「いざスタート!
アポイントメントいいスタートを切りました。
ちょっとニキトチャールズはタイミングが合わないか。
ウオッカはまずまずのスタートを見せています。」
...少しスタートのタイミングが遅れちゃった。
大外で後ろからは不利、少し体力を消耗しても上がった方が得策かしら。
近くには...丁度逃げの15番の子が遅れてしまっている。
彼女も上がろうとする筈、一バ身後ろにつけて蓋されるリスクを下げていこう。
「横を見ながらアマリノオクリモノ、制して先手を取りました。
二番手集団固まっておりますが、内からはシャンランネイチャカタマリボウガン共に上がっていきますアポイントメントヴァレンテイン。
さらに外からはサクラヒラヒラさらにはダイリセキリングも後位集団の一角。」
15番の子がいきなり大きく加速する。
スパート寄りの一手、かかり気味かもだけど、傘にするには都合は良いはず。
この様子なら十分ウオッカの前に出て準備はできる。
小さく息を入れ、姿勢を少し前に倒す。
合わせて上がる!
「一気に外側行った行ったぁ!
紅白の勝負服が抑えられないといった感じで上がっていきます。
釣れて上がっていったダイワスカーレット。」
後ろから赤と白の勝負服が上がっていく。
15番の奴か。ジュベナイルフィリーズの時に二着に迫られはしたが、今ならもう突き放せるだけの実力は持ってる。ここは見逃して体力を...
遅れてもう一人、赤い勝負服の人影が行く。
...待て!スカーレットが前に行きすぎるのは不味い!
僅かに外に飛び出し、スカーレットの進路を後ろから上がる。
逃がしはしねぇぜ、スカーレット。
お前にだけは勝つ!
「ダイワスカーレット三番手集団外めにつけた。
これを後ろから見るように...。
さあ三コーナーカーブしたところでウオッカが追走中団バ群の外め。
内にアポイントメント、下がってアメニウタエバ、そしてその外からヒカリレスペデーザ。」
800のハロンまでもうすぐ、仕掛けるなら今!
深く一歩を踏み込む。
ほぼ同時、スパートを察した他のウマ娘も速度をあげようとしているのが見える。
良いわ、着いてきなさい。
◢◤◢◤◢◤Wind of Scarlet◢◤◢◤◢◤
RED ACE
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体が吹き飛ぶように加速するが、周りの子達も無理矢理加速に合わせてくる。
流石はGⅠね、合わせてくるなんて!
ハナを取れなかったのはアタシには予想外だったけど、
それにこの速度をここから出し続けるなんて、今の時期のマイルや短距離の子達には無理。
最後まで着いてくるなら中長距離を戦えるウマ娘、特にウオッカとナガイヨルの二人。
でもそこも対策済み。
できる限り加速して、距離と速度を持って追い付かせない!
ここまでは順調、あとは仕掛け時の準備か。
そろそろ外側に寄っておかないと仕掛け時のルート取りが...
視野の左端から二人のウマ娘が映りこんでくる。
......嘘、仕掛けが想像より早い!
スカーレットとウオッカが前に出ての影響?
いやスカーレットの早仕掛けのせいか!
──そんなことはどうでもいい。
完全に外側を塞がれたのは不味い。
前にも後にも詰まっている現状、抜け出す道が無い。
どうする、ツキヨナガイヨル、ここから抜け出す一手を...
「6番のツキヨナガイヨルはここにいます。
その斜め後ろから13番のフロータスキール、外を通ってバッドバッドナイツ 。
一バ身差の位置にはイクサキューヴ、ニキトチャールズが最後方追走です。
さあ各バが三四コーナーの中間地点へとかかります。
半マイル47秒の後半であります。
残り800の地点通過して第四コーナーカーブにに入って来ます。
先頭はアマリノオクリモノ、リードは体の半分と言ったところ。
ダイワスカーレットは三番手。
その後ろからウオッカ接近六七番手の位置で虎視眈々です。
最内からはシャンラン、シャンランネイチャ追走しています。
カタマリボウガンも間から直線コースへと向かいました!」
「──ここっ!」
外側と前のウマ娘の間が空いた瞬間を逃さず、大きく斜め前に飛ぶ。
これで動ける、とりあえず最初の問題はクリアできた。
後は前に追い付くのみ。
既に付いた差は諦めるには十分な程、でもそれで諦める様なら私はこの舞台には居ない!
私はツキヨナガイヨルだ!
建前だけでも、夜月家の名を背負うウマ娘だ!
私はツキヨナガイヨルだ!
あの人を支え夢を果たすに足る強いウマ娘だ!
「私はぁッ!」
◢◤◢◤◢◤Forever Night◢◤◢◤◢◤
「ちょっと!?」
内側のウマ娘が僅かにふらつき、慌てて少しだけ外に出る。
「うわっ!」
斜め後ろから聞こえるはウオッカの声。
軽く視線をやると、少し外側にズレたものの体制は崩していない様子。
まず一安心。
少し無駄に走ることにはなるけれど、それはウオッカも同じ。ウオッカの加速を少しでも潰せたならむしろ御の字。
後は最後の仕掛け、ほんの僅かだけ進行方向を直線から傾ける。
なるべくこれ以上走る距離が長くならないよう、それでいて斜行範囲に入る前には走路の重ねが十分になるよう。
王手よ、ウオッカ!
「先頭はアマリノオクリモノ!アマリノオクリモノ!
外に持ち出していったダイワスカーレットとウオッカが足を伸ばしてくる!
釣れて真ん中からも前に接近してくるが!
外から真打ちやってくる!
さあダイワスカーレット!
ウオッカ!
三名の追い比べとなっているが!」
一馬身半先の背中を睨む。
やっぱりお前は強いよ、スカーレット。
認めてやるよ。俺と同じぐらい強えぇよ、お前は。
でもな。
◢◤◢◤◢◤Booster, Ignition◢◤◢◤◢◤
「俺の方が!もっと上だ!」
◢◤◢◤◢◤Booster, Ignition◢◤◢◤◢◤
Accelerate-X
◢◤◢◤◢◤Booster, Ignition◢◤◢◤◢◤
「ここで抜け出したのはダイワスカーレット!
ダイワスカーレット!
ウオッカは現在半馬身差単独二番手少し苦しそうか!
だがじわじわと詰めている!
ウオッカじわじわと詰めている!
時間の問題か!
ゴールか逆転かどちらが早いか!」
「やべっ!」
いつの間にかスカーレットに追突しそうになり、慌ててスパートから速度を落とす。
さっき仕掛けた時は、間違いなく進行直線上にコイツは居なかった。
斜行?いや、コイツの走る方向がいきなり斜めに変わったならすぐ気付く。
...最初から直線に出たタイミングで少しだけ斜めに走ってたのか!
それで範囲外の内に潰せる位置に来て直進に戻した!
やられた、スパートを潰されちまった。
でも、満足に足が残ってないのは同じこと。
視界の左端に、誰かの左手の先がうつりこむ。
誰の、なんて考えるまでもない。
このレース、ほとんどずっとアタシの斜め後ろを走ってた奴。
追い付かれたのは非常に不味い、このままじゃ、抜かされる─?
──嫌だ!
嫌だ!
「アタシがぁ!」
内から沸き上がるものが思考を塗りつぶす。
沸騰したような頭が、瞬時に体を動かす。
右足が、もう一度深く踏み込まれる。
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◢◤◢◤◢◤▼Overwrite▼◢◤◢◤◢◤
◢◤◢◤◢◤▲ e r r o r ▲◢◤◢◤◢◤
「一番なんだからぁ!!」
◢ ◢◤◢ Top ■ ■ ◤◢ ◢◤
-RI-LI--T -ED A-E
◢◤ ◢◤ ■ of ■ ◢ ◢ ◤
「ウソ、だろ?」
口をついて言葉が漏れる。
それだけのことを目にしている。
あり得ないほどの速度で遠ざかっていく赤い背中。
無茶苦茶だ。800mからあのスパート、足なんて残って無ぇ。無ぇ筈なのに。
まだ、加速する力が残ってるってのかよ。それもチューリップの時の再加速なんて目じゃねぇ程の。
無茶苦茶だ。
本当に無茶苦茶だ。
でも、だからこそ。
ありったけの力を振り絞る。
「俺は!お前に!勝ちてぇ!」
「ダイワスカーレット驚異的な加速!
ウオッカも加速するが!
ウオッカ捉えきれないか!
ウオッカ捉えきれない!
三番手にはカタマリボウガン上がって来るか!
先頭は!18番の!ダイワスカーレットォ!
ダイワスカーレットゴールイン!
ゴール手前10mで早々とダイワスカーレットが右手を上げました!
ウオッカ届かない!
クラシック姉妹制覇!ダイワスカーレットです!
そして二番手はウオッカ!
以下、カタマリボウガン、ツキヨナガイヨル、イクサキューヴと続いています。
桜花賞を制したのはダイワスカーレットです!