魔理沙の放った極太レーザー、マスタースパークはレヴァンを飲み込み、そのまま大地に巨大なクレーターを作り出した。
「うわ……ちょっとやり過ぎたかも…」
「ちょっとどころじゃないでしょう!?」
煙が上がり、大きく地面が抉れた惨状を目の当たりにして、魔理沙は少し青ざめながら呟く。そんな魔理沙を責めるように怒鳴りながら、霊夢はレヴァンの無事を確かめる為にクレーターの中心へ飛び込む。魔理沙も霊夢に続いて飛び込み、地上でも真っ先に動いていた美鈴を筆頭に全員が走っていた。
煙が立ち込めているせいで視界が悪く、手で振り払うようにしながらレヴァンを探す。その中で、最初にレヴァンを見つけたのは美鈴だった。彼女はレヴァンの気を探り、割れた地面に足をとられないよう気を付けながら近づいていった。そしてようやく視認できるほどの距離となり、見たところ大きな怪我の無いレヴァンの姿を確認して、胸を撫で下ろした。
レヴァンはその場に胡坐をかいて座り込んでいる。顔は俯き気味になっており、前髪が目元を隠していて表情が読み取れない。霊夢達も程なくしてその場に合流し、美鈴と同じくホッとしていた。
「災難でしたね…お疲れ様です。大丈夫ですか?」
そう言って手を差し出す美鈴。だが、レヴァンからの反応は無かった。沈黙が続き、美鈴が差し出した手を戸惑いながら戻す。皆がどうしたものかと互いに顔を見合わせていると、魔理沙がレヴァンの肩に手を置いた。
「まあ、そう気を落とすなよ!初めてにしてはいいセンスしてたぜ?なんなら、私が直接指導してやっても…」
「うるさい、どかせ」
今までに聞いたことの無いような、ドスの効いた声。魔理沙はその迫力に手を引っ込め、後ずさる。レヴァンは立ち上がると、まるで親の仇でも見るような憎しみの視線を魔理沙に向けた。何も言わず、ただ魔理沙を睨み続ける。
魔理沙は段々とその視線に耐えきれなくなり、被っている帽子の鍔で顔を隠す。
「……ご…ごめん…」
俯きながら絞り出すように謝罪の言葉を述べる。その鼻声まじりの声を聞いたレヴァンは、顔を押さえて何かを振り払うように大きく左右に頭を振る。
「…いや、僕の方こそすまない。少しイラついていた」
とげとげしい雰囲気が消え、素直に謝るレヴァン。魔理沙は驚いた様に顔を上げ、その後片手を差し出した。レヴァンは訝しげにその片手を見ている。
「…ほら、仲直りの握手だよ。お互い様って事でさ」
「……ああ」
魔理沙に言われてようやく意図を理解できたレヴァンはそれに応じる。
「悪かったな」
「もういいって」
少し照れくさそうに頬をかいている魔理沙を見て、レヴァンはほんの少しだけ口元を緩ませる。
くいくいっと服が引っ張られ、そちらに顔を向けると、ルーミアが不安そうな表情を浮かべてレヴァンを上目づかいで見ていた。
「レヴァン……もう怒ってない?」
「僕は最初から怒ってなどいないぞ。ただイラついていただけだ」
「同じようなもんでしょ…」
霊夢が呆れ気味に呟く。レヴァンは魔理沙から手を離し、ルーミアの頭を撫でてやる。ルーミアは不安が消えたのか笑顔になり、レヴァンに抱き着いた。
「えへ~♪」
「おいおい…」
ルーミアを引きはがそうとするレヴァンだったが、別の方向からの衝撃を受けてのけぞる。引きはがす作業を中断してそちらを見やると、そこにいたのは…?
「う~…」
何故か少し不機嫌そうなフランが抱き着いていた。
「お前までなんだよ…」
「別にっ!」
ぷいっと顔を背けるフランに困惑していると、パチュリーがニヤニヤしながら、
「フランも頭を撫でてほしいのよ」
と助言した。
「ちょ、パチェ!?」
反論しようとしたフランだが、それより先にレヴァンの手がフランの頭へ伸びた。そのまま髪を梳くように撫でると、フランの表情がみるみるうちにとろけてゆく。
「お兄ちゃん、もっと~…」
「レヴァン、もっと~」
「……」
困ったように眉をひそめるレヴァンと、抱き着いたままねだるように頬ずりをするルーミアとフラン。この微笑ましい光景を見て、全員が笑顔になると共に、異変の終わりを物語っていた。
金髪三人娘のターンでした。
次回からは遂に皆さんお楽しみの宴会の話です。前の宴会でとんでもない事をやらかしたレヴァンは、今回はどんなトラブルに巻き込まれるのか、はたまたトラブルを起こすのか…?
原作前倒しで色々なキャラを登場させる予定ですので、どうぞご期待ください。