魔法少女ノ魔女裁判 ─君の為に〇ぬ時─   作:プッチーノ

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 ※この小説には魔法少女ノ魔女裁判の
  重大なネタバレが含まれています!
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 休息時間中のヒロによる考察及び
 シロとのコミュニケーション回。

 【副題観測記録/観測ログNo.8】
  フィクスマージ語 " 0 "
  翻訳結果…… 『 0 』

 ──この観測記録は、
 チャンネル0に沈む彼女たちの痕跡。
 読者はこの記録を通して、死後の視界を
 垣間見ることになるだろう──


ヒロ考察 その1

 

-------------------

 

ラウンジでの戦い……が終わった後、

牢屋敷の2日目が終了し、3日目早朝の5時半。

 

あの化け物を倒した後私とシロの二人は

肉体的にも精神的にも疲労感があった為、

娯楽室で一度休息時間を入れることにした。

 

誰かを◯す事は心に負担がのしかかる。

 

相手がどんなに醜いバケモノだったとはいえ

私がこの手で◯害した事には変わらない。

 

手に残るあのベタベタした感触……いくら付着した

液体が全て赤い蝶になって消えたが

まだ体に残っている気がして……気持ち悪い。

 

その事実から少しでも目を逸らしたい。

心への負担を減らす為の休憩を取りたいと

比較的安全そうな娯楽室を選択した。

 

施錠されない上、ビリヤード台など

一時的に隠れる物体が豊富だったことや

また逃走経路にも優れた場所だったからだ。

 

ラウンジで見た巡回するタイプの化け物も

もしかしたら今後現れる可能性を考えて見張りを

交代しながら深夜帯は休憩する事にした。

 

今は見張りの交代をして私は休憩中だ。

一日かけて色々調べまわった中で、

私なりにわかった事をまとめてみよう。

 

▶︎規則やバケモノの時間の法則◀︎

 

10時〜12時、15時〜17時、22時〜翌日6時、

この時間帯は看守が牢屋敷の管理チェックの

為か囚人全員が監房に拘束される時間……。

 

どうやらバケモノ達が現れる時間と同じで

この時間帯に必ず出現するらしい。

 

図書室、ラウンジ、厨房、懲罰房それぞれ部屋の

地面が赤い液体で満たされた時間帯があって

別の化け物がいたのを目視で確認した。

 

図書室は口の大きい本、ラウンジは分裂した体

厨房は肉塊のような気持ち悪い何かがいて

懲罰房は鉄の棒が刺さった誰かの体だった。

 

(正直、あのラウンジのバケモノだけで終わりなら

 どれだけ良かったことか……)

 

あの液体が部屋の地面に満たされている時は、

部屋内にバケモノがいる事は確認済み。

時間が過ぎれば部屋は元に戻ることもわかった。

 

つまり囚人達の自由時間の間なら

動き回っても大丈夫ということだ。

理不尽に◯されそうな時間が減ったのは大きい。

 

それを確認した途端、私の体の緊張が少し抜ける。

敵が出てくるか心配する必要のない時間帯が

生まれたからだろう。

 

まあ、シロは私とずっと共に行動したいようで

単独行動を好まない。私がいない時に◯される事は

ほとんどないだろう……二人でいる限りは。

 

▶︎シロの魔法に関しての考察◀︎

 

確認できた彼女の魔法の現象は複数ある。

 

一つ目は

『誰かが死んだ瞬間に少し時を戻す

もしくはやり直しをするような現象』

 

二つ目は

残滓付着物のナイフや時計に干渉する現象』

 

三つ目は

死に戻りの魔法発動を阻害もしくは阻止

又は優先順位を後にするような現象』

 

四つ目は

『彼女自身の体重を軽くするような現象

 

この現象を全て発生させられる魔法だとして、

一つの魔法だと仮定したら、概念か?

概念系統なら……少し候補が多いな……。

 

(だが、そうだとすると強力すぎる魔法になる。

 そんな強力な魔法を手に入れられるのか?)

 

他の可能性は今の所は思いつかない……。

だめだ、この方向からでは思考が止まってしまう。

 

(思考が詰まるときは、別角度から考えてみよう。

 今度は逆にできなかった事を羅列してみるか)

 

一つ目は

『シロは【時を戻すような魔法】を発動した際、

その記憶を保持できていなかった

 

二つ目は

『残滓が付着していないと物体に干渉できない

 

三つ目は

『彼女自身にバケモノを倒す魔法はない

 

こう考えるとまた違う魔法が候補に上がる。

 

記憶を代償とする時間系統の魔法?

制限が強いタイプのサイコキネシス?

だがこのパターンも先程と同じで強力すぎる。

 

様々な魔法を想定したが、どれかの条件に

必ず矛盾が生まれてしまう……。

 

条件を確認していくと、ある仮説を思いつく。

 

(彼女の魔法が複数ある可能性か)

 

固有の魔法は人間一人につき、一つ……のはず。

それなのに彼女の魔法は適用範囲が余りに広い、

とても一つの魔法では適用できそうにない魔法だ。

 

さらにもう一つの可能性を思いつく。

この屋敷を昔知っていた記憶の情報を考えると、

当然、【人間じゃない】可能性だ。

 

【人間じゃない】とすると、【魔女】

もしくは【大魔女】か、その根拠は……

今のところ記憶だけか……情報が足りないか……?

 

考えれば考える程ドツボにハマっていくような

そんな感覚だ。まるで底なし沼のように……。

 

(私一人だけだと流石に限界がある。

 意見を言ってくれる人がシロ以外にもいれば)

 

そう考えていたら、入口の方から足音が聞こえた。

娯楽室に小走りで入ってくるシロの足音だった。

嬉しそうな顔をして私に話しかけてくる。

 

「ヒロちゃん朝6時だよ? あのバケモノさんが

 み〜んな、お休みの時間だよ〜出てこないよ〜」

 

「あぁ、もうそんな時間か見張りありがとう」

 

思考を一旦止めて、気分転換をしよう。

 

朝の時間帯は囚人達は食堂に行く為、

なかなか娯楽室には来ない。

 

その為、私達は訓練も兼ねたある遊びをしている。

 

実は私にも残滓操作ができる事が判明した。

 

そもそも残滓に触れられるんだから

私も操作できないかすぐ確認すべきだったな。

 

まあ、その事は気づいたからいいとして

過去の囚人達がビリヤードで遊んでいたのか、

ビリヤードの球全体に【残滓】が残っている。

 

手玉を含む1から9全ての球に残滓が付着

しているのをシロが発見して以来、時間がある時は

二人で残滓の操作向上を兼ねた遊びをしている。

 

私自身もあのバケモノでストレスが割と

蓄積されてしまっていたし、

ストレス発散するのに丁度良かったんだ。

 

……決して遊びたかったわけじゃない。

 

こうやって遊べる時間を取る事自体、

シロとの円滑なコミュニケーションになるし

残滓の操作に慣れる為だ………………

 

 

 

……遊びたいわけじゃない……いいな?

 

「また、私の勝ちだなシロ」

 

「ええぇ〜!またぁ負けた!手加減してよぉ〜」

 

「いやいや、手加減は【正しくない】。

 全力で相手を倒さないなら、相手に敬意がない」

 

「むぅ〜!わかった!私も本気出す!」

 

また、私が勝つに決まってるが……

付き合ってあげようじゃないか。

 

そう言って私とシロは囚人達の誰かが来るまで

残滓操作ビリヤードをして遊んだ。

 

結果としては数回プレイした内、1回負けた。

シロ……意外と飲み込みが早いな!

本気で教えたら、もしかして……勝てなくなるか?

 

-------------------

 

玄関ホールの時計から13時の鐘が響く。

私達は図書室の分厚い本を確認しに来た。

 

マーゴが触っていた分厚い豪華な本の中身を

私達は確認できていない……重要な事だと思い

同じ2階の娯楽室から移動してきたところだ。

 

豪華な本には【残滓】がくっついている為、

私達にもめくって読む事ができる。

 

相変わらず文字は読めない為、

挿絵が多いところを探して開いてみると……

 

その本の中には13人の魔女が描かれている。

 

中央の偉そうな魔女を中心として手を繋いで

囲む儀式の図解、不思議な挿絵が描かれていた。

 

まるで誰かを召喚しようとしているように見える。

 

真ん中の魔女は謎の剣を天高く掲げている。

この剣は儀礼剣のようなものだろうか?

 

……召喚の儀式に必要な剣なら重要だな

この屋敷のどこかにあるといいが……。

 

魔女達の儀式の図解を見ていたら、

一つ思い悩む事ができた。

 

【魔女】とはどういう種族だったのか、だ。

私はその事が気になり、思考しはじめる。

 

ゴクチョーはここの事を【魔女】達が

仲良く暮らしていた屋敷と言っていた。

 

元々屋敷に暮らしていた【魔女】と

私達のような【魔女になってしまう者】は

一体どこに違いがあるのだろうか?

 

字面は確かに一緒の存在に思えてくるが、

【魔女になってしまう者】の場合【なれはて】

になって自我を失う強烈なデメリットがある。

 

私たちと【魔女】との決定的な違いはそこだろう。

であれば、元々の【魔女】は長命種であって

人間を超越した上位存在だったのだろうか?

 

……ここまで考えたがただの憶測にすぎない。

結局証拠がなければ確実とは言えない、

もっと歩き回って情報を探すしかないな。

 

それにこの本は重要そうだ

文字を解読してみた方が良いかもしれない。

だいぶ時間が掛かりそうではあるが……。

 

「ヒロちゃん、何してるの?」

「あぁ、今考えてる事をまとめててね」

「ふ〜ん?」

 

と、彼女は不思議そうな顔を向けてくる。

そろそろ図書室に飽きてきたのだろう、

退屈そうに図書室外に向かって歩くシロ。

 

まだ探索できてないところはある。

 

未だに、牢屋敷の外には行けてないし

生存している囚人の誰かが大扉を開けてくれ

ないか見張るのもありかもしれない。

 

他の場所を探索する事にした。

 

-------------------

 

夕方16時、玄関ホールの古時計の鐘が響く。

私とシロはラウンジに集まっている。

そして化け物を倒す作戦を考えていた。

 

私達は15時〜16時の間動き回っていた。

それぞれの化け物4体を偵察し、

私の手で倒せるか倒せないか、見極めるために。

 

▶︎どの敵が倒せるか考察◀︎

 

まず、図書室に出現した『口の大きい本』

 

本の化け物の見た目は赤文字の開かれた本で

誰かが食われたのか口から血を垂れ流している。

図書室の空中を巡回していて、索敵する化け物だ。

 

この化け物は常に図書室の空中で待機していて

今の私だと武器のリーチが届かず倒す手段がない。

この化け物は後回しにする事にした。

 

次にラウンジに現れた『左右に裂かれた誰か』

 

私と同じくらいの大きさの化け物。

 

体が二体に分裂して裂かれた場所から

黒い液体が大量に漏れ出た不気味な敵だ。

何故かエマに似ている気がする。

 

ラウンジを動き回っていて見つかりやすいし

不意打ちで倒す場所も隠れる場所も少ない。

 

こちらが数で劣っている為、不利。

……この化け物も後回しだな。

 

3体目は厨房にいた『解体された肉塊』

 

厨房外壁を肉塊で覆い尽くしている化け物だ。

本体がどこにも見当たらない化け物で、

こちらを認識しない上、そもそも動かない。

 

どこに攻撃しても意に返さず、

何度突き刺そうと効いていないみたいだ。

 

今の私では有効手段がないのか倒せない……。

……仕方ない、この化け物も後回しだ。

 

最後に懲罰房の奥扉付近に出現した

『鉄の棒が喉に刺さった誰か』だ。

 

喉から大量の黒い液体が漏れ出ていて

正直気味悪くて仕方がない化け物だ。

これも、姿形がエマに似ている。

 

何か言いたいように咳き込んでいてこちらを

発見するとゆっくり近づいてくる。

 

鉄の棒が刺さっているせいか

動きが一番遅い化け物だ。

現状一番倒せそうなのはこの化け物だな。

 

武器も持っていないし動きも遅い。

懲罰房は椅子とテーブルのせいで場所的に

動きづらくはあるが、十分戦えるだろう。

 

この化け物を深夜の時間に倒しに行こう。

それまで私達は少しの休息時間を楽しもう──。

 

(そういえば、私が倒したあの化け物……。

 赤い蝶となって消えていったが……、

 消えてしまったせいで、本当に私の死体が

 動いていたのかはわからないまま……か)

 

仮に私の死体が別の場所で見つかったら、

私の考察に誤謬があることになる。

 

……一応それも探してみようか……。

 

-------------------

 




▶︎ヒロとシロの関係値 上昇。
▶︎残滓操作の精度 上昇。
▶︎シロの懐きやすさ 上昇。
▶︎ヒロの精神 回復。

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