東方奇才伝   作:サンダーボルト

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オリジナル異変入ります。


奇才と妖怪の関係

~魔理沙サイド~

 

 

「紫の力無しって…どういう事?」

 

「あなた達、前に起きた狂気異変って覚えてる?」

 

「……忘れる訳ないじゃない」

 

 

 

……狂気異変。

 

 

 

幻想郷の下位に属する妖怪が一斉に凶暴化して人里を襲った異変だ。天狗の射命丸文みたいに人の言葉を喋れるくらい知恵のある妖怪には影響がなくて、レヴァンを襲ってたやつみたいに知恵より本能で動く妖怪に影響があった。

 

もちろん霊夢や私も異変解決のために戦った。けれど、数が多い上に広い範囲で起こったから完全に食い止める事はできなかったんだよな…。

人形使いのアリスや寺子屋の先生の慧音達も加勢に来てくれて、何とか収まった。けれど怪我人が大勢出てしまった。

 

……辛かったなあ。霊夢も珍しく落ち込んでたし。

普段は異変解決の後は、仲直りや英気を養うために宴会をやるんだけど、狂気異変の時はやらなかった。まあ、やったとしても私は行かなかったと思うけどね。

 

 

「それで、狂気異変とレヴァンの幻想入りと、どんな関係があるんだよ?」

 

「実は狂気異変の時に、外来人が幻想入りしてきたの」

 

「それがレヴァンって事?」

 

「いえ、違うわ。その外来人はレヴァンとは別人よ」

 

「は?違うの?じゃあその外来人はどうなったのよ?」

 

「その外来人は凶暴化した妖怪に食べられたみたい。混乱してたから確かな事は分からないけどね」

 

「話が見えないぜ…」

 

「重要なのはここからよ。……実は、外来人が幻想入りしてきた道から、妖怪が外に出ちゃったのよ」

 

「そしてその妖怪は、偶然にも僕の拠点の近くに現れた」

 

「…………待て待て待て!何で出られるんだよ!?外界には霊夢みたいな人間か、紫みたいに高位の妖怪しか行けないんじゃないのか!?」

 

「魔理沙の例えは大雑把過ぎるけど…少なくともあんな弱い妖怪が外に出たら、あっという間に妖力無くなって消えちゃうんじゃないの?」

 

「凶暴化しただけじゃなくて、妖力も強化されてたのよ…。だから外でも普通に動けたみたい」

 

 

そういや、妙に強かった記憶があるな。数の差のせいかと思ってたけど違ったみたいだ。アリス達が来てくれなかったら、私達も危なかったかもな…。

 

 

「幻想入りって一方通行じゃなかったの?入ったり出来るなんて思わなかったわ」

 

「妖怪達が一斉に人間を襲った影響で、幻想郷の均衡が崩れかけたせいで歪みができちゃったみたい。いつもは開いてもすぐ閉まるわ」

 

 

妖怪が人間を襲う、がルールの幻想郷でも例外はあるんだな。

 

 

「僕はその妖怪を始末した後、幻想郷へ通ずる道を見つけた。八雲のように言うならば、スキマをな。閉じかけていたそのスキマを研究、調査し、それをまた開く方法を見つけた。そしてスキマを作り出し、僕は見事に幻想入りを果たしたというわけだ」

 

 

一息で言いきり、お茶をすするレヴァン。てか、さらっととんでもない事言いやがった!?あの八雲紫の能力をコピーしたのか!?ありえないぜ…。

 

 

「そのあとが大変だったのよ。幻想入りしたレヴァンと、狂気異変でピリピリして警備を強化した天狗達が鉢合わせしちゃってねえ…」

 

 

あ~そりゃ不味いな…。天狗達山の妖怪は縄張り意識が強い。ましてや、外来人なんか歓迎してくれるとは思えないぜ。

 

 

「で、天狗達が喧嘩吹っ掛けたんだけれど…返り討ちにされたのよね。レヴァンが作った……天ぷらあんこうだったかしら?」

 

「テンプルアーマーだ。僕は料理人じゃない」

 

 

そうそう、そんな名前だったわね、とわざとらしく手を合わせる紫と、若干キレかかってるレヴァン。気持ちは分かるけど落ち着け…。

 

 

「それで僕と幻想郷の全面戦争を避ける為に、八雲が交渉に来たんだ」

 

「だから紫の事を知ってたのね…」

 

「そういう事♪」

 

「でもさ、交渉が上手くいったからレヴァンは外界へ戻ったんだろ?なんでまた連れてきたんだよ?」

 

「言わなかったかしら?面白そうだからよ」

 

「………」

 

 

レヴァンは何も言わずに紫を睨んでいる。こ…怖いな…。

 

 

「……せめて、テンプルアーマーを2、3体持ってきて貰いたいのだが?」

 

「……ごめんなさい、それは出来ないわ。幻想郷に兵器を持ち込む訳にはいかないの…」

 

 

前に霊夢から聞いた事がある。幻想郷では外界から道具が流れ着く事があり、それが危険な物だった場合は紫が捨てていると。

 

 

「変わりといってはなんだけど、幻想郷で作るのは構わないから。それと、今日からここに住んでもらえるかしら?」

 

「は!?なに勝手に決めてるのよ!」

 

「あら、いいじゃない。愉快な同居人が増えるわよ?」

 

「僕は不愉快だがな。まあ安心してくれ博麗。同棲はしない」

 

「しないって…住む所あるのかよ?」

 

「アテはある。心配いらん」

 

「何よアテって?私知らないわよ?」

 

「教えてないからな」

 

「ふ~ん……多分大丈夫よね、レヴァンだし。じゃあ私帰るから。あ、幻想郷の事、詳しく案内してあげてね」

 

「ち、ちょっと!?」

 

「じゃ、ヨロシクね~☆」

 

 

そう言って紫はスキマを開き、消えていった。自由にも程があるだろ…。

 

しっかし、レヴァンが紫と知り合いなんてな…。世の中何があるか分かんないもんだぜ。

 

 

「ま、何にせよしばらくは幻想郷にいる事になるんだし、よろしく頼むぜ!」

 

「…………ああ」

 

「……はぁ…」

 




ちなみに、紫と交わした契約により、現在レヴァンはスキマ能力を使えません。まあ、機材が必要なのでどっちみち出来ませんけどね。
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