓】がふよふよと浮いている。
「シロ!【残滓】が見つかった。」
「あ! ありがとうヒロちゃん!
じゃあ、一緒に触れよう〜」
と、急いでこちらに近寄り
照れくさそうに手を握ってきた。
私はシロと一緒に【残滓】に触れ────
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「ーーーーーーーーーーー」
「こっちのハーブは……
紅茶にできそうですね〜」
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この記憶は……服装からしてメルルか。
彼女はここのハーブをあらかじめ
採取していたのだろう。
もう一人はよく見えなかったが……?
……ん? 採取できる時間なんて──
「メルルちゃんだね!今の記憶!」
とシロに話しかけられ、思考を中断する。
「あぁそうだね、メルルだろうな。
あの間延びした話し方は」
「そうだよね〜あの子の話し方、
高音の声で、何となく癖になるよね〜」
「……そうか?」
普通の声にしか聞こえなかったが……
まあ、私の場合はメルルと話した時間が
ほぼない様なものだから仕方ない。
他にも【残滓】がないか周囲を
見渡したが、やはり無さそうだ。
「ここにはもうないな。移動しよう」
「そうだね〜」
と、シロはウキウキした足取りで歩く。
私達は中庭を後にする。
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今度こそ開いてるかもしれないと
立ち寄ったが医務室は扉が開いていない。
ついでにシャワールームも開いていなかった。
(やはり扉を突破できないのは不便だな。
どうにかして突破できる方法はないか?)
と考えながらラウンジに戻ると、
そこには光っているいつもの【残滓】と……
いつものラウンジとは何かが違う風景で、
赤い液体で地面が満たされた部屋があった。
それはまるで黒いペンキで
全身を覆われたように、塗りつぶされている
頭がない胴体だけの【何か】が立っていた──
誰かを待っていたかのように──
触れてはいけない【化け物】は暖炉の前で──
私達が来るのを待っていた。
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????
「 一 体 、 誰 が 死 ん だ 後 は
安 全 だ と 言 い ま し た か ?」
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ヒロの脳内メモ
→今現在の状況
謎の少女シロと行動中。
シロの目に関して判明。
食堂、監房、ラウンジ、中庭など
ある程度は探索できた。
まだまだわからないことが多い。
シロも私も扉を通り抜けられない。
幽霊の状態になってるのにも関わらず
扉という壁に阻まれてしまう。
▶︎現在解決方法を模索中。
→牢屋敷関係
どうやらある程度の規則があるようだ。
一定の時間に施錠がされる。
娯楽室は開いたままな為、いつでも入れる。
食堂の料理は期待できそうにない。
15時〜?時 に一旦施錠されるのを監房にて確認。
▶︎これを破ると看守に追いかけられる。
捕まったらどこかに拘束される可能性あり。
→シロ関係
純粋な性格。
「かなり」人懐っこく犬に見えてくる。
ただ運営側の可能性あり。
昔の牢屋敷を訪れたことがある。
彼女の魔法はまだ特定できない。
魔女因子の痕跡を【残滓】と発言。
この【残滓】を集めると
彼女の魔法は強化されていく……らしい。
彼女の目は「死ぬ可能性が高い人物」
のみを見ることができる。
「レイア、ノア、メルル、エマ」
現在はこの4人を認識している。
もしシロが敵側だとすると
敵を強化していることになるが、
今は利用させてもらうことにしよう。