アタシの切り札は数が多い 作:コピートークンA'本物exl
おねーさんの使えるコストは残り1。
もう何もできない筈なのに、蟲も、アタシの予感もけいしょー?を鳴らしている。つまりは危ない。
まあアタシの手札、魔石と魔法の2枚だけだから何も出来ないんだけどね!!
「続けて私は1コストで〈濁る儀式〉を
あー!
あー!!!
それがあったーー!!
「発生した3コストを使って
「効果、おうかがいしても?」
「ええ。コスト3、3/3、飛行、睥睨1。
睥睨は相手の飛行していないクリーチャー全てに〈夜鷹〉が存在する限り-1/-1の修正を与えるわ。ただし〈夜鷹〉は召喚に際して私のコントロールする秘宝を1つ手札に戻さない限り、自らを生贄に捧げなくてはならないデメリットを持つ」
「それって、秘宝を再利用できるってことじゃ」
たとえばそう、いま戻そうとしている〈未来占いの水晶〉とか。
「そうとも言うわね」
ほら、やっぱり!!
「そしてダメ押し! 召喚に連動して、血戦コストで〈泥濘む嵐の檻〉を
「血戦……確か、ライフデッキの上からカードを墓地へ送ってコストにできる能力、でしたっけ」
おねーさんが頷く。
確か呪言は発動しないけど、嫌だなぁ、嫌だなぁ。怖いなぁ、怖いなぁって。
「元のコストは1、血戦の指定コストも1まで。よって私のライフを15から1減らしてプレイには成功。
このターン、すべてのクリーチャーは『飛行』と『速攻』を失う」
吹き荒れた嵐が、生きとし生けるもの全てを地面へと押し付け──
「そして〈夜鷹〉が着地するわ」
黒く、巨大な鳥が空を覆い、その圧力で全ての〈大群〉と〈先触れ〉が消滅した。
ひぃん。泣きそう。
「そこまでコストを加速すれば、デッキに土地は残っていないでしょう? 〈ひよっこ魔術師〉でアタック!」
「ブロック指定は……」
スワロウテイルは全機が召喚酔いしている。
呪言! いまこそ呪言! あんまり入ってないけど!
「出来ないのでライフで受けます!」
デッキトップから捲れたのは呪言〈焼畑〉。いいカードだけど、これ以上土地を減らすと複製の生成が出来なくなる。君は今じゃないんだ、発動を拒否してそのまま墓地へ。
「ターンエンドよ」
勝ちが見えた盤面から一転ピンチへ。
すでにこちらの足場は崩されてるし、1体ブロックされると考えるとライフも削りきれない。次のターン、もう1体〈夜鷹〉が並んだりしたら〈スワロウテイル〉すら全滅する。多分。
来て、来て!
アタシのエース!
「アタシのターン!
れでぃ、アップキープ、メイン・ライフドロー!」
来た! でも、呪言〈間一髪〉君はライフデッキでおねんねしてて欲しかったなぁ!
「アタシは
これが存在する限り、アタシが生成するトークンの数は2倍になる」
コントロールする土地は5枚、条件は依然満たしている!
「4コストで〈スワロウテイル〉より羽化せよ、〈
鋼の蝶々が羽ばたく空を割って、開かられた門より鋼の王騎が舞い降りる。黒く輝く装甲、光で編んだ広がる翅、力強く聳える一本角。紅い瞳の鋼のカブトが現出する。
〈機動甲虫王騎メレラクレス〉 (5) 4/3
クリーチャー・昆虫
貫通 羽化4
このクリーチャーが戦場に出た時、コア・トークン1つを生成する。(それは機動甲虫王騎メレラクレス1体に+0/+1の修正と破壊不能を付与する、これがフィールドを離れた際この効果を受けている1体を追放するを持つ秘宝である)
「通りますか!」
決まった……やっぱりいいよね、あのおにーさんの宣言。
前に通りませんってされた時は泣いちゃったけど。
「何もないわ、これは負けちゃったかしら」
妨害はなし! ヨシ!
「この瞬間、〈メレラクレス〉と羽化元になった〈スワロウテイル〉の効果が誘発!
〈スワロウテイル〉の効果により、アタシのライフデッキから効果を持たない土地・カード1枚をステイでセットし、ライフデッキを切り直す。 スワロウチャージ!」
これでアタシのライフは8。
Lifeの効果処理は先入れ後出し。土地が増えたことで、メレラクレスの効果より先に『開拓』が誘発する。
「それぞれの『開拓』が誘発!
魔石〈大群の呼び声〉の効果で生成されるトークンの数は2倍になるため、メレラクレスが3、スワロウテイルが15体に増殖!
続けて〈メレラクレス〉の効果をコピーB、コピーA、本体の順番で解決。それぞれコア・トークンを2体生成し、それぞれに+0/+2の修正と破壊不能を付与!」
蝶が舞う、カブトが猛る。
バチバチ感じる気配のまま、最後に残った手札を叩きつけた。
「最後に1コストで魔法『
超過コストは支払えないけど、1コスト分の効果でアタシのコントロールするクリーチャー全てに『速攻』を付与する」
これでこちらの場は、4/5飛行・貫通・速攻の〈メレラクレス〉が3体、3/2飛行・速攻と化した〈スワロウテイル〉が15体の合計57打点。
「バトル!」
「ブロックは……焼け石に水ね。しないわ」
「一斉砲火、バーストエンド!」
黒い蟲の津波が、魔女と夜鷹を飲み込んで押し流した。
ぶいっ!!
1回戦のおねーさんと違って、2回戦で当たった世紀末ファッションのおっさんは簡単な相手だった。
大量展開した弱めのクリーチャーが、機体という種類の秘宝に乗って高いパワーと大量を確保する〈
3ターン目に100体ちょっとに増えた蟲の群勢が全てを押し流してくれた。いーじーうぃん?というやつである。
そして、肝心の3回戦。
透き通る綺麗な紫の髪をした、アタシは履く勇気がない丈のミニスカートのお姉さん。すごく強い雰囲気の人とのファイトが始まって──
「連動して、瞬間魔法〈ドラゴンブレス〉を発動する! あなたのコントロールするドラゴン以外のクリーチャー全てに2点のダメージ。羽化する前に燃え尽きろ!」
「やーです! 対応して〈防災〉! 不足コストは土地を3枚墓地へ送って確保!」
「更に連動して瞬間魔法〈反応解呪〉! 防災を打ち消す」
「ニャーッ!!!」
──全体除去って嫌になっちゃう。
頼みの綱だった防災ごと、降り注いだ炎が盤面を焼き尽くした。
これで先触れ、大群、スワロウテイルが全滅。羽化対象がいなくなったことでメレラクレスは着地を失敗。残マナコストは0! 魔石は割られて何もなし!
「魔石<ザ・エントリー>をステイして起動、〈マスカレイド・スカイ〉に速攻を付与する!」
ライフデッキも……無理!
負けたー!
「貴方に相応しい処刑台は決まった!」
何それかっこいい、今度からアタシも決め台詞考えておこう。
「スカイエンド!」
「きゃぁぁぁぁ!!!」
受け止めてくれたスワロウテイルを突き破って、アタシは吹き飛ばされて敗北した。
後日MeeKingに行った時、このお姉さんと再会することをこの時アタシはまだ知らなかった。
というかあのお店、おにーさんも居るしお姉さんもいるし、なんだかんだで大会でよく会う人が沢山いたんだけど。
これが噂に聞く魔境ってやつ?
てんちょーさんは優しいかったし、面白いカードも多かったから行くけど!
「撤退だ! 殿は俺が務める!」