【S級ヒーロー:ブラックサン】   作:すごむカフェイン

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第6話

(なんてことだ……)

 

光太郎はこの光景に絶句した。

 

「生き残りはいるのか?」

 

金属バットがそう言うと、番犬マンが答えた。

 

「‥‥‥‥今ヒーロー協会が救助活動を行っている。だが、A市に残された者達は……」

 

「何とかして救出活動を支援する方法はないのか?」

 

ジェノスが言ったその時。

 

ゴゴゴ……という地響きと共に宇宙船の中からグロテスクな見た目の怪人いや、宇宙人が現れたのだ。

そんな光景に呆然と立ち尽くすしかない光太郎達。

宇宙人は自らの五つの頭部で会話をする。

 

「作戦が成功した」

 

「砲撃全弾命中確認」

 

「ねぇ、こいつらで遊ぶ?」

 

「いいと思う」

 

「船守る、俺達の、役目」

 

そして宇宙人は背中にある翼竜を思わせる巨大な羽をしまうと、鎚のようになっている左腕を向けて光太郎達に近付いてくる。

 

「これが地球人」

 

「そのようだ」

 

「弱そう、さっさと片付けよう」

 

「いいと思う」

 

「こいつら、邪魔、片付け」

 

どうやらこの宇宙人は自らの五つの頭部で会話を自己完結させるらしい。

 

「全員戦闘態勢!!」

 

ヒーロー達は構え、光太郎はブラックサンに変身した。

すると宇宙人はヒーロー達に鎚のようになっている左腕を振り下ろす。

それが戦闘開始のゴングとなった。

 

「よし!行くぞ!!」

 

ゾンビマンがそう言うと、ヒーロー達は一斉に攻めた。

ブラックサンはジェノスと共に宇宙人に飛びかかると、その頭部を殴りつけた。

ブラックサンに対して宇宙人が左腕を振り下ろす。

 

ドゴォン!!という鈍い音とともに地面が大きく凹む。

 

「くっ!?」

 

ブラックサンはその威力に驚く。

 

(なんという怪力だ……ならば!)

 

ブラックサンは跳躍すると宇宙人の頭部に向かって飛び蹴りを放つが、左腕でガードされる。

着地すると同時に今度はジェノスが焼却にかかる。

ジェノスの拳を鎚のような左腕で受け止めた宇宙人。

次の瞬間、アトミック侍が居合い斬りを放つ。

 

「喰らえ!!」

 

だが一刀両断宇宙人の頭部が瞬時に再生したかと思うと、次の瞬間にはジェノスの拳を掴んでいる左腕とは別の腕にアトミック侍は摑まれていた。

そしてそのまま勢いよく地面に叩きつけられる。

 

「ぐはっ!?」

 

口から血を吐き出すアトミック侍。

そんなアトミック侍や他のヒーロー達を見ながら宇宙人は呟く。

 

「別の地球人がきた」

 

「そのようだ」

 

「ちまちま倒すの面倒、さっさと片付けよう」

 

「いいと思う」

 

「こいつら、邪魔、早く片付け」

 

すると、宇宙人は自らの身体をゆっくりと分裂させた。

 

「!?」

 

その光景に驚くヒーロー達。

宇宙人は自らの身体を五つに分け合う。

 

「分裂完了」

 

「そのようだ」

 

「早く終わらせよう」

 

「いいと思う」

 

「作戦、任務、遂行」

 

そして分裂した四体の宇宙人が周囲の街やヒーロー協会本部へ向かっていく。

 

「まずい!!他の街やヒーロー協会本部にも被害が!!」

 

ジェノスが言うとブラックサンは言った。

 

「俺がここは食い止める!行け!!」

 

ジェノス達他のS級ヒーローは、分裂した宇宙人を追った。

そして、その場に残ったブラックサンが一人呟いた。

 

「さてと、これで思う存分戦えるな」

 

ブラックサンは目の前にいる五つに増えた宇宙人の一人と対峙した。

 

(合体していた時よりもだいぶ小さくなったな)

 

そんなことを考えていると、宇宙人が腕を振り回す。

 

「っ!」

 

ブラックサンは跳躍して回避する。

すると宇宙人が、頭部から光弾を放ってくる。

それを避けるブラックサン。

そんなブラックサンに対して宇宙人が言う。

 

「次は外さない」

 

そして再び光弾を放つ宇宙人。

今度は三発同時に放ってきた。

 

「っ!!」

 

ブラックサンは一つ目の光弾を躱すものの、二発目と三発目は直撃してしまう。

するとその威力に吹き飛ばされるブラックサン。

 

「ぐあっ!?」

 

そんなブラックサンに向かって宇宙人が走ってくる。

 

(くっ!まずい!!)

 

宇宙人の振り上げてきた拳を紙一重で避けるブラックサン。

そして背後に回り込むと、背後から頭部を狙って拳を叩きつける。

 

しかしそれを鎚のような左腕でガードする宇宙人。

 

「くっ!こいつ!!」

 

ブラックサンはそこから連続して攻撃を仕掛けるがその全てを防がれてしまう。

すると、左触手に変化した宇宙人の左腕に首を絞められるブラックサン。

 

「ぐうっ!?」

 

そんなブラックサンを宇宙人は嘲笑うかのように見ている。

 

「地球人、弱い」

 

だが、ブラックサンの腹部にあるサンドライバーを見ると何かに気付き表情を変える。

 

「ん?…………何か腹に入っている?」

 

次の瞬間、宇宙人がブラックサンから手を離すとブラックサンは距離を取った。

 

(一体何に気付いたんだ?)

 

不思議に思ったブラックサンだったがすぐに気持ちを切り替える。

そんな時、宇宙人が言った。

 

「お前、本気、出してない」

 

「っ!?」

 

すると、宇宙人が背中から二つの腕を生やした。

 

(どうやら本気で来たようだな……)

 

そしてブラックサンと宇宙人の戦いは激しい攻防を繰り広げた。

 

「強い、地球人」

 

「どうやらお前は他の四人よりも力が強いようだな!!」

 

ブラックサンはそう言うと宇宙人に向かって殴りかかる。

しかし宇宙人はそれを躱すと再びブラックサンに触手のようなものを絡みつかせる。

 

(しまっ……!)

 

次の瞬間、ブラックサンの腹部に宇宙人の拳が命中した。

その衝撃により、意識を失いそうになるブラックサンだったがなんとか堪えると反撃を開始する。

 

「……中々やるな……だが……!」

 

すると宇宙人の体が変化し始めた。

触手のようなものが四本生えたかと思うと、両腕や両脚も太いものへと変わり頭部がどんどん増えていく。

そして最終的には七つの首を持つ竜のよう姿に変化した。

 

そんな光景を見て冷や汗を流すブラックサンを宇宙人は攻撃する。

宇宙人の攻撃を避け続けるブラックサン。

そして‥‥‥‥

 

「うおおおぉぉぉっ!!」

 

宇宙人の腹部にある核にブラックサンの拳が命中し宇宙人は膝をついた。

瀕死の宇宙人は何やらパクパクと口を開く。

どうやら宇宙船の中にいる仲間と通信をしているようだ。

しばらく会話した後、ブラックサンに向かって宇宙人が言う。

 

「話がついた」

 

「‥‥‥‥」

 

警戒するブラックサン。

すると宇宙人は言った。

 

「ボスがお前と戦えと言っている」

 

「ボスだと?」

 

「そうだ、今から宇宙船の中へ貴様を送る」

 

「一体何をする気だ?」

 

すると、宇宙人はこう言った。

 

「ボスが言うには、お前の力を試すらしい」

 

そう言うと残った力でブラックサンを宇宙船の中に送った。

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