今日も今日とて学校に向かった。
まあ、レゼも勿論一緒だが。
「朝飯どうするよ」
「えー、購買かコンビニでいいんじゃない?」
「体にわりいな」
「えー、昨日も体に悪いことしてたのにぃ?」
「してねえだろ...レゼから誘った時以外は」
「まあ、そうなんだけどさー」
そんな他愛もない?他人に聞かれるとまずい会話をしながら学校に向かった。
教室に入ると生暖かい視線が向けられる、、、ことは無かった。
クラスメイトからはすでに夫婦扱いだった。
もはや茶化す空気ではなく、「あああの二人か」みたいな反応をされていた。
ついでに一部の男子は暴徒化していた。
こっちは知らん。
最近、やたら毎日が楽しい。
今までだったら、学校行って、家帰って、飯食って、たまに母親の手伝いして、、、
そんな感じだった。
でも、今は生活の中心にレゼがいる。
隣で微笑む彼女がいた。
その度に思う。
この子を守らなきゃいけないし、守る力がなければならない。
養う力もつけなければいけない。
まだ、高校生だっていうのに何を考えてるんだか、と自分でも思う。
ただ、俺もどんどん大人になっているんだとそう思った。
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私は最近危機感を感じている。
デンジ君は意外とモテているという事実に、
二組の橋倉さんから、6組の前園さんまでよりどりみどり。
同じクラスの前田さんは....まあ、大丈夫だと思う。
この子たちには共通点がある。
それはみな爆乳という事だ。
g,g,g,e,ffといった具合に。
いやいや、コマンドじゃないんだからさ。
私なんて良くてC...
いや、そんなことはどうでもいいのだ。
兎にも角にも、このままではまずい。
私は女磨きをすることにした。
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帰りにコスメショップに立ち寄ってみる。
ちなみにショッピングモールの中にあるショップだ。
よさげなのに手を伸ばすもののの、化粧なんて生まれてこの方したことないし、知識もない。
はあ、もっと女の子らしい事してればな。
そう思っていると、不意に肩を触られる。
店員さんだろうか?そう思い、後ろを振り返る。
「レゼさんもお買い物?」
後ろには、デンジ君と関係が噂されていた女子。
前田さんがいた。
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「どんなものが欲しいの?」
前田さんが訪ねて来る。
「うーん。なんか女の子っぽいものが欲しいんだよね」
「それはどうして?」
不思議そうに尋ねて来る。
「今まで、おしゃれとかに気を遣ったことなかったからさ。やってみたくて」
「...それはデンジ君の為?」
「うん。そうだね。」
「はー、青春だね~」
「ふっ、何それ。前田さんも青春中じゃん」
そういうとお互い顔を合わせて笑う。
彼女は手を抑えて笑っていた。
学校で見るより、一段と大人っぽい表情をしていた。
「でも、いいね。好きな人にちゃんと好きになってもらおうとしてるのが」
「まあ、ライバルは多いからね。少なければ別に良かったんだけど...」
「デンジ君、恰好いいもんね」
「...やっぱり前田さんデンジ君の事好きなの?」
「うん。好き」
「そっか。」
「いいの?私泥棒猫だよ?」
「それを言うなら、私の方が泥棒猫だよ。途中からきて、奪っちゃったんだから。」
「どこか座れるところに行こうか」
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そこら辺にあったベンチに座り、二人たたずむ。
すると、彼女から口を開いた。
「私、胸大きいじゃない?だから、そういう目で見られること、多かったの。」
「そしたら、男の人の視線が怖くなっちゃって、、誰かに守ってほしかったの。だから、近くにいたデンジ君に絡むようになったの。
話してるうちに、デンジは体じゃなくてちゃんと私を見て話してくれているなって思ったの。
まあ、勿論チラチラと胸は見てたけどさ。
なんかデンジと話している時だけ、不快感みたいなものがなかったの」
容姿を見られる。
不快感を感じる視線はまあわかる。
嫌なものだ。好いてもない人からの汚い視線は。
今私が怖くなってないのは多分偶々デンジ君がいたらからなんだろう。
彼が私の事をちゃんと見てくれるから、他の視線があまり気にならない。
それだけなんだろう。
だとしたら、彼女は責められない。
しょうがないもんね。
だって、デンジ君はかっこいい。
誰よりも彼の魅力を知ってるのは、他でもない私なんだから。
「挙句の果てにさ、(俺は胸が好きだから見ちゃうけど、性欲の対象として見たくないからなるべく露出しないでくれ)って言ってきたのよ?笑っちゃうでしょ。そんなこと普通本人に言うかしら?」
そういってる割には、彼女は笑っていて楽しそうだった。
まあでも、まっすぐな目でそんなこと言われたら笑っちゃうかも。
「ふふっ」
そう思うと、自然と笑みがこぼれた。
不思議だなあ、目の前に自分が好きな男を好きだと言っている人がいるというのに、そこまで嫌じゃない。
多分、彼女から本当にデンジ君を好きだってことが伝わってくるからだろう。
「ねえ、前田さん。デンジ君の事まだ好き?」
「うん。大好き。」
返事は早かった。
間なんてものは無かった。
即答だ。
まあ、そりゃそうだろう。
ここまで拗らせといて好きじゃないなんてことは無いだろう。
私は彼女の事は嫌いじゃない。
少なくとも、彼女の思いを聞いた後ではそうは思わない。
私は彼女が嫌いじゃなくて、デンジ君が好き。
彼女もデンジ君が好き。
だったら、簡単な解決法がある。
最もシンプルで、明快な。
「ねえ、デンジ君二人で半分個にしない?」