─登場人物─
【
結ヶ丘高等学校に通う一年生であり、仮面ライダームジカの変身者。
歌うことが大好きだが、ヌッラの能力により歌声を奪われてしまった。
【
結ヶ丘高等学校に通う一年生であり、スクールアイドル同好会の一員。
人前では緊張して歌えないという悩みを抱えていたが、可可の想いに触発されて共にスクールアイドルを始めた。
【
結ヶ丘高等学校に通う一年生であり、スクールアイドル同好会の一員。
スクールアイドルに憧れて上海からやって来た。好きなものへの情熱は人一倍強い。
【
結ヶ丘高等学校に通う一年生であり、スクールアイドル同好会の一員。
かのんの幼馴染であり、丸いものが大好き。スクールアイドル活動では、得意なダンスを活かしてメンバーを引っ張っている。
【
結ヶ丘高等学校に通う一年生であり、スクールアイドル同好会の一員。
幼い頃からショウビジネスの世界で活動してきた。表には見せないが努力家であり、ショウビジネスの世界で培ってきた様々なことを器用にこなす。
【
結ヶ丘高等学校 音楽科に通う一年生であり、生徒会長を務めている。
亡き母が遺した結ヶ丘高等学校を存続させるために奮闘している。また、母の学校アイドル時代の記録が残されていないことから、かのんたちに結ヶ丘ではスクールアイドル活動をしてほしくないと思っている。
【
神宮音楽学校の卒業生であり、現在は結ヶ丘高等学校の音楽科教師。
ラフかつ飄々とした性格で、よく屋上でいちごミルクを飲んで休息をとっている。親しみやすいと生徒からの人気は意外と高い。
「変身!」
『翼を広げ歌うんだ
大好きを胸に ほら あの雲の向こうまで
俺だけの"
未来はきっとブルースカイ』
いつも通り学校に向かっている途中、再び毒の力を持つヌッラが現れたと連絡を受け、俺は現場に急行した。
すると、調合した毒を注入しようと、ヌッラが目の前の人物に針を刺そうとしていた。
「はぁっ!」
仮面ライダームジカ ブルースカイに変身した俺は、それを間一髪で蹴り飛ばす。その勢いでタンクの中の毒が宙を舞い、何もない地面に零れ落ちた。
「っ!?また…邪魔をするなっ!」
「それを言うなら、そっちこそ朝っぱらから人を襲うのはやめてもらおうか」
「あなたは…!」
現れた俺を見て、背後からそんな声が聞こえる。
その声の主はクラスメイトの平安名すみれ。彼女と、その隣にいる同じくクラスメイトの唐可可がヌッラのターゲットだったようで、なんとか助けることができた。
やっぱり、このヌッラの狙いは結ヶ丘のスクールアイドル…
「左手が使えないってのは不便でね…ここでアンタを倒して、俺にかかった毒も解除させてもらう」
「後ろの二人を大人しくこちらに渡すなら、解毒してあげてもいいけど?」
「残念だが、それはお断りだ。俺の左手よりも、この二人の方が大事なんでね」
「随分とお人好しなこと…」
ヌッラがそう嘲笑したのと同時に、俺は後ろの二人に声をかける。
「あの怪物は俺が退治するから、君たちは逃げて」
「え、えぇ…ありがとう」
俺の言葉を聞きすみれは立ち上がったが、隣のクゥクゥは難しい顔をしてその場に座り込んだまま動かない。
「ちょっと何やってるのよ!早く逃げるわよ!」
「アッ…ハッ、ハイ…」
危機的状況で悠長にしている余裕はないため、すみれがクゥクゥの腕を引っ張って無理やり立たせると、クゥクゥもようやく我に返った。
「逃すかっ!」
「邪魔はさせないっ!」
逃げようとする二人に接近するヌッラを、俺は右手で攻撃を仕掛け食い止める。
「さっ、今のうちに!」
「アッ、アリガトウゴザイマス!!」
なんとかヌッラを食い止めているうちに二人の逃走が成功し、俺は内心安堵する。
「よくも邪魔を…」
目的を邪魔され、ヌッラは怒りに震え俺に襲いかかってくる。
「っ!くっ…」
ヌッラの左手から放たれたパンチを右手で食い止めるが、今の俺は左手が使えないため反撃が上手くできない。
その瞬間、ヌッラの右腕の調合タンクが紫色に光った。
まずい…!
「はぁっ!」
この距離では針を刺され調合した毒を注入されると思い、俺はヌッラを蹴り飛ばしその反動で後ろに下がり距離を取る。
すると、着地したヌッラは、右手の針をまるで銃の照準を定めるかのようにこちらに向けてくる。そして、すぐにその針の先から紫色の液体が飛んでくる。
「うわぁっと…!?」
少なくともその液体に当たるとまずいことだけはわかり、俺は咄嗟に避ける。俺の横をすり抜けていった液体が後ろの壁に付着すると、その瞬間にその壁が爆ぜた。
「えっ!?そんなのアリ!?」
「攻撃性の毒だ。この毒は、針を刺さずとも飛ばすことができる」
攻撃性の毒って…いやもうそれただの爆発じゃん。
そして、ヌッラは再び俺の方に針を向けてくると、そこから同じ爆発する毒…通称"爆発毒"を三発一気に放出した。
一回の調合で、連続発射できるのか!?
俺はなんとか三発とも避ける。
左手が使えないと、形態変化のためのステレオドライバーの操作も普段の倍の時間がかかるし、エフェクティングソードも上手く扱えない…
何か策を…って、考えてる暇はなさそうだな。
対策を練ろうとしても、ヌッラが爆発する毒を飛ばしてきてしまう。
避けてばかりで状況が変わらないことに痺れを切らしたのか、ヌッラは何発も連続で爆発毒を飛ばしてくる。
俺はその毒が付着した地面や壁で起こった爆発の煙を利用して、近くの建物の影に身を潜めた。
「っ!?どこに…」
俺を見失ったヌッラが、周囲を警戒して辺りを見渡す。そして、そんなヌッラの視線が俺とは真反対に移った瞬間…
今だっ!
『ムジカ・ブルースカイ フィーネ』
俺はステレオドライバーの必殺技ボタンを押し、ヌッラの背後から強力なキックを放とうと飛び上がる。
「っ!?まずい…」
しかし、俺が上空でエネルギーを圧縮させている間に攻撃に気づいたヌッラは、その場に三発の爆発毒を放ち煙を充満させる。
しまった…これじゃ、照準が定まらない…
ヌッラを見失い、必殺技を放つことができずに俺はその場に着地する。
そして、煙が晴れた頃には、ヌッラはその場から姿を消してしまっていた。
「逃げられたか…」
ヌッラとの戦闘があり、俺は普段よりも少し遅れて結ヶ丘高等学校に到着した。
「普通科も一緒にっていうのが筋でしょ!」
「公約でそう言ってきたんだし」
「だいたい、なんで生徒会長の肩を持つの?」
教室に入った瞬間、クラスメイトたちが澁谷さんに詰め寄っている姿を目撃する。
「朝からいったいどうしたの?」
とりあえず状況を確かめるべく、俺は近くにいたクゥクゥに声をかける。
「あ、カナトさん……今日はいつもより遅いのデスネ?」
「えっ?」
まさかそこを突っ込まれるとは思っていなかったので、つい気の抜けた声を出してしまう。
「あー…ちょっと寝坊しちゃってね」
「ソウデスカ…ククは、朝からタイヘンでした」
「怪物に襲われるなんて怖かったよね。それで、朝からみんなどうしたの?」
遅れた理由に関しては寝坊と誤魔化し、改めてみんなが澁谷さんに詰め寄っている理由を聞く。
「……カノンが葉月さんの意見も考えてみようと言ったのデスガ、皆さんは納得デキナイようで」
なるほど。葉月さんの事情を知った澁谷さんが説得を試みたものの、それを知らないクラスメイトたちからすれば「どうして葉月さんの肩を持つのか」と猛反発されてしまっているというわけか。
「学園祭でライブやりたいって言っても、絶対に反対されるよ?」
クラスメイトたちの圧に押されて困った表情の澁谷さんの視線が、教卓の下に向いた。俺も気になって教卓の下を覗くと、その中ではすみれが何やら澁谷さんに茶々を入れていた。
「だったらすみれちゃん言ってよ!」
澁谷さんがそう反発すると、すみれは目を閉じて沈黙に徹する。
クラスメイトたちの意見も間違ってはいない。
むしろ、事情を知らないみんなからすれば、唐突に公約とは違う音楽科のみが活躍できる学園祭をすると言い出した生徒会長が悪者に映ってしまうのも無理はないだろう。
クラスのみんな、普段は優しく温厚な人たちだ。
「澁谷さんはスクールアイドル続けたくないの?」
「私たち、応援してるんだよ?」
現に、こうして澁谷さんたちのスクールアイドル活動を、心から応援してくれている人たちばかりなのだから。
そして、そんなクラスメイトたちの応援の言葉に一番反応を示したのは、教室の入り口にいるクゥクゥだった。
「考えてみればソウデシタ。ハヅキさん、スクールアイドルに反対なのですよネ!!」
「え?」
え?
教室内にいる千砂都の声と俺の心の声が重なった。
あちゃー…
「クゥクゥ、ヤハリ普通科の皆さんに賛成シマス!一緒に戦いマショウ!!」
「「「「「おぉー!!」」」」」
「って、これ以上ややこしくしないで!!」
澁谷さんが必死にツッコミを入れた。
葉月さんの事情に関しては口止めをされていて言えないし、でもそうなるとクラスメイトたちの心境は変わらないし…これは一筋縄ではいかないな。
「はぁ…」
もうすぐホームルームが始まるし、とりあえず今のうちにトイレに行っておこう。
そう思い、俺は右手をポケットに入れて歩き出した。
「あ!カナトさん!」
教室を出る直前、クゥクゥに声をかけられた。
「さっき返すの忘れてマシタ」
クゥクゥが取り出したのは赤のボールペン。
昨日の授業で赤ペンが必要だった時、クゥクゥが忘れてしまったというので貸した俺のボールペンだ。
「アリガトウゴザイマシタ!」
「いえいえ」
俺はポケットに入れていた右手を出し、赤ペンを受け取った。
すると、クゥクゥがそんな俺を不思議そうに見ているのに気がついた。
「どうかした?」
「…へ?あ、イエ、なんでもアリマセン!」
「そっか」
クゥクゥの視線についてはよくわからないままだが、ひとまず朝のホームルームが始まるまで時間がない。俺はトイレに行くため教室から出る。
「こりゃ、なかなかカオスな状況だな」
教室から出たところで、音楽科に抗議しようとしている普通科生徒たちの様子を見ていたらしい一人の教師がいた。
彼の声が聞こえた瞬間、俺の中に緊張が走り体がピクッと反応する。
「桜葉先生…」
現状、ヌッラの正体候補の一人である神宮音楽学校の卒業生であり、現結ヶ丘高等学校 音楽科教師の桜葉大翔先生。
「ま、あんな就任挨拶の後だ。無理ねえか…」
こっちは先生がヌッラかもしれないと慎重に様子を窺い、緊張しっぱなしだっていうのに…彼はいつもと変わらず、のらりくらりとした様子だ。
「桜葉先生、ちょっと聞いてもいいですか?」
「ん?おう」
ヌッラの候補は桜葉先生だけじゃない。他に4人の候補がいるが、俺はその4人のことを詳しく知らない。なら、詳しい人に聞いてみるのが一番だろう。
「桜葉先生の同級生のこと、教えてくれませんか?この前会った3人と理事長先生、それから…葉月花さんのこと」
「なんでまたそんなこと…ま、別にいいけどよ」
理事長先生以外、俺とほとんど関係のない人たちのことを知りたいと言い出したことに首を傾げつつも、桜葉先生は承諾してくれた。
「ただ、俺も今ちょっと立て込んでてな。話は、放課後でいいか?」
─
──
───
─放課後─
約束の話を聞くために、俺は桜葉先生との待ち合わせ場所である屋上に向かっていた。
階段を上り、屋上に続く扉の前まで来た時、その左奥の突き当たりにあるもうひとつの扉が開いた。そこは、澁谷さんたちスクールアイドル同好会の部室に繋がる扉だ。
「葉月さん…?」
しかし、そこから出てきたのは部員ではない葉月さんだった。
そんな彼女の表情は、どことなく浮かないように感じる。
「なんかあった…?」
「昨日音居さんにもお話した、学校アイドルに関する記録が残っていないという話を、みなさんに…」
"みなさん"というのは、スクールアイドル同好会の澁谷さんたち4人のことだろう。
「そっか…」
「音居さんこそ、どうしてこちらに?」
「神宮音楽学校の卒業生について、桜葉先生に話を聞いてみようと思って」
すると、葉月さんは興味ありげに目を見開いた。彼女にとっては、神宮音楽学校は亡くなったお母さんの母校だ。気にならないわけがないだろう。
ヌッラの正体が神宮音楽学校の卒業生5人の誰かだと判明したのは、葉月さんとの会話があったからだ。
だったら、この話はふたつの意味で彼女も聞いておくべきだろう。
「葉月さんも一緒に聞きに行こうよ。桜葉先生なら、知ってるかもしれない。葉月さんのお母さんが、学校アイドルの活動を後悔していたのかどうか」
「っ…!
こうして、葉月さんも一緒に桜葉先生に話を聞きに行くことになった。
「おう、来たか」
屋上の塀にもたれかかり、いつもと同じいちごミルクを片手に俺を待っていた桜葉先生。
「って、かいちょーさんも一緒か」
「さっき、そこでたまたま会って…」
「お母さまの同級生のお話、
葉月さんの問いに、桜葉先生は一瞬だけ考える素振りを見せた後、近くにあるベンチを指差しながら答える。
「そんじゃまあ、かいちょーさんも聞いてけ」
「ありがとうございます」
俺と葉月さんは先生が指差したベンチに腰掛け、彼はそのまま屋上の塀にもたれかかったまま話を始める。
「まずは、お前らも知ってるりじちょーからだが…あー、んー…」
理事長先生の名前を出した桜葉先生は、言葉を詰まらせて次に言うことを悩んでいる様子だ。
「お前らから見て、りじちょーはどんなイメージだ?」
「んー…威厳のある人って感じですかね」
「真面目で思っていることをハッキリと口にする方だと思います」
「まぁ、そーだよなぁ…」
俺と葉月さんから返ってきた答えは、桜葉先生の予想通りだったようで、頭をポリポリとかきながら納得したようにボソリと言った。
「そんじゃまあ、少しだけな。あんま言ったら、あいつに怒られそうだし…」
そう前置きして、先生は理事長先生について語り始める。
「まず、りじちょーは普段からあんな感じじゃない。もっと砕けた口調で、ガサツでテキトーなタイプだ」
あの理事長先生が、そんなタイプだとは意外だ。ま、とはいえ俺はまだ理事長先生とそこまで関わりがないから、そんな想像できないだけかもしれないが…
「でも、友達思いな良いやつだよ」
昔を懐かしむように目を細めた桜葉先生は、青く澄み渡った空を見上げる。
「葉月…あ、お母さんの方のな。葉月が一番信頼していたのも、きっとあいつだろうしな」
ふと隣にいる葉月さんに視線を向けると、彼女は驚いたように、けれども納得したように頷いていた。
「ま、りじちょーの話はこんぐらいだな。じゃあ次は、蜂須賀だな」
現在は教育委員会の職員をしており、先日はその仕事の関係でこの学校を訪れていたそうだ。
前に会った時は、中年太りかふくよかなお腹が特徴的な人当たりの良さそうな男性だったが、高校時代は違ったそうだ。性格はあまり変わっていないが、見た目はシュッとしていてハンサムな顔立ちをしていたらしい。
その見た目と性格から、クラスの女子からも人気があったとか。
「アイツは当時からいいヤツだったぞ。グレてて何かと避けられがちだった俺にも、ちょこちょこと話しかけてくれてたしな」
ま、今の結ヶ丘と同じで男子生徒が少なかったってのもあるだろうが…そう付け足して言った桜葉先生だったが、俺と葉月さんはその前の部分が気になって仕方がなかった。
「えっ…桜葉先生って、高校時代ヤンキーだったんですか!?」
「ヤンキーってお前…いやまあ、ヤンキーって言われても間違いではない感じだったが…」
「桜葉先生は今も決して真面目とは程遠い先生ですが、まさか学生時代はヤンチャなタイプだったとは思ってもいませんでした…」
その葉月さんの言葉の前半部分に対して、何か言い返したそうにしている桜葉先生だが、自身でも思い当たる節はあるようでそれを飲み込んだ。
「ひとつ言っておくが、今と違って当時はそういったヤツらはいっぱいいたんだぞ。ま、学内には俺しかいなかったが…」
なんて言い訳にはなっていないような言い訳をした桜葉先生は、咳払いを一つしてから話を切り替える。
「で、次は揚蝶だな」
黒髪のロングヘアーで、銀縁のメガネをかけていた女性だ。現在までずっと独身で、子供もいない。
「アイツはすげぇ花が好きでな。今も植物園で働いてるらしい」
植物以外にも、理科全般が得意で生物と化学の成績は常に学年一位。
先日俺が受けた印象通り、当時から大人しい性格の女性だったらしい。
「揚蝶とは当時からあんま関わってなかったから、俺もこんぐらいしかわかんねえな。多分俺、嫌われてたし」
「え、そうなんですか?」
「ま、大人しい性格の揚蝶と、グレてた俺だからな。無理はないだろう」
そう言って締めくくろうとした桜葉先生だったが、ひとつ思い出して情報を付け足す。
「そういえば、揚蝶は葉月と小学生の頃からの幼馴染だったはずだ。それもあってか、高一の頃とかはよく一緒にいた覚えがある」
「お母様の…」
「あぁ。けどまぁ、葉月は明るく優しい性格。それに当時は学校アイドルって名前だったが、今でいうスクールアイドル活動もしていて人気者だった」
チラッと隣にいる葉月さんを見てみると、彼女はお母さんの知らなかった話に興味津々といった様子で話に食いついている。
やっぱり、葉月さんをここに誘ってよかったな…
「だからか、クラスが離れた高二の頃からはずっと一緒にいたって印象でもねえな。でも、卒業後も連絡を取り合っていたみたいだぞ」
「そういえば…お母さまのお葬式の際、長い黒髪の女性がずっと泣いていたのを覚えています」
「あぁ。それが揚蝶だよ」
「あの方が…」
葉月さんは、お葬式に来ていた揚蝶さんを覚えていたようだ。
「そんで、鳥巣だな」
落ち着いた色の茶髪のロングヘアーの女性。現在は結婚して専業主婦をしており、20歳と16歳の娘がいる。
動物が好きで、結婚前まではペットショップで働いていたそうだ。
先日会った際も綺麗な人だと思ったが、当時からとても可愛かったらしい。
そんな彼女は、花さんと共に学校アイドルとして活動していたメンバーのひとりだ。鳥巣さんは幼い頃からアイドルに憧れを抱いており、花さんが学校アイドルを始める時にメンバーに誘うと、参加すると即答したそうだ。
「鳥巣もあの可愛さもあって、学校アイドルとして人気があった。まー、葉月の人気には及ばなかったがな」
桜葉先生が鳥巣さんに関しての話をそう締めくくると、ヌッラ候補である人たちの話は終わった。
しかし、ヌッラの候補ではないが、隣に座る葉月さんにとっては一番聞きたいであろう人の話が残っている。
「で、最後に葉月の…
すると、桜葉先生は懐かしむようにこの屋上を見渡してから、いちごミルクを一口飲んだ。
「ふぅ…」
そして、桜葉先生はゆっくりと語り出す。
葉月花という人物について…
「アイツは…葉月花は、お節介で優しいやつだった」
──次回『〜奏でるムジカは青空のソナタへ〜』
「アイツは、真っ直ぐで、純粋で、強い人だった。心から、人のことを考えられる優しさを持っていた」
桜葉大翔が語った神宮音楽学校時代の葉月花という人物。
亡き母の話を聞き、恋はずっと抱いていた想いを吐露する。
「……
そして奏叶も、結ヶ丘高等学校存続に向けて、より決意を固めるのであった。
「何があっても、俺は絶対に葉月さんの味方だからね」
『#25 花の面影』
─────
『#24 桜の香り』
最後まで読んでくださり、誠にありがとうございます!!
お気に入り登録や感想、評価等いただけると大変励みになります。
もしよろしければ、よろしくお願いします!
そして、ここしばらくは週に2話投稿をしてきましたが…一週間本編の投稿はお休みをいただきたいと思っております。
しかし、ただのお休みではございません!
ここで、もう一つの予告を…どうぞ!!
─────
『〜奏でるムジカは青空のソナタへ〜』 初の番外編!
これは、桜葉大翔が神宮音楽学校で過ごした大切な記憶──
「はぁ…またお前かよ」
真面目な生徒が多い神宮音楽学校で、数少ない不良生徒として周囲から浮いていた桜葉大翔。
そんな彼が出会ったのは、一人の少女。
「私は知ってるもん。桜葉くんが、悪い人じゃないって」
葉月花との出会いによって、大翔の運命は少しずつ変わり始める。
桜葉大翔と、葉月花…
そして、彼らを取り巻く友人たち。
廃校の危機に瀕した神宮音楽学校で、限られた
『〜Memory of Hiroto〜 あの日の約束』
─────
ということで、今作初の番外編を執筆いたしました!!
その主役は、"桜葉大翔"。彼と…そして、葉月花の神宮音楽学校時代を描いた物語になっております。
番外編なので、一応読み飛ばしていつもの本編だけ読んでもお話がわからなくなることはないのですが…
この番外編を読んでいただければ、本編もより一層楽しんでいただけるようなお話になっております。ですので、ぜひぜひこちらもご覧いただけると嬉しいです!
こちらの番外編『〜Memory of Hiroto〜 あの日の約束』は9月5日 20時に、そして次回『#25 花の面影』は9月9日 20時に投稿を予定しております。
どちらもお楽しみに!!