東方奇才伝   作:サンダーボルト

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書きたい衝動に駆られて、新しい小説書きました!東方奇才伝共々よろしくお願いします!


紅魔館に泊まろう?

~レミリアサイド~

 

 

「…ストレス?」

 

「ああ」

 

 

フランが泣き止んだ後、私はレヴァンにフランを閉じ込めていた理由を打ち明けた。それを聞いたレヴァンはある仮説を私に話した。

 

 

「つまりだな、こいつの狂気は長い時間閉じ込められていたせいでここまで悪化したんだよ」

 

「そんな…」

 

 

思わずたじろいでしまった。それは、つまり…本来ならフランを閉じ込める必要は無かったって事…?

 

 

「400年以上も部屋の中だけで生活してたら、そりゃおかしくなるだろ。もっと外に連れていってやるべきだったな」

 

 

フランは複雑な表情で私とレヴァンを交互に見ている。言葉に詰まっている私を見かねて、パチェが代わりに話を続けてくれた。

 

 

「待って、原因が狂気だけじゃないのはあなたも分かっているはずよ」

 

「破壊する程度の能力だろ?それがあるから何だっていうんだよ」

 

「何だ、って…制御出来ないんだから危ないでしょう?」

 

 

パチェがそう言うと、「何言ってんだコイツ…。」とでも言いたそうな顔をしてレヴァンは続ける。

 

 

「剣を振らないで剣術が上手くなると思うか?」

 

「…うっ……」

 

 

もっともな言い分にパチェも黙り込んでしまう。

 

 

 

つまり、こうだ。

 

 

 

フランの狂気は元々ここまでは酷くなかった。だけど、『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』を思い通りに使えなかったので、狂気にのまれて能力が暴走するのを避けるために閉じ込めた。しかし、閉じ込められたせいでストレスが溜まり、フランの狂気は更に酷くなってしまった。

 

私達がすべき事は、フランが能力を使いこなせるように手伝ってあげる事だったのだ。

 

そんな簡単な事も分からずに、今まで私は…。

 

 

「お姉様」

 

 

俯いた私にフランが声をかける。ああ…折角距離が縮まったと思ったのに、また嫌われてしまうのね…。でも、私に原因があるんだもの…当然よね。

 

 

「お姉様?私はもう気にしてないよ?だから、そんな悲しい顔しないで…?」

 

 

……え?い、今…なんて言ったの?

 

 

「…フラン、遠慮する必要はないわ。言いたいことを言いなさい」

 

「もう!聞いてなかったの!?私は気にしてないってば!」

 

「…本当に?こんな私を…許してくれるの?」

 

「え?だって、お姉様は私の為にやっていたんでしょ?私、寂しかったけど…そういうことなら許してあげる!」

 

「…ありがとう…」

 

 

天真爛漫な笑顔を見て、私は思わず泣きそうになってしまった。閉じ込めてしまう前の、狂気に蝕まれていないフランが戻ってきてくれた…!ありがとう、フラン。あんな事をしてしまったのに、良い子のままでいてくれて…。

 

 

そうだ、お礼を言う相手がまだ一人残っていたわね。

 

 

「レヴァン、あなたにもお礼を言うわ。本当にありがとう…」

 

「……言われる資格はない。僕はお前の妹を殺そうとしたんだ」

 

「ええ、そうね…。でも、フランは死んでいないわ。それにそんな物まで用意していたんでしょう?」

 

 

パーソナルシェルターを指差す。レヴァンは顔をしかめて、心外だというように首を振る。

 

 

「別にお前達の為に用意した訳じゃない」

 

「あら、戦っていた時に使う機会がいくらでもあった筈よね?」

 

「使うまでもなかっただけだ。これは本当の緊急時にだけ使う」

 

「なら、私とフランが死にそうだったのは本当の緊急時だったという事ね」

 

「……」

 

 

レヴァンは黙り込んで睨んでくる。どうやら不機嫌になってしまったみたい。それにしても頑固者ね…。そこまで認めたくないのかしら?

 

 

「ふふ…まあいいわ。あなたがどんな思惑だったにしろ、私達を救ってくれたのは事実よ。異論は認めないわ」

 

「勝手にしろ…」

 

 

ぶっきらぼうに言って顔を明後日の方向へ向けたレヴァン。照れている…というよりも、うんざりしていると言った方が正しいわね…。

 

 

「ねえ、話がまとまったんなら、さっさとこの霧消してくれない?」

 

「分かっているわよ…うるさいわね…」

 

 

霊夢が突然催促を始めたので、若干苛立ちながらもパチェに霧を消すように命令する。

 

 

「ま、何はともあれ異変も無事解決したし、めでたしめでたしだな!」

 

「そうだな、さっさと帰るぞ」

 

 

パーソナルシェルターをどうやったのか小さくしたレヴァンが踵を返して去ろうとする。

 

 

「待ちなさい」

 

 

そうはさせないわ!紅魔館の主として、恩人をこのまま帰すわけにはいかないわ!

 

 

「なんだよ…」

 

「あなた達も今日は疲れたでしょう?一日くらい泊まっていったらいかが?」

 

「へ、いいのか?なら遠慮なく泊まらせてもらうぜ!」

 

「…ねえ、咲夜」

 

「なに、霊夢?」

 

「晩御飯って…美味しいもの出る?」

 

「そうね…あなたの食卓より遙かに豪華よ」

 

「泊まるわ」

 

 

魔理沙と霊夢はあっさり承諾したわね。というか、霊夢は完全に食べ物で釣られたわね…。まあ、多分魔理沙もだろうけど。それより…問題はレヴァンよね。案の定、渋い顔をしてるわ。どうやって泊めさせようかと思案していると、フランがレヴァンに近づいて手を引っ張り始めた。

 

 

「ね~、お兄ちゃんも泊まっていってよ~」

 

「…僕はお前の兄じゃないぞ」

 

「…お兄ちゃんって呼びたいんだもん……だめ?」

 

 

目をうるうるさせて見上げながらそんな事を言い出すフラン。レヴァンは頭を掻いて悩んでいるようだったが、しょうがなく了承したようだ。流石、私の妹ね。

 

 

「フランお嬢様もこう言っていることですし…ここはお二人の顔を立てて泊まっていきましょうよ~?」

 

「…離せ」

 

 

美鈴が肩を掴んで揺さぶりながら催促して、レヴァンがその手を鬱陶しそうに払いのける。いつの間に仲良くなったのかしら…?

 

 

「レヴァン様、お召し物もボロボロですし、このまま帰すのは私たちとしてもとても心苦しいのです。一晩だけでも駄目でしょうか…?」

 

 

苦笑交じりに咲夜も説得に参加してる……え、何?皆して一体いつの間に仲良くなったのよ…。

 

 

「……分かったよ」

 

 

渋々、本当に渋々と答えるレヴァン。誘っておいてなんだけれど、そんなに泊まるのが嫌なのかしら…?

 

 

 

 

……まあ、でも。

 

 

 

 

今夜は賑やかになりそうね。

 

 

 

 

私は含み笑いを浮かべながら、紅魔館へ戻っていった…。




次回からはようやくシリアスが無くなります。楽しみに!
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