【S級ヒーロー:ブラックサン】   作:すごむカフェイン

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第3話

光太郎はアトミック侍にヒーロー協会本部へと連れて行かれた。

A市、ヒーロー協会本部の一室。

 

「S級ヒーローアトミック侍がF市で災害レベル『鬼』の怪人と交戦していた黒い戦士を連れて来ました」

 

ヒーロー協会員が部屋に入って行く。

 

(さて……どんな奴か……)

 

そして、ヒーロー協会員は光太郎の姿を見るなり言った。

 

「貴様が黒い戦士だな?」

 

「……そうだ」

 

光太郎は頷く。

 

「我々はヒーロー協会。君をヒーローに勧誘しに来た」

 

「断る」

 

光太郎は即答した。

 

「何故だ?」

 

「俺は怪人を倒すだけだ。ヒーローになるつもりはない」

 

すると、眼鏡をかけた協会員が言った。

 

「君は今、大なり小なり社会に影響を与えていて、怪人を倒すだけでは済まない状況になっているんだ」

 

「……」

 

光太郎は黙り込む。

 

「それに、君が倒した怪人はA級ヒーローでも苦戦する相手だった。そんな怪人を君はいとも簡単に倒している。君の強さは本物だ」

 

「勿論サポートはする。給与は支給するし生活も保障する」

 

光太郎は考える。

 

(こいつらの言う通りだ。それに……今の生活は少々不便であるし、この世界のことを知るには丁度いいか)

 

そして、光太郎は言った。

 

「分かった。ヒーローになろう」

 

こうしてブラックサンこと南光太郎はヒーロー協会にヒーローとして登録をし、ヒーロー活動をしながら協会からサポートを受けることとなった。

 

光太郎は『地帝グランゾーラ』と『植物怪人』と『刀匠怪人』を倒した功績が認められてヒーロー協会への登録と同時にS級ヒーローへと昇格。

 

ヒーロー協会のS級ヒーローとなってから数日後、光太郎は最初にいたゴーストタウン・Z市内にある廃アパートの一室にいた。

光太郎はコーヒーを一口飲むと、テレビをつける。

テレビではニュース番組が放送されていた。

 

『先日、E市に現れた怪人はS級ヒーロー:ブラックサンによって倒されました』

 

テレビには怪人を倒したブラックサンの姿が映っていた。

コメンテーターが言っているのを聞き流しながら、光太郎はコーヒーを飲み終える。

すると光太郎の携帯に電話が鳴る。相手はヒーロー協会からだった。

 

「なんだ‥‥‥」

 

『ブラックサンか、R市に怪人が現れた。至急向かってくれ』

 

光太郎は電話を切ると、アパートの外へ出てサンドライバーを出現させるとブラックサンに変身しバイクに乗ってR市へ向かった。

R市に到着したブラックサンが目にしたのは、逃げ惑う人々とそれを襲うゴブリンのような怪人の姿だった。

 

「ぐはははは!!人間ども覚悟!!」

 

(また怪人か、だが今までもこれからも怪人は倒すだけだ……)

 

ブラックサンはそう思いながらも、バイクから降りるとゴブリンの怪人に距離を縮めて重いパンチを放った。

ボギボギッ!!

ゴブリンの怪人の骨が折れる音がする。

 

「ぐぶっ!?」

 

そして、ブラックサンはジャンプすると空中で一回転してキックを放った。

吹き飛ばされ地面をバウンドするゴブリンの怪人。

 

「ぐぎゃあぁぁっ!!」

 

ゴブリンの怪人は断末魔の叫び声を上げて爆発した。

ブラックサンはバイクに乗ってその場を後にした。

Z市の廃アパートに到着したブラックサンは光太郎の姿に戻ると部屋に戻った。

 

「この世界の怪人達……俺のいた世界の怪人と比べて頑丈な奴が多いな」

 

光太郎は呟くと、テレビをつけた。

 

『先日現れた怪人はS級ヒーロー:ブラックサンによって倒されました』

 

ニュースで先程のゴブリンの怪人を倒したことが報じられていた。

 

(それにしても……この世界の怪人達は、どうやって発生する?改造‥‥‥にしては怪人の数が多過ぎる、それにそんな簡単に怪人が増えるのか?)

 

光太郎は考えるが答えは出なかった。

 

(まぁいい…….この世界の怪人は倒す)

 

それから数日後‥‥‥‥

その日は何もなく、光太郎はアパートで過ごしていた。

すると、テレビから天気予報が聞こえてくる。

 

『今日は全国的に午後から雨模様となるでしょう。傘をお忘れなく』

 

そして、光太郎が外を見ると空は曇っていた。

 

(今日は怪人が少ないな……)

 

その時だった。

光太郎の携帯にヒーロー協会から電話が鳴る。

 

「どうした‥‥‥」

 

『ブ、ブラックサンか、今J市で多くのヒーロー達が『海人族』と戦っている。至急向かってくれ、一刻を争う事態だ』

 

「わかった」

 

光太郎は電話を切ると、バイクに乗ってJ市へ向かった。

 

J市に到着したブラックサンは怪人達と戦うヒーロー達の姿を見つける。

 

(『海人族』か……)

 

ヒーロー達は魚人のような姿をした怪人達に苦戦していた。

するとそこへブラックサンがやって来る。

 

「ブラックサン!?」

 

驚くヒーロー達。

 

「え、S級ヒーローのブラックサンが来てくれたぞ!!」

 

「助かった……」

 

喜ぶヒーロー達。

 

『海人族』はブラックサンにターゲットを変更して突進してきた。

 

(魚人か……)

 

光太郎はそう思いながらもジャンプすると、空中で一回転してキックを放った。

吹き飛ばされる『海人族』達。

そして、次々にパンチを放っていく。

 

(怪人達は皆この程度の強さなのか?いや……何かが違う気がする……)

 

そんなことを考えていると、笑い声と共に巨大なイカの怪人が現れた。

 

『ぐはははっ!!『地底王』達は滅んだ、これからは『海人族』の時代だ!!」

 

そして巨大なイカの怪人は口から墨を吐くと、それをブラックサンに向かって放つ。

ブラックサンはそれを避けるとジャンプしてキックを放った。

 

「ぐはっ!?」

 

吹き飛ばされるイカの怪人。

他のヒーロー達は逃げている一般人を避難所まで誘導しており、この場にはブラックサンとイカの怪人しかいなかった。

 

「お、おのれぇ……ならばこれでどうだ!!」

 

イカの怪人はブラックサンに向かって再び口から墨を放つ。

しかし、ブラックサンはそれを避けるとイカの怪人の足の一つを掴むと思いっ切り引きちぎった。

 

「ぐぎゃあぁぁっ!!」

 

イカの怪人が悲鳴をあげ、怯んだその隙に連続で攻撃を叩きこむブラックサン。

そして数分後……ブラックサンの周囲にはイカの怪人だった残骸があった。

 

「‥‥‥‥」

 

ブラックサンは残っている海人族の方を向きながら言う。

 

「さて、次はお前たちが相手か‥‥」

 

ブラックサンは拳を構える。

 

「ただの人間ではないぞ、こいつ‥‥‥‥!」

 

「だが我々でかかれば簡単に‥‥‥‥!!」

 

「先ほど散った同胞の仇ー!!」

 

そして、大勢の海人族はブラックサンに向かって来た。

 

一方J市のある市街地では、黄色いスーツに白いマントが特徴のスキンヘッドの人物がパンチで次々と海人族を倒していく。

その人物の隣では、金髪のサイボーグが海人族を戦っていた。

 

「サイタマ先生、こいつらは俺が引き受けます。先生は、他の市街地にいる奴らを!」

 

「おう!任せたぞジェノス!!」

 

「はい!焼却!!」

 

S級位のヒーロー『鬼サイボーグ』ことジェノスは掌から高熱の炎を出して、海人族を焼き尽くしていく。

 

そして、その奥では先ほど彼に『先生』と呼ばれた人物・サイタマが他の市街地で暴れている海人族を倒しに向かった。

ジェノスは市街地に蔓延る海人族を次々と倒していく。

 

数分後には海人族は全て倒されていた。

 

「これで全部か?」

 

ジェノスは周囲を見回す。

するとそこへヒーロー協会の通信が入る。

 

『こちらヒーロー協会だ!!避難所に海人族の首領が向かっている、至急向かってくれ!!』

 

「了解」

 

ジェノスは通信を切ると、避難所へ向かって走り出した。

避難所には海人族の首領から市民を守るため、避難所にいたヒーロー達が応戦していた。

だが、海人族の首領は拳で軽々と吹き飛ばした。

するとそこへジェノスが駆けつける。

 

「鬼サイボーグだ!!」

 

「おおっ!!鬼サイボーグが来たぞ!!」

 

歓声を上げる市民達。

ジェノスは海人族の首領の前に立つと、拳を突き出す。

 

「焼却!!」

 

拳から炎が放たれ、海人族の首領を襲う。

だが、炎は海人族の首領にダメージを与えることはなかった。

 

「む……」

 

「まだ生き残りがいたのね、この『深海王』の私に炎なんて通じないわよ?」

 

海人族の首領『深海王』はそう言うと、ジェノスに向かってゆっくりと歩き出す。

 

(なるほど……あの炎は奴にとって弱点にならないらしいな)

 

そして、ジェノスと深海王の戦闘が始まった。

大勢の海人族と戦闘をしていたブラックサンの周囲には、海人族の死骸が転がっていた。

 

「片づいたか‥‥‥‥」

 

しかしその時、遠くから爆発音が聞こえてきた。

 

「あの方向は確か……避難所か」

 

そう呟いたブラックサンは急いでバイクに乗って避難所へ向かう。

 

ポツリポツリと雨が降り始めていた。

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