チュートリアル兼サポート兼裏ボスやってるタイプのお兄さん   作:ゲガント

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どうもゲガントです。
他小説の執筆が行き詰まってますが、思いついてしまったので書き始めたいと思います。
拙い部分もあると思いますがよろしくお願い致します。




それでは、どうぞ


とある雪山にて

「や、久しぶりだねレッドくん」

「……………」

 

シロガネ山。

ジョウト地方とカントー地方の境目にある、雪に覆われた険しい山の山頂にて、相対する人物が2人。

方や半袖、もう片方は防寒着になり得なそうな白衣とセーターとおおよそ雪山でする格好では無い事は確かだ。

 

「全く、こんな環境でよく平気で暮らせるねぇ。鍛えるって点では確かに良い場所だろうが、長居すべき場所でもないだろうに」

「…………先生」

「………ごめん、割と洒落にならないぐらい身体が冷えてるから火の近く行っていい?」

「…………どうぞ」

 

ブルリと体を震わせ、いそいそと焚き火の側に行き持ってきた旅行鞄を椅子代わりにして座る青年。

外見としては成人してるか否か程の中性的な容姿をしている彼だが、何よりも目を引くのは顔の左上部分を覆い隠す眼帯だろう。左目の視界は完全に閉ざされている。

 

「あ"ー……生き返るぅ……」

「………それで」

「ん?」

「どうしてここが…?」

 

まだ少年とも呼べる年齢のレッドの疑問に、先生と呼ばれた青年はクスリと笑いながら口を開く。

 

「私はアッチコッチ調査に出向いてるお陰で顔が広いのはキミも知ってる事だろう?集まってきたキミの目撃情報を辿ってここに行き着いた訳さ。まぁ、流石に()()した直後から山籠りしてた子を探すのは苦労したけども」

「…………」

「キミがグリーンくんやリーフちゃんと共にマサラタウンから旅立つのを見送ってからはや2年、キミがカントーのチャンピオンになってから半年………そんでもってキミが誰にも告げず行方を眩ませてから4ヶ月。一応今はワタルくんがジョウトとカントーのチャンピオン兼任してるけど、電話越しでも分かるぐらい疲れてたぞ。あの子ポケモンGメンもやってるからなー」

「……そうなんだ」

 

無口で寡黙な少年とは対照的に絶えず話し続ける青年。

他愛もない会話もそこそこに、青年は本題に入る。

 

「なぁ、レッドくん。なんでキミは此処にいる?」

「…………」

「こんな魔境に身を置く、それ相応の理由があるんだろう?」

 

焚き火を挟んだ向こう側、アウトドア用の組み立て椅子に座るレッドを真っ直ぐ見据えて青年は問い掛ける。

 

「…………ボクは」

「ボクは?」

「まだ弱いと、思ったから」

 

齎された答えに、青年は眉をひそめた。

 

「へぇ、カントーの頂点に立ったキミがか。それまた何で」

「…………アイツに、ミュウツーに負けかけた」

「ミュウツー?………あー、なんかワタルくんの渡してきた資料にあったっけなその名前。ロケット団が人工的に作ったポケモンで現在は行方知れずって聞いてたけど」

「そう……今は、この中にいる」

 

そう言って取り出されたのは上半分が紫色を基調としたデザインの一つのボール。Mの文字を刻まれたそれの正体を知る青年は一瞬目を見張った後に納得したような表情を浮かべた。

 

「マスターボール……成る程、これじゃなきゃ捕まえられない位だったと」

「ここは、他とは比べ物にならないぐらい強いポケモンが沢山いる………ボクは、コイツを御せる位に強くならないといけない」

 

レッドは手の内にあるマスターボールに視線を落とす。

今でも脳裏に蘇る、暴走したミュウツーの姿と倒れ伏してゆくポケモン達。

相棒であるピカチュウが最後まで踏ん張ってくれたお陰で捕獲する隙を作り出せたものの、それを勝利と呼ぶのは憚られた。

 

「はぁ〜………ほら、こっち向きな」

「………?」

 

表情には出ないものの気落ちした様子を見せるレッドを見て、青年は溜息を吐きながら静かに立ち上がる。

そうして突然起こした行動に反応される前に、

 

バチンッ!

 

「ッつぅ……!?」

「全く、何でそう変な方向に思い切りが良いかなキミは………」

 

その額に容赦のないデコピンを食らわせた。

 

「……何、を」

「キミねぇ、いくらコミュニケーション取るのが苦手だからってそんなに悩むんなら誰かしらに相談しなよ。キミには頼れる幼馴染が居るだろうに」

 

青年は呆れを隠さずに言葉とともに溜息を零す。

目を丸くしてコチラを見上げる少年と共に旅に出て鎬を削り合った少年少女、彼らがこの言葉を聞いたらどんな反応をするか頭の中でシュミレーションしながらも、青年は思い出したかのように告げる。

 

「それに、私がここに来たのはキミを探して連れ戻してくれと頼まれているからなんだ」

「……誰から?」

「まぁ結構居るが……メインはグリーンくんとリーフちゃんだな。グリーンくんは目が笑ってなかったし、リーフちゃんは女の子がしちゃダメな表情してた」

「…………」

「早めに戻らないとあとが怖いぞー」

 

少年は目を逸らした。

自身が悪いという自覚はあるようで、なんともバツの悪そうな顔をしながらもその表情からは未だ抜けない不安が感じ取れる……と言っても、ほぼ無表情なのだが。

 

「それともう一つ、多分キミは思い違いをしている」

「………思い、違い?」

 

そんなコントもそこそこに、2つ目の話に入り動揺したようにコチラを見上げる少年にビシリと人差し指を突き付ける。

その示す先には、静かに存在感を放つマスターボールがあった。

 

「確かにマスターボールはどんなポケモンでも捕まえられる、強力無比な代物だ。そのせいで製造方法をロケット団やらに狙われる位だからな」

「………」

「だがその拘束力は絶対的な物じゃ無いんだよ」

「……どうしてわかるの?」

「だって試したし」

「……!?」 

 

そう言いながらアンラは持ってきていた旅行鞄を開き中身を弄り始める。着替えらしき服以外にも複雑そうな機器も入っており、外見よりも中身が多そうだ。

 

「一応私も手に入れた事があってね………これでも研究者の端くれだからね、どんなものかと相棒に入って貰って耐久テストをしてみたんだ」

「……もったいない」

「言うんじゃない、私も思ったけど興味は止められなかったんだよ…………と、話が逸れたね。それで、マスターボールに入った相棒に全力で抵抗してもらった結果だが………お、あったあった」

 

ゴソゴソと何かを探すこと数十秒、持ち上げられたのは2つの半球状の残骸だった。

 

「数分足らずで内側からぶっ壊れたよ、ものの見事に上下に真っ二つで機能停止だ」

「……!」

「ま、流石に破って貰った後はかなり疲弊していたし、この子の持つ力を考えると並のポケモンでは不可能だって事も分かるけども…………レッドくん、キミを負かす可能性のあるレベルのポケモン、伝説レベルのポケモンが全力で抗えば呆気なく負ける程度なんだよ」

「……なら何で」

「ん?簡単な話だろう、その中にいるミュウツーがキミを認めているというだけだ」

「…………?」

 

あっけらかんと言い放たれた言葉を、レッドは直ぐには理解出来ず首を傾げた。

 

「私は別にエスパーでは無いからね、正しく他の生物の心を読み解くなんて芸当は出来ないし、多分これを聞いているであろうミュウツーくんにボコボコにされる可能性もあるが敢えて言おう。

 

既にミュウツーはキミを共に有る者として認めている」

「………………」

「納得出来ないかい?」

「……うん」

「……まぁ、こんな状況でも他人を頼ろうとしなかったキミだからなぁ」

 

青年が示した答えと道に、レッドが返した言葉は「NO」だった。

 

「………ボクは、まだ戻れない」

「ふぅむ、キミも意固地だな………じゃあこうしよう」

 

青年の考えた説を聞いてもなお不安なのか、それとも確実にキレているであろう幼馴染達に会うのが怖いのかは分からないが未だここに残り続けようとする少年に対し、アンラは何かを思いついたのかニヤッと笑うと腰のベルトのホルダーに納められたモンスターボールの一つを手に取り手の中で弄ぶ。

 

「今から私とポケモンバトルだ、それが今のキミが一番納得出来る方法だろう?」

「………!!」

「レッドくん……いや、カントーリーグチャンピオン、受けてくれるかい?」

「…………勿論」

 

これまで微々たる変化しかしなかったレッドの表情が、明確に好戦的な笑みとなって口角が上がる。

アンラと同じようにモンスターボールを手に取ったかと思えば椅子から立ち上がった。

 

「思えば、君とバトルするのは本当に久々だね。たしか君がマサラタウンを旅立つ時にしたのが最後だったっけか?」

「そう、それが最後()()()

「そうだね」

 

懐かしむように言葉を交わし、示し合わしたように焚き火の側から離れて近くの広い空間へと足を運ぶ。

 

「アンラ先生………全力で行くから」

「勿論、寧ろ全力で来てくれなきゃ困るなぁ」

 

先程までの子供らしさ等微塵もない、凡人が晒されたら直ぐに呑まれてしまう程の気迫を発するレッド、

そしてそれと真正面から相対しても何も変わらないかのように微笑む青年……アンラ。

 

「行くぞ、ピカチュウ……!」

「ピッカァッ!!」

「全力で行こうか、イエッサン」

「イエッサ」

 

2人が同時にモンスターボールからポケモン繰り出す。

ピカチュウの頬袋から迸る電気はやる気を表しているかのように強大で、解き放たれる瞬間を今か今かと待っている一方、イエッサンは片目(・・)で静かに相手を見据えて佇むのみ。

観客となる生物は存在せず審判さえもいない広場は少々不思議なフィールドへと書き換わり、2人はほぼ同時に自身のポケモンに指示を飛ばした。

 

「全力を尽くせ、10万ボルト!」

「ワイドフォースで迎え撃て!」

 

ぶつかり合う電撃と念波、その余波は周囲の雪を吹き飛ばし地表を露出させても止まらない。

 

 

かくして、雪山の頂上にて誰にも知られぬバトルが始まったのだった。




滅茶苦茶このあとバトル描写が入りそうな展開ですが次回から普通にSV編です。
そのうち詳しく描写するかもしれません。


アンラ

旅をしながら研究をしているポケモン博士。
何処かしらに研究所を構えること無く世界を巡っており、「放浪博士」と呼ばれてたりする。
頻繁に各地の博士の元に滞在したり、ついでに趣味でジム巡りもしているので顔は広い。

諸事情で見た目は成人したばかり位の中性的な青年だが、結構いい年齢らしい。

イメージCV:沢城みゆき

メインの手持ち

・イエッサン(♂)
 主人公の相棒その1兼研究助手
 生まれた頃からの付き合いで半身的存在
・?????
・?????
・?????
・????
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