アタシの切り札は数が多い   作:コピートークンA'本物exl

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Lifeここがわからない→色マナの有無と土地を出せるタイミング

2回行動なのでご注意ください


05:+1/+1カウンターと-1/-1カウンターは対消滅する

 

「テーブルでやるときって、どれくらいシャッフルすれば良いんだっけ?」

 

「はて? ファロー2回にヒンズー2回もやれば十分、と家庭教師の方は仰っていましたが」

 

「アタシ達だとまだ、カードの方がおっきいからやり辛いよねー」

 

「「ねー!」」

 

「ジャッジとしてもそれくらいで十分な気がする」

 

「あ、ごめん。トークン生成だけボードでやるね」

 

「では、わたしもカウンターの生成だけはそちらで」

 

「先攻後攻はどう決める?」

 

「「さーいしょは、ぐー。じゃーんけんぽん!」」

 

 負けたー。

 後攻になってしまったけど、ファイトはファイト。

 ファイトだアタシ!

 

「準備はOKか?」

 

「おっけー!」

 

「問題ありません」

 

 机の上で向かい合って、メインデッキ40枚とライフデッキ20枚をきちんと並べる。カウンターとトークンの為のボードを置いて、これでよし。

 

「セッちゃんとファイトするの、けっこー久し振りな気がする」

「コトちゃんと遊べなくて、わたし寂しかったんですよ?」

 

 ふわりと広がる、お花のような優しい香り。それに惹かれるようにアタシを案内した蝶々さんも戻ってきて、いつのまにか見慣れた部屋が彩られていく。

 

「わかった。お悩み中だから難しいけど、それでも全力でいくよ!」

「受けて立ちます」

 

 バチバチと、部室に緊張感が満ちて。

 

「なら、双方これより。レディ――……ファイト!!」

 

 お互いに、手慣れた動作で5枚の手札を引き抜いた。

 

「わたしのターン、参ります。

 ライフデッキから2枚をドローして、土地をセット。1コスト〈穢れ沼の毒蛇〉を召喚」

 

「出たね、そのデッキのキー幻獣(クリーチャー)

 

 黒い沼を背景に、赤い舌をチロチロと出した小さな蛇。

 1/1の小さなクリーチャーだけど、持っている能力が厄介極まる。

 

「〈毒蛇〉は『発症』を持ち、わたしのコントロールするクリーチャーが効果の対象になった時、そのファイターに『腐死』カウンターを1つ置く能力を持ちます」

 

「『発症』を持ったクリーチャーはモンスターには-1/-1カウンターで、ファイターには『腐死』カウンターの形でダメージを与え」

 

「『腐死』カウンターが10個になったファイターは、敗北いたします」

 

 つまりセッちゃんのデッキは、10回効果の対象になったり攻撃を通せば勝つデッキ──()()()()

 例えば魔石の〈ザ・エントリー〉とかで+3の修正をすれば、クリーチャーには-4/-4の数カウンターが乗るし、ファイターには4つの腐死カウンターが乗る。

 気を抜いた瞬間、即負けが確定してしまうもっと恐ろしいデッキだった。

 何回も負けたもん、忘れるわけない。

 

「では、ターンエンド」

 

「アタシのターン!」

 

 迷いを振り切って、不恰好な手札のままターンを迎える。

 

「れでぃ・アップキープ・メイン・ライフドロー!」

 

 除去の当て先を散らす。

 初めて聞いた時から納得するまで時間がかかったけど、それは多分こういうこと!

 

「セット、魔石〈始まりの実験室〉!

 配置した時の効果で、アタシの場に0/1の昆虫・クリーチャー・トークンを1体生成!

 実験室は魔石かつ土地のカードだから1コストを出して、羽化1のコストで〈機動甲虫の先触れ〉をトークンの上に羽化させるよ!」

 

 これでアタシは次のターン〈大群〉を場に出せる。

 今までならそうしてきたけど、なんども手札破壊をされて分かった。これだと場でも手札でも狙い放題、どっちかを放置してたら危ない!って思わせないといけない。だから。

 

「続けて羽化したから速攻を持ってる〈先触れ〉で1コスト、手札から〈機動甲虫の素体(バグレギオ・スポーン)〉を召喚」

 


 

機動甲虫の素体(バグレギオ・スポーン)〉(1) 1/1

 クリーチャー・昆虫

 このクリーチャーが羽化する度、これの上に+1/+1カウンターを1つ置く。

 


 

 呼び出したのは、羽化で重ねれば重ねるほど強くなるクリーチャー。

 これで放っておきたくない場所がフィールドと手札の2箇所になった。除去と手札破壊、どっちかがあってもどっちもはもう狙えまい。ふふん!

 

「これでアタシはターンエンド!」

 

 ターンが回る。

 

「ではわたしのターン、ドロー。

 ……ふむ。ではわたしも魔石〈レズニアの湖沼(こしょう)〉をセット。魔土地ではないため、このままターンエンドです」

 

 置かれたのは、毎ターンライフデッキを1枚失う代わりに、ブロックには参加できないものの発症を持つ1/1蛇トークンを出す魔石。

 そして何より、土地がひとつ起きたままターンが帰ってきた。

 いやーな。なんとなくいやーな予感がする。

 

「ならターン貰うね。

 れでぃ・アップキープ・ライフ・メインドロー」

 

 来てくれた、〈大群〉!

 

土地(ランド)をセットして──」

対応(スタック)

「──んにゃっ!?」

 

 意気揚々とコンボを始動させようとしたアタシの手を、凛とした言葉が止めた。

 

「1コストで瞬間魔法〈蔑み〉を発動いたします。追加コストは?」

 

 アタシの手札にあるカード達は、やっぱり殆どコストが大きい(ファッティ)。今ここで1コスト支払えば、まるっとターンを上げちゃうことになる。

 

「支払わないぃ……」

「あはっ、それじゃ手札を見せて貰いますね?」

 

 なんか見せちゃいけいないものを見せているよーな、変な気分。じっとりとした目が3枚あるクリーチャーの中から選び取ったのは、

 

「〈機動甲虫の大群〉を捨ててください」

「はーい」

 

 当然、コンボの核である〈大群〉だった。

 むぎぎ

 

「んー、なら3コストで〈機動甲虫(バグレギオ)スワロウテイル〉を〈素体〉の上に羽化。それぞれの効果が誘発。土地が1枚増えて、スワロウテイルは3/2から4/3に」

 

 なんとなく手札を入れ替えてから、もう何も飛んでこないので安心してカードをプレイ。ライフデッキも切り直して、残りのコストは0。次の次の次まで考えて……うー、お菓子食べたくなってきた。

 

「ターンエンド!」

 

 難しく考えすぎてこんがらがっちゃう前に思考を打ち切る。

 ()()()()()()()()()()()()し、なんとかなるなる!

 

「では、ターンをいただきます。

 レディ、アップキープのタイミングで〈湖沼〉の効果が誘発。わたしのライフデッキを1枚墓地へ送り、蛇・トークンを生成。ドローに進み、土地をセット」

 

 なる、よね?

 

「1コストで秘宝〈うらみ、ねたみ〉を〈毒蛇〉を対象に発動。これが重ねられた〈毒蛇〉は+2/+0の修正と『貫通』を持ち、秘宝自体は戦場から墓地へ置かれた時わたしの手札へ戻ります」

 

 ならないかもしれない!

 

「バトル〈毒蛇〉で攻撃いたします」

 

 また1コスト分余ってるぅ。

 受けたら3つ、防いで2つかスワロウテイルと交換。パワーアップの瞬間魔法持ってたらヤだし……

 

「……〈先触れ〉でブロック!」

「はい。では貫通2点、コトちゃんに『腐死』カウンターを2つ付与しますね」

 

 -3/-3の補正を受けて先触れが死亡、貫通してきたダメージで()()()()()()()()()()腐死のカウントが進む。

 

「ターンエンド」

 

 しゅるりと、冷たい何かが手足に絡む感覚がした。

 

「アタシのターン!

 れでぃ・アップキープ・ライフ・メインドロー」

 

 あと8点、だからまだ大丈夫。

 大きく息を吸って、吐いて。元気を出してカードを引いた。

 

土地(ランド)をセット」

 

 〈先触れ〉が居なくなっちゃったから、このターンアタシが使えるオドは4。やりたいことに1コスト足りない、ぐぎぎ。おのれ妖怪1足りないめぇ……

 

「1コストで瞬間魔法〈双雷〉! 対象にするのは蛇・トークンと〈毒蛇〉の2体。1点ずつダメージは割り振るよ!」

「はい、では〈毒蛇〉の効果が誘発。コトちゃんに『腐死』カウンターを追加で1個付与します」

 

 ぐぬ、でもこれは必要けーひ!

 

()()()

 

 ひぃん。

 

「〈双雷〉解決前に再対応(スタック)。1コストで瞬間魔法〈血清の緊急投与〉をわたしの〈毒蛇〉を対象に発動いたします」

 

「対応ないよー」

 

「では解決。〈毒蛇〉がわたしの手札に戻り(バウンス)、戻ったカードのコストが3以下ですので『拡大』──望む数のカード(パーマネント)やファイターを選び、既にそこにあるカウンター1種類につきそのカウンターをもう1個与える──を行います。当然、対象はコトちゃん」

 

「『腐死』カウンターが4つになるよ……」

 

「〈双雷〉が解決されて、わたしの蛇・トークンが墓地へ。対象がいなくなって墓地に置かれた〈うらみ、ねたみ〉は効果で手札に」

 

 これでこのターン邪魔されることはもうない。

 

 アタシは勉強したんだ、ここで手札の〈モスキーテン〉を3コストで羽化させるのは良くない。羽化時にカードは引けるし、+1/+1カウンターが増えるから3/6の硬いクリーチャーになってくれる。

 

 でも、除去呪文には無力。

 

 ここでスワロウテイルまで墓地へ送られてしまったら、ぼーど・あどばんてーじ……ううん。盤面の建て直しが効かなくなっちゃう。

 

 だから!

 

「2コストで〈機動甲虫(バグレギオ)スカラーべ〉を〈スワロウテイル〉の下に羽化。〈素体〉〈スワロウテイル〉〈スカラーべ〉の順番に効果を誘発するよ」

 

「はい、どうぞ」

 

「羽化した〈スカラーべ〉の効果で、墓地から瞬間魔法〈双雷〉を回収。〈スワロウテイル〉の効果で土地を追加、〈素体〉で+1/+1カウンターを追加。4/3から5/4へ成長!」

 

 これが今のアタシにできる最善だと信じて。

 

「これでアタシは、ターンエンド!」

 

 1コストに希望を託して、ターンを回した。




人の仔に出来て、我らドラゴンに出来ぬ筈もなかろう。退ね。
──空渡る残響、ツァントニトム 

〈学園都市への侵攻〉 
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