東方奇才伝   作:サンダーボルト

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文々。新聞質問コーナー


射命丸文
Q:現在の私の好感度はいかほどでしょうか?


A:栓抜きと同じ。


嵐の前の騒がしさ

~レヴァンサイド~

 

宴会の翌日、僕は早速香霖堂へ赴いた。森近と八雲はああ言ったものの、万が一という事もあるからな。それに、僕も戦力の補充を急ぎたいという思いもある。昨夜のスカーレット一味は近々異変を起こす。博麗達には言っていないが、きっと予想はついているだろう。

 

僕は体は頑丈ではあるが、魔法やら弾幕やら幻想郷の戦い方の知識はまるで皆無だ。もし僕に不慮の事態が起きて、博麗達の動きが鈍るのは避けたい。

 

 

「何ボーッとしてんだ?」

 

「……今後について考えていた」

 

「大丈夫だって、何が起きても私や霊夢が何とかしてやるぜ!」

 

「頼もしい事だ」

 

 

現在、僕は霧雨に道案内をしてもらっている。最初は1人で行こうとしたが、

 

 

「あんな真似した奴を1人で行かせられるか!」

 

 

と言われてしまった。自業自得だから反論のしようもなく、しょうがなく一緒に行動する事になった。

 

 

「お、着いたぜ!」

 

 

ここが香霖堂か。何となく怪しげな雰囲気がするな。森の中という場所柄のせいかもしれないが。とりあえず中へ入ろうか。

 

 

「邪魔するぜ!」

 

「たのもう」

 

「いらっしゃい。僕の店の看板を取っても良いことは無いよ?」

 

「ただの冗談だ」

 

「はは、安心したよ。さ、こっちに来てくれ。奥に保管してある」

 

「ああ」

 

 

店主に案内されて奥の部屋に行こうとすると、袖を引っ張られた。振り向くと、霧雨が遠慮がちに聞いてきた。

 

 

「な、なあ…私も見ていいか?」

 

「構わんよ」

 

「そ、そうか!ありがとな!」

 

 

霧雨は勘違いしているようだが、別にアーマーを見られるのは嫌ではない。アーマーの技術を奪われたり、勝手に使われるのが我慢できないだけなのだ。

 

部屋の中に入ると、2つのテンプルアーマーが僕を迎える。

 

1つは飛行用に作った【ジェットパック】

 

もう1つは地中での戦闘用に作った【サンドワーム】

 

 

まさか幻想郷に流れ着くとは思ってもみなかった。僕を捜索でもしたせいだろうか?

まあこの際どうでもいいか。僕は早速アーマーの状態を調べる事にした。あった所で動かなければ話にもならない。工具一式はあるが、複雑な故障があればパーツを取り替える必要もでてくる。だがそれが幻想郷で手に入るかどうかは怪しい。故障していない事を祈ろう…。とりあえずサンドワームよりも小さいジェットパックから調べるとしようか。

 

 

興味があるのか、森近と霧雨が覗きこんでくる。邪魔だな…。

 

 

「ほへー……何してるのか、まるで分かんないぜ…」

 

「だろうな」

 

「これは一体どう使うんだい?僕の能力で空を飛ぶって事は分かるんだけど、使い方は分からないんだ」

 

「まあ僕以外には基本使えない。まずは背中に装着して、その後全身に装甲が展開する。背中と足にブースターがあるから、それを使って飛行する」

 

「「…………。」」

 

 

まるで理解してないな。まあ幻想郷にとってはオーバーテクノロジーだから仕方ない。

 

 

「翼がついてるけど、それを羽ばたかせる訳じゃないのか…」

 

「小さすぎるな。これは向きや高度を変える時に使う」

 

「ふ~ん…」

 

「こっちも装着するのかい?随分大きいけど…」

 

「出来ない訳ではないが、殆どそのままで使ってる。というか、よく持ってこれたな…。3mはある筈だが」

 

「まあ、珍しかったからね。台車を使って何とか運んできたよ」

 

 

他愛のない会話をしながら調べていると、とんでもない事に気がついた。

……弾薬がそのままじゃないか…。ジェットパックには武装として、ミサイルランチャーとチェーンガンが付いている。それらの弾薬が満タンになっていたのだ。下手したら香霖堂が消し飛んでいたかもしれんな…。

 

 

とりあえずは故障していないようだ。僕はサンドワームの点検へ移る。

 

 

「……何か虫みたいだよな、それ」

 

 

間違っちゃいない。サンドワームは芋虫とムカデをモチーフにして作ったからな。

 

 

「それは地面に潜れるんだろう?」

 

「ああ。地中での戦闘や奇襲用に作った」

 

「それはいいけどさ……見た目はもうちょい何とかならなかったのかよ…?」

 

「我慢しろ」

 

 

まあ、虫の形状なら女受けは良くないわな。どうだっていいが。

 

 

「地面の中からこんなのがいきなり出てきたりしたら……ゾッとするぜ…」

 

「……確かに。下手な妖怪より恐ろしいね」

 

「結構な誉め言葉ありがとうよ」

 

 

それも狙った形状なんだがな。しかし、でかい分時間がかかるな。弾薬とかは積んでないから危険性は無いが…。

 

 

「時間かかりそうだし、昼ごはんにしないか?」

 

「そうだね。レヴァン君も一休みするといいよ」

 

「生憎とアーマーの整備を苦だと思った事は一度もない。僕はいいから2人で昼飯食ってこい」

 

「ふっ、こんな事もあろうかと、私が作って持ってきておいたぜ!」

 

 

何か荷物持ってたと思ったらそれか。霧雨の料理ねえ………期待できないな。

 

 

「魔法の森で採れたキノコを使った炒め物だぜ!」

 

「……大丈夫なのか、それ?前、僕にも作ってくれたけど、幻覚を見るキノコ混じってただろう…」

 

「あれはたまたまだ!偶然偶然!ほら、失敗は成功の元って言うし!」

 

 

失敗してんだろそれ。元々無かった食欲が更に失せた。

 

 

「今回はちゃんと味見もしたし、大丈夫だぜ!」

 

「……まあ、それなら良いかな。皿と箸を取ってくるから、手を洗ってきなよ」

 

「ああ!ほら、行くぞレヴァン!」

 

「待て、まだ途中…」

 

「アーマーは逃げやしないだろ?でも私の料理は逃げるぞ、腹の中に!」

 

 

さして上手くも面白くもない理屈を言いながら、半ば強引に僕を引っ張る霧雨。幻想郷に来てから、こいつに引っ張られっぱなしだな。鬱陶しい反面、何故か逆らう気になれない。親切というのに飢えているのか、僕は…?

 

……馬鹿馬鹿しい。考えたって答えなんか出ないだろう。僕はそう結論づけて、手を洗った後に食卓についた。

 

 

「……毒々しい色だけど、味はいけるね」

 

「水色のキノコなんか拾ってくるな。気持ち悪い奴め」

 

「味は良いんだからいいだろ!見た目より中身だぜ、中身!」

 

 

味付けが薄いせいで僕にとっては何ともいえなかったが、他2人の反応を見ると当たりだったようだ。数種類のキノコを使った特製の炒め物。色合いは不気味だが、まあ食べられない事はないだろう。霧雨の認識を多少は改めなければな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな事を思っていた時期が僕にもあったんだよな、懐かしい。

料理を食べ終わりしばらくすると、急に2人が苦しみ出した。食あたり……にしては顔色が悪すぎる。

 

 

「おいどうした」

 

「や……やば…毒キノコ混じってたのかなぁ…?」

 

「あ……味見したんじゃ…ないのか…!?」

 

「し、したけど…」

 

「ならなんで…!?」

 

「………全種類かじってみたか?」

 

「あ………!?」

 

 

霧雨の顔が青ざめる。こいつ、使ったキノコのうち、1種類しか味見してなかったな。というか、味見と毒味が混ざってるぞ。味見は毒性があるか判断する為にやるんじゃないからな?

 

 

 

 

その後、僕は上白沢へ助けを求めた。彼女の知り合いに八意永琳という女医がいて、偶然にも人里に居たのが幸いし、事態はどうにか治まった。もっとも霧雨はこってりと絞られていたがな。

同じ料理を食べたのに、何故僕だけ症状が出なかったのか八意と上白沢にしつこく訊かれたが、全部無視した。サンドワームの点検が済んでいなかったからな。

 

 

点検が一通り済んで分かった事は、どちらも全く故障していなかった事だ。流石は僕だな。

ただ、動力炉を稼動させなければ動かす事は出来ない。一度稼動させれば半永久的に動かせるんだが、それに必要なエネルギー源が香霖堂には無い。コンセントすら無いからな…。仕方がない、博麗神社に持ち帰ってホームカプセルからエネルギーを分けるとしよう。

 

拠点であるホームカプセルは博麗神社の庭に置いてある。森の中にでも適当に置いておこうと思っていたのだが、妖怪や妖精が電撃の餌食になって騒ぎになるのは面倒だと言われた。まあ僕の動向を監視する目的もあるんだろうがな。

 

犠牲者の体調も幾分か良くなったようだ。森近にテンプルアーマーを持ち帰る許可を取り、僕は博麗神社へと戻った。博麗がサンドワームを見て絶句していたが、構わずに動力炉を稼動させる為の作業を行う。特に問題も起こらず、動力炉は起動した。

 

テストとして空を飛ばせたり地面を掘らせたが、やはり問題はなかった。博麗がうるさいだの何だの文句を言ってきたが、僕の耳には入らない。初めてプラモデルを完成させた少年の如く、僕の心は高揚していたからだ。

 

 

 

 

そして、僕がテンプルアーマーを取り戻した翌日。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷は、紅い霧に包まれた。




テンプルアーマー:ジェットパック

空中戦用に作られたテンプルアーマー。戦闘機をモチーフにしている。
背中に取りついた後、全身に装甲を展開、装着される。背中と足の部分にブースターがあり、それを使って空を飛ぶ。
また、装着していない独立した状態でも自由に行動できる。
音速を超える速度を出せるが、体全てを装甲で覆っている訳ではないので滅多にトップスピードは出さない。独立状態なら気にせず出せる。

武装

チェーンガン
頭部に装備されている、貫通を目的とした実体弾。牽制用だが、相手によっては決定打になる。


ミサイルランチャー
機体下部(装着時は肩)に装備されている。ホーミング性能が高い。


ソニックブレード
装着時、腕に装備される実体剣。刃を振動させて空気の刃を作って纏い、風と剣の2つの刃で切り裂く。振動している時は刀身が白く光る。



テンプルアーマー:サンドワーム

地中戦、地中からの奇襲用のテンプルアーマー。芋虫やムカデをモチーフにしている。

頭部に6本の触手があり、それをドリルのように巻きつけて使い、地中を進む。射撃武器は装備していない。一応装着できるものの、あまり必要とされる場面が無い。


武装

触手
相手に巻きつけて地中へ引きずり込んだり、締め上げる事ができる。
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