ポケットモンスター ーアンティーク・モダンー   作:無垢なファン

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素早いウデッポウ!

第8話 素早いウデッポウ!

 

ーーー

 

カミーユ『あっ!いたいた!』

カミーユ『ごめんね…待たせて…』

 

ヒイロ『いえ…大丈夫です。』

 

カミーユ『代わりに…バニラさんから…』

 

「次のジムリーダーについて…いろいろ聞いたから…2人で共有しょう…』

 

カミーユ(やっと…先輩トレーナーらしい感じを取り戻せたね…)

 

カミーユ『キャッチコピーは「のんびり釣り名人」…カイユウシティのジムリーダー…ミナトさん…』

 

「彼はプロアングラーとしても…かなり有名だね…」

「他には、静かな釣りを楽しむことでも…知られていて…あの灯台が、お気に入りの場所だね…」

 

彼女が指差す先には、立派な灯台が聳え立っていた。

 

カミーユ『普段は、ジムを留守にしていて…あそこで、静かな釣りを楽しむそうよ…』

 

ヒイロ『少し見てみたいですね…どんな場所なのか…』

 

カミーユ『うん…そうだね…』

 

ポンッ!

イーブイ「イブッ!」

 

ーーー

 

ザザッ…

 

「君の噂は聞いているよ…潮風に乗ってね…」

「あのバニラさんに勝てたのは、これで4人目か…」

 

アイト『ジムリーダーだな?ジム施設に戻ってくれ…』

 

ミナト『ジムを留守にして悪かったね…すぐに向かうよ…』

 

「君達もジムチャレンジャーだね?」

 

アイト『お前らも…追いついたか…』

 

カミーユ『何とかね…』

カミーユ『あの人が、ミナトさんよ…』

 

カミーユ『得意なのは…「みず」タイプ…』

 

ヒイロ『はじめまして…ヒイロです。』

 

ミナト『皆んなの話は聞いているよ…バニラさんからね…』

 

アイト『もう良いだろ…俺はジムに向かう…』

 

カミーユ『私も向かう…』

 

ヒイロ『僕も…』

 

アイト『だが…俺が先だ。』

 

ミナト(そんなに奪い合いしなくても…皆んなで挑戦できるのに…)

 

ーーー

 

ミナト『あれが…「カイユウブリッジ」…』

 

「海の底に架かる…言わば(海底の橋)だよ…」

 

カミーユ『見てみて…ホエルオーだよ!』

 

海底へと繋がるスロープ式の通路を抜けると…

其処は、海の世界だった。

海の中で暮らすポケモン達が、僕達を歓迎してくれている様な気がする。

 

アイト『何度も来たことあるだろ…』

 

カミーユ『こう言うのは…幼馴染と旅をしながら見るのが…良いの…』

 

ヒイロ『冒険している感じが強まりますね…』

 

カミーユ『うんうん…やっぱり感性がしっかりしている…』

 

アイト『はあ…』

 

ミナト『此処は、完成するのに…3年は掛かったらしいからね…』

ミナト『そして…此処を抜けると…』

 

地上の光が眩しく感じる…

 

「ようこそ…」

「カイユウシティへ…」

 

僕は、この町が…

空に浮いているように感じた。

 

いや…海の上にいるような…

そんな感じが強かった。

 

ヒイロ『こんなの…見たことない…』

 

ーーー

 

ー カイユウシティ ー

 

セイン地方の大都市の1つであり…

大都市は「海面パネル」によって…

海で暮らすポケモン達が、観察できるようになっている…

 

また、「ポケモンジム」や「カイユウ市場」…「沈没船」などの「観光ツアー」も開催されている…活気ある町の1つである…

 

ーーー

 

ミナト『此処は、昔から港町として栄えていたんだ。最近になって生まれ変わった場所だね…』

 

「因みにだけど…ポケモンジムはあそこだよ…」

 

アイト『それじゃあな…』

 

ミナトさんが指を指した施設に走ってゆく…ライバル…

 

カミーユ『いつか怪我するよ…あいつ…』

 

「なんだか…一匹狼って感じだね…」

 

ヒイロ『はは…』

 

ミナト『僕は、ポケモンジムに居るから…まあ…ゆったり来てよ…』

 

「僕は、こっちの方が好きだからね…」

 

カミーユ『はい…お気遣いありがとうございます。ミナトさん…』

 

「これからどうする?ヒイロ君…」

 

ヒイロ『僕はこの町を周ってからにします。』

 

ミナト『うん…では後ほど…』

 

「君達なら…僕のジムチャレンジも難なく突破できるよ…期待してるね…」

 

ヒイロ『はい!』

 

ーーー

 

カミーユ『はあ…お腹空いたね…カイユウ市場のレストランでも…行こうか…』

 

ヒイロ『はい…』

 

カイユウシティの西側がカイユウ市場だ。

ふと…入り口付近で…

僕は、ある噂話を耳にする…

 

「なあ?」

「素早いウデッポウの話を…聞いたことは…」

 

「ああ…知ってる…」

「元ポケモントレーナーで…料理人もやってる男が、ちょっとレアなポケモンを捕まえたってな…」

 

「物珍しさに噂を聞きつけて集まったらしいが…バトルで勝てないと譲らないらしい…」

「もう…数十人が負けている…」

 

「タダで渡さないのは…よっぽど思い入れがあるか…」

「挑戦者の腕を見込みたいんだよきっと…」

 

ヒイロ(噂の料理人か…カミーユさんは、食べ歩きに夢中だし…ちょっと行ってみよ…)

 

ーーー

 

カミーユ「このスイーツと…このスイーツを…あとこれも…」

 

店員「…」

 

ーーー

 

微かな情報を頼りに…噂の料理人が待つと言われている…

カイユウ市場の外れにやって来た。

 

本当に彼は立っていた。

 

ーーー

 

「来たか…挑戦者…」

「素早いウデッポウ…欲しいんだろ?」

 

「遅い…ウデッポウなら…山ほど見て来たが…」

「コイツは…ちと…違うんだよ…」

 

「素早さは…でんこうせっか…いや…違うな…しんそくってとこか…」

「もちろん…パワフルな強さも併せ持つぜ…」

 

ヒイロ『僕は、沢山のポケモンと出会い…旅がしたい…皆んなで、ポケモンリーグに立ちたい…』

ヒイロ『だから…此処に来ました。』

 

「なるほど…夢を描き憧れる少年か…」

「心構えもいい…だがな…」

 

「ポケモントレーナーってのは…バトルをすれば…どんな奴かが分かるんだよ…」

 

「誠にポケモンを思う奴なのか?とな…」

「俺はそいつを確かめたい…」

 

値踏みさせてくれ…

 

「お前に…ポケモンバトルを申し込む…」

「俺が知りたいのは…熱意と関心だ。俺にぶつけろ!俺がしっかり値踏みしてやる…」

 

僕はモンスターボールを強く握りしめる…

 

「ルールは簡単…1対1のカジュアルマッチだ。」

「バトルギアだが…お前は持ってないから…俺も使わない…」

 

「入れ替えだが…お前は自由でも良い…」

「それじゃあ…始めようか!」

 

ヒイロ『はい!』

 

VS

 

「こいつだ!キングラー!」

 

キングラー『グララッ!』

 

ヒイロ『行くぞ!コイル!』

 

シュゥゥゥ…

ポンッ!

 

コイル『ジジジ…』

 

「ほう…これはちとマズいな…まあ良い…」

「キングラー!クラブハンマー!」

 

キングラー『グラッグラッ!』

 

「!?」

 

ヒイロ(相手は強敵…)

ヒイロ『コイル!フルチャージの準備を!』

 

コイル『ジジジ…』

 

「ハハハ…そんな調子では…目指すものも目指せないぞ…」

 

キングラー『グラッグラッ!』

 

ドドォォッ!

 

コイル『ジジジッ…』

 

ヒイロ『コイル!?流石…はがねタイプ…』

 

「なかなか耐久力あるじゃん…」

「俺のキングラーの技をまともに喰らって耐えたのは君がオンリーだよ…」

 

ビジッ…

 

料理人(ん?今の音は…)

 

「キングラー…つるぎのまい…」

 

キングラー『グラッ!』

 

ヒイロ(この技に全てを賭ける…チャンスは一度切り…)

 

僕は冷静に深呼吸をする…

コイルから流れた微かな電流が合図だ。

 

ビジッ…

 

「いいぞ!キングラー!」

「クラブハンマーだ!」

 

キングラー『グララッ!』

 

ヒイロ『今だ!』

 

「コイル!フルチャージした!でんきショック!」

 

「!?」

 

ビジジッ…

ドドドォォォォォ!!!

 

料理人(無策で挑んでくる奴はごまんと居た。コイルの耐久を信じることも…キングラーの僅かな隙をつくことも…でんきショックをカバーすることも…)

料理人(こいつは土壇場で…これだけの作戦を…練り上げたというのか…)

 

シュゥゥゥ…

 

ヒイロ『こうやって…修羅場を潜り抜ける…』

 

「これが…ポケモントレーナーですよね…」

 

「俺の負けだ…やるよ…ウデッポウ…」

「お前が…新しい育て親だ。」

 

シュゥゥゥ…

ポンッ!

 

ウデッポウ『ポウ…』

 

「コイツは…ちと…癖が強くてな…」

「持ち主の俺でも手に負えない…」

 

「だから…こんな話を広めたんだ。」

 

ヒイロ『ウデッポウ…よろしく!』

 

ウデッポウ『ポウ…』

 

「ほら見ろ…俺のことなんて…とうに忘れているだろ…」

 

ヒイロ『そんなこと無いと思いますよ…』

 

「…」

 

ヒイロ『ウデッポウは…あなたと出会えて…嬉しかったんですよ…沢山の思い出は…決して忘れない…』

 

ーーー

 

「こいつ…貰ってくれないか?」

「お前なら託せる…」

 

「俺に?」

 

「お前は腕が立つ…ポケモンを思いやる気持ちもある…これほど適任がいるかよ…」

 

ゴテッ!

 

「イテッ!」

「また!頭突きか!」

 

「ウデッポウ…お前と言う奴は…」

 

ウデッポウ「ポウッ!」

 

「おう?やるか?」

 

ウデッポウ「ポウッ!」

 

ーーー

 

「ウデッポウ!みずでっぽう!」

 

ウデッポウ「ポウッ!」

 

「やったな!ウデッポウ!」

 

ウデッポウ「ポウッ!」

 

「おう?楽しんでるか?」

「俺もだ!ウデッポウ!」

 

ーーー

 

ポタッ…

 

「バカ言うな…泣いてしまうだろ…涙腺が持たねぇよ…」

「コイツとの思い出を…忘れるわけないだろ!」

 

「でもな…俺は、ポケモンリーグには立てない!」

「理由は弱いからだ!ならせめて…」

 

「他の強い奴に託した方がいい…」

「俺も知り合いからコイツを託された。でも…俺にとってお前が適任だ。」

 

「ウデッポウを!俺の相棒を!ポケモンリーグに連れて行ってやってくれ!」

「知り合いと約束した夢でもある…俺がなし得なかった夢だ。」

 

料理人(俺が本当に巡り会いたかったのは…)

 

ーーー

 

「頼んだぜ…ジン…」

 

ーーー

 

ヒイロ『はい!もちろん!』

 

ウデッポウ『ポウッ!』

 

ジン(俺のどうしようもないダサい頼みを…なんの迷いもなく受け入れてくれる人だ。)

 

ジン『ありがとうな…』

 

ーーー

 

ジン『実は…シェフってやつは…嘘でな…』

 

「料理なんて…やったこと無い…」

 

ヒイロ「え!?」

 

ウデッポウ『ポウッ!』

 

ーーー

 

一方…その頃…

 

カミーユ『ヒイロ君…何処行ったんだろ…』

 

「お店…全部まわっちゃったよ…」

 

ーーー

 

ミナト『まあ…ゆったり頑張ってよ…』

 

ザザザッ…

 

アイト『まさか…俺がこんなことをするのか…』

 

 

 

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