「……よし、仕事終わり。仮眠でもとるかな〜」
時計を見ると今は2時前、これから1時間ぐらいは仮眠をとれるはず。起きたら情報収集と解析だな。
「それにしてもやっぱりトランオススメのエアベッドいいな〜。すぐに膨らむうえに寝心地も抜群。いいもの知ってるよ」
書類を提出しに外へ出ていた間で膨らんでいたエアベッドに寝転がりながら独りごちる。マジでフカフカで泊まり込むことになったときにも大活躍。トラン様様だな! それじゃおやすみ〜……。
「トレちゃんいる〜? お、寝てんのか〜」
今日はトレーニングはお休みだけど、トレちゃんは仕事が堪らないように先に片付けておくタイプだからトレーナー室に居ると思ってた。
仮眠してるようだし仕事は終わってるみたいだね〜。んじゃ、ちょっと失礼しますかね。
「……ん〜? ……トラン?」
太腿に違和感を感じ目を覚ますと担当ウマ娘のトランセンドが俺の太腿を枕にしてタブレットを弄っていた。ワザワザもう一つエアベッドを膨らませて。
「お? トレちゃん起きた?」
「ん、ああ。今何時だ?」
「今は3時前。うちが来たのは2時半だねえ」
「そっか。んでいっつも思うけど男のかったい膝枕なんか需要あるのか?」
トランに軽く尋ねる。仮眠はちょうどいいくらいとれたがトランを膝枕したままだと動けない。スマホはそばに置いてるから直に困ることはないけどさ。
膝枕は男目線だと女子がやってこそだと思うんだよな……。
「少なくともうちには需要あるねえ。トレちゃんそれなりに鍛えてるからちょうどいい高さで弾力がいい感じにあってオススメしたいくらいだね。いや、勧めたりはしないけどさ」
「ならいいが……、とはならないぞ。どいてくれないと動けん」
「え〜? うちとトレちゃんの仲じゃん、もうちょっと堪能させてよ〜」
トランとしては膝枕にご満悦の様子だが俺としてはまだやりたいことがあるからどいてほしい。
「それに仮眠とってたってことはもう仕事終わってるでしょ? だとしたらこの後は情報収集とかだろうし、それならうちとこのままミーティングってことでいいんじゃない?」
「……ハイハイ、わかりました。んじゃこの後はミーティングな」
トランとは長い付き合いだし行動パターンも把握されてるか。ま、今すぐやらなきゃいけないわけでもないし担当のワガママを聞いてあげますか。
「やった」
「でも1回どいてくれ。ミーティングするならトイレに行っておきたい」
「ぶーぶー、トレちゃんのおーぼー」
「とか言いながらどいてくれるトランはほんと良い子だよ」
「だってこの後ちゃんと膝枕したままでミーティングやってくれるって確信してるからねえ。それに〜、そういうこと言ってくれるのもうちとしてはポイント高いよ」
「そりゃどうも。で、何か用があったりしないのか?」
「いんや? トレちゃんと駄弁りたかっただけ〜」
「あっそ。んじゃトイレ行ってくるわ」
「いってら〜」
トイレから帰ってくるついでに2人分アイスコーヒーを買って帰ってきた。寝転がったままでも飲みやすいように蓋とストローをつけてある。トランならこぼさないだろうけど一応な?
「ほい、コーヒー。アリアリシロップ多めで良かったよな?」
「おっ、気が利くねえ〜。ありがと。うちの好みもよーくわかってんじゃん」
「んじゃミーティング始めるか、ほれ」
「ん、失礼しま〜す」
エアベッドに座り、膝枕に乗ったトランとミーティングを始める。……なんだかんだ膝枕してる俺は担当に甘いのかねぇ。ま、ギスギスするよりかはマシか。そう考えながらトランとのミーティングに没頭していった。
……この後トランに用があったエスポワールシチーに膝枕を目撃されて一悶着あったのは別の話だ。
この二人ならこんな感じでイチャコラしててもおかしくないはず……!